Day6
ASAF Asian Championship 2016
ASAF 2016年アジア選手権大会
Report & Photo by JSAFナショナルコーチ
49erと49erFXが国枠獲得!
3月12日
12時予定のレーザーでしたが、朝から風がなく、スタートできたのは15時近くになりました。それからの短い間にレーザーがB海面、49erとFXはA海面でメダルレースを行い、大会は無事に終了しました。
49er
49erの牧野・高橋組は1上を2位で回りながらも、途中で順位を落とすピンチがあり、はらはらしましたが、2上へ行く途中でまた上がり、3位でフィニッシュして代表枠を獲得しました。「2下で落ちて、みんなと反対マークを回りましたが、タックしてポートになると、いいリフトが来て、また2位まで上がることができました。ちゃんとフィニッシュできてよかった!」(牧野)。ロンドンに続いての出場になりますが、世界選手権の成績では圧倒的に強いチームでも少数の予選では苦労し、たいへんでした。これで本番への準備が始められます。
▲レース終了直後の牧野・高橋組(写真/中嶋一茂)
49erFX
49erFXはメダルレースで勝ったチームが勝ちというシンプルな戦いでした。
上スタートから1上まで安定した走りでトップに立った宮川・高野組はダウンウインドでリードを広げると、そのまま独走態勢に入り、軽風での圧倒的な走りを披露。トップでフィニッシュして代表の座も獲得しました。高校を卒業し、4月からは大学生になる高野は、セーリングを始めて3年です。「恵子さんの言うことができるように、一生賢命頑張りました」。フィニッシュしてから、「オリンピックに行けるよ!」と叫んだ2人。「まだ、実感がわきません。宮川(旦那)に知らせてください」と、超現実派の恵子さんらしいコメントでした。
▲レース終了直後の宮川・高野組(写真/中嶋一茂)
レーザー
レーザーは昨日の追い上げで、さらなる逆転が期待されましたが、安田がリコール。1、2のマレーシアとタイが軽風でよく走り、南里が2位で入って追い上げたものの、総合4位となり、枠を獲ることができませんでした。「4年前と同じです。安田さんが沈んでしまい、僕が最後に枠とり目指してだめでした」(南里)。レーザーはマレーシアとタイが枠を獲得しました。
昨日アブダビに到着した鈴木大地スポーツ庁長官が今日は海上で選手を応援。表彰式でもプレゼンターとして参列され、アジアの国々にTokyo2020を印象付けて下さいました。10月のオリンピックウィークから選手が来るようになりそうです。
リオ五輪の代表は、牧野・高橋組(49er)、宮川・高野組(FX)となりました。本日は結果報告だけになりますが、週明けにはまとめのレポートを掲載したいと思います。
多くの応援をいただき、そして勇気をいただきました。レーザーが枠をとれず悔しい限りですが、スキフで代表に決まった2チームはリオ目指して精一杯の準備をしていきます。引き続き、応援いただけますようお願いいたします。期間中、多くの方から声援をいただきました。ありがとうございました。
●日本選手の成績
49er級(5か国/8艇/日本2艇)本日3レース
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
1位 (5)-2-1-1-3-4-1-3M
○高橋稜レオ・小泉維吹(Kristin School NZL/早稲田大学)
5位 3-(5)-5-4-5-6-4-2M
49erFX級(4か国/7艇/日本4艇)本日3レース
○宮川恵子・高野芹奈(和歌山セーリングクラブ)
1位 (4)-4-4-1-1-1-2-1M
○松苗幸希・原田小夜子(ガルフネット)
2位 2-1-1-2-(5)-4-3-2M
○波多江慶・板倉広佳(豊田自動織機)
2位 1-2-2-3-3-2-(4)-4M
○深沢瑛里・大熊典子(早稲田大学・福井県体育協会)
4位 5-3-3-(6)-2-6-1-6M
レーザー級(14か国/38艇/日本7艇)本日3レース
○南里研二(三重県体育協会)
4位 (19)-8-16-3-3-7-3-3M
○瀬川和正(米子産業体育館)
5位 3-12-7-13-(16)-10-1-2M
○安田真之助(宮津高等学校・教員)
9位 6-2-9-(11)-6-(15)-2-OCS
○樋口 碧(神奈川県セーリング連盟)
19位 22-13-6-26-(OCS42)-11-24
○北村勇一朗(関東学院大学)
20位 21-14-(27)-20-17-12-19
○藤本 拳(Murdock Institute of Technology, AUS)
