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Day5



ISAF Sailing World Cup Qingdao

ISAFワールドカップ 青島大会


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Report by 斉藤愛子JSAFオリンピック強化委員会スタッフ)
Photo by 平井淳一

9月20日(レース第5日)最終日

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▲初日1位からトップを守り、金メダルを獲得した吉田 愛・吉岡美帆。1月のワールドカップマイアミ大会(3位)以来のメダル獲得です


470女子 金、銀を獲得!

メダルレースはほぼ予定通りのスケジュールで全種目を終了し、ワールドカップ青島ラウンドはウイナーが決まりました。日本の470女子は吉田・吉岡組が金メダル、山口・畑山組が銀メダルを獲得しました。ラジアル女子の土居は残念ながら4位に終わりましたが、470男子の岡田・吉田組はメダルレースでトップをとり、4位に上がって大会を終えました。


ナクラ17
A海面ではナクラからレースが始まりました。
後藤・田畑組はシンガポールに続いて2位で入り、ワールドカップとアジア枠予選を終えました。リオ五輪アジア枠は1位のシンガポールが獲得しました。日本は残念でしたが、力及ばず5位に終わりました。


レーザーラジアル
B海面で11時15分スタートの土居は中国に抑えられてのレースになりましたが、自分らしいレースができずに9位になってしまい、悔しい限りです。
それでも、今大会を振り返れば、初日からトップをキープするだけの力がついてきたことは事実であり、表彰台が目の前に見えるところまで来ています。最後の貪欲さで中国が勝ったことを忘れずに、今後の力にしてほしいと思います。


470男子
470男子の岡田・吉田組の岡田は怖いもの知らずで、今日も果敢にスタートから前に出ました。
「(吉田)雄悟さんがスタートで出ろ出ろとプッシュしてくれ、ラインが下がっていたこともあって思い切りいきました。トップがとれて嬉しいです。この大会を振り返ると、自分で描いているレース展開と世界のレベルとの差を感じて、通用しないところばかりだと感じました。でも、大会期間中に雄悟さんから細かいアドバイスをもらいながらレースをやっていくうちに、すごく濃い内容の技術が学べました。来年の国体でまた雄悟さんと乗るチャンスがあるなら、その時までに今回学んだことを自分の技術としてマスターしていきたと思います。(吉田)愛さんのレースからも覚えることがいくつもあったし、今回は貴重な遠征になりました。こんな機会をいただいて感謝しています」(岡田)


470女子
470女子は吉田・吉岡組が落ち着いたレースぶりで、メダルレースで3位となりました。2位の中国のシャオリ組が大きく崩して9位を走っていましたから、吉田組の作戦は3位のサーシャ組を抑えることでした。
「このレースはシャオリ組に勝つだけでなく、(点差が少ない)サーシャと山口にも負けるわけにいかない難しいレースでした。シャオリが後ろだったので、最後のレグではサーシャに負けない、ポイント差のある山口は視野に入れて離れないという走りをしました。サーシャの方が焦って追い込まれたと思います。去年はメダルレースで逆転されましたが、これでリベンジが果たせました」(吉田)
「ワールドカップでは2回表彰台に上がっていますが、金は初めてです。課題に取り組み、落ち着いてレースができたので、嬉しいです」(吉岡)
得意の軽風で淡々と走った山口・畑山組は最後のジャイブした位置がよく、潮や風で送れた吉田、サーシャをかわして2位でフィニッシュ。9位から上がって来られなかったシャオリをも抜いて総合2位にあがりました。

ワールドカップ初優勝を果たした吉田組を中村コーチは、「課題にしていることにしっかり取り組み、落ち着いて回りをよく見るレースができるようになったと思います。今回の優勝は(これまで)やってきたことに自信を持てる1勝になるとよいと思います。まだまだ、リオまでに克服しなければならない課題がありますから、これからもしっかり取り組みます」と評価しました。

470女子の活躍で青島ワールドカップは幕を閉じました。
優勝した吉田・吉岡組は10月末のファイナルへの出場権を獲得しました。5日間にわたり、応援をいただき、ありがとうございました。

メダルレースはトラッキングで見ることができます。
2D:http://www.sailing.org/worldcup/multimedia/tracking.php


●日本の参加選手(5種目7艇)
470男子〔12カ国/26艇参加/本日2レース〕
○岡田奎樹・吉田雄悟(早稲田大学・スリーボンドホールディングス)
 4位 9-1-10-12-5-6-5-(20)-1M

