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Day4



2015 ISAF World Cup Final

ISAFワールドカップ ファイナル
アブダビ大会

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Report & Photo by JSAFオリンピック強化委員会スタッフ


大会第4日 最終日 メダルレース

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▲メダルレースの朝は艇のインスペクションから始まります


最終日のメダルレースはA、Bの2海面を使い、9時半から470男子と49erから始まり、カイト以外は陸風の間にレースを終了しました。各クラスとも最終日での順位の入れ替わりがあり、少数で、しかもレース数が少ないと、メダルレースの比重が大きいことが証明されました。

470女子はスタートで吉田・吉岡組、オーストリア、イギリスが並んで出ました。
良いスタートをきった吉田の上で走り負けたオーストリア、山口組がタックして右サイドへ行きましたが、吉田組はイギリスのハンナが背中にいてタックせずに2艇で左へ伸ばしました。

結果的にはタックして逃げた艇が右展開で前に出て、山口組がトップ、オーストリアが2位、吉田は7位で上マークを回りました。このままの順位だと山口が総合3位、吉田が総合4位と順位が逆転するところでしたが、2上で吉田は5位に上がり、総合3位となりました。オーストリアが吉田を逆転して2位、優勝はイギリスのミルズ・クラーク組となりました。山口はトップフィニッシュを果たし、総合4位となりました。

「吉田・吉岡は1上までの作戦を間違えたかもしれませんが、最後はプレッシャーのかかる中で落ち着いて自分が確実にすべきこと、つまり表彰台圏内に入る順位に持ち込みました。課題はまだまだたくさんありますが、昨年から取り組んできたことは成果が出てきました。リオまで向上心を持ち続け、今回負けた相手にも接戦で勝てるように練習を重ねていきます。山口・畑山組はリオ目指す上位陣の中で得意な風域では前を走りました。上位がつぶし合う中に入り、勝負の厳しさを体験できたことは東京を目指していく上で良い勉強となったと思います」(中村健次コーチ)

今回のワールドカップファイナルは、クラス別世界選手権の日程が近いこともあり、チャンピオンが勢揃いするようなイベントにはなりませんでした。今のままでは参加艇数が減る要素が多く、来週から中国の三亜で開催されるISAF会議で検討が始まります。システムを変更して2年目で軌道修正が必要になってしまったのは残念ですが、東京2020を控えて日本も大きな役割を担うことになるのかもしれません。

また、東京からの導入が検討されているカイトセーリングですが、ファイナルでは19艇が参加して予選を行い、12艇が準決勝、6艇が決勝へ進み、最後の1レースのみで勝者を決めるというフォーマットでした。この種目が日本でコースレースをやるとなると運営は結構大変だという印象を受けましたが、採用されるかどうかが決まるのはリオが終わった後になります。

アブダビでのレースは本日で終了しました。ラジアルの土居はオマーンで開催されるラジアル女子世界選手権、470女子は境港で開催される全日本が次の大会です。新たなる課題を克服して、それぞれの次の目標をクリアしてほしいと思います。期間中、応援いただき、ありがとうございました。


大会Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/regattas/abu_dhabi_2015.php

●成 績
470女子(5カ国/8艇参加/本日2レース)
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 3位 3-1-4-2-(5)-5M
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 4位 4-3-6-(8)-8-1-1M

レーザーラジアル(16カ国/20艇参加/本日2レース)
○土居愛実(慶応義塾大学)
 15位 (19)-14-14-14-8-5


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▲メダルレースはD旗が上がってからでないと出艇できません

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▲最終日は青いビブス。日替わりで色が変わりました

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▲トップでコースを回航する山口・畑山組

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▲自力で表彰台キープする5位へ追い上げた吉田・吉岡組

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▲さまざまな仕掛けをしてきたイギリスが優勝

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▲メダルレースでは本部艇に成績が出ます

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▲ISAFのCEOであるピーター・サウリー氏よりメダルが授与されました

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▲3チーム揃った470女子の表彰台

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▲カイトサーフィン

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)



Day3



2015 ISAF World Cup Final

ISAFワールドカップ ファイナル
アブダビ大会

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Report & Photo by JSAFオリンピック強化委員会スタッフ


