Day6
ISAF Sailing World Cup Miami
ISAFセーリングワールドカップ マイアミ大会
Report by 斎藤愛子(オリンピック強化委員会)
Photo by JSAFオリンピック強化委員会スタッフ
1月31日 最終日
マイアミワールドカップの最終日、5クラスずつ2海面に分かれてのメダルレースとなりました。
日本からは470男女が出ましたが、470男子がB海面で13時30分、470女子は同じB海面で14時20分のスタートでした。
北東からの風は12ノット前後で強弱があり、左右から入るガストは相変わらずで、難しいレースでした。吉田・吉岡組は後ろの4位と1点差で、6位までも僅差でレースをスタートしましたが、堂々のトップフィニッシュを飾り、総合でも3位をキープして表彰台に上がりました。
吉田・吉岡組はレース中に何かが起こっても、すぐに気持ちの切り替えができるようになったこと、ダウンウインドで波に合わせて調整できるようになったことが成果に現れ、自分らしいレースができるようになりました。まだまだ課題は沢山ありますし、前をいくニュージーランドやイギリスとの差もありますが、少しずつ課題を克服し、表彰台の中央にあがる日がきてほしいと思います。
吉田:「ニュージーランドやイギリスは後ろを走っていても、ワンチャンスで上がってくる。チャンスがいくつもあるはずだから、見落とさないようにと考えるようにして、失敗した時もどこかにチャンスがあるはずだと見回すようにしました。そうしたら、結構、ちゃんとチャンスをものにでき、悪い順位から落ち着いて上がっていけました。今日もスタートで失敗した時には短いレースだからまずいと思いましたが、前でタックされて仕方なく反対にいき始めた時に最初から左へいった集団といい感じでミートしたので、もしかしたらと思って伸ばしていったら、自分のところに先にいいブローがおりてきて、合わせてタックしてトップにでました」
吉岡:「スタートの失敗でハラハラドキドキでしたが、挽回できてよかったです。1上ではタックをミスしてしまったと思いましたが、フリーで後ろが集団になってスローダウンしたおかげで、自分たちだけ抜けていけたので良かったです。フィニッシュ前は後ろと大差ができて、気持ちよくフィニッシュできました」
男子の松永・吉田組は10位でメダルレースに入りました。
僅差のレースの途中5位にあがる場面もあったものの、フィニッシュライン際に見える観覧艇のカタマランをラインボートと間違え、ジャイブポイントが遅れたのが痛いミスとなりました。6位フィニッシュで、トータルは変わらず10位でした。5位だったら9位になれただけに、残念なミスでした。
本大会全般をふり返ると、中盤で崩れた時に課題となった悪い点を大会中に修正できたことが成果です。コミュニケ―ションの取り方が曖昧だった点がクリアできました。男子は僅かな差で勝負していますから、小さなミスが1位下げることにつながります。凡ミスを減らして、より上位を目指してほしいと思います。
マイアミワールドカップは本日で終了です。
2月2日にはISAFランキングが発表され、上位30艇に第3戦イエール大会の招待が出されます。新しいシステムで始まったワールドカップですが、招待が出ない31位以下の選手は予選となるパルマでの10枠に入りイエールへの参加権利を獲得しなければならないわけです。厳しい戦いです。
1月24日からの1週間、応援をいただき、ありがとうございました。マイアミワールドカップは吉田・吉岡組の銅メダルで終了です。次は3月28日から開催されるプリンセスソフィア杯です。RS:X男子と470男女が代表選考のかかる大会となります。
●大会サイト:http://www.sailing.org/worldcup/results/index.php
●日本選手の成績:
RS:X級男子〔リオ五輪代表選考の1回目指定大会/66艇/31カ国〕
○富澤慎(トヨタ自動車東日本)
20位 12-13-10-21-7-6-(29)-29-17-17-9-19-17-4
○板庇雄馬(立命館大学)
53位 21-23-22-(DNC)-DNC-DNC-18-18-RET-16-16-11
470男子〔45艇/24カ国/本日メダルレース〕
○松永鉄也・吉田雄悟(スリーボンド)
10位 2-10-20-11-27-(32)-5-9-6M
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
19位 19-11-25-23-22-2-(3)-23
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
34位 30-24-34-33-26-(39)-27-39
470女子〔31艇/18カ国/本日メダルレース〕
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
3位 5-7-4-(12)-10-6-2-10-1M
49er級〔58艇/23カ国〕
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
24位 3-14-11-11-15-6-14-15-(28)-12-28-21
▲470女子の表彰台は左から3位吉田・吉岡、2位イギリス、1位ニュージーランド
▲470男子の表彰台は左から3位スペイン、2位オーストラリア、1位イギリス
▲メダルレースをトップフィニッシュで終えた470女子の吉田・吉岡組の満面笑みの2人
▲OPセーラーもメダルレースを観戦にきました
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day5
1月30日 5日目
オープニングシリーズの最終日です。