470女子〔6カ国/16艇参加/本日2レース〕
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 1位 3-2-2-2-(4)-2-3-2-3M
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 2位 OCS-7-3-5-2-1-6-3-2M

ナクラ17〔6カ国/10艇参加/本日3レース〕
○後藤浩紀・田畑和歌子(SAILFAST、アビームコンサルティング)
 5位 4-4-6-5-2-7-9-6-(UFD)-7-7-6-2M

レーザー〔17カ国/37艇参加/本日2レース〕
○安田真之助(宮津高等学校・教員)
 31位 36-19-2-27-(UFD)-3-BFD-36

レーザーラジアル〔11カ国/29艇参加/本日2レース〕
○土居愛実(慶応義塾大学)
 4位 1-7-3-4-5-4-(14)-6-9M
最終成績
○蛭田香名子(豊田自動織機)
 16位 6-19-14-12-13-11-18-(21)

大会Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/entrylist.php?rgtaid=18473

●成績Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/results/index.php?utm_source=ISAF+Press&utm_medium=email&utm_campaign=2015+SWC+Qingdao+-+Day+%231


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▲風弱く静かに始まったメダルレース。スタートと同時のダブルタックで一段階風上のレーンでパフを捉えた吉田・吉岡がリードしました

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▲本シリーズでは吉田・吉岡の相手艇と風を意識したポジショニングのうまさが際立ちました

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▲2上マークを4位回航、最終レグまでに2艇抜いて2着でフィニッシュする山口祥世・畑山絵里。フィニッシュ直前、思わず笑みがこぼれました

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▲表彰台に立つ日本2チーム。ワールドカップ青島大会で用意された賞金は、1位9000ユーロ(約120万円)、2位4000ユーロ(約54万円)、3位2000ユーロ(約27万円)

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▲暫定3位でメダルレースに進んだ土居愛実は9位フィニッシュ。惜しくもメダル獲得を逃しました

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▲470級男子の岡田圭樹・吉田雄悟はメダルレースで快心のトップフィニッシュで総合4位。「レベルが高く、これなら大丈夫、という(日本で走らせている)感覚が通用しなかった。一度のミスが命取りになる。とても勉強になりました」(岡田)。「(岡田と乗って)行動のタイミングをもっと繊細にしないといけない。『ここでジャイブ』というポイントは早くても遅くてもダメ。そのタイミングの範囲は、世界に出れば狭く短くシビアになっていく」(吉田雄悟)

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▲ナクラ17級はシンガポールが勝利。リオ五輪の出場国枠を獲得しました

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▲中国9艇vsイラン1艇のフィン級の戦いは中国が勝ち、五輪出場国枠を獲得しました。また、470級男子は中国、女子はシンガポールが五輪出場を決めました

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(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)




Day4



ISAF Sailing World Cup Qingdao

ISAFワールドカップ 青島大会


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Report by 斉藤愛子JSAFオリンピック強化委員会スタッフ)
Photo by 平井淳一

9月19日(レース第4日)

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4日目の470級女子は弱い風で2レースが行われ、日本の2チームがメダル圏内です


オープニングシリーズの最終日は恒例の風待ちから始まり、12時半過ぎから各エリアでレースが始まりました。風は南東170度から6ノットあるかないか。曇りに近いくらいの霞がかかり、なんとか上マークが見える程度の視界でした。潮は相変わらず速く、南西から北東へ1ノット。場所によってはもっと速い中でのレースでした。毎日が同じ条件ですから、ほとんどの選手が潮と風の関係に慣れてストラテジーを考えるようになっていました。


470女子
470女子は中国のシャオリ組が2レースともにトップをとり、吉田・吉岡組に2点差まで追い上げてきました。
シャオリ選手は北京五輪前から470で活動しており、青島でのコースの取り方を熟知しているかのように的確に風を拾ってきました。吉田組も3-2と上位でまとめているにもかかわらず、追いつかれていく厳しいトップ争いです。
「今回は弱風下、強い潮の中で良い練習ができています。克服せねばならない苦手なコンディションです。明日、メダルレースを制した方が勝ちますが、3位のチャン組も9点差につけており、クリアせねばならない条件がいくつかある戦いになります」(吉田)
「優勝を視野に入れながらも、いつもどおりにレースをすることが大切です。去年の吉田はセオリーよりも勝負にいくことが多かったが、今年はセオリー中心にレースを組み立ています。逆に中国が勝負して来る様子だから、練習にはピッタリの状況です。メダルレースもしっかり組み立てを考えて、王道をいってほしい」(中村コーチ)。
3位のチャン組と4位の山口・畑山組も2点差で、こちらも表彰台を目指しての争いとなり、前を行く2艇が崩れれば逆転もあり得るポジションです。がんばれ、日本470女子! 2チームとも表彰台に上がれるよう、応援してください!


