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Day6



2015 470 European Championship
2015年470級ヨーロッパ選手権大会


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Report by JSAFオリンピック強化委員会スタッフ・平井淳一
Photo by 平井淳一・バルクヘッドマガジン

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▲リオ五輪代表を決めた土居一斗(23歳)/今村公彦(31歳)。両選手とも初のオリンピック


●土居・今村組、吉田・吉岡組が内定
470級ヨーロッパ選手権は男女ともメダルレースを終え、全レースを終了しました。
日本のリオ五輪代表選考も同時に終了し、男子は土居一斗・今村公彦組(チームアビーム)、女子は吉田愛・吉岡美帆組(ベネッセホールディングス)が代表に決まりました。

12時スタート予定のメダルレースでしたが、朝から風がなく、やっと吹き始めた4~5ノットの風で13時55分に女子がスタート。普通にスタートしたものの2上マークを打ち直し、非常に短いコースでのレースとなりました。

初めてメダルレースに出場した山口・畑山組(ノエビア)は途中4位を走る場面もあり健闘しましたが、接近戦の中でマーク際がねばれず、7位。総合10位となりました。初めての海外遠征となる3カ月でしたが、代表を目指して大きく成長した3カ月でもありました。リオには届きませんでしたが、江の島での2020年五輪を目標に、さらなる成長を期待します。

●まれにみる大接戦の男子
14時40分にスタートした男子は、4ノット以下でのスタートとなり、終盤にはさらに弱まる状況でした。土居・今村組と松永・吉田組(スリーボンド)の争いは、最終フィニッシュ順位から総合順位が出てやっと決まりました。詳細は後日発表される代表選考報告をご覧ください。

決め手は2上からのダウンウインドのレグでした。
左右に分かれてのダウンウインドで、土居は風が残っていた側で落として走れましたが、松永は反対サイドへ出してしまい、取り戻すチャンスを逃してしまいました。
追う側の土居組は無心にレースに集中できたものの、追われる松永は冷静な判断ができなくなり、あせりがでてしまいました。
オリンピック選考には相当なプレッシャーがかかります。その中で自分を失わず、冷静に対処していくことはヨットレースだけでなく、人としての生き方につながるものがあります。経験したことのないプレッシャーを受けて初めて怖さを感じ、押しつぶされそうになる自分との戦いが始まります。
ここまでの競り合いはまれにみる大接戦でしたから、敗れた松永組の口惜しさは計り知れないものがあります。残念という言葉で片づけられるものではないので、この経験がこれからの彼らの人生のプラスになってほしいと願います。
土居・今村組は先のことを考えずに、この大会だけに集中していました。松永組を破って代表になったことで自信を持ち、勢いに乗ったままリオを目指してほしいと思います。

●心強い吉岡の成長
3度目の代表となった女子の吉田愛もこの大会では苦しみました。最初のシリーズで点差が開き、守りに入って勢いがなくなったこともありますが、若手の活躍から危機感が増したことも自分を見失うことにつながってしまいました。
苦しい中でも、「愛さんがタックしたいだろうというのがわかるようになってきたので、いつ舵を切られてもついていけるようになりました。」という吉岡の成長は心強い限りです。初めての五輪を経験するパートナー吉岡と力を合わせ、リオ本番へ向けて強いハートで戦えるように準備をしてほしいと思います。

眠れぬ夜も今日で終わります。
長い期間にわたり、応援してくださった皆様、ありがとうございました。
勝負の世界は厳しい! とあらためて感じた次第です。今後も、リオでの両チームの活躍を応援してください。そして、東京2020につながる新しい力も出てきましたので、ともに、よろしくお願いいたします。

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●成績
●男子
1位 USA Macnay - / Hughes 2-2-2-(31BFD)-3-5-22-5-2-M2
2位 GER Gerz / Szymanski 5-1-11-5-7-1-5-4-(12)-M7
3位 AUS Belcher / Ryan 4-20-12-3-2-(24)9-1-1-M3

