Day6
2015 Tecno293 World Championships
2015年 Tecno293世界選手権大会
Report & Photo by
小菅 寧子(JSAFオリンピック強化委員会スタッフ)
大会6日目 最終日
▲日本からは19人の選手が参加しました
昼前から最大26ノットの強風が吹くとの予報が出ていましたが、朝から風は弱く、時折り雨が降りました。定刻に海に出ましたが、風が不安定で海上でしばらくマーク設定を待ち、最終的には6~9ノットの風でU17女子は2レース、男子は1レースを行い、大会を終えました。
今日は風軸が右寄りで、風の読みやコース選択が難しかったと思います。
新嶋選手は昨日の時点で総合8位でしたが、7位から10位までは僅差で競っていました。今日の風は新嶋選手に味方してくれていたように思いますが、コースをうまく引けず課題を残しました。
三浦選手は今大会で軽風の自信がついたようでしたが、レースの組み立てや風速が上がった時に課題が多く見つかりました。2人とも大会を通して走りも良くなり、多くのことを吸収できたことは今後につながる収穫だと思います。
今大会は300名を超える選手が集まり、とてもにぎやかでエネルギーに溢れた大会でした。日本選手は総勢19人が参加し、Techno293Plusクラスでは日本の男子が2位と3位に入賞しました。他国の選手との交流を深めたことも収穫ですが、何より同世代の速い選手に多くの刺激をもらって帰ります。
数日間にわたり応援ありがとうございました。
●選手コメント
新嶋莉奈
「今日は風の振れをうまく使えず、オーバーセイルをして抜かれ、スタートでも全体の振れを考えて走れず、順位を上げることができませんでした。2レース目では初めてプロテストされてペナルティターンをして良い経験となりました。大会を通しての課題は吹きのコンディションの上りスピードを出すこと、下り全般の走りを良くすることです。スタートの混戦で残れる技術の向上も必要だと感じました。シングルを逃してしまい悔しいです。もっと練習に励み、上位に食い込みたいです」
三浦圭
「今回の大会はスタートや乗り方、コースの引き方など多くを学びました。上りの走りでは角度を意識しすぎてスピードを出せていないことがわかりました。下りも効率の良いパンピングができず、プレーニングに入るのが遅かったです。目標の順位に及ばず、微風だけしか通用しないことがわかりました。これからは中風、強風を練習し、世界の舞台で戦えるように練習したいです」
●大会Webサイト:http://techno293worlds-cagliari2015.org
●成 績
○三浦 圭(山口県立光高等学校・光高等学校ヨット部所属)
38位 (26)-19-19-23-20-3-32-33-(47)-31-19-40
○新嶋 莉奈(慶応義塾女子高等学校・鎌倉セブンシーズ所属)
8位 15-(18)-4-9-5-13-(19)-9-2-8-10-8
▲多くの課題を見つけた三浦選手。トレーニングの目標ができました
▲微風の最終日、10位で大会を終えた新嶋選手
▲U17男子優勝のYoav選手(ISR)。小柄ですが、とても速い選手でした
▲最終日は強風、悪天の予報でしたが、雨の後には虹が見えました
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day5
2015 Tecno293 World Championships
2015年 Tecno293世界選手権大会
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小菅 寧子(JSAFオリンピック強化委員会スタッフ)
大会5日目
▲新嶋選手
今日は11時スタートのスケジュールで定刻に出艇しました。
昼前後に10~12ノットの陸風が入り、次第に右に振れて風が落ちるという予報とおりの傾向でした。スタート時刻にはすでに風が右に振れ始め、風軸305度設定、10ノット前後で1レース、風速が少し落ち6~7ノットで1レースの計2レースを行いました。
新嶋選手は昨日のレースで順位を落としましたが、本日2位、8位と走り、総合8位に返り咲きました。とくに1レース目ではスタートからトップを走るイスラエル選手を上りレグで抜く場面もある走りでした。10ノット以下の風では上位と互角に走り、大きな自信になっています。
三浦選手はゴールドフリートでのスタートに苦戦していますが、ポジション取りも含めて風が弱くなると積極的に攻めたスタートができています。2レース目では良いスタートができましたが、2上のコースの引き方など課題も多く見つかっています。