24位 32-28-24-12-(OCS42)-17-18
○西尾勇輝(和歌山県立・桐蔭高等学校)
25位 16-10-26-28-22-(31)-30
●大会Webサイト:http://www.ac2016.asiansailing.org/
▲閉会式でスピーチをする鈴木大地スポーツ庁長官
▲49erクラス表彰者
▲FXクラス入賞者
Photo by kazushige nakajima
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(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day5
ASAF Asian Championship 2016
ASAF 2016年アジア選手権大会
Report & Photo by JSAFナショナルコーチ
3月11日
今朝は珍しく霧が漂い、ハーバーの国旗掲揚ポールが見えないほどでした。各クラスとも3レースを行い、明日のメダルレースに進出する10艇が決まりました。スキフは10艇に満たないエントリーですので、全艇がメダルレースに臨みます。
レーザー
苦戦が続いたレーザーですが、R6では瀬川、安田、南里が1、2、3でフィニッシュし、3艇が明日のメダルレースに進みます。トップを行くマレーシアは非常に安定したレース展開で他を寄せ付けません。2位以下は僅差で明日のレース次第でリオへの枠がとれるかどうかの瀬戸際です。トップ10には日本、中国、マレーシアがそれぞれ3艇ずつ、タイが1艇となります。その中で、タイ、日本、中国が2枠目を争う様相です。
▲アブダビの高層ビルを背景にクローズを走る南里
▲ジャパンの1、2、3の走り!
49er・49erFX
13時から予定されていた49er及びFXは軽風の中、3レースが行われました。
FX級で昨日1位を獲得した宮川・高野は今日も得意の風域の中でよく走り、1-1-2の成績で2位の松苗・原田、3位の波多江・板倉と同点の首位に立ちました。5位のインドとは14点離れており、日本チームの五輪国枠獲得が確実となりました。明日は得点が2倍のメダルレースが獲得されており、上位3チームの中で先にフィニッシュしたチーム、または7点後ろにつける深沢・大熊と上位3艇の間に3艇が入った場合に逆転することになります。
49erの牧野・高橋は今日のレースで得点を広げ、明日のメダルレースで3位以内に入れば優勝し、国枠を獲得します。
▲リオ五輪の日本枠獲得を確実にしたFX。日本代表選考は明日のメダルレースに持ち越された
▲アブダビの街を背景に、ダントツで最終マークを回航する牧野・高橋
明日は12時からレーザー、13時30分から49er、14時15分からFXのメダルレースです。ロンドンで出場枠がとれなかったレーザーが復帰するかどうか、そしてスキフの代表が決まる大一番です。
夕方、スポーツ庁の鈴木長官がハーバーへ到着。セーリングの枠獲得を応援に来てくださいました。しっかりといいレースをして、目標を達成したいです。
●日本選手の成績
49er級(5か国/8艇/日本2艇)本日3レース
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
1位 (5)-2-1-1-3-4-1
○高橋稜レオ・小泉維吹(Kristin School NZL/早稲田大学)
6位 3-(5)-5-4-5-6-4
49erFX級(4か国/7艇/日本4艇)本日3レース
○宮川恵子・高野芹奈(和歌山セーリングクラブ)
1位 (4)-4-4-1-1-1-2
○松苗幸希・原田小夜子(ガルフネット)
2位 2-1-1-2-(5)-4-3
○波多江慶・板倉広佳(豊田自動織機)
2位 1-2-2-3-3-2-(4)
○深沢瑛里・大熊典子(早稲田大学・福井県体育協会)
4位 5-3-3-(6)-2-6-1
レーザー級(14か国/38艇/日本7艇)本日3レース
○安田真之助(宮津高等学校・教員)
3位 6-2-9-(11)-6-(15)-2
○南里研二(三重県体育協会)
5位 (19)-8-16-3-3-7-3
○瀬川和正(米子産業体育館)
8位 3-12-7-13-(16)-10-1
○樋口 碧(神奈川県セーリング連盟)
17位 22-13-6-26-(OCS42)-11-24
○北村勇一朗(関東学院大学)
22位 21-14-(27)-20-17-12-19
○藤本 拳(Murdock Institute of Technology, AUS)