●日本選手の成績
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
 8位 9-11-(18)-13-10-7-10-3-15-M4
○松永鉄也・吉田雄悟(スリーボンド)
 10位 11-4-2-8-2-(23)-11-9-22-M10
○市野直毅・長谷川孝(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)
 27位 13-23-21-2-17-21-2-28-(29)
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
 45位 24-21-24-25-(31BFD)-10-9-2-31UFD

●女子
1位 NZL Aleh / Powrie 1-1-2-1-4-4-(5)-1-1
2位 SLO Mrak / Macarol 5-4-4-8-6-3(25DSQ)-6-3
3位 USA Haeger Povancha 5-14-6-3-1-11-(16)-3-4-M1

●日本選手の成績
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 10位 7-9-2-2-2-5-13-(24)-23-M7
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 12位 11-5-8-12-1-(16)-11-11-5


1506_470Euro-41.jpg1506_470Euro-41.jpg土居一斗:「メッチャ嬉しいです。逆転できるなんて思ってもみなかったので、何も考えないで、レースしました。最後のマーク回って、ジャイブした時に抜けるチャンスだと思ったので、それからは必死に走らせました。今村さんに感謝しています」
今村公彦:「うれしい! 前の選考は僅差で負けましたから、本当にうれしいです。一斗がいいところでジャイブしてくれたので、追い上げられました。リオのことは、気持ちが落ち着いてから、しっかり考えたいと思います」

1506_470Euro-42.jpg1506_470Euro-42.jpg吉田愛「今回のレースは危機でした。何か、闘争心が欠けて、落ち着きすぎていた。3日目に点数を考え、目標設定をし直してからは立て直しましたが、危機は危機でした。3度目の五輪になりますので、笑って終われるように、しっかり準備をしたいと思います。勝負は勝負、勝ったことを自信にしたいと思います」
吉岡美帆:「緊張しました。うれしいのですが、まだ、代表になった実感がありません。これからオリンピックまでにもっと練習して、今回のような成績をとらないように頑張ります。まず、愛さんに必要な情報をもっと的確に伝えられるようになりたいです。まだ、自信がないせいか、声が小さくなってしまうから、大きな声でガンガン伝えられるようになりたい」


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▲スタートの瞬間。風下に土居・今村組、風上に松永・吉田組

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▲交差する土居・今村組vs松永・吉田組

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)





Day5



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▲代表をほぼ手中に収めた女子の吉田/吉岡組(ベネッセホールディングス)


●無風で決勝シリーズ終了
11時スタート予定でゴールドフリートの男女がレース海面に出ましたが、本部艇に125度、Ox2(アウターループコース)の指示が掲示され、ゲートマークも打ってあるのに、風がありません。予想よりも早く風がなくなってしまったため、暫く海上待機となりました。待てば待つほど風がなくなる一方でしたから、運営もあきらめて、一度選手を陸へ返し、陸上待機に切り替えました。

13時過ぎに、もう一度海面に出ましたが、今度も入りかけた風がなくなり、またも陸上へ戻り、待機となりました。

15時過ぎにシルバーフリートは終了の旗があがりましたが、ゴールドフリートは17時半まで待つことになりました。海面は時折5ノットくらいに上がるものの、すぐにまた風がなくなる不安定な状況です。結局、3度目の出艇はなく、決勝シリーズが終了し、トップ10がメダルレースへ進出することになりました。

●吉田・吉岡組、代表をほぼ手中に
日本からは男子の松永/吉田組(スリーボンドホールディングス)が7位、土居/今村組(チームアビーム)が9位、女子の山口・畑山組(ノエビア)が10位でメダルレースに出場します。

日本代表の座は第一次選考のポイントと、本大会のポイントを合わせた総合点で競われます。男子は五輪選考が最終日までもつれこむことになり、メダルレースの結果で代表が決まります。

女子は吉田・吉岡組(ベネッセホールディングス)が12位でメダルレース進出を逃しましたが、パルマでの貯金がきいて代表をほぼ手中に収めています。しかしながら、山口・畑山組がメダルレースに出場しますので、最終成績が出てから、男子と合わせて代表選考の報告をいたします。