470男子
470男子の岡田・吉田組は両極端な結果を見せた今日の2レースでした。
悪い位置から5位まで追い上げることができた良いレース。一方では、5位で1上を回りながらも2周目で順位を落とし、マーク回航でケースを起こし、ペナルティーターンでさらにミスをしたレース。
「ミスから学ぶことは多く、岡田は貴重な経験をしたと思います。スタートでのボートハンドリングもコントロールできているし、ベテランの吉田がクルーを務め、ノウハウを直接伝えていく中で、レースごとに進歩していく吸収力に頼もしさを感じます」(中村コーチ)
「今回の目標はメダルレースに残ることでしたが、その目標は達成できたので、明日はトップフィニッシュを目指して思い切りやります」(岡田)
OPやユースクラスでの国際経験も豊富なので、自分なりにレースを考えており、これからもさらに成長していくと期待します。


レーザーラジアル
レーザーラジアルの土居は苦しい1日になりました。
第9レースではこのシリーズ初めて14位をとり、捨てレースができてしまいました。第8レースは6位でしたが、ライバルのドンシャン(中国)が1-2、イザベラ(カナダ)が3-4とまとめてきたため、土居は3位に後退しました。4位のミン・グー(中国)とは1点差で、明日はこの4艇で表彰台を争うことになります。470女子と合わせて、日本のトリプル表彰台になることを期待します。
蛭田はこのシリーズを16位で終えました。軽風でスピード負けすることはなくなりましたので、今回得た課題を克服して11月の世界選手権に挑戦してほしいです。


ナクラ17
ナクラ17はシンガポールが逃げきる体制に入りました。
参加艇が10艇なので、全員がメダルレースへ進みます。少数でのレースのため、14点リードしていても、メダルレースで最悪のレースをしてしまうと、逆転する可能性があります。12レース中、9レースでトップをとったチームですから、手堅くいけば問題ありませんが、こういった可能性が残ってしまうのは、レースの仕組みが少数艇に適合していないことを示唆しています。
今日は中国艇のいくつかが2位の香港を抑え、上位の中国艇を前に行かせて巧みに順位を入れ替えるシーンがありました。香港がプロテストしましたが、締め切りに1分遅れたために、審問に入れませんでした。中国がスピンをつぶし、香港を待ち構えるシーンをコーチが撮影していたのですが、審問という土俵に上がれなければ追及のしようもなく、涙をのむ結末となりました。

明日のメダルレースはトラッキングで見ることができます。ワールドカップ青島も最終日を迎えます。
2D:http://www.sailing.org/worldcup/multimedia/tracking.php

スタート予定時刻:(現地時間、日本よりも1時間遅れ)
A海面 
12:00 ナクラ17
12:45 フィン
13:30 470男子 (岡田・吉田組)
14:15 470女子 (吉田・吉岡組、山口・畑山組)

B海面
11:30 レーザー男子
12:15 ラジアル女子 (土居)
13:00 RS:X男子
13:45 RS:X女子


●日本の参加選手(5種目7艇)
470男子〔12カ国/26艇参加/本日2レース〕
○岡田奎樹・吉田雄悟(早稲田大学・スリーボンドホールディングス)
 5位 9-1-10-12-5-6-5-(20)

470女子〔6カ国/16艇参加/本日2レース〕
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 1位 3-2-2-2-(4)-2-3-2
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 4位 OCS-7-3-5-2-1-6-3

ナクラ17〔6カ国/10艇参加/本日3レース〕
○後藤浩紀・田畑和歌子(SAILFAST、アビームコンサルティング)
 5位 4-4-6-5-2-7-9-6-(UFD)-7-7-6

レーザー〔17カ国/37艇参加/本日2レース〕
○安田真之助(宮津高等学校・教員)
 31位 36-19-2-27-(UFD)-3-BFD-36

レーザーラジアル〔11カ国/29艇参加/本日2レース〕
○土居愛実(慶応義塾大学)
 3位 1-7-3-4-5-4-(14)-6
○蛭田香名子(豊田自動織機)
 16位 6-19-14-12-13-11-18-(21)

大会Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/entrylist.php?rgtaid=18473

●成績Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/results/index.php?utm_source=ISAF+Press&utm_medium=email&utm_campaign=2015+SWC+Qingdao+-+Day+%231