24位 32-28-24-12-(OCS42)-17-18
○西尾勇輝(和歌山県立・桐蔭高等学校)
25位 16-10-26-28-22-(31)-30
●大会Webサイト:http://www.ac2016.asiansailing.org/
▲大谷さんが乗るジュリーボート。42条を容赦なくとっていきます
▲今朝は霧でした
▲レーザーがレースしだしたころもかすんでいるビル群でした。
▲スポーツ庁の鈴木大地長官が夕方、激励に到着。明日は朝からレースを応援です
Photo by kazushige nakajima
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(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day4
ASAF Asian Championship 2016
ASAF 2016年アジア選手権大会
Report & Photo by JSAFナショナルコーチ
3月10日 吹き上がらない海風
▲昨日の嵐でマストを倒していたため、まずはきれいに砂を落とす波多江・板倉組
嵐が去り、普通の海風が戻ってきたアブダビですが、13時のスタートに合わせて12時に出艇したレーザーは16時すぎのスタートまで海上待機を強いられました。しかし、吹き始めた海風に合わせて2レースを行うことができました。
14時半にスタート予定の49er及びFX級は、先に予定されていたRS:Xクラスのレースが終了するのを待って、1レースが行われました。風が吹き上がらず海上に出たのは16時半を過ぎてからでした。
49er
49erの牧野・高橋は、オリンピック国枠獲得のため、他艇の動きを見ながら冷静にレースを進めて1位を獲得し、首位に立ちました。風が弱く潮が強いのですが、相手艇の位置を把握し、国枠獲得に向けた盤石のレースを行っている印象でした。もう1艇の高橋・小泉は、ストラテジーとタクティクスでミスを犯し、2位の位置でレースを進めていましたが、4位でフィニッシュとなりました。
49er FX
FXの女子4艇は、他国のチームよりもスピードが勝っており、一進一退のレースを行っています。今日のレースでは宮川・高野が風をうまく掴み1位を獲得しました。「やっと、ヨットレースができました。5位で1上を回りましたが、2上へ行く時にうまくシフトに合わせることができ、トップに上がれました。残りのレースも頑張って、メダルレースでの逆転へとつなげたいです」(宮川)
レーザー
レーザーはR3では樋口が混戦の中、2上で上り6位。安田は途中6位になりながらも、フィニッシュでは10位に後退。ただし、前で入った中国が42条のペナルティーターンが1.5回転で認められずに失格したので9位となりました。
R4では南里が1上から上位を走り、2上で3位に上がってからフィニッシュまでキープしました。スタートでインドとケースがありましたが、インドは自分の横にいたUAE艇が違反をしたため南里とのケースになったということで、UAEが失格となりました。「UAEが審問に欠席したので、インドの作戦勝だったかもしれません。前を行くインドをつぶしておきたかったので残念です」(南里)
レーザーの総合では安田が5位にくらいついていますが、1位のマレーシアがすこぶる安定しています。2位以下は中国、タイ、日本が4点差です。7位で少し得点差はありますが瀬川もよく走っています。レーザーは参加が多いので、調子を崩した選手が脱落しますから、ここは静かなる闘争心で、冷静に戦い続けることが重要です。レーザーのリオ五輪アジア国枠は2枠です。
明日は13時からスキフ、レーザーともに3レースが予定されており、6レースが完了すれば明後日はメダルレースとなります。確実な勝を狙う49er、日本選手が枠を争うFX、大フリートでの僅差の戦いに臨むレーザー、それぞれの目指すところは異なりますが、大きな1日になります。
●日本選手の成績
49er級(5か国/8艇/日本2艇)本日1レース
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
1位 (5)-2-1-1
○高橋稜レオ・小泉維吹(Kristin School NZL/早稲田大学)
5位 3-(5)-5-4
49erFX級(4か国/7艇/日本4艇)本日1レース
○松苗幸希・原田小夜子(ガルフネット)
1位 (2)-1-1-2
○波多江慶・板倉広佳(豊田自動織機)
2位 1-2-2-(3)
○深沢瑛里・大熊典子(早稲田大学・福井県体育協会)
4位 5-3-3-(6)