明日のメダルレースは12時女子スタート、12時45分男子スタート予定です。
いい風が吹くことを期待します。

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●成績
●男子
1位 GER Gerz / Szymanski 5-1-11-5-7-1-5-4-(12)
2位 USA Macnay - / Hughes 2-2-2-(31BFD)-3-5-22-5-2
3位 GRE Panagiotis / Kagialis 6-8-6-8-1-(27)-14-2-6

●日本選手の成績
メダルレース出場
○松永鉄也・吉田雄(スリーボンド)
 7位 11-4-2-8-2-(23)-11-9-22
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
 9位 9-11-(18)-13-10-7-10-3-15

本日で最終成績
○市野直毅・長谷川孝(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)
 27位 13-23-21-2-17-21-2-28-(29)
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
 45位 24-21-24-25-(31BFD)-10-9-2-31UFD

●女子
1位 NZL Aleh / Powrie 1-1-2-1-4-4-(5)-1-1
2位 FRA Lecointre / Defrance 3-8-5-2-6-1-(12)-7-7
3位 SLO Mrak / Macarol 5-4-4-8-6-3(25DSQ)-6-3

●日本選手の成績
メダルレース出場
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 10位 7-9-2-2-2-5-13-(24)-23

本日で最終成績
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 12位 11-5-8-12-1-(16)-11-11-5


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▲陸上待機の間にはルール講習会が開催された

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▲ああ無風……(photo by JSAF)

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day4



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▲大会4日目。土居/今村組(チームアビーム)が9位まで急上昇


●レース展開
予報どおり、南東からの風が12時頃から10ノットを超え、14時には12ノット前後となり、比較的安定した風の中で2レースを行いました。

今日はシルバーフリートが先に12時からスタートし、ゴールドフリートは14時に女子が第8レースのスタート。男子は1回ゼネリコした後、14時23分に黒旗でスタートしました。

スタートしてから多くの艇が左海面へ突っ込みます。早い時間帯のレースは左が伸びましたが、12ノットくらいに風が安定した後は右サイドもよくなり、とくに男子は1上マークでほとんど差がなく混戦でした。インナーループの男子は下ゲートマークでも6位くらいから25位までがぶつかりそうなほどに接近して回航していきました。

つづく第9レースはほとんど同じ風域で女子が15時28分、男子が10分遅れて38分にスタートしましたが、今度は女子がゼネリコを1回、男子は1回目からクリーンスタートで出ていきました。

女子は12ノット前後だと上位選手6艇が抜け出し、中盤以下との差ができます。とくにニュージーランドのAleh組はガストが入った時に前へ出していく圧倒的な走りで、女王の貫録を見せつけるレースでした。男子も今日はBelcher組の独壇場で、軽風でのうっぷんを晴らすかのように1-1のレースでした。

明日は早い時間帯に風がある予報なのでゴールドフリートのスタートは11時を予定しています。男子が先スタートでアウターループ、女子が後スタートでインナーループです。シルバーフリートは13時の予定です。

●代表選考は大接戦
代表選考は男女ともに順位が接近する大接戦になりました。

男子の土居/今村組(チームアビーム)は、スタートから積極的に攻め、風上、風下の両艇がBFDで失格になるなか、ギリギリのポジションから好スタートを決めました。その後、左展開の読みをハズさず、1上マークをシングル上位で回航。フィニッシュは本大会最高順位となる3位を獲得しました。土居/今村組は、次のレースでも松永/吉田組(スリーボンド)を抑えて15位フィニッシュ。9-22位の松永/吉田が総合7位に下がったのと対照的に、14位から9位へジャンプアップしました。

女子も緊迫感が増してきました。
山口/畑山組(ノエビア)は、前日までとは変わって風と波がある海面で前を走ることができず、苦しい展開になりました。風を得てパワーを取り戻したのは吉田/吉岡組(ベネッセ)です。相手との得点差を意識しながら着実に前にでて11-5位(総合12位)。山口/畑山に対して1点差まで詰めました。