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▲暫定1位の吉田 愛・吉岡美帆。中国の猛進で2位との差はわずか2点。追われる立場でメダルレースを迎えます

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▲3位まで2点。場合によってはさらに上も狙える山口祥世・畑山絵里

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▲後藤浩紀・田畑和歌子は5位から浮上できず。五輪出場の可能性はなくなりました

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▲明日メダルレースへ挑む土居愛実。国際大会では2014年のデルタロイドレガッタで3位に入った経歴があります

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▲微風のなか混戦で上マークを回航するレーザー男子

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▲ラジアル級トップに浮上して笑顔のドンシャン選手(中国)。8月のプレ五輪では10位。昨年の青島ワールドカップの優勝選手です

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▲オリンピックハーバーには北京五輪を記念して作られたオリンピック・セーリング・ミュージアムがあります

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

Day3



ISAF Sailing World Cup Qingdao

ISAFワールドカップ 青島大会


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Report by 斉藤愛子JSAFオリンピック強化委員会スタッフ)
Photo by 平井淳一

9月18日(レース第3日)

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▲3レース行われたナクラ17級はシンガポールが絶好調。リオ五輪アジア代表に王手をかけています


3日目も風待ちで始まりました。
今朝は霞がかかり、いつもよりも弱めの北風。しかも11時から13時は潮が強い予報で陸上待機も仕方がありません。AP旗が降りたのは13時15分、14時半前から各エリアでレースが始まりました。

470は男子の岡田・吉田組は5-6とまとめて、総合4位に上がりました。
「今日はスタートがダメでした。ラインはよく見えていたので、全体がラインに近く、リコールしそうだというのもわかっていました。しかし潮に翻弄されて、うまくタイミングをとれませんでした。でも、ダウンウインドのコースではプレッシャーとシフトを間違えなかったので、抜くことができてよかったと思います」(岡田)

女子は山口・畑山組が2-1とトップスコアの1日でした。6ノット前後の風でよく走っています。
第5レースでは1上マーク回航直後に即ジャイブで艇団から離れ、プレッシャーのよいサイドで一気に上がりました。また、吉田・吉岡組も4-2と堅くまとめ、総合1位をキープしています。第6レースではJPNの2艇がトップ争いを展開し、フィニッシュでは半艇身差のデッドヒートでした。

ラジアル女子の土居も5-4とまとめ、トップをキープしています。
ライバルのカナダ、中国のドンシャンも堅くまとめているので、3艇が僅差で三つ巴の戦いをしています。
「ドンシャンに逆転されたと思っていました。競っているので、明日もしっかりレースするだけです」(土居)と、落ち着いています。

レーザーの安田はOCSと3位。
スタートから1上で良ければ、その順位をキープできるようになりました。
「昨日の2位に続いて、今日も3位がとれたので、良かったです。OCSのレースも悪くありませんでしたが、OCSだからスタートが良かったわけで、スタートが出られるようになったのが大きいです」(安田)

ナクラ17は3レースを実施しました。
後藤・田畑組は9-6-UFDとなり、トップのシンガポールを逆転することほぼ無理な状況になりました。
「先週の練習のときは少し強めの風で、ハンドリングでもスピードでも劣るところはなかった。今週に入って風は弱く、弱い中でレースをしていないので、正直、自分たちのセーリングができていないのが悔しいです」(後藤)。
シンガポールは420に乗っていた選手がコンバートされており、軽風でのスピードは世界選手権でも上位選手を上回っていました。レース展開もスマートで、リオ五輪アジア代表へあと1歩です。

明日はオープニングシリーズの最終日です。軽風で、風待ちが多いながらも、ここまで全レースを実施しています。明日も弱風の青島になりそうです。


●日本の参加選手(5種目7艇)
470男子〔12カ国/26艇参加/本日2レース〕
○岡田奎樹・吉田雄悟(早稲田大学・スリーボンドホールディングス)
 4位 9-1-10-(12)-5-6

470女子〔6カ国/16艇参加/本日2レース〕
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 1位 3-2-2-2-(4)-2
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 4位 OCS-7-3-5-2-1

ナクラ17〔6カ国/10艇参加/本日3レース〕
○後藤浩紀・田畑和歌子(SAILFAST、アビームコンサルティング)
 5位 36-19-2-27-(UFD)-3