○宮川恵子・高野芹奈(和歌山セーリングクラブ)
3位 (4)-4-4-1
レーザー級(14か国/38艇/日本7艇)本日2レース
○安田真之助(宮津高等学校・教員)
5位 6-2-9-(11)
○瀬川和正(米子産業体育館)
7位 3-12-7-(13)
○西尾勇輝(和歌山県立・桐蔭高等学校)
20位 16-10-26-(29)
○南里研二(三重県体育協会)
12位 (19)-8-16-3
○樋口 碧(神奈川県セーリング連盟)
17位 22-13-6-(26)
○北村勇一朗(関東学院大学)
22位 21-14-(27)-20
○藤本 拳(Murdock Institute of Technology, AUS)
27位 (32)-28-24-12
●大会Webサイト:http://www.ac2016.asiansailing.org/
▲モスク島が遠くに見えるレーザーのエリア
▲「インドにプロテスト出します」と怖い顔の南里
▲今日もレースを終えたら日没でした。太陽の横に見えるのは深沢・大熊組
▲暗くなった陸のテントで夜食をほおばる宮川・高野組
▲7艇を曳航して出艇です
▲抜群のスタートをした藤本
Photo by kazushige nakajima
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(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day3
ASAF Asian Championship 2016
ASAF 2016年アジア選手権大会
Report & Photo by JSAFナショナルコーチ
3月9日 風速70ノットの嵐に見舞われて
▲砂嵐でビルの横のフェンスが吹っ飛びました
夜中にヒョウが降ったアブダビですが、今日はとんでもない嵐が通過し、空港の風速計では70ノットを記録しました。ハーバーはビル風のようなつむじ風が襲ってフェンスが倒れ、49erが飛ばされて横倒しになって、散々な一日でした。12時半にはAP+A旗が上がりました。レース運営サイドはこの嵐を想定していたので、陸上待機でよかったのですが、ここまでひどいとは、誰が想像したでしょうか?
「こんな嵐は11年前に一度あったきり。アブダビのイベントは風に強く作っていないから、テントも飛んでしまいました」と、嘆くのは運営メンバーのオリビア。一方向からの風なら風上を向けておけば飛ぶはずではありませんが、11時25分にハーバーを襲った砂嵐は西からの突風で、10分後に雨が降り出したときは北東からの突風に変わりました。ビルの間を抜けてくる風はコークスクリューのように渦をなしており、テントやフェンスだけでなく、道路沿いの樹木も根こそぎ倒されてしまいました。
レース運営の決断は早く、12時半には今日のレースの中止を決定。被害を受けた艇のリペアと再計測を段取りし、明日のレースが通常通りにできるよう準備をしました。真っ暗になって視界がかなり悪くなったときの雨は台風のようでした。時間にすると30分ほどなのですが、最初に来た砂嵐にやられ、雨は痛いほど横殴りでした。地面と平行に横向きに走る稲妻も不気味で、「Storm in Middle East」には、驚かされました。
明日はレーザーが13時から3レース、FXはRS:Xの後に同じ海面でレースをするため、14時30分から3レースを予定しています。予報では今日で雨は終わり、明日からまた晴れた砂漠に戻るようです。引き続き、集中力を切らせないで、しっかりレースに取り組みたいと思います。
●日本選手の成績
49er級(5か国/8艇/日本2艇)本日レースなし
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
2位 5-2-1
○高橋稜レオ・小泉維吹(Kristin School NZL/早稲田大学)
4位 3-5-5
49erFX級(4か国/7艇/日本4艇)本日レースなし
○松苗幸希・原田小夜子(ガルフネット)
1位 2-1-1
○波多江慶・板倉広佳(豊田自動織機)
2位 1-2-2
○深沢瑛里・大熊典子(早稲田大学・福井県体育協会)
3位 5-3-3
○宮川恵子・高野芹奈(和歌山セーリングクラブ)
4位 4-4-4
レーザー級(14か国/38艇/日本7艇)本日レースなし
○安田真之助(宮津高等学校・教員)
3位 6-2
○瀬川和正(米子産業体育館)
6位 3-12
○西尾勇輝(和歌山県立・桐蔭高等学校)
11位 16-10
○南里研二(三重県体育協会)
12位 19-8
○樋口 碧(神奈川県セーリング連盟)