最終日を前にして、男女とも現在1位のイスラエルの選手の優勝が確定しました。U17女子のイスラエルの選手は10レース中8レースでトップフィニッシュするダントツの優勝です。どの風域においても他艇よりも速く、あっという間にトップになる走りでした。
●選手のコメント
新嶋莉奈
「今日は2レースともスタートがうまくいきました。1レース目はコースも良くそのまま2位でフィニッシュできました。しかし、2レース目では前半のレースでの反省を活かして試みたタックが、今度は状況判断ミスとなって前の艇に離されてしまいました。状況を良くみての判断が必要だと思いました。総合順位を8位に戻すことができたので、明日の最終日には順位を少しでも上げたいと思います」
三浦圭
「今日は良いスタートができたので、コース取りがしやすかったのですが、上りの時に反対海面を気にしすぎてタックが多くなってしまったのが反省点です。明日は最終レースなので、上位争いをできるようなレースがしたいと思います」
●大会Webサイト:http://techno293worlds-cagliari2015.org
●成 績
○三浦 圭(山口県立光高等学校・光高等学校ヨット部所属)
35位 26-19-19-23-20-3-32-33-(47)-31-19
○新嶋 莉奈(慶応義塾女子高等学校・鎌倉セブンシーズ所属)
8位 15-18-4-9-5-13-(19)-9-2-8
▲フィニッシュ後の新嶋選手
▲三浦選手
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day4
2015 Tecno293 World Championships
2015年 Tecno293世界選手権大会
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小菅 寧子(JSAFオリンピック強化委員会スタッフ)
大会4日目
▲U17女子のスタート
今日も朝は風が弱く昼過ぎまで風待ちをしました。途中雨が降りましたが雨雲が抜け晴れ間が広がったころから陸風が吹き始め、各クラス3レースを行いました。
風軸290度でマークが設定されていましたが、左右の振れがありながらもブローは高い山のある左海面から降りてくることが多く、左振れの風をうまくつかむコース取りが速いコースでした。風速は7〜13ノット。2レース目を終わったあたりから風は右にシフトし始め、風軸310度でマーク設定をし直し1レースを行いました。
昨日8位につけ更に順位をあげようと意気込む新嶋選手でしたが、トップ集団と一番差の出る風域となり、苦戦しました。下りでの走りがこの風域での課題となります。
三浦選手は自分の考えるコースプランをうまく引けず、これが課題となりました。自分で自分に指令を出し、スタートで積極的に、考えたどおりのポジションに早く行くことが求められています。
明日は今日よりも風が弱いとの予報がでています。両選手ともに上位を走れるよう頑張ります。(本日は集計ミスがあり、またプロテストも多く、リザルトは未発表)
●選手のコメント
新嶋莉奈
「今日の風域では艇速に差はないけれど、1レース目はアプローチをミスしてマーク付近でタックを繰り返したことが敗因です。3レースともにアビームから下りのスピードが遅く、ジャイブ後の走り出しとマーク後のポジショニングが悪く、抜かれてしまうことが多かった。明日はパンピングレースの予報なので頑張ります」
三浦圭
「スタートのプランが実行できない場所からスタートしてしまったこと、下りも上りもコースの中央でタック、ジャイブを多く繰り返してしまったことが今日の反省点です。明日は積極的に攻めて、漕ぎ負けないようにしたいと思います」
●大会Webサイト:http://techno293worlds-cagliari2015.org
●成 績
○三浦 圭(山口県立光高等学校・光高等学校ヨット部所属)
34位 (26)-19-19-23-20-3
○新嶋 莉奈(慶応義塾女子高等学校・鎌倉セブンシーズ所属)
8位 15-(18)-4-9-5
▲U17男子ゴールドフリートのスタート
▲シフトの激しい海面で新嶋選手のスタート直前
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day3
2015 Tecno293 World Championships
2015年 Tecno293世界選手権大会
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小菅 寧子(JSAFオリンピック強化委員会スタッフ)
大会3日目
▲第6レース、3位でフィニッシュした三浦選手