明日の2レースで決着がつくのか、最終日のメダルレースまで持ち越すのか。最後までハラハラ、ドキドキで緊張が続きます。

明日のレースはJSAFのFacebookで結果を速報する予定です。ホームページ以外にもJSAFのFBhttps://www.facebook.com/JSAF.PublicRelationsをご覧ください。

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●成績
●男子
1位 GER Gerz / Szymanski 5-1-11-5-7-1-5-4-(12)
2位 USA Macnay - / Hughes 2-2-2-(31BFD)-3-5-22-5-2
3位 GRE Panagiotis / Kagialis 6-8-6-8-1-(27)-14-2-6

●日本選手の成績
○松永鉄也・吉田雄(スリーボンド)
 7位 11-4-2-8-2-(23)-11-9-22
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
 9位 9-11-(18)-13-10-7-10-3-15
○市野直毅・長谷川孝(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)
 27位 13-23-21-2-17-21-2-28-(29)
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
 45位 24-21-24-25-(31BFD)-10-9-2-31UFD

●女子
1位 NZL Aleh / Powrie 1-1-2-1-4-4-(5)-1-1
2位 FRA Lecointre / Defrance 3-8-5-2-6-1-(12)-7-7
3位 SLO Mrak / Macarol 5-4-4-8-6-3(25DSQ)-6-3

●日本選手の成績
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 10位 7-9-2-2-2-5-13-(24)-23
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 12位 11-5-8-12-1-(16)-11-11-5


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▲松永/吉田組(スリーボンド)は総合7位

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▲風を得てパワーを取り戻した吉田/吉岡組(ベネッセ)

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▲山口/畑山組(ノエビア)は総合10位

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▲市野/長谷川組(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)は総合27位

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▲本日1‐1位で4位まであがったロンドン五輪の金メダリストBelcher/Ryan組(オーストラリア)

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▲貫録を見せつけたニュージーランドのAleh / Powrie 組

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day3



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▲日本代表の座を競う松永鉄也(左)と土居一斗


決勝シリーズ
昨日までの予選が終わり、本日からは上位・下位グループに分かれての決勝シリーズが始まりました。決勝は6レース予定され、7月4日の最終日にはトップ10艇によるメダルレースが行われます。

レースコンデョション
夏空のオーフスは気温が高くなり、風がなくなりました。
12時スタート予定のゴールドフリートは陸上待機となりましたが、長く待たされるかと思いきや、11時半には回答旗が下りてD旗があがりました。
今日から男子のゴールドと女子のゴールドフリートが1グループでレースとなり、男子が先にスタートしました。

松永/吉田組 4位、山口・畑山組 3位
決勝最初の第6レースは12時25分に男子、12時35分に女子がスタート。マークは140度に設定され、4~5ノットのコンディションでレースを行いました。このレースはスタートしてから左海面に展開した艇が上位とまりました。

次の第7レース、マークは125度に設定され、実際には135度の風が入ることが多かったのですが、もう一度左へ行った艇はだめで、右へ展開した艇が伸びる結果となりました。
男女ともに成績は安定しません。よいサイドが決まっているわけではなく、南東の軽風には苦労しています。

高得点で上位陣が崩れる中、男子の松永・吉田組(スリーボンド)も捨てレースを作ってしまいましたが、予選での貯金がきいて4位。
また、土居/今村(チームアビーム)があがって総合14位へ浮上しました。また、市野/長谷川(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)は決勝第2レースでトップ回航から最終2位。チャーターボードにもかかわらず、二度目の2位を取って23位へあがりました。
女子の山口・畑山組(ノエビア)は大健闘で、3位をキープしています。

明日はシルバーフリートが12時、ゴールドフリートは14時からです。風は少し強まり、熱波が入ってくる予報で、それぞれ2レースを予定しています。

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●成績
●男子
1位 GER Gerz / Szymanski 5-1-(11)-5-7-1-5
2位 USA Macnay - / Hughes 2-2-2-(31BFD)-3-5-22
3位 RUS Sozykin / Gribanoy 1-14-1-2-7-12-(16)