弱い西風の中、早い時間にスタートしたフィン、49erFX、フィン、RS:X男子、レーザーラジアル女子のゴールドフリートがレースをすることができましたが、午後からスタートのクラスはレース海面に出たものの、レースをできずに戻ることになってしましました。
日本選手の中で唯一レースをした富澤は最後に4位をとって総合でも20位にあがりました。また、レースがなかった470男女は昨日の成績と変わらないため、男子松永組が10位、女子の吉田組が3位で明日のメダルレースに進みます。
マイアミのレース運営には、地元のウェザーサービスが気象情報を提供しており、かなり正確な風の予報をもっています。今日は昼で北西の風がなくなった後、南から海風が入りました。欧州勢は遅い時間までレースすることに慣れていますが、アメリカはそうでもないようで、15時には本日ノーレースとなりました。
RS:X男子はメダルレースへ進出しませんでしたので、本日のレースでマイアミワールドカップは最終成績となります。リオ五輪代表選考の得点については、別途HPにて報告いたします。
RS:X級男子
パンピングコンディションで2レースが行われました。
富澤は1レース目第一線からスタートし好位置につけていましたが、1上途中でスタボード艇の集団をかわし、その間に順位を落としてしまいました。2上へのレグではしっかり風の振れに合わせることができ、17番でフィニッシュしました。
次の第2レースまでの間にセールのチューニングを少し変え、さらに風が落ちた中での第2レースがスタートしました。初めから右海面を使おうとしていた富澤はポートタックでのスタートで、第一線からのスタートではなかったものの、右から来る風をうまくつかみ1上を3位で回航、その後2上で1つ順位を落としはしたものの4位でフィニッシュ、総合でも3つ順位を上げることができました。
板庇のシルバーフリートは、風がないためレースが行われず、昨日までの結果が最終成績となります。板庇は第9レースでコースを間違えて回ったためリタイアしました。
リオ五輪のRS:X級男子選考大会第1戦がこれで終了です。今回は、とても難しいコンディションでのレースで、選手たちもいろいろと学ぶところがあったと思います。これから最終選考大会(パルマ・プリンセスソフィア杯)に向け2カ月弱の練習を積み、さらにレベルを上げて挑んでほしいと思います。
470級男女
今日は12時半のスタートに合わせて海上に出ましたが、15時過ぎまで待って、結局レースができずに帰着しました。
昨日までの成績で、松永・吉田組が男子10位、吉田・吉岡組が女子3位で明日のメダルレースに進みます。土居・今村組、飯束・八山組はチャーター艇での参加で苦心していましたが、今日までの成績が最終成績です。
470男子はイギリスのPatience組がオーストラリアのBelcher組に15点差をつけてメダルレースに入ります。松永組は7位くらいまでと点が近く、吉田組は表彰台目指して明日、僅差の勝負となります。
吉田愛:「今日は朝、海へ出る前にスポット計測で艇の重量チェックがありましたが、シート類がしめっていたこともあり、121.1kgでした。乾いたら、ちょうどいいくらいだと思います。」
49er級
49erはFXと同じ海面を午前・午後で入れ替えてレースを行っています。
本日午前中のレースだったFXは予定通り3レースができましたが、13時スタート予定の49erが海面に到着したころには風がなくなり始め、49er級のレースはキャンセルされました。得意の軽風域で少しでも順位を上げようと出艇した49erの牧野・高橋組でしたが、残念ながらレースはできず、昨日の順位のまま24位で大会を終えました。
今回の成績を見ると、まだ国枠を獲得できていない国の中では4番目の順位なので、11月アルゼンチンでの世界選手権での3枠に入るためには、あと一歩のところです。体重増量とフィジカル強化の成果が随所に確認でき、今回はチャーター艇だったことも踏まえると、今後に期待が持てる内容でした。これからが勝負です。
●大会サイト:http://www.sailing.org/worldcup/results/index.php
●日本選手の成績:
RS:X級男子〔リオ五輪代表選考の1回目指定大会/66艇/31カ国
/本日ゴールドフリート2レース、シルバーフリートは無風のためレースできず〕
○富澤慎(トヨタ自動車東日本)
20位 12-13-10-21-7-6-(29)-29-17-17-9-19-17-4
○板庇雄馬(立命館大学)
52位 21-23-22-(DNC)-DNC-DNC-18-18-RET-16-16-11
470男子〔45艇/24カ国/本日レースなし〕
○松永鉄也・吉田雄悟(スリーボンド)
10位 2-10-20-11-27-(32)-5-9
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
19位 19-11-25-23-22-2-(3)-23
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
34位 30-24-34-33-26-(39)-27-39
470女子〔31艇/18カ国/本日レースなし〕
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
3位 5-7-4-(12)-10-6-2-10
49er級〔58艇/23カ国/本日レースなし〕
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
24位 3-14-11-11-15-6-14-15-(28)-12-28-21
▲RS:X男子、最終レース大混戦のスタート
▲RS:X男子の富澤、3位で1下へ
▲マイアミのダウンタウンの摩天楼を背景にスタートするRS:X女子