19位 22-13
○北村勇一朗(関東学院大学)
20位 21-14
○藤本 拳(Murdock Institute of Technology, AUS)
30位 32-28
●大会Webサイト:http://www.ac2016.asiansailing.org/
▲「Storm in Middle East」は空が緑色になって電気が流れそうな感じです
▲49erの高橋・小泉艇と宮川・高野艇が吹き飛ばされました
▲わずか30分のストームでレーザーのコクピットにたまった雨水
▲12時半に今日のレースは中止。1時間後に次のストームセルが到達するという予報でした
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day2
ASAF Asian Championship 2016
ASAF 2016年アジア選手権大会
Report & Photo by JSAFナショナルコーチ
3月8日 サンダーストームのあと
毎日、びっくりすることばかりです。
今日は昼前にとんでもないサンダーストームに襲われ、大雨、突風、排水の悪い道路は冠水するような天気に翻弄されました。陸上待機で乗り切りましたが、海上へ出たRS:XはH旗でハーバーへ戻り、ちょうどビーチについたころにダウンバーストに見舞われました。雷を伴い、1時間くらいの長い嵐が去った後は風がなくなりましたが、13時30分にレーザーとRS:Xが出艇すると陸風が海からの風に変わり、徐々に強まる風は10~12ノットまで上がり、いいレースができました。
▲暗い空でした。この直後に突風と雨がものすごい勢いで来襲しました
▲強烈な雨に走って逃げるセーラーたち
レーザー
レーザー級は0°の風でレース1をスタートし、瀬川が右展開で攻めて、1上をトップで回航しました。フィニッシュは4位でしたが、トップの中国がUFDで失格になり3位に上がりました。1上が20番近かった安田ですが、レグごとに追い上げ、最後は6位となりました。南里と北村は42条をとられてペナルティーターンをしなければなりませんでした。
レース2は上エンドが有利なスタートラインで、下から出た西尾がそのまま左展開で攻め、1上をトップ回航しました。思い切りのよい若い力の活躍はうれしい限りです。6位で回った安田は、そこから2位まで上がりました。西尾はじりじりと下がってしまったものの、10位でフィニッシュ。瀬川も中盤の混戦で生き残り、12位で入りました。
レーザーはマレーシア、タイ、安田がトップ3で僅差です。リオへの切符は2枚ですから、この3カ国に中国が加わってフリートをリードしていく模様です。出だしは順調なので、気持ちを強くもって明日の3レースを戦いたいと思います。明日は13時から3レースを行います。
▲第1レーストップ回航の瀬川
▲第2レーストップ回航の高校3年生西尾
49er・49erFX
14時半から予定されていた49erと49er FXは、同じ海面をシェアしているRS:Xのレース終了を待ち2レースを行いました。今日はFXの松苗/原田が1-1を獲得、総合でトップに立ちました。49erの牧野/高橋が2-1を獲得しトップと思っていたら、UFDが3艇あったためインドが2番あがり、総合でトップとなりました。
先に出て行ったRS:Xはオフショアの風でレースを試みたようですが、スキフが陸上待機の途中にオンショアの風に変わり、スキフの2クラスのD旗掲揚は4時半を回っていました。風は40~50°のサイドショアの風に変わり、10kt~13ktの比較的安定した風でレースは行われました。2レース目が終了するころには、日没時間を迎えており、レース海面はフィニッシュラインを探すことも難しい状況でした。
普段行っている世界選手権などの20艇以上のフリートと異なり、今回のように少数で行われるレースではスピードが勝敗の要素に大きく影響します。FXの波多江組はレース2でインドと抗議を出し合った結果、インドが失格になりました。(成績表ではインドがレース3で失格になっていますが、誤りです)明日は12時から3レースが予定されています。
▲夕暮れの上マークを1、2、3、4位で回航する日本勢FX
▲今日安定した風で2位にあがった牧野・高橋
目標とする3種目の枠獲得へ向かって、明日も元気に戦いたいと思います。アブダビには珍しい雨ですが、明日も今日と同様、サンダーストームが予報ででています。どうなることやら。
●日本選手の成績
49er級(5か国/8艇/日本2艇)本日2レース
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