レーザー〔17カ国/37艇参加/本日2レース〕
○安田真之助(宮津高等学校・教員)
 22位 1-(7)-3-4-5-4

レーザーラジアル〔11カ国/29艇参加/本日2レース〕
○土居愛実(慶応義塾大学)
 1位 1-(7)-3-4
○蛭田香名子(豊田自動織機)
 12位 6-(19)-14-12-13-11

大会Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/entrylist.php?rgtaid=18473

●成績Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/results/index.php?utm_source=ISAF+Press&utm_medium=email&utm_campaign=2015+SWC+Qingdao+-+Day+%231


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▲ナクラ17級、後藤浩紀/田畑和歌子。大会3日目も苦しい1日となりました

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▲最終マークを日本2艇が並んで回航する470女子。先行してスタートしている男子を抜いてしまいました

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▲総合1位は変わらず。現在世界ランキング3位の吉田・吉岡は自分のペースで淡々とレースを進めています

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▲2-1位で総合4位へ上った山口・畑山

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▲レーザー級のスタート。レーザー男女はチャーター艇です。チャーターフィーが無料ということもあって出場しやすく、アジア外からの選手も多数参加しています

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▲「青島は風のレーンがあり、それに乗らないと遅れてしまう。海面を見るよい勉強になっています」とレーザー級に日本から唯一出場する安田真之助

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▲初日から1位をキープして走る土居愛実。2位、3位との差はわずか。後半2日が勝負です

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)




Day2



ISAF Sailing World Cup Qingdao

ISAFワールドカップ 青島大会


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Report by 斉藤愛子JSAFオリンピック強化委員会スタッフ)
Photo by 平井淳一

9月17日(レース第2日)

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▲ワールドカップ2日目、微軽風のなかで3レースおこなわれたナクラ17級


朝は北西(陸から)の風ですが、海から吹かないとレースが始まりません。12時まで陸上待機となりました。
運営の手違いでナクラ17と49erの旗を上げ間違えたのは驚きました。今大会は数多くのボランティアが運営しているため、伝達がうまくいかないことが多々あります。沖は風があるからナクラが先に出艇するのかと思いきや、単なる間違いでした。

12時に回答旗が降りた後は各エリアでレースが始まりました。
今日も手際が良いのは470のCエリアで、2レースを順調にこなしました。
「昨日ほどの強弱はありませんでした。今日はO旗が上がらなかったので、8ノット以下ですね。ただ、1レース目の途中で一度あがりかけた時もあり、準備はしていたかもしれませんが、また落ちてしまったので、上げるチャンスがなかったように思いました。強弱よりもわずかなシフトがあるので、それにちゃんとのっていけるように考えていました」と、吉田愛選手は淡々としています。
「今回のレースでは、470女子は12ノット以下でのボートスピード、レース展開などをテーマに取り組んでいます。強豪国こそ少ないもののプレオリで4位に入賞した中国も出場していますし、風速も10ノット以下、潮流もあり、課題克服にはもってこいのレースとなっています。まだレース半ばですが、この2日間(4レース)はスタートも良く、上位でレースを進めており、簡単に順位を落とすことがありません。前に出た分の距離を上手に使い冷静に順位をキープしつつ、チャンスがあれば攻める等、周りをよく見て良い判断をしています。大会を通して弱い風の予報になっていますので、明日からも良いトレーニングになると思います」(中村健次コーチ)。
山口・畑山組も上位でまとめて5位に上がってきました。得意の軽風ですから、思い切りのいいレースぶりを発揮しています。

470男子の岡田は苦しい展開でした。
「やった! と思うようないいスタートをしたにもかかわらず、インドに上り殺されてしまい、がっかりでした。自分達は体重が重いので、あてぎみでスピードをつけたいのですが、メインがつまりすぎて止まってしまうし、風に合わせてシートを出すと角度がとれないし……これまでの習慣で舵を使って走る癖があります。繊細なシートトリムができないとこのレベルの走りについていけないので、そこはしっかり練習していきたいです」。(岡田)」

ラジアル女子の土居は3-4とまとめ、カナダと同点ながらもトップをキープしました。
1上の順位は8位くらいでも、ダウンウインドで2艇、2上へのレグで2艇というように少しずつ順位を上げてくるスマートなレースをしています。考えてレースを進めていく様子がよく表れており、失敗もありますが、潮と風のプレッシャー、相手との位置取りを組み合わせて、落ち着いてレースをしています。イギリスのヤング、カナダのベッドフォード、中国のドンシャン、ベラルーシのタチアナ等はトップ10の常連であり、今回は優勝してワールドカップファイナルの切符を手に入れることを目的に参加していますが、そんな中で土居はいい勝負をしています。