▲風がよわくてマークが打てません
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day4
1月29日 4日目
大会も後半に入り、4日目が終了しました。
470女子の吉田・吉岡組は堅い順位をキープし、総合3位に上がりました。
気温20度あるかないかの晴れた1日でしたが、雲が発達すると風がなくなり、レースエリアでラルに入ると取り残されてしまいます。ガストをつないでのっていくコースがとれるかどうかがポイントでした。
RS:Xと49erは12レース、470男女は8レースを終えて、明日がメダルレースに残る10艇を決定するオープニングシリーズの最終日となります。
今日はRS:Xの富澤選手がトップレベルの選手と競いあう中で発見があり、自らトライしたことが走りに良い変化をもたらす過程を見させてもらいました。思い切りよいコースで上位に入ってくるフランスやイタリアの若い選手たち、1上の順位が悪くても2周目で挽回してくるベテランたち。オリンピックチャンピオンのオランダは誰よりも先にプレーニングし始め、誰よりも長くプレーニングしています。人から得ること、盗む技、ワールドカップはよい機会です。
ワールドカップは第3戦のイエールからエントリーが制限されて、各クラス40艇となります。マイアミ大会が終了した翌日の2月2日に発表されるISAFランキングの上位30名に招待がだされ、選手は72時間以内にイエールへの参加か否かをISAFへ返信しなければなりません。
30名のうち、参加しない選手がいた場合、その枠を予選会のプリンセスソフィア杯に加え、10枠プラスとします。第4戦のウェイマスも同様にイエールが終わった直後のランキングで上位30位を招待し、72時間以内の返答で、予選会のメデンブリックの枠が10プラスいくつになるか決定するという具合です。
マイアミへ来ている人たちはランキング30位以内を獲得して有利に展開すべく道が開けています。それ以外にワールドカップへの道を狙うなら、ランキング100ポイントの大会を狙ってポイントを稼ぐことが新たにワールドカップへ出たいと思うセーラーたちへのメッセージでしょうか。下記、ワールドカップの予選について記載されています。
http://www.sailing.org/tools/documents/2015QualificationSystemSWC-[17739].pdf
RS:X級男子
今日はゴールドフリートが11時スタート、シルバーフリートは13時30分スタートでした。
ゴールドフリートの風向は60度から70度と安定しているのですが、ガスティーコンディションでのレースになりました。
富澤とは今日のコンディション、スタート、状況判断について話し合い、レースがスタート。
ガスティーなコンディションの中、プレーニング、ラルに入るとダガーを出して走る走りなどをうまく使い分け、2レース目では1上2位で回航しました。その後タイトな上位陣の中で若干順位を落としたものの9位でフィニッシュ。他の2レースは10番代後半でしたが、総合でも3つ順位を上げることができました。
シルバーフリートは午後からのスタート。すっかり風が落ちてしまい、パンピングコンディションでのレース展開となりました。板庇は好スタートを切るのですが、そこからのコース取りに苦戦し順位を上げることができませんでした。3レース共に10番前半の成績でしたが、最後は11位と、トップ10まであと一歩でした。
富澤:「1上2位のレースはセッティングを少し変えました。プレーニングが速くなって良かったこともありますが、ポートスタートがうまく出られ、スターボード艇の前を抜けられたのが大きかったです。下へ行く時に先にジャイブしたのがミスでしたけれど、トップ付近はワンミスで5、6艇に行かれるような厳しいところで、その中で走り負けずに喰いついていけるよう、今日つかんだプレーニングをもっと磨きます」
▲富澤のポートスタート
▲ JPN11 富澤の最終マーク回航。この後、シングルフィニッシュへ
▲下マークへ向かう板庇
▲RS:Xシルバーフリートのスタート
470級男女
昨日までより弱めの風の中で2レースを行いました。マークセット75度→65度の設定で、風速10ノット前後の中でのレースとなりました。
男子は昨日、不甲斐ない順位となった松永・吉田が復活を果たしたレースを見せてくれました。昨日の悪かった所を修正してレースに臨んだ松永チームは、「二人がお互いに気を使いあい過ぎてしまい判断が遅くなり、タックポイントを逃したことが敗因と結論づけ、役割分担を再度確認し合えたことで、今日は良いレースができました」
女子について、総合3位に着けた吉田・吉岡組の言葉がすべてを語ります。
「今日は2レースともスタートがばっちり決まりました。1レース目は1下で風をとらえられず、一気に抜かれてしまいましたが、その後徐々に抜き返し、2位でフィニッシュすることができました。 2レース目は1上の途中までいい位置にいたのですが、藻に引っ掛かっているのに気づくのが遅く、もったいないことをしてしまいました。 落ち着いて自分たちのレースができれば結果はついてくると思います。明日も頑張ります」
明日がフリートレースの最終日。女子は総合3位、男子は10位に着けており、しっかりレースができれば男女ともメダルレース進出になります。
▲ロンドン金メダルチームを抑えて2位フィニッシュの470女子の吉田・吉岡
▲本日2レースをシングルフィニッシュしメダルレースに大手を掛ける470男子の松永・吉田
49er級
決勝シリーズ2日目は、10ノット前後のコンディションで3レースが実施されました。
大会が始まってから岸からの風でのレースとなっていますが、毎日少しずつ風向が違い、レースエリアに流れてくる風の特徴が違うため、 選手はコース選択で頭を悩ませるレースが続いています。