2位 5-2-1
○高橋稜レオ・小泉維吹(Kristin School NZL/早稲田大学)
4位 3-5-5
49erFX級(4か国/7艇/日本4艇)本日2レース*インドの成績に誤りがあり修正の可能性
○松苗幸希・原田小夜子(ガルフネット)
1位 2-1-1
○波多江慶・板倉広佳(豊田自動織機)
2位 1-3-2
○深沢瑛里・大熊典子(早稲田大学・福井県体育協会)
3位 5-4-3
○宮川恵子・高野芹奈(和歌山セーリングクラブ)
5位 4-5-4
レーザー級(14か国/38艇/日本7艇)本日2レース
○安田真之助(宮津高等学校・教員)
3位 6-2
○瀬川和正(米子産業体育館)
6位 3-12
○西尾勇輝(和歌山県立・桐蔭高等学校)
11位 16-10
○南里研二(三重県体育協会)
12位 19-8
○樋口 碧(神奈川県セーリング連盟)
19位 22-13
○北村勇一朗(関東学院大学)
20位 21-14
○藤本 拳(Murdock Institute of Technology, AUS)
30位 32-28
●大会Webサイト:http://www.ac2016.asiansailing.org/
Photo by kazushige nakajima
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
Day1
ASAF Asian Championship 2016
ASAF 2016年アジア選手権大会
Report & Photo by JSAFナショナルコーチ
3月7日 砂漠の雨
朝から雨が降ったりやんだりの1日でした。
ペルシャ湾を北から下がってくる冷たい風とインド洋から入る湿った暖かい風がオマーンの南側を抜けてアブダビ付近でぶつかり気圧の谷ができている様子で、真っ黒な雨雲が雷を伴って発達していました。砂漠の国へ来たのに、これで3回目の雨です。少し離れたところで雷が鳴っているのに風はなくなってしまったので、12時スタート予定であったスキフは延期となり、13時過ぎに少し風が吹いてきた段階で出艇、レーザーも14時スタート予定でしたが、少し遅れて13時半にハーバーを出ていきました。
今朝のもうひとつの事件は、早朝4時にヨットハーバーの桟橋の艇が火災で全焼し、その残骸があちこちに放置されていたことです。油が水面に広がり、灰や燃えかすが水面に広がっていました。私達の驚きをよそに、地元の警察や保険会社は慣れたもので、火災は時々起こるそうです。ガソリンスタンドの給油施設が全焼したこともあったそうです。
49er・49erFX
スキフクラスが海上に出た時には240°、14ktの風だったのですが、男子がスタートする頃には200°、6ktにシフトし、上マークまでポート一本のコース。女子も状況は変わらず、一本コースでスタートしましたが、風が振れ戻らずレースは中止されました。
200°の風で再スタートを行いましたが、今度は風が240°に振れ戻り、2上以降もコースは変更せず、上マークまでスターボードで一本のコース。
男子の49erは高橋/小泉が3位、女子のFXは、このシフトをつかんだ波多江/板倉が1位、松苗/原田が2位となりました。
第2レースは280°16ktでコースを設定しましたが、スタート前にまた200°に振れ戻り、NA掲揚で本日のレースがなくなりました。
今日は不安定な天候で、風が大きく振れ、難しい海面でした。明日は14:30から3レースが予定されています。
▲上マークからほぼ一本で下ゲートにアプローチすると男子フリート
▲大きく風が振れ、全員がポートスタートをする女子フリート。この後NAでレースは中止されました
レーザー
レーザー級は1回スタートを試みたものの、左右に振れまわる風でコースの設定ができず、上マークを設置するボートだけが活発に動く1日でした。結局、レースはできず、明日、13時から3レースを予定しています。
▲曳航されて帰ってくるレーザー7艇
▲午前4時の火災で全焼したボートがスロープを塞ぐ。空は灰色で雨の1日
●日本選手の成績
49er級(5か国/8艇/日本2艇)本日1レース
○高橋稜レオ・小泉維吹(Kristin School NZL/早稲田大学)
3位 3
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
5位 5
49erFX級(4か国/7艇/日本4艇)本日1レース
○波多江慶・板倉広佳(豊田自動織機)
1位 1
○松苗幸希・原田小夜子(ガルフネット)
2位 2
○宮川恵子・高野芹奈(和歌山セーリングクラブ)