レーザーの第3レースは8艇がブラックフラッグにかかり30艇でのレースとなりましたが、安田が2位フィニッシュを決めました。
「スタートしてから最初のシフトに合わせてタックでき、1上から2位でした。2上ではトップで回っていたのですが、1艇に抜かれてしまいました。キプロスやブラジルがすぐ後ろにいましたが、ダウンウインドでも抜かれず良かったです」(安田)。
安田はクロアチアへ単独で練習に行き、集中力が増してきただけでなく、スピードもアップしてきました。レーザーは3月のアジアカップがアジア枠予選になりますから、今回はそれに向けてレベルアップをはかっています。

ナクラは歯ぎしりが続いています。
第4レースで5位をとってしまった後は開き直って、トップスタートから1上までダントツの走りでトップでした。しかし、ダウンウインドのアプローチで落とし気味のコースを走ったり、ジャイブが2回入る、タックが2回余計に入るなど、細かいミスが続いて2位に落ちてしまいました。速い潮にも翻弄され、スピード感覚にずれがあるようです。
「普段できていることもきちんとできないのは緊張しているせいかもしれないけれど、そんなことはもう言っている場合じゃないです。枠を取るんだという気持ちを忘れないでほしい」と、マークコーチはプッシュモードです。
リードしているシンガポールチームは今日もトップを2回とりました。(潮の速い)青島と似た環境でいつも練習しているので、落ち着いてレースをしています。
明日は後藤・田畑の正念場になります。「スピード勝負。VMGを考えよ!」です。


●日本の参加選手(5種目7艇)
470男子〔12カ国/26艇参加/本日2レース〕
○岡田奎樹・吉田雄悟(早稲田大学・スリーボンドホールディングス)
 7位 9-1-10-(12)

470女子〔6カ国/16艇参加/本日2レース〕
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 1位 (3)-2-2-2
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 5位 OCS-7-3-5

ナクラ17〔6カ国/10艇参加/本日3レース〕
○後藤浩紀・田畑和歌子(SAILFAST、アビームコンサルティング)
 5位 4-4-6-5-2-(7)

レーザー〔17カ国/37艇参加/本日2レース〕
○安田真之助(宮津高等学校・教員)
 21位 (36)-19-2-27

レーザーラジアル〔11カ国/29艇参加/本日2レース〕
○土居愛実(慶応義塾大学)
 1位 1-(7)-3-4
○蛭田香名子(豊田自動織機)
 11位 6-(19)-14-12

大会Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/entrylist.php?rgtaid=18473

●成績Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/results/index.php?utm_source=ISAF+Press&utm_medium=email&utm_campaign=2015+SWC+Qingdao+-+Day+%231


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▲後藤浩紀・田畑和歌子。上位を走ることができず厳しい戦いが続いています

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▲オールトップの成績で快進撃を続けているシンガポール

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▲オリンピックハーバーの防波堤には2008年につくられた五輪のモニュメントがあります

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▲レーザー級に出場する安田真之助。第3レースで終盤までトップを走りましが、イギリスに抜かれて2位に。この夏は故障した膝を治療していましたが、来年のアブダビ(アジア枠予選)を目標に追い込みをかけます

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▲レーザーラジアル級暫定トップの土居愛実。ロンドン以降、最も成長しているのは彼女かもしれません。レーザー級の金メダリスト、トム・スリングスビー(AUS)、ポール・グッディソン(GBR)を指導したことで知られるアーサー・ブレッド(AUS)コーチとともにオーストラリア合宿、世界の主要レガッタを転戦しています

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▲レーザーラジアル級の蛭田香名子。この夏は国内練習を中心に活動していました。11月のオマーン世界選手権で国枠取り、日本代表を目指します

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▲日本は出場していませんが、RS:X級男子のスタート。中国のRS:X級は男女とも世界でトップレベルです

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)


Day1



ISAF Sailing World Cup Qingdao

ISAFワールドカップ 青島大会


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Report by 斉藤愛子JSAFオリンピック強化委員会スタッフ)
Photo by 平井淳一

9月16日(レース第1日)

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▲五輪出場をかけてナクラ17級に出場する後藤浩紀・田畑和歌子。初日を5位で終えました


今日からレースが始まりました。
昨夜は盛大な開会式が行われました。2008年オリンピック開催のレガシーとして、競技だけでなくセーリングの街として活動をしている様子がうかがえる盛大な式典でした。