今日の第1、第3レーストップグループで回航できるチャンスがありましたが、上マーク付近での変化の激しい風に対してアプローチのサイドを誤り、あと一歩のミスが目立ちました。こういったチャンスを捉えることができるかが、今後、牧野・高橋組がワンステップ上に行くためには必要なことなので、ゴールドフリートでの1つ1つの反省を次への力に変えてもらいたいと思います。
▲49erゴールドフリート第4レースのスタート。今日はスタートが改善されましたが、コース選択のミスが重なりました
▲49erゴールドフリート第4レースでシングル後半で第2マークを回航する牧野・高橋
●大会サイト:http://www.sailing.org/worldcup/results/index.php
●日本選手の成績:
RS:X級男子〔リオ五輪代表選考の1回目指定大会/66艇/31カ国
/本日3レース・2グループ〕
○富澤慎(トヨタ自動車東日本)
23位 12-13-10-21-7-6(29)-29-17-17-9-19
○板庇雄馬(立命館大学)
52位 21-23-22-(DNC)-DNC-DNC-18-18-RET-16-16-11
470男子〔45艇/24カ国/本日2レース〕
○松永鉄也・吉田雄悟(スリーボンド)
10位 2-10-20-11-27-(32)-5-9
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
19位 19-11-25-23-22-2-(3)-23
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
34位 30-24-34-33-26-(39)-27-39
470女子〔31艇/18カ国/本日2レース〕
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
3位 5-7-4-(12)-10-6-2-10
49er級〔58艇/23カ国/本日予選3レース・2グループ〕
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
24位 3-14-11-11-15-6-14-15-(28)-12-28-21
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day3
1月28日 3日目
今日は、北風が13ノット前後の中でのレースとなりました。
冬でもTシャツ、短パンのマイアミではなく、晴れていても風が冷たく、気温は19度。RS:Xと49erは3レースずつ、470は2レースを行いました。
決勝グループに入った49erとRS:Xは上位が揃ってタイトなレースとなりましたが、岸に沿って入ってくる風と岸を越えてくる風とで、レースエリアには強弱やエアポケットのようなラルができていました。ガストが流れてくる向きがつかめるかどうかが勝敗を分けていたようです。
安定して適当な強さの風が吹いたため、すべてのエリアでスケジュールどおり順調にレースができました。明日は風向が北東に変化しますが、15ノット前後の風が予報されています。今日、うまくいかなかった選手は立て直して、しっかり海面を見てほしいと思います。
RS:X級男子
スーパーガスティー、シフティーのとても難しいプレーニング・コンディションの中、3レースが行われました。富澤(ゴールドフリート)は決勝の2レース共にスタートに迷いがあったのか、スタートをうまく切ることができませんでした。このスタートの遅れが影響して、コース取りもエアポケットのようなラルに多く入ってしまうことやマイナスを多く走ってしまうことにつながり、昨日のような順位を取ることはできませんでした。
決勝3レース目は、スタートを一線で飛び出し、1下11位で回航し、上位グループの中で対等に走りました。2上付近で風に上手く合わせることができず順位を落としたものの、フリーでは若干挽回し、17位でフィニッシュしました。ゴールドフリートは、若い選手の活躍が目立つ3レースでした。
富澤:「今日はスピードじゃなかったです。どこを走るかが勝負でした。速くても勝てないレースでした」
板庇は、昨日のマストトラブルがありシルバーフリートでのレースとなりました。シルバーフリートの3レース目はアウターコースでしたが、28名の選手がインナーを回り、運営から抗議されました。残念ながら、板庇はその28名に含まれています。板庇も富澤同様にコンディションに翻弄されてしまい、順位を伸ばすことができませんでした。2選手ともレース中の視野がとても狭いので、大きな視野でのレース展開を期待したいです。
▲出艇
▲RS:Xゴールドフリートスタート
▲富澤フィニッシュ
▲RS:Xシルバーフリートスタート
▲3レース目の前にバテンのテンションをいれる富澤
470級男女
どのレース海面も岸からトリッキーな風で選手は頭を悩ませられた1日だったと思います。
女子の吉田・吉岡が最初のマークが悪くても順位を上げてフィニッシュできるようになっているのが収穫です。チャンスを見つけるタイミングや、マーク際でのポジション取りが良くなっているからだと思います。
男子は皆苦戦していますが、本日の2レース目に土居・今村(アビーム)が狙いを定めたかのようなスタートから常時トップ争いを見せ、2位でフィニッシュしてくれました。昨日、今日と目まぐるしく風の変わる中で選手はストレスを感じているのではないかと思いますが、よくその場に応じた状況判断、自分らしさを出すことで必ずチャンスが見つけ出せる気がします。
土居:「いい風が吹いていますが、振れと強弱がとても激しい海面です。風に翻弄されているので、もっと戦い方を勉強しなければいけません。後半戦はもっと周りを広い視野でみて、スタートからコース取りを思い切ってやり、順位をもっと安定させていきたいです。ダウンウインドももっとアグレッシブにいきたいと思います」