4位 4
○深沢瑛里・大熊典子(早稲田大学・福井県体育協会)
5位 5
レーザー級(14か国/38艇/日本7艇)本日レースなし
○南里研二(三重県体育協会)
○安田真之助(宮津高等学校・教員)
○瀬川和正(米子産業体育館)
○北村勇一朗(関東学院大学)
○樋口 碧(神奈川県セーリング連盟)
○藤本 拳(Murdock Institute of Technology, AUS)
○西尾勇輝(和歌山県立・桐蔭高等学校)
●大会Webサイト:http://www.ac2016.asiansailing.org/
Photo by kazushige nakajima
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(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
ASAF AC-2
ASAF Asian Championship 2016
ASAF 2016年アジア選手権大会
Report & Photo by JSAFナショナルコーチ
3月6日
本日、手続きの完了していなかった日本の選手は支払い、保険の控えの提出、パスポート提示等の事務手続きを終え、計測を終了。明日からのレースに備えて海へ出る艇もあれば、まったく海へ来ないで宿でゆっくりする選手もいました。海組は短いセーリングを終えて帰着し、艇を洗って、準備完了です。
17時30分から選手とスタッフが集まり、大会運営からの注意を聞きました。World Sailing (旧:ISAF)のSailing World Cup(マイアミ)で、RS:X級の選手が69条で失格になったこともあり、五輪予選の枠がかかる今大会で同様の事態がおきないよう審判側から特別な注意がありました。
開会式では各国代表の20名が国旗を持って壇上に集まり、マレーシアの選手が選手宣誓を行いました。アジアセーリング連盟会長から大会の開会宣言があり、いよいよ大会が始まります。
これまで355度から吹いていた海風が、今日は30度と変化しました。潮も場所によって不規則に変化するため、明日からのレースでは難しいところもあるかもしれません。自分で見た風を信じて、リオへの切符を勝ち取ってほしいものです。
49erは12時スタート、FXは5分遅れて同じ海面で300m風下に打った上マークを回るコースで3レースを予定しています。レーザーは14時スタートの2レースです。
▲FXのウイングの下がよい日陰です。宮川選手がぴったり収まる場所です
▲ボトムを洗う高橋稜レオ・小泉組
▲アラブの服にゴムボートは似合わないような…
▲高層ビルを背景にダウンウインドの牧野・高橋組
▲最終調整に走る松苗・原田組
▲いつまでも未完成な高層ビルを背景に宮川・高野組のスピンラン
▲レーザーはショートコースのレースで最終調整
▲風速計を持参した鈴木國央コーチ
▲ジュリーメンバーには大谷さんがいました
▲アカだし、ボトム洗いにがんばる樋口と藤本
▲開会式用にセーリングチームのロゴが入ったポロシャツを着るLaser Boys
▲開会式は着席で、ビュッフェディナーでした
▲大会会長の挨拶。アラブの国に来た感覚が強まりました
▲宣誓をする選手ともに、各国の代表と国旗が壇上に勢ぞろい。日本からは西尾選手が参加です
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
ASAF AC-1
ASAF Asian Championship 2016
ASAF 2016年アジア選手権大会
Report & Photo by JSAFナショナルコーチ
▲無事にアブダビに到着したコンテナから艇を引き出し。牧野隊長の指示の下、35分で作業完了
●開催地:アブダビ・UAE Abu Dhabi UAE
●大会日程:
3月5日 受付、計測
3月6日 受付、計測、プラクティスレース、選手ミーティング、開会式・ディナー
3月7日 レース第1日
3月8日 レース第2日
3月9日 レース第3日
3月10日 レース第4日
3月11日 レース第5日、フリートレースは最終
3月12日 レース最終日メダルレース、閉会式
スキフは13、レーザーは11レースを予定
http://www.ac2016.asiansailing.org/index.php/competitor-information/documents/4-notice-of-race-asaf-asian-championship-2016/file
●出場選手