今日も朝から風がなく、長い風待ちをしました。13時を過ぎたころから風がそよそよと入り始め、2レースを行いました。風軸は昨日よりも少し右からで170度の4~6ノット、2レース目は130度方向にシフトしましたが、予報の風は吹き上がらず微風に終始した一日でした。
三浦選手はスタートで攻めていますがなかなか決まらず、本日の1レース目では混戦スタートに巻き込まれてしまいました。2レース目でも下集団にいましたが、スタート後うまくリカバリーをすることができ、1上を5位で回航。2上のコース取りも良く、3位で走りきりました。この風ではよく漕げており、パンピングスピードがあることが自信につながっています。
新嶋選手は本日の1レース目で9位、2レース目で5位を走りました。2レース目は1下まで3位で走っており、2上のコース取りや相手の抑え方をきちんとできるようになれば、この風では三浦選手同様にパンピングスピードがあるので、もっと前を走れるようになるでしょう。本日で8位まであがりました。
明日は陸からの風が入るとの予報が出ています。異なったコンディションになっても上位を走れることが課題となります。
新嶋莉奈選手コメント
「今日の1レース目はスタートで出たい位置にいけませんでした。2レース目のスタートは良かったけれど、他選手が左に行っているのに右に行ってしまいました。1下まで3位でしたが抑えて走らず抜かれてしまったので、2上では慎重に走ろうと思いました」
三浦圭選手コメント
「今日の1レース目のスタートは昨日と同じミスをしてしまい、昨日の反省がいかせなかった。2レース目は今までよりは良いスタートができ、いいコースを引くことができました。1上を5位で回航し、2上で3位に上がることができました。明日もしっかりとコースを引けるように走りたいです」
●大会Webサイト:http://techno293worlds-cagliari2015.org
●成 績
○三浦 圭(山口県立光高等学校・光高等学校ヨット部所属)
34位 (26)-19-19-23-20-3
○新嶋 莉奈(慶応義塾女子高等学校・鎌倉セブンシーズ所属)
8位 15-(18)-4-9-5
▲3位で下マークを回航する新嶋選手(右端)
▲新嶋選手のスタート
▲U17女子トップのISR選手
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day2
2015 Tecno293 World Championships
2015年 Tecno293世界選手権大会
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小菅 寧子(JSAFオリンピック強化委員会スタッフ)
大会2日目
▲今年がU17最後の年、三浦圭選手
朝から風が弱く、長い風待ち後、14時を過ぎたころから風がそよそよと入り始め、予選のあるU15男子、U17男子のみレースを行いました。
風軸145度、5~7ノットの風の中、トラペゾイドコースが設定されました。
予選最終日とあり、三浦選手は気合いの入るレースで下からのスタートを積極的に試みます。スタートで少し混戦したものの、リカバリーやコース取りも良く、1上を4位で回航。しかし、アウターマークを回って下マークに向かう途中で残念なことにN旗が掲揚。風速が一時的に後続集団の海面で落ちたためなのか、理由がハッキリしないまま残念ながらこのレースはノーレースとなってしまいました。
再度スタートしたレースでも良い位置につけていましたが再び延期。3回目のスタートでは黒色旗があがる中、下側からスタートを攻めますが、混戦にまきこまれて苦戦のレースとなりました。
予選レース4レースを終了しゴールドフリートには残ることができましたが、明日からの決勝でもスタートを攻めて思い切りの良いレースを試みてほしいと思います。
U15女子、U17女子とPlusクラスのレースは本日行われませんでした。
三浦圭選手コメント
「今日はパンピングレースを予想していたので、前を走ろうとして下スタートを攻めました。ノーレースになった2回のスタートではうまく決めることができましたが、3回目のレースでは下1を狙いすぎて失敗してしまいました。ゴールドフリートには残れたので、明日からもしっかりとスタートを攻めて順位をあげたいと思います」
●大会Webサイト:http://techno293worlds-cagliari2015.org
●成 績
○三浦 圭(山口県立光高等学校・光高等学校ヨット部所属)
47位 (26)-19-19-23
○新嶋 莉奈(慶応義塾女子高等学校・鎌倉セブンシーズ所属)
10位 15-18-4
▲下を攻め途中まで4位のスタートだったが、残念ながらN旗があがった
▲BLKのスタート。下の混戦の中、三浦選手は中央