今村:「風の強弱に加えて振れも大きく、あっという間に順位が変動するレース展開でした。昨日までの反省では、風のシフトに敏感になりすぎてタックの回数が増え、さらに奥から吹く風を逃してしまうケースが多々ありました。6レース目は艇団よりも先に風を掴むポジションを意識してスタートし、大きな風が入るまで我慢する走りを心がけた結果、上位でフィニッシュできました。多少運にも恵まれましたが、2位という結果を嬉しく思います。明日以降のレースもこれまでの反省を活かして上位を目指して頑張ります」
▲2レース目でトップ争いをする470男子の土居・今村(アビーム)
▲苦しみながらもチャンスを生かし総合5位につける470女子の吉田・吉岡(ベネッセ)
49er級
本日から決勝シリーズとなり、牧野・高橋組はゴールドフリートでのレースとなりました。
10~15ノットのコンディションで3レースが実施されましたが、昨日から風向が40度右にずれたことで、昨日の風の傾向とはまた違った難しいコンディションでした。 牧野・高橋組は、3レースとも混戦の中から出遅れたスタートとなってしまい、苦しいレースが続きました。それでも、1、2レース目は、フリート後方から10番台前半まで追い上げてのフィニッシュでしたので、風の見極めは改善できているようです。スタートで出遅れずにレースができればまだまだ上位を狙える手応えはありますので、さらに改善し明日以降も頑張ってもらいたいと思います。
牧野:「1、2レース目は、シングルで行けるチャンスがありましたが、あと少しのタックやジャイブのポイントで、もったいないレースでした。3レース目は、スタート前の状況判断が遅かったです」
▲49erの決勝ゴールド第3レース。シフト幅が大きく、全艇がポートでスタート
▲岸近くの第1マーク付近は、シフティ・ガスティ。アプローチでどちらを選択するかで大きく順位にも影響しました。
▲PROはレース委員長で、海上運営を統括する役割を担う。複数海面の時は調整がたいへんです
●大会サイト:http://www.sailing.org/worldcup/results/index.php
●日本選手の成績:
RS:X級男子〔リオ五輪代表選考の1回目指定大会/66艇/31カ国
/本日3レース・2グループ〕
○富澤慎(トヨタ自動車東日本)
26位 12-13-10-21-7-6-(29)-29-17
○板庇雄馬(立命館大学)
54位 21-23-22-(DNC)-DNC-DNC-18-18-18
470男子〔45艇/24カ国/本日2レース〕
○松永鉄也・吉田雄悟(スリーボンド)
14位 2-10-20-11-27-(32)
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
20位 19-11-(25)-23-22-2
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
34位 30-24-34-33-26-(39)
470女子〔31艇/18カ国/本日2レース〕
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
5位 5-7-4-(12)-10-6
49er級〔58艇/23カ国/本日予選3レース・2グループ〕
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
17位 3-14-11-11-15-6-14-15-(28)
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day2
1月27日 2日目
2日目は冬のマイアミらしい青空が戻ってきましたが、北西から15ノット前後の風がレースエリアに吹きわたり、日蔭にいると寒く、日向は暑い1日でした。北西からビスケイ湾に入る風は陸の上で弱まり、ビルの間を抜けてくる影響で、強弱が激しいです。日照で気温が上がると、強弱の差が大きくなり、シフトも加わり難しいレース海面でした。
RS:X男子はトラブルに泣く1日となりました。第4レースで富澤は途中でバテンが折れ、完走はできましたが、21位。板庇はスタートラインへ行く時にマストが折れて今日の3レースがDNCとなってしまいました。
49erとRS:X男子は今日で予選が終了し、明日からはゴールド・シルバーの2フリートに分かれて3日間レースを続けます。牧野組は激戦の49er級の中、堂々16位。富澤は19位でゴールドに進みます。板庇は折れたマストを悔しそうに見ていましたが、今回はシルバーで頑張ります。
運営サイドの話になりますが、今大会は公式掲示板に紙でノーティスを掲示するのとほぼ同時にインターネット上でノーティスをアップします。プロテストタイムリミットも、ヒアリングの結果も、みなオンラインノーティスボードに出ます。これから東京五輪に向けて日本でも国際大会が増えていきますが、複数の会場で同時にレースが進行するワールドカップでは、この仕組みになりますので、下記ノーティスも参考に見てください。
http://www.sailing.org/worldcup/onb.php
RS:X級男子
安定した風の中、プレーニングコンディションで1レース目が行われました。富沢は上位で回航しましたが、途中でバテンが折れ、順位を落としてしまいました。続けて行われた第2、第3レースは共に風が落ちガスティー、シフティなトリッキーコンディションとなりましたが、富沢はしっかり状況判断ができ6、7位と2レースともにシングルを獲得することができました。板庇はマストトラブルで3レース共にレースに出ることがでませんでした。今日で予選が終了し明日からは決勝フリートでの戦いになります。さらに上位に行けるよう頑張ってもらいたいです。