49er級(5カ国/10艇/日本2艇)
○牧野幸雄・高橋賢次(トヨタ自動車東日本)
○高橋稜レオ・小泉維吹(Kristin School NZL/早稲田大学)
49erFX級(4カ国/8艇/日本4艇)
○松苗幸希・原田小夜子(ガルフネット)
○波多江慶・板倉広佳(豊田自動織機)
○深沢瑛里・大熊典子(早稲田大学・福井県体育協会)
○宮川恵子・高野芹奈(和歌山セーリングクラブ)
レーザー級(15カ国/44艇/日本7艇)
○南里研二(三重県体育協会)
○安田真之助(宮津高等学校・教員)
○瀬川和正(米子産業体育館)
○北村勇一朗(関東学院大学)
○樋口 碧(神奈川県セーリング連盟)
○藤本 拳(Murdock Institute of Technology, AUS)
○西尾勇輝(和歌山県立・桐蔭高等学校)
●帯同コーチ(オリンピック強化委員会):鈴木國央・飯島洋一・齋藤愛子
●チームコーチ:近藤(ガルフネット)・三船(ガルフネット)・鈴木(トヨタ織機)・マルシン(トヨタ織機)
●大会Webサイト:http://www.ac2016.asiansailing.org/
2016年アジア選手権が3月5日~12日、アラブ首長国連邦のアブダビで開催されます。本大会は49er級男子、49erFX級女子、レーザー級男子、レーザーラジアル級女子、RS:X級男女の6種目がリオ五輪のアジア枠予選を兼ねており、日本からは国枠がとれていない49er、FX、レーザーの3種目に出場します。20カ国100艇以上のエントリーがあり、7日がレース初日となります。
日本チームは49erFX級の波多江・板倉組が2月15日に現地へ入った後、2月25日のコンテナ引き出しに間に合うように第1陣が到着、現地チャーターのレーザー級は少し遅れて29日にアブダビに到着しました。
この時期(2月末から3月)はアブダビが一年のうちでもっとも過ごしやすい季節で、気温は25度前後。和歌山で4時間半をかけて積み込んだスキフ5艇とレーザー3艇も、ものの35分で引き出しを完了。荷崩れも破損もなくホッとしました。
スキフは2月27日から5日間、シドニー五輪の49er金メダリストクルーのユルキー・ジャービを迎えてスキフプロジェクトの強化練習を行いました。スタート、スピード、レース準備の心がけが主な取り組みで、5日間はあっという間に過ぎてしまいました。
8艇がエントリーする49er FXは日本の4艇、そしてインド、マレーシアが1枠を争います。日本は枠をとったチームがリオ五輪代表となります。アジアNO.1のシンガポールは昨年11月の世界選手権(アルゼンチン)で枠をとっているので、日本チームは実力が接近している4艇がいいレースをして、必ず枠をとることを目標にしています。鍵はスピードです。
10艇がエントリーする49erは実力では牧野・高橋がダントツです。しかしながら、軽風だと軽いチームにもチャンスがあるため、牧野組は体重を落として現地に来ました。軽風が速いインドとの走り合わせでも手ごたえがあり、しっかりと準備をしています。またニュージーランドをベースに活動している高橋稜レオ・小泉維吹組は、高橋が日本からの参加資格を取得し、晴れて五輪代表の座を目指します。10艇の中ではインドの4艇が気になり、加えて韓国、タイも参加しており、各国ともに海外コーチが帯同しています。
レーザーは15カ国44艇がエントリーしており、国枠は2です。優勝か2位に入らないと枠がとれないでしょう。日本からは7艇が参加しています。
クロアチアでの練習をベースにしている安田は、欧州選手権会場のスペイン・グランカナリーでトップ選手との練習を経て現地へ入りました。また、南里はドミニカをベースにしてマイアミのセーリングワールドカップに参加し、軽風ではいい走りを見せました。瀬川もマイアミの後、セイルコーチでマルタでの練習をこなしてきました。若手の北村、樋口、藤本、西尾はパースプロジェクトで育成中の東京ホープです。ベテランと若手がそろったので、勢いをもって枠を取りにいきます。
すでに代表が決まっている470男女、RS:X男女、レーザーラジアル女子に続き、ここで確実に3種目の枠をとりにいきます。日本チームは5日に全艇計測を終了。6日はプラクティスレース、7日が初日です。
▲5日は計測、スキフのセールは番号チェックとスタンピングのみ
▲艇体重量を測る重量計にハルのボトムの形を段ボールで作成するのは牧野
▲重量を測る波多江艇
▲アブダビ会場の風景です
▲同じくボートパークの風景です
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)