ワールドカップファイナルへの出場権をかけて集まった強豪選手、オリンピック枠をかけて集まったアジアの選手、それぞれの戦いが始まりました。今日から19日までにナクラは12レース、その他の種目は8レースを行い、上位10チームが20日最終日のメダルレースに残ります。


470男女
12時スタート予定で、10時35分頃に全種目APが上がり、11時半近くまで陸上待機となりました。その後、遠い海面のクラスから順番にAPが降り、各クラス2レース、ナクラは3レースを実施しました。

レース運営がスムーズですぐにレースが始まった470男子は2レースを行い、男子の岡田・吉田組は9-1とまとめ総合3位のスタートとなりました。岡田選手にとってはワールドカップのデビュー戦です。

470女子は2レース目にはO旗が上がり、南東からのまずまずの風で2レースができました。
吉田・吉岡組が3-2で総合1位です。「初日からうまくスタートできたのは久々です。風が安定せず、難しいレース海面でした。ここへ来る前に江の島で49erの牧野さんと2日間、スタート練習だけをやってきましたが、潮がある中で、今日はうまくいきました」(吉田愛)


レーザーラジアル
レーザーラジアルの土居はリオのテストイベントに続き、今回も第1レースでトップをとりました。「リオでは初日にトップ、そして(大きく崩れて)20番代と極端な成績をとりましたが、今日は1位と7位。2レースともまとめられて良かったです」。笑顔の土居は中国のドン・シャンと同点タイで初日トップです。


レーザー
レーザーの安田はワールドカップ初めての参加です。
レーザーの場合、ランキング30位までの参加枠に入るのは非常に厳しいものになります。しかし、今回はランキング上位の選手が半分しか集まらないため残りはオープンエントリーとなり、参加が叶いました。40艇枠の中37艇が集まった同クラスは、賞金とワールドカップファイナル(アブダビ)への切符を目指して上位の選手も数多く出場し、安田はトップクラスの選手と少数で争う絶好の機会を得ました。


ナクラ17
最も緊迫しているのはナクラ17で、10艇の参加でアジア枠を争います。
レースエリアが470とバッティングし運営に手間取って、なかなかレースが始まらない状況でした。それでもコースが短く、3レースができました。
初日はシンガポールが3レースともトップで好調な滑り出しです。後藤・田畑組は苦しいスタートとなりました。コーチのマークは、「日本はシンガポールよりも体重が20㎏くらい重いので、今日の風域はつらい。ただ、アップウインドでは対等に走っているので、ダウンウインドの向かい潮でのスピードの付け方を改善することが第一」と分析しています。クルーの田畑は、「シンガポールはスマートにレースしていました。風の取り方もあるし、短いコースなので、今日はつかみきれませんでした」。
僅差の接戦なので、明日からのレースで挽回を期待します。

明日も高気圧圏内で、10ノット前後の南東の風が予報されています。


●日本の参加選手(5種目7艇)
470男子〔12カ国/26艇参加/本日2レース〕
○岡田奎樹・吉田雄悟(早稲田大学・スリーボンドホールディングス)
 3位 9-1

470女子〔6カ国/16艇参加/本日2レース〕
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 1位 3-2
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 11位 OCS-7

ナクラ17〔6カ国/10艇参加/本日3レース〕
○後藤浩紀・田畑和歌子(SAILFAST、アビームコンサルティング)
 5位 4-4-(6)

レーザー〔17カ国/37艇参加/本日2レース〕
○安田真之助(宮津高等学校・教員)
 30位 36-19

レーザーラジアル〔11カ国/29艇参加/本日2レース〕
○土居愛実(慶応義塾大学)
 1位 1-7
○蛭田香名子(豊田自動織機)
 11位 6-19

大会Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/entrylist.php?rgtaid=18473

●成績Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/results/index.php?utm_source=ISAF+Press&utm_medium=email&utm_campaign=2015+SWC+Qingdao+-+Day+%231


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2レースを終えて首位に立った吉田 愛・吉岡美帆。アジア勢のなかではベテランの風格が漂います。ただし軽風の中国は抜群に速く、苦手コンディションでどう戦うか注目されます

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第1レースをトップフィニッシュ、第2レース7位で2位の中国と同点1位の土居愛実。8月のプレ五輪でもそうでしたが、国際大会で1位を取ることが多くなってきました

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スリーボンドチームとして出場する岡田圭樹・吉田雄悟。岡田と吉田はともに唐津西高出身で、国体でチームを組んで昨年の長崎国体優勝、今年の和歌山国体では3位の成績を残しています