大会第3日 オープニングシリーズ最終日

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▲密かに闘志を燃やす土居愛実


メダルレースへ進む10艇を決めるオープニングシリーズは今日が最終日です。9時半スタートで2レースを行いました。
49erとカイトは午後からの海風を待って3レースを行いました。470女子はオーストリアがケースを起こして失格となり、吉田・吉岡組は2位でメダルレースへ進みます。ラジアル女子の土居は8-5位をとりましたが、残念ながら15位となり、メダルレースには進むことができませんでした。

470女子はトップ3が熱い戦いを繰り広げました。
第5レースではイギリスのハンナ・ミルズ組が1位、吉田・吉岡組が2位、スタート後にドイツが風下にいて前に出せなかったオーストリアが3位となり、イギリスが僅かに前に出ました。

第6レースはスタート直前に吉田・吉岡組が山口・畑山組からプロテストをかけられ、ペナルティーターンをしてから追いかけてスタートしました。
ドラマが始まったのは2上マークへのアプローチでした。ポートタックで並んで入ってきたイギリスがオーストリアをマーク外まで追いやり、後ろからオーバーラップしてきた山口組が上マークを内側で回航してトップになりました。その後も第3マークまでの間、ハンナはオーストリアをしつこくコントロールし、フィニッシュでは4位に落とすことに成功しました。それに追い打ちをかけたのはイギリスのシーブライト組。第3マークへのアプローチでオーストリアとケースがあり、抗議を出しました。ジュリーが現場を見ていたことが幸いし、イギリスの抗議が通ってオーストリアが失格。OCSも抱えているため、オーストラリアは総合3位へと後退しました。吉田・吉岡組が2位、ミルズ・クラーク組が1位です。
「上マークでは、え……入っていいの、どうしちゃったの? と思いながら内側でトップに出させてもらいました。イギリスの執念が凄いと感心しました」(山口)と、漁夫の利を得てトップをとった山口は総合5位でメダルレースに進みます。

ラジアルの土居は8-5位をとり、総合15位で大会を終えました。
「15ノットの風ではスピード負けします。波もあるので、体重が足りない分、走り負けている感じです。課題は克服していきたい。今日は8ノットくらいまで弱くなりましたから、スタートした後に自分が行きたい方向へ走ることができました。1週間日本に戻り、またオマーンへ行き、ラジアル女子の世界選手権に出ます。国枠がかかっているため、現地に早めに入ります」(土居)

明日は午前10時25分スタート予定で470女子のメダルレースが行われます。最終日になりますが、応援をよろしくお願いいたします。


大会Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/regattas/abu_dhabi_2015.php

●成 績
470女子(5カ国/8艇参加/本日2レース)
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 2位 3-1-4-2-(5)
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 5位 4-3-6-(8)-8-1

レーザーラジアル(16カ国/20艇参加/本日2レース)
○土居愛実(慶応義塾大学)
 15位 (19)-14-14-14-8-5


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▲昨日は1位の黄ビブス、今日は3位の赤ビブスを着用

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▲オーストリアが背後にいるため、隙あらばとしかけるイギリスのハンナ組

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▲マーク際でのスローダウンに風下へよけたハンナ組

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▲この後、山口・畑山はトップで回航

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▲ダウンウインドではジュリーも張り付き、オーストリアとイギリスのレース展開を注視していた

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)



Day2



2015 ISAF World Cup Final

ISAFワールドカップ ファイナル
アブダビ大会

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Report & Photo by JSAFオリンピック強化委員会スタッフ


大会第2日 オープニングシリーズ

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▲「12ノットくらいまでなら勝負になるのですが、15ノット超だとまだトップにはスピードで置いていかれてしまいます」と土居


9時半のスタートに合わせて8時前からハーバーに選手が集まり始めました。
日本では普通の光景ですが、海外のレースでは海風の吹き出しを待って昼前くらいからのスタートが多いため、早い時間帯に集まることには欧州の選手達は慣れていない様子です。
しかしながら、9時半スタートは正解で、1時間のレースを2本、昼までに終えることができました。13時を過ぎた頃から風がなくなり、今日もカイトはレースを実施するのに苦心していましたが、その他の種目は15ノット前後の中、いいレースができました。