富澤:「折れたバテンを交換したら、セールを引きこんだ時にぐっと手ごたえがくるようになりました。もしかすると、バテンが折れそうになっていたので昨日まで違和感があったのかもしれません。明日からの決勝でもっと走れそうな気がします」
板庇:「準備がうまくできていなかったです。予備も揃えきれてなかったし。今回こそゴールド! と思っていただけに、悔しいです」
▲シングルで回航2上へ向かうJPN11の富澤
▲マストが折れてしまった板庇のRS:X
470級男女
昨日同様、陸からの風となりました。予報通りの15ノットの風でしたが、下は10ノット、上は18ノットと強弱と共にシフトも大きいのが今日のコンデシションでした。
470級 に限らずどのクラスを見ても、順位の変動が大きくコース取りのパターンを見つけにくいレースでした。日本の選手もレースの組み立てに苦労したとのこと。コーチボートから見ていてブローの流れが速いので、もう少し先を見て、行く側の選択をするのが良い結果に繋がるのではないとみていました。
日本の470級は男女とも3月末から始まるリオ・オリンピック選考に向けて各チーム気合いが入っており、男子についてはチャーター艇を使用してでも参加すると言う意気込みが感じられます(土居、飯束はチャーター艇)。
吉田愛:「レースは難しい風の中、最初で失敗した時も、そこから上がっていけてるので良かったと思います」
▲470男子、チャーター艇で参加のJPN11土居・今村(アビーム)とJPN7飯塚・八山(SPN)
▲470女子の第3レース、第4マーク(1下マーク)に向かう吉田愛・吉岡(ベネッセ)
49er級
49erは、15~18ノットのコンディションで予定通り3レースが実施されました。昨日よりも風は弱まったものの、強弱の激しいコンディションで順位の入れ替わりが大きいレースでした。
牧野・高橋は走り自体は上位陣と遜色なく、3レースともシングルで回航する場面がありましたが、途中のコース選択ミスで順位を後退させてのフィニッシュとなりました。それでも他の多くのチームも同様に苦戦している中、3レースをまとめ総合順位では昨日の17位から16位へアップしました。明日からの決勝シリーズでは、本日のミスをどこまで修正できるかがさらに上位に食い込めるかのカギです。
牧野:「8kgの増量の効果が出ています」
高橋:「みんな速いので、きついです。でも、運もあり、結果がついてきているので、負けずに後半がんばります。」
▲49er第4レース、1マークへのアプローチ。昨日より風速は弱まったものの、強弱の激しいコンディションでした
▲49er第4レース、トップグループで展開する牧野・高橋
●大会サイト:http://www.sailing.org/worldcup/results/index.php
●日本選手の成績:
RS:X級男子〔リオ五輪代表選考の1回目指定大会/66艇/31カ国
/本日予選3レース・2グループ〕
○富澤慎(トヨタ自動車東日本)
19位 12-(13)-10-(21)-7-6
○板庇雄馬(立命館大学)
59位 21-(23)-22-(DNC)-(DNC)-(DNC)
470男子〔45艇/24カ国/本日2レース〕
○松永鉄也・吉田雄悟(スリーボンド)
9位 2-10-(20)-11
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
20位 19-11-(25)-11
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
34位 30-24-(34)-33
470女子〔31艇/18カ国/本日2レース〕
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
5位 5-7-4-(12)
49er級〔58艇/23カ国/本日予選3レース・2グループ〕
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
16位 3-14-11-11-(15)-6
▲チームTMEJには石川裕也夫人も特別サポート中
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day1
1月26日 初日
63カ国、605艇、837名のセーラーが集まり、西風が20ノット前後吹く中でワールドカップ・マイアミがスタートしました。
今大会は予想を大幅に上回る数のエントリーがあったため、大会会場になるハーバー施設は混雑しています。
各エリアで2ないし3種目を実施するため、スタート時刻をずらして対応します。早いグループは10時、遅いグループは14時のスタートになりますが、レースを終えて戻ってくる艇とこれから出艇するグループが重なるとハーバーの出入りが混雑し、出船優先の順番待ちで選手たちは苦労しました。
RS:X級男子
午前11時過ぎにレースエリアを巨大な雨雲が通過して風が大きく右へシフトし、突風を伴う強烈な雨が降りました。RS:X男子は青組がスタートした直後でしたが、ノーレースになりました。仕切り直して12時14分から第1レース、続けて2レース、合計3レースを実施しました。富澤選手は10番代前半でまとめましたが、2グループに分かれているため、トータルは26位です。
富澤:「角度やスピードは良いのですが、ヨットレースがいまイチですね。今日みたいに陸から吹いてくる風で、おりてこないパターンは得意ではありません。ちょっとせっかちなレースをしてしまい、いっしょに走っている選手が少しだけ後からタックしてトップ5に入っていくのを見て、もうちょっとだけ待てば良かったという場面が何回もありました」
▲RS:Xのスタート!