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day1
2015 Tecno293 World Championships
2015年 Tecno293世界選手権大会
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小菅 寧子(JSAFオリンピック強化委員会スタッフ)
大会初日
▲4位でフィニッシュした直後の新嶋選手
初日は120度からの海風が10〜12ノット吹きました。会場から遠いA海面ではU17男女とplusクラス、手前の海面でU15男女、全クラス3レースが行なわれました。U17男子はフリート分けされ予選を戦います。三浦選手は本日イエローフリートでした。女子は1フリートのみのopenシリーズとなり、新嶋選手が参加しています。
良い風が吹きましたが三浦、新嶋両選手ともにスタートが決まらず、苦戦の出だしとなりました。しかし、レースを重ねるごとにスタート後の判断が良くなった新嶋は、3レース目で上位を抜いて4位でフィニッシュしました。
予選のある三浦は明日のレースで上位を走り、順位をあげて決勝に駒を進めたいところです。
●選手のコメント
新嶋莉奈選手
「1レースで4位をとることができ、前を走れるという自信ができました。反省点はスタートと判断の遅さだと思ったので、明日は注意してシングルをとりたいと思います」
三浦圭選手
「シングルをとるつもりがスタートやコースでミスをしてしまいました。課題はスタートで攻めることです。明日は自分のスピードがいかせるようにスタートをきちんと出たいと思います」
●大会Webサイト:http://techno293worlds-cagliari2015.org
▲新嶋選手、第3レースを4位でフィニッシュ
▲スタート前の三浦選手
▲下スタートを積極的に攻める三浦選手
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Tecno293 WC
2015 Tecno293 World Championships
2015年 Tecno293世界選手権大会
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小菅 寧子(JSAFオリンピック強化委員会スタッフ)
▲プラクティスレース。左から3番目が新嶋選手
●開催地:イタリア・サルデイニア島Italia Sardinia
●日程:2015年10月24日〜10月31日
●日本U17代表選手:
男 子:三浦 圭(山口県立光高等学校・光高等学校ヨット部所属)
女 子:新嶋 莉奈(慶応義塾女子高等学校・鎌倉セブンシーズ所属)
●参加国:
男 子:107名/23カ国
女 子:52名/18カ国
●帯同スタッフ:小菅 寧子(日本セーリング連盟強化スタッフ)
●大会Webサイト:http://techno293worlds-cagliari2015.org
●参考:
・Youth / Under 17 - boys (107 entries)
・Youth / Under 17 - girls (52)
・Youth / Under 15 - boys (87)
・Youth / Under 15 - girls (46)
・Plus Cup - men (30)
・Plus Cup - women (11)
・coaches (44)
2015 Tecno293世界選手権がイタリア・サルデイニア島、Cagliali(カリアリ)にて10月24日〜31日に開催されます。
この大会には国内選考を経てU17クラス日本代表となった三浦圭選手(男子)、新嶋莉奈選手(女子)が出場します。
上記2人の代表を含め、日本からはU15クラス(6.8sail)に1人、U17クラス(7.8sail)に3人、Plusクラス(8.5sail)に社会人、学連から15人、計19人が参加します。今大会はチャーター艇での参加ですが、日本選手の上位での活躍を期待しています。
カリアリではあらゆるコンディションが予想されます。気温は日本とさほど変わりませんが、朝晩はひんやりとしていて、日中は日差しが強く日陰では寒く感じます。
昨晩は開会式がCagliali Sailing clubで開かれ、本日はプラクティスレースを終え、明日からのレースに備えます。大会は1日3レース、計12レースを予定しています。
メダルを目指して頑張ります。応援をよろしくお願い致します。
▲開会式
▲日本からは19人が参加
▲過去、数々のレースが行われてきたイタリア・サルデイニア島
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)