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出艇前の後藤・田畑

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オリンピックハーバーにはセーラーだけでなく一般観光客がたくさん訪れています。これほど一般人が集まるワールドカップは見たことがありません

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全選手にGPS(写真)が取り付けられ、トラッキング(航跡によるレース実況)がおこなわれています。ワールドカップのウエブサイトから閲覧できます

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(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)



ISWCQ


ISAF Sailing World Cup Qingdao

ISAFワールドカップ 青島大会


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Report & Photo by JSAFオリンピック強化委員会スタッフ



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▲北京五輪の時は選手村だった場所がホテルになっています。競技会場入口も跡かたもありません


●開催地:
青島(中国山東省)2008年北京五輪・オリンピックマリーナ China Qingdao

●大会日程:
9月14日~15日 受付、計測 
9月16日~19日 10レースを予定
9月20日     メダルレース

●日本チーム参加選手:
470男子
○岡田 奎樹・吉田 雄悟(早稲田大学・スリーボンドホールディングス)

470女子
○吉田 愛・吉岡 美帆(ベネッセホールディングス)
○山口 祥世・畑山 絵里(ノエビア)

ナクラ17
○後藤浩紀・田畑和歌子(SAILFAST、アビームコンサルティング)

レーザー
○安田 真之助(宮津高等学校・教員)

レーザーラジアル
○土居 愛実(慶応義塾大学)
○蛭田 香名子(豊田自動織機)

●参加国:240選手/37カ国(大会受付け終了後に正しい数字がでます)

大会Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/entrylist.php?rgtaid=18473

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ISAFワールドカップの5戦目、2015年の最終戦となる青島大会が始まります。2008年北京五輪のセーリング競技が開催された場所で、昨年に続き2回目の開催です。

今年10月にイスラエルで開催される470世界選手権、オマーンで開催されるRS:X世界選手権、11月にアルゼンチンで開催される49er、49er FXの世界選手権があるためエントリーはオープンとなり、中国を筆頭にアジア各国が数多くエントリーしています。

470男女、フィン、ナクラはリオ五輪のアジア枠予選となっており、1枠を争う少数ながらも厳しいレースが始まります。


日本はすでに470男女で枠をとっているので枠取には関係ありませんが、ワールドカップの勝者とアジア地域の1位チームは10月末からアブダビで開催されるワールドカップファイナルに招待されるため、アジア外の国も来ています。
日本からは男子に岡田・吉田組が和歌山国体から移動してきての参加です。
女子はナショナルチームの吉田・吉岡組と山口・畑山組が参加します。
また、レーザーラジアルに土居、蛭田、スタンダード男子に安田が参加します。この2種目は世界のトップがアブダビへの切符を狙ってきていますので、普段のWC大会に参加できていなかった安田、蛭田には貴重な経験となります。

注目はナクラ17級です。
アジア枠を狙って日本、香港、タイ、中国、シンガポールの5カ国が戦います。
後藤・田畑組はある程度風が吹けば力でリードしていますが、弱めのコンディションでは体重差がある軽いチームに苦戦を強いられる場面が過去何度もありました。道具のトラブルで泣いたこともあったので、今回は予備艇も持ち込み、体重も落として、準備をしてきました。日本からの応援をお願いします。

オリンピックの大陸別枠が誕生したのはリオ大会からで、五輪の理念が本来持っている「五大陸」の意味を強調しています。各競技ともに世界五大陸からの代表が必ず集まるものにしなければならないという趣旨です。
この変化はアジアには追い風で、ナクラだけでなく、470男女も1枠を狙い男子8、女子5カ国が勝負をかけています。世界選手権が2回、大陸予選はできるだけワールドカップを利用という流れです。レーザー、ラジアル、RS:X男女、49er、49er FXはアジア予選が3月にアブダビでのアジアカップを利用して行われます。

青島は2008年とは異なる雰囲気のハーバーになりました。
ショッピングモール、レストラン、オフィスが点在し、その端にハーバーがあるという印象です。ウインドサーフィンが活発な様子やキールボートが数多く係留されており、中国がCity of Sailsと謳う気持ちが伝わります。明日から、レースが始まります。


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ハーバーにはキールボートが数多く係留され、後背地の都市も活気があります

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和歌山国体が終わってからすっとんできた岡田・吉田組。佐賀県出身のペアでの挑戦です

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駐車場を艇置き場にしています

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アジア枠獲得のために必死の後藤・田畑組。コンテナ到着が遅れて心配しましたが、何とか間に合いました

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大会のスポット計測でアウトにならないよう、自主的に重量を計測しました。大丈夫でした

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)