▲上マークへ向かうJPN11の富澤
470級男女
大会初日、後スタートの女子の第1レースはサンダーストームの影響で一時的にサバイバルなコンデシションがありましたが、16~20ノットの平水面でのレースでした。
サンダーストームの接近でゆっくり右へシフトする風、レースエリア右側の岸の影響、風が上がり始める際に起こる風の強弱、といった変化の多い中で、選手は何を基準にレースを組み立てるか、コース選択が難しい日となりました。
男子は松永・吉田組が良いスタートからフリートをリードしトップと僅差の2位、幸先の良い出だしとなりました。女子は2レースを纏められない艇が多い中で、吉田・吉岡組が5位、7位とスコアを纏めて初日総合4位と安定しています。
松永:「良いスタートができ、ボートスピードも大分安定してきたので、トップを狙えるところまで来ています。また、2レース目では最初のレグでミスをしても追い上げるレースができていますので手ごたえを感じていますが、守りと攻めのタイミングがまだまだなので、その辺りのリスク管理 をもう少しできるようにしたいと思います」
吉岡:「今日は1レース目の途中で風が吹き上がり、動作のミスもあり落ち着いたレースができませんでした。強風のレースをもっと経験したいと感じました」
▲第1レース、2位でフィニッシュラインを切る松永・吉田(スリーボンド)
▲第2レース、上マーク回航直前の吉田・吉岡(ベネッセ)
49er級
49erは予定の3レースが行われましたが、1レース目の途中から強烈なブローが入り始め、沈艇続出のレースとなりました。49erの海面は浅瀬のため、マストが刺さり、折れてしまう艇も多数いました。そのなかで、牧野・高橋は、なかなか納得のいくセッティングで走れず不満もあったようですが、それでも第1レースでは3位でフィニッシュし、昨年9月に開催されたサンタンデールでのISAFワールド後から取り組んでいるフィジカル対策が少しずつ走りにも表れてきているように感じます。明日からも良い風が吹く予報ですので、さらに上位を狙っていきます。
▲49er第1レースのスタート直後
▲49erの第1レースは強烈なブローで沈艇続出のレースとなりました
明日もRS:X男子と49erは3レース、470男女は2レースを予定しています。今日のようなストームの通過はない予定ですが、寒気が入ってきたので、安定した北西から15ノット前後を期待しています。また、今日で3レースが成立したので、明日レースができればRS:X男子と49erは予選グループのレースが終了します。
本大会はトップランカーが揃っています。強風シリーズは久しぶりですが、いくつかの国はリオを照準に選考を始めています。地元ブラジルは各クラスに2艇ずつ代表候補をおき、ここからプレ五輪までの間に各大会での結果を見て、選考委員会が判断して代表を決定するそうです。日本もRS:X男子の選考が始まりましたが、エース種目の470男女、49erともに、この高いレベルの中でしっかり戦ってほしいと思います。
●大会サイト:http://www.sailing.org/worldcup/results/index.php
●日本選手の成績:
RS:X級男子〔リオ五輪代表選考の1回目指定大会/66艇/31カ国
/本日予選3レース・2グループ〕
○富澤慎(トヨタ自動車東日本)
26位 12-(13)-10
○板庇雄馬(立命館大学)
46位 21-(23)-22
470男子〔45艇/24カ国/本日2レース〕
○松永鉄也・吉田雄悟(スリーボンド)
5位 2-10
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
17位 19-11
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
29位 30-24
470女子〔31艇/18カ国/本日2レース〕
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
4位 5-7
49er級〔58艇/23カ国/本日予選3レース・2グループ〕
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
17位 3-(14)-11
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
SWCM
ISAFが主催するワールドカップ・マイアミ大会が、アメリカ・フロリダ州マイアミで開催されます。
2015年シリーズは12月のメルボルンを皮切りに始まり、マイアミは第2戦目となります。
マイアミが地理的に離れていることがあって、これまでのエントリーは各クラス20艇前後でした。しかし、2015年からは欧州でのワールドカップがランキング上位選手40艇に制限されることになり、今大会終了時のランキングが第3戦目のイエール大会へのシード参加の選手を決定します。エントリー数が少なく穴場であったはずの同大会はこれまでで最高数のエントリーを迎え、主催者は準備に追われています。
▲レースに向け調整する49erのTMEJチーム。サンタンデールの反省から2人で8kgの増量を図りました
●開催地:アメリカ・フロリダ州 マイアミ Miami USA
●大会日程:
1月24日~25日 受付・計測(ワールドカップ簡易計測)
1月26日~30日 10レース実施(49erとRS:Xは15レース)
1月31日 オリンピッククラス メダルレース
各種目別スタート時刻等はSIのAddendum Cに記載されています。
●参加国:約570艇/45カ国(大会受付け終了後に正しい数字がでます)
●出場選手:
RS:X級男子(リオ五輪代表選考の1回目指定大会)