●日本選手の成績
○松永鉄也・吉田雄(スリーボンド)
 4位 11-4-2-8-2-(23)-11
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
 14位 9-11-(18)-13-10-7-10
○市野直毅・長谷川孝(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)
 23位 13-(23)-21-2-17-21-2
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
 47位 24-21-24-25-(31BFD)-10-9

●女子
1位 NZL Aleh / Powrie 1-1-2-1-4-4-(5)
2位 FRA Lecointre / Defrance 3-8-5-2-6-1-(12)
3位 JPN  Yamaguchi / Hatayama 7-9-2-2-2-5-(13)

●日本選手の成績
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 3位 7-9-2-2-2-5-(13)
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 16位 11-5-8-12-1-(16)-11


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▲JPN12松永・吉田組(スリーボンド)とJPN11土居/今村(チームアビーム)

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▲総合3位をキープする山口/畑山組(ノエビア)

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▲世界ランキング3位の吉田/吉岡組もオーフスの軽風に苦労する

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▲チャーターボードで参加する市野/長谷川(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day2



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▲女子総合3位に上がった山口/畑山組(ノエビア)


●レースコンディション
大会2日目は女子が12時から2レース、男子のスタートは予定からやや遅れて14時半ころから3レースを行いました。

予選も後半に入り、スタートからみんなが前に出ていくせいか、ゼネリコが多くなりました。また、ブラックフラッグでの失格(BFD)も増えて、特に男子でのBFDが目立ちました。

真っ青な初夏の空になり、陽射しが強い1日でした。朝は10~12ノットの風が吹き、13時過ぎには少し弱まり、7~10ノットくらいまで落ちてしまいました。

12時スタートの女子のレースは290度でマークを設定しましたが、風は275度から310度の間で変化します。14時すぎてからスタートした男子は最初300度で始まったものの、第4レース(今日の2レース目)では途中で310度からの強い風がはいり、この時間帯で軸が変化していました。傾向があるわけではないので、選手には「海面をよく見るように!」と伝えるしかありません。

●男子3艇、女子2艇がゴールドフリート
2日間で5レースを終了し、明日からはゴールドとシルバーに分かれてのレースです。日本からの参加6艇中、男子3艇、女子2艇がゴールドフリートに入りました。

また、今日は日本艇が前を走る場面も多く見られました。
女子は第5レースで吉田・吉岡組(ベネッセホールディングス)が1位、山口/畑山組(ノエビア)が2位とワンツーフィニッシュを果たし、山口/畑山組は第4レースでも2位をとっています。
男子の松永/吉田組(スリーボンド)は2-8-2位と走り、市野/長谷川組(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)も第4レースで2位フィニッシュ。トータルでは男子の松永・吉田組、女子の山口・畑山組が3位に上がりました。

●決勝は7月1日~3日
7月1日からは決勝で、上位選手の直接対決となります。決勝は3日まで3日間で6レースを予定しています。1日最大3レースです。ここからメダルレースまでの6レースが正念場となります。

明日から高気圧が停滞し、アフリカからの熱波が入ってくるため、木曜日からは25度を超える暑さがデンマークにもやってくるとの予報です。

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●成績
●男子
1位 USA Macnay / Hughes 2-2-2-(31BFD)-3
2位 RUS Sozykin / Gribanoy 1-(14)-1-2-7-11
3位 JPN Matsunaga / Yoshida (11)-4-2-8-2

●日本選手の成績
○松永鉄也・吉田雄(スリーボンド)
 3位 (11)-4-2-8-2
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
 23位 9-11-(18)-13-10
○市野直毅・長谷川孝(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)
 29位 13-(23)-21-2-17
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
 47位 24-21-24-25-(31BFD)

●女子
1位 ISR Cohen / Maman 1-1-1-1-(21)
2位 NZL Aleh / Powrie 1-1-2-1-(4)
3位 JPN Yamaguchi / Hatayama 7-(9)-2-2-2

●日本選手の成績
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 3位 7-(9)-2-2-2
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 16位 (11)-5-8-(12)-1


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▲女子第5レースでトップとなった吉田・吉岡組(ベネッセホールディングス)