●470、トップ3の真っ向勝負
470女子は8艇の参加ながら、非常に白熱したレースをしています。
トップ3のガチンコ勝負は見ごたえ十分で、難しい風の中でも勝負どころで攻め立てるイギリス、前に出ると圧倒的なスピードを出すオーストリアを相手に、吉田・吉岡組も今より1段上を目指しての攻めを磨いています。「第3レースでハンナ・ミルズ(イギリス)は2下へのダウンウインドの時に、平行位置よりも少し前から私たちの前までスピードをつけて寄せてきました。コースを横断するような左から右への動き、右から相手に向けて突っ込んでいくみたいな走りができるのが、びっくりです」(吉田)
「ハンナがそういう動きができるのは、視野が広く、海面を良く見ているからだと思う。あてずっぽうで動いているのではなく、風の通り道と相手との位置関係が見えているのが強み。日本チームも今以上に視野が広がれば、さらに1段上に上がれる。こういう機会に、チャンスを生かして攻めよう」(中村健次コーチ)

第4レースでは、イギリスのハンナからオーストリアに1上マークでのリーバウタックで抗議が出ました。ここでも、隙あらば相手をつぶすという勝負の練習をしているようで、リオ本番へ向けて練習を積みあげている印象です。吉田愛はロンドン五輪ではブラジルからプロテストを出され、苦い思いをさせられました。苦手をなくし、隙をつくらない――リオまでの課題は明確です。

山口・畑山組は15ノットになると上位陣に最後までついていくパワーがありませんでした。途中良いポジションを走っていても、マーク際の判断を誤って順位を落としてしまいがちでした。軽風のレースで取り返せるチームですから、得意な風での挽回を期待します。

土居は14位が続きます。
15ノットの風が吹くと順位はスピード順になっているようで、プレ五輪で優勝したミセス・シェイド(リトアニア)も苦戦しています。大きなフリートレースでコースで勝負する展開ではありません。艇速がすべてになります。「頑張ります」(土居)を繰り返すばかりになりますが、辛抱が肝心です。

明日も9時半スタートです。
砂漠からの風が吹いているうちにオープリングシリーズ最後の2レースを行います。数カ国から、「遠方から来る選手たちにとって6レースでは寂しすぎるからレース数を増やしてほしい」との嘆願書が出ていましたが、それも叶わず、明日でオープニングシリーズが終わります。


大会Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/regattas/abu_dhabi_2015.php

●成 績
470女子(5カ国/8艇参加/本日2レース)
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 1位 3-1-(4)-2
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 5位 4-3-6-(8)

レーザーラジアル(16カ国/20艇参加/本日2レース)
○土居愛実(慶応義塾大学)
 18位 (19)-14-14-14


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▲スタートは、ニュメリカル方式(数字で示す方式)を使うので、5分前が白旗に「5」、4分前が紺旗に「4」、3分前がピンクに「3」、2分前が赤旗に「2」、1分前が黄旗に「1」の数字で示され、スタートでは緑のGOとなります

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▲スタートから並ぶ右からGBR 、JPN、AUTの3艇

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▲1上では3艇に加えて、GBR865が2レースとも食いついて走りました

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▲フィニッシュへの第3マークでインを狙う吉田・吉岡組

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▲フィニッシュでは計測ボートが待っていて、スポットチェックをします

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▲上位3艇はビブスとセールに小さい●印を貼ります。男子470のオーストリアは赤い●印ですから3位です

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)



Day1



2015 ISAF World Cup Final

ISAFワールドカップ ファイナル
アブダビ大会

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Report & Photo by JSAFオリンピック強化委員会スタッフ


大会第1日 オープニングシリーズ

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出艇・帰着申告用の腕輪。チップが埋まっていてスキャナーにかざすと手続きができる。しかし、今日はスキャナーが壊れてしまって機能しなかった