○富澤 慎(トヨタ自動車東日本)
○板庇雄馬(立命館大学)
470男子
○松永鉄也・吉田雄悟(スリーボンド)
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
470女子
○吉田 愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
49er級
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
この大会には日本から7艇、12名の選手が挑戦します。ひと種目でも多く、メダルレースに進出できるよう、頑張ります。なお、代表選考の詳細についてはオリンピック強化委員会HP(トップページ右の代表選考選考方針等)をご覧ください。最終日まで応援をよろしくお願いします。
●大会サイト:http://miami.ussailing.org/
●公示・帆走指示書:http://www.sailing.org/worldcup/onb.php
オリンピッククラス10種目とパラリンピック3種目、合計13種目が6海面に分かれ、4カ所の会場から出艇します。レースエリアは帆走指示書(SI=Sailing Instruction)のAddendum Aに図で記載されていますが、一番北からA(アルファーエリア)に49er黄グループとFX、B(ブラボーエリア)にパラリンピックのソナー、スカッド、2.4m級、C(チャーリーエリア)に49erの青グループとナクラ、D(デルタエリア)にRS:X男女、E(エコーエリア)にレーザー男子とラジアル女子、F(フォックストローエリア)に470男女とフィンとなります。
合計601艇がエントリーをしていますが、31艇はウエイティングリストになっています。RS:X男子は今大会がオリンピック代表選考の1回目の指定大会になりますが、最終エントリー数は25日の受付けが終了してから決定となります。
レース会場は4カ所に分散しています。
49erはキービスケインへ行く途中の橋のたもとにあるMiami Rowing Clubの敷地がベースで、芝生から海へボートを降ろします。ナクラも同じ場所です。RS:X男女はCoconut Grove Sailing Club、フィンとパラリンピッククラスがShake A Leg、470男女とレーザー、ラジアルがUS Sailing Centerとなります。マイアミのダウンタウンから南側になり、比較的裕福な層が住むエリアです。ウォーターフロントにはヨットクラブや自宅に艇を係留する豪華な家が立ち並びます。海外ドラマでよく見るマイアミの風景そのままですが、季節は冬になりますから、空の色は真夏の青さがありません。
各クラブに分散しての開催ですが、49erがいるRowing Clubは普段何もない空き地に仮設での開催となり、居心地はよくありません。コンテナがずらりと並ぶスペースがあるのは楽ですが、欧州で開催されるワールドカップのような華やかさはなく、予想以上の数の艇が集まってしまい、四苦八苦しながら大会をやりくりしている雰囲気です。
日本からは470男子3艇、470女子1艇、49er1艇、RS:X男子2艇の4種目、合計7艇の選手が参加します。朝晩は涼しいながらも、日中の気温25度前後のマイアミは真冬の日本を脱出して、トレーニングやレースには絶好のコンディションです。ビスケイ湾はフラットな海面で中微風が多いのですが、マイアミの街やキービスケインを越えてくる風は不安定で、強弱があります。ガストとシフトをうまくつかむことがキーポイントです。
470とRS:X男子は17日~18日に開催された北米選手権がウォームアップレガッタになりましたが、松永組、吉田愛組が3位、富澤が4位と好調です。また、リオ代表選考が始まるRS:X男子ですが、2番手で参加の板庇も昨年9月の世界選手権から更に力をつけ、ウォームアップレガッタでは7位に入りました。スエズ運河で船が渋滞しているためニュージーランドはコンテナが到着しておらず、急遽現地チャーターになるかどうかという状況で落ち着きません。ブラジルもヨーロッパから送ったコンテナがやっと到着し、ぎりぎり間に合ったところです。
松永、吉田はアブダビのワールドカップファイナルで使った艇を大会主催者準備のコンテナに積んで輸送してきました。2015年からワールドカップそのものがエリート大会に進化する移行期間に入ります。ランキング下位の選手が上位へ上がっていくのが厳しくなりますし、シードされる上位選手達はトップの大会を中心に確実にポイントを稼いで、10月末のグランドファイナル(アブダビ)への参加権利を獲得することが目標となります。
錦織圭選手の活躍でテニスの大会のしくみが一般の人々にもわかるようになっていくのと同様に、セーリングワールドカップもTV中継をしてオリンピッククラスの大会からスター性をもった選手を出していくことを目的にしています。スポーツチャンネルで番組が報道されるようになるために、日本選手の活躍が期待されます。
▲49erとナクラは他の種目とは離れた会場Rowing Clubが陸上本部になります
▲コンテナが置かれているRowing Clubはスキフクラスのベース
▲初めて五輪代表選考の場についた板庇選手は、練習の成果が発揮できるかどうかが楽しみです
▲富澤選手。得意な風域は良いが、苦手な中風の強弱があるコンディションをどう対処するかポイント
▲大会前に練習する富澤慎選手
▲ココナッツグローブヨットクラブがRS:Xのベースとなります
▲レース海面は野生のマナティーが生息する水域です
▲レースエリア
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)