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▲男子の松永/吉田組(スリーボンド)も総合3位にアップ

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▲土居/今村組(チームアビーム)は総合23位につける

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▲ゴールドフリートに進出した市野/長谷川組(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)

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▲飯束/八山組(エス・ピー・ネットワーク)はゴールド進出ならず

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▲女子総合2位のニュージーランド Aleh / Powrie組はロンドン五輪の金メダリスト

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)


Day1



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▲トップを走る女子の山口/畑山組(ノエビア)


●代表が内定する大事な大会
今大会は、470級男女のオリンピック代表選考の2回目の指定大会です。大会最終日には日本代表が内定する大事な大会です。

●レース形式
今大会は、まず予選5レースを行います。その結果から、決勝では上位半分がゴールドフリート、残りはシルバーフリートに分かれ、それぞれ6レースを行ないます。全11レースの結果からトップ10が最終日のメダルレースに進みます。

公示には「40艇を超えたらグループ分けする」とあります。本大会の参加艇数は男子が60艇(26カ国)、女子が47艇(23カ国)なので、男女ともに2グループ、合計4グループでの大会です。

レースは1海面で行うため、4グループを2回に分け、今日は男子が12時から2レース、女子が14時から3レースを行ないました。

●レース・コンディション
地元のセーラーが「今年はノーマルじゃない。特別に寒いんだよ」と話すほど、オーフスの風は冷たく、朝晩はストーブが欲しくなるぐらいに冷え込みます。海も日本の冬と同じようで、ドライスーツを着こむ選手もいて完全冬支度。しかし、太陽が顔を出せば一気に暖かくなるので、ウエアの着こなしがむずかしい。レガッタなかばには暖かくなるという予報もあるので、前半戦は寒さをがまんする辛抱のレガッタになりそうです。

冷たい陸風(西風)が吹くときは、15~30度でシフト。完全フラットウォーターで、北風の葉山沖や琵琶湖のよう、と言ったらわかりやすいでしょうか。

男子は245度でスタートしたものの、270度への風向の変化がありました。予報どおりでしたが、気温が上がるにつれて風は左へもどり、2レース目は260度でのレースとなりました。風速は8~11ノット。大きな流れとブローの強弱を掴むことがポイントでした。

女子のレースは男子よりも風速があがり10~14ノット、250度でスタートしました。練習時よりも岸から離れたエリアでレースをしたため、練習時に気にしていた細かい振れはなく、もっと大きなシフトを使うことが必要でした。風速は上がったものの、強弱があり、ブローにのった艇が一気に前に出ていました。

●上位選手の様子
ロンドン五輪の金メダリスト、世界選手権5回優勝のBelcher/Ryan組(オーストラリア)が第2レースでほぼ最後尾で回航するシーンもありました。みんなが難しい海面だという中、2レースを2-2でまとめた男子のMacnay/Hughes組(アメリカ)のHughesは、「今日は今日。明日は明日。平水面、シフティーな風は好き」と初日の感想を語っていました。

14時から3レースを行った女子は、イスラエルのCohenがオールトップの快進撃でした。「ロンドン以降、全然練習をしていないので、この成績にはびっくり。10月にイスラエルでワールドがあるから、新しいクルーとスタートしたばかりです」。カットレースによりNZLと同点1位です。

●日本選手
日本の女子の山口・畑山組(ノエビア)はよく走り、最終レースではイスラエルに続いて2位でフィニッシュしました。男子では松永鉄也/吉田雄悟組(スリーボンド)が日本選手で最高の10位です。20位に土居一斗・今村公彦組(チームアビーム)がつけています。

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●初日の成績
●男子
1位 USA Macnay / Hughes 2-2
2位 GER Gerz / Szymanski 5-1
3位 SWE Molind / Ostling 3-3

●日本選手の成績
○松永鉄也・吉田雄(スリーボンド)
 10位 11-4
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
 20位 9-11
○市野直毅・長谷川孝(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)
 35位 13-23
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
 47位 24-21

●女子
1位 ISR Cohen / Maman (1)-1-1
2位 NZL Aleh / Powrie 1-1-(2)
3位 GBR Weguellin / McIntyre (3)-2-3

●日本選手の成績
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 9位 7-(9)-2
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 17位 (11)-5-8


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▲集団の中で戦う女子の吉田/吉岡(ベネッセ)は「しまじろう」スピン!