初日からスケジュールが変更され、砂漠からの風が15ノット吹く中で10時から2レースを行いました。
通常の大会ならば初日のスケジュール変更はありませんが、本大会は前日にノーティスの変更を伝え、レジストレーションした選手とコーチにメールで告知するようになっており、風が強いうちにレースを完了するという方針で、吹いた中で2レースを実施できました。

470女子は2レースともオーストリアがトップでフィニッシュしましたが、第2レースではU旗のリコールで失格となりました。
ISAFのワールドカップ運営では、オープニングシリーズではU旗かB旗を適用し、メダルレースはP旗とする方針を立てています。
第2レースでくりあげ1位となった吉田・吉岡組とイギリスのミルズ・クラーク組は、同点ながらタイブレークで日本ペアが総合1位です。
「アブダビへ来てから吹いた中で乗るのは今日が初めてで、チャーター艇のセッティングを合わせながらのスタートになりました。1上までの走りがよくなかったので、途中から修正し、2上へのコースが良かったこともあって、追い上げることができました。2レース目は最後のダウンウインドでオーストリアを抜くチャンスがあったのですが、他の集団もケアしようか迷いワンチャンスにかけることができませんでした」(吉田)。
「イギリスのミルズは前の集団を抜くために勝負に出るのがうまい。吉田・吉岡も今日のようにオーストリアにしかけるチャンスがある時は、勝負して抜き方を覚えてほしいと思う」(中村健次コーチ)

女子は8艇と寂しいエントリー数ですが、1点の重さを考えてミスなくレースすることが必要です。山口・畑山組は吹いた中での走りがよくなってきました。初日は3位でスタートしました。

ラジアル女子の土居は強豪相手に苦戦しています。
こ日のように15ノットを超える風域では、まだまだ上位艇に追いつくところまできていませんが、それでも技術的な差はかなり少なくなってきました。今はきつくても、離されずについていくことが重要です。
「とにかく、明日も頑張ります」(土居)と言い、道具に頼らず、自分の能力を引き上げなければならないこのクラス特有の壁を乗り越えようとしています。

明日は9時半スタートです。砂漠からの風が今日よりは弱いとの予報です。


大会Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/regattas/abu_dhabi_2015.php

●成 績
470女子(5カ国/8艇参加/本日2レース)
○吉田愛・吉岡美帆(ベネッセホールディングス)
 1位 3-1
○山口祥世・畑山絵里(ノエビア)
 3位 4-3

レーザーラジアル(16カ国/20艇参加/本日2レース)
○土居愛実(慶応義塾大学)
 17位 19-14


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▲出艇前のミーティングを行う土居とコーチのアーサー。左隣ではロバート・シェイドが艤装している

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▲本部艇から風上を見ると砂が舞い上がっており、埃となった空気が空をどんよりさせている

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▲ダウンウインドでの激戦。吉田・吉岡組はあと1歩のところでオーストリアが抜けたのに……

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▲レース後にPCを使って映像を見ながらミーティングするノエビアチームと脇永コーチ

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▲JPN、GBR、AUTの激戦

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)


ISAF WC FINAL



2015 ISAF World Cup Final

ISAFワールドカップ ファイナル
アブダビ大会

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Report & Photo by JSAFオリンピック強化委員会スタッフ

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▲モスク島へ向かって走る吉田・吉岡組


ISAFワールドカップのファイナルがアブダビ(アラブ首長国連邦)で始まります。2015年のISAFセーリングワールドカップ5大会の勝者、大会ごとの開催地・大陸別1位、世界選手権の1~3位、各クラスのISAFランキングの上位20艇が出場権を得ています。10月29日から3日間でオープニングシリーズの6レースを行い、上位10艇が11月1日のメダルレースに進みます。
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●開催地:アラブ首長国連邦 アブダビ United Arab Emirates Abu Dhabi

●日程:
10月27日~28日 受付、計測 
10月29日~31日 6レースを予定
11月1日     メダルレース

日本からの参加選手(2種目/3艇)
470女子
○吉田 愛・吉岡 美帆(ベネッセホールディングス)
○山口 祥世・畑山 絵里(ノエビア)
レーザーラジアル
○土居 愛実(慶応義塾大学)