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▲初日10位の松永/吉田組(スリーボンド)

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▲20位につけた土居・今村組(チームアビーム)

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▲新たなチーム編成で臨む市野・長谷川組(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)

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▲JPN7は飯束・八山組(エス・ピー・ネットワーク)

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▲女子オールトップの快進撃はイスラエルのCohen / Maman 組

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▲初日にトップにつけた男子のMacnay/Hughes組

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▲選手たちにはグループごとに異なる色のリボンが割り当てられる

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

470EC



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▲レース会場の様子

●開催地:デンマーク オーフス(ユトランド半島東側) Denmark Aarhus

●参加国:男子61艇/27か国
     女子48艇/23か国 - 大会受付終了後に正しい数字がでます

●大会日程:
6月27日~28日 受付、計測、プラクティスレース
6月29日~30日 予選(5レースを予定)
7月1日~3日   決勝 (6レースを予定、予選が終了しない場合は予選を続ける)
7月4日      メダルレース、または決勝

大会Webサイトhttp://2015europeans.470.org/en/default/races/race
Sailing Instructions (帆走指示書)・NOR(公示)等:
http://2015europeans.470.org/en/default/toa/race

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●代表が内定する大事な大会
デンマークのオーフス(Aarhus)で、2015年470級ヨーロッパ選手権が開催されます。470級男女は今大会がオリンピック代表選考の2回目の指定大会となり、大会最終日には代表が内定する大事な大会です。

●レース会場について
会場のオーフス・ヨットクラブは2018年にISAFワールド(国際連盟の五輪全クラスが集まる世界選手権大会)を開催するため、そのプレ大会を兼ねて五輪クラスの大会を今年から数多く開催しています。今大会以外にもナクラ級世界選手権、レーザー級ヨーロッパ選手権等、7月だけでも3大会があります。2020年の東京へ向けては日本も同じように国際大会を重ねて競技運営メンバーを育成していかなければなりませんが、デンマークも同様に準備しています。

●男子61艇、女子48艇が参加
470級ヨーロッパ選手権は欧州のトップ選手(含むジュニアのトップ選手)だけでなく、オセアニアやアジアからの参加も多く、男子61艇、女子48艇の精鋭が集まりました。フランスやイギリスはオリンピックで表彰台を狙うトップチーム、オリンピック代表を狙うナショナルチーム、ジュニアワールドでの上位を狙い次のナショナルチームを目指すチームと3段階のグループ構成で、各グループに専任コーチがついています。欧州のように地続きだとこういった国際大会へ簡単に参加できるのがうらやましいです。

●日本からは6艇が参加
日本からは男子4艇、女子2艇、合計6艇の選手が参加します。
全チームとも6月前半のISAFワールドカップ・ウェイマス大会に参加し、引き続き6月15日頃から現地入りしています。今年のオーフスは寒い期間が続いており、水温も低く、6月23日の夏至の日を祝うボンファイヤー(たき火)も寒い中でのイベントとなりました。大会前半は気温が上がり始めるとの予報ですが、同時に風も弱まる予報で、29日からのレースがどんな展開になるのか気になるところです。

選考レースに参加するすべての艇が自分の持つ力を100%発揮して、高いレベルでの戦いを見せてほしいと思います。7月4日まで応援をよろしくお願いします!


●日本の参加選手
470男子(リオ五輪代表選考の2回目指定大会)
○松永鉄也・吉田雄(スリーボンド)
○土居一斗・今村公彦(チームアビーム)
○飯束潮吹・八山慎司(エス・ピー・ネットワーク)
○市野直毅・長谷川孝(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン)― 6月7日にNT認定

470女子(リオ五輪代表選考の2回目指定大会)
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)

●帯同役員:中村健次、中村健一、齋藤愛子(オリンピック強化委員会)


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▲レース会場各所の様子

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(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)