●参加国:157選手/39カ国(大会受付終了後に最終的な数字が発表されます)

大会Webサイトhttp://www.sailing.org/worldcup/regattas/abu_dhabi_2015.php

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●日本からは470女子2艇とレーザーラジアル1艇が参加
39カ国から127艇が集まりました。49erFXとナクラを除くオリンピック種目8クラス、東京2020五輪から種目に増えるかどうかの瀬戸際にいるカイトボードを加えた合計9種目で開催されます。日本からは470女子2艇とレーザーラジアル1艇が出場します。

この季節、アブダビは気温が30度を超える真夏で、朝は砂漠からの南風が吹き、昼前後になくなって北北西からの海風が入るというパターンになっています。気温の高い夏は風が弱く、海風が上がっても10ノット前後。気温が25度くらいに下がる秋から冬は15ノットの風が吹く状況です。今は夏から秋へと季節が変わっていく途中なので、たまに15ノット近い風が入ることがあります。

アブダビセーリングクラブは広大なマリン施設の敷地の一角にあり、そのスペースを使ってさまざまなイベントを行います。コンテナを数多く置くスペースもあれば、イベント用に仮設テントを建てるのにも苦労がいりません。イベント慣れしているお国柄で、アラブ風のカーテンがついた冷房付き仮設テントが印象的ですが、花壇に植えた花がすぐに枯れてしまうことに、砂漠にいることを実感させます。アブダビ市街地は高層ビルが立ち並ぶ都会ですが、すぐ背後は広大な砂漠です。

●470級女子
昨年は470男子の松永・吉田組と女子の吉田・吉岡組が日本から艇を輸送して出場し、女子は表彰台に上がりました。その吉田・吉岡組は今年チャーター艇で参加しますが、山口・畑山組は日本から艇を空輸しての参加です。青島に続いて自艇での出場です。470級は優勝を狙うオーストラリア男子やオーストリア女子は自艇参加ですが、他の選手はブルーブルーのチャーター艇での参加です。

「勝とうと思ったら自分の艇で参加するのがベストですが、今回はチャーター艇を使うことにしました。短い時間で与えられた艇を調整し、不具合がある中でも気にせず、周囲をよく見てレースをするのが課題です。あるものを短時間で自分のものにできるようにし、しっかりレースに集中することです」(吉田)

レーザーラジアル級
一方、全員がチャーター艇で競うのがレーザー、レーザーラジアル、49erです。日本からは激戦のラジアルに土居愛実が出場します。

49erと49er FXは11月に世界選手権(アルゼンチン)が控えています。参加できるランキングがかなり下がって集まった49er、かたや初めてのオリンピック枠を目指して世界選手権を重要視するFXと事情はそれぞれ異なり、FXはエントリーがなくレースがキャンセルになりました。また、49erはアブダビが20艇を所有していますので、全チームがチャーター艇で競うことができるというわけです。

レーザーとラジアルは上位選手が勢ぞろいし、ファイナルらしいレースが期待されます。
土居はぎりぎりで出場権を得ましたが、アブダビの風は得意な風域ですからサプライズがあるかもしれません。11月にオマーンで開催されるラジアル女子世界選手権で国枠をかけての戦いが待っていますから、そのためにも強豪相手に腕を磨いてほしいです。
「自分が得意な風域かどうかわかりませんが、しっかりレースしたいと思います。中国のドンシャンが出てこないのが残念です」(土居)

少数精鋭のワールドカップ ファイナルは10月29日がレース初日です。トラッキング等を見ながら、日本の女子選手たちの活躍を応援してください。



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手前のアラブ風の怪しい男は中村健次コーチ。それを見て大笑いするのはベルチャー・ライアン組(オーストラリア)

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木枠を組んで空輸した470をハーバーで受け取る山口・畑山組

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20艇のチャーターが確保されている49er級

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常はアブダビセーリングクラブが使うテントの艇保管場所

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高層ビルのふもとを走るのは土居愛実

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青島からコンテナで輸送したBlueBlueのチャーター艇470

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セールに国旗を貼る土居

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日陰に入れば涼しいけれど、その日蔭がないので困ります

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)