最終日
2016 470 CLASS OPEN MEN’S & WOMEN’S EUROPEAN CHAMPIONSHIPS
2016年 470級ヨーロッパ選手権大会
Report & Photo by 中村 健次・中村健一・鈴木 國央
▲メダルレースを終え曳航でハーバーに戻る吉田・吉岡。お疲れ様でした
吉田・吉岡、5位入賞(4月12日、メダルレース)
470女子の吉田愛・吉岡美帆が6位でメダルレースに出場しました。
レース海面はハーバーから500mほどの所にあり、陸からの観戦は難しい位置でした。
午前中は風が弱くスタートは12時に変更され、10時30分から艇のインスペクション(最終計測)がありました。それでも風は上がらず、陸上でAP旗が掲揚。その後、徐々に海風が安定してAP旗が降下され、レースは12時半に始まりました。コース210°、8ノット、波なしのコンディションでした。
1位が優勝確定、2位もほぼ確定しているという中、6位までの4チームが3位を狙える位置につけています。3位ブラジルと6位日本の差は8ポイント。3位のブラジルもどのチームをカバーしていいのか分からない状況で、どのチームも前を走ることだけを考える比較的シンプルなレースでした。
スタートからフィニッシュまで20分程度なので、それぞれのマークは混戦になります。吉田・吉岡も3~6位の中で戦いますが、最後のフィニッシュのアプローチでオーバーセールしてしまい、6位でフィニッシュ。しかし、同点だったスロベニアが7位でしたので、一つ順位を上げ、総合5位で入賞を果たすことができました。
今大会は強風がなく、強くても中風強(14ノット程度)、大半は10ノット前後のコンディションでした。吉田・吉岡は課題としている軽、中風でいい感触を掴み始めています。これからオリンピックに向け、しっかり課題に取り組みたいと思います。
●選手コメント
470女子
吉田:「メダルレースには6位で進出し、上位と得点差があまりなかったので、思い切りのいいレースをしようと思っていました。メダルレースはコースが短いことから混戦になるので、マークアプローチのポジショニングが大切になりますが、最終アプローチでオーバーセールをして、大きく順位を落としてしまいました。そういうちょっとしたミスが多いのでメダルに届かないのだと思います。オリンピックまで残された時間、ミスを少なくできるように練習を重ねます」
吉岡:「今日は6位でメダルレースに臨みました。最後の下マークアプローチでミスをして、順位を落としてしまいました。今大会は軽風、中風域で自分たちの課題とする風でレースができ、学ぶことの多いレースでした。これからオリンピックに向けて今の課題を克服したいと思います」
●成 績
470級男子(69艇参加)
○土居 一斗・今村 公彦
18位 予選:14-28-27-2-2 決勝:21-15-30-9-(RET)-9
○市野 直樹・長谷川 孝
23位 予選:18-11-22-17-4 決勝:26-11-22-15-(32)-22
○高山 大智・木村 直矢
35位 予選:10-29-14-12-13 決勝:(BFD)-27-35-29-RET-33
470級女子(57艇参加)
○吉田 愛・吉岡 美帆
5位 予選9-2-(14)-12-5 決勝:5-2-2-10-13-11-M6
○山口 祥世・畑山 絵里
35位 予選13-20-(33)-16-15 決勝(シルバー):14-1-8-1-10-6
▲メダルレース終了時に掲示される順位確定ボード
▲メダルレースを終え曳航でハーバーに戻る吉田・吉岡。お疲れ様でした
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
470EC-2
2016 470 CLASS OPEN MEN’S & WOMEN’S EUROPEAN CHAMPIONSHIPS
2016年 470級ヨーロッパ選手権大会
Report & Photo by 中村 健次・中村健一・鈴木 國央
▲男子2日目の決勝フリートのダウンウインドレグ
4月11日、決勝終了。明日はメダルレース
予選14位で決勝に進んだ吉田・吉岡、決勝1日目は苦手意識のある8~12ノットの風の中での戦いとなりました。
課題のスタートが上手くいき、そのまま良い側へのレース運びができました。3レースともに最初の1上マークを3位以内で回航する素晴らしい走りでした。ダウンウインドで抜かれることもありましたが、波に合わせて走らせるポイントを見つけつつあり、5-2-2位で決勝1日目は総合3位までジャンプアップしました。
決勝2日目は1日目と同じような風域、波でしたが、1マーク近くでの思い切りが少し足りず、10番手前後でレースを進めました。その後もチャンスをつくるができず、良くも悪くもない10-13-11位という走りになってしまいました。
この結果、吉田・吉岡は6位でメダルレース進出を決めました。3位と8ポイント、7位とも8ポイント差での戦いとなります。プレッシャーのかかるメダルレースですが、攻めのレースを求められることになります。
一方、男子の土居・今村は総合18位となり、メダルレースに進むことはできませんでした。最終日にスタートでのインシデント(接触でリタイア)があり、艇の一部が破損しました。厳しい中での戦いに何が必要か、オリンピックに向け必要なことを見極められれば必ず良い結果が期待できます。
市野・長谷川は予選中にチューニングを変えて、走りが改善されました。決勝でも10位前後を走る場面がありましたが、その順位を守り切れずに後退してしまいます。「レース中に何を優先すべきかを判断できていない、そこが課題です」とは本人たちの弁。
高山・木村は結果こそゴールドフリート最下位でしたが、「日本と世界の違い」「何をすれば良いのか」など、今回感じたことを次へのスッテプの糧にできるなら大きな収穫だと思います。
●選手コメント
470女子
吉田:「決勝になって、一線からスタートできるようになりました。その後のコース取りで行きたいと側に行けた時には最初の上マークの順位が良く、ダウンウインドでも抜かれることが少なくなりました。明日のメダルレースは表彰台を目指して臨みます」
吉岡:「決勝初日はスタートが決まり、プラン通りのコースが取れ、いい順位でまとめられました。2日目はスタートとその後の流れを掴むことができず、なかなか前を走れませんでした。メダルレースで3位を狙える位置にいるので、思い切ってレースをしたいと思います」
●成 績
470級男子(69艇参加)
○土居 一斗・今村 公彦
18位 予選:14-28-27-2-2 決勝:21-15-30-9-(RET)-9
○市野 直樹・長谷川 孝
23位 予選:18-11-22-17-4 決勝:26-11-22-15-(32)-22
○高山 大智・木村 直矢
35位 予選:10-29-14-12-13 決勝:(BFD)-27-35-29-RET-33
470級女子(57艇参加)
○吉田 愛・吉岡 美帆
6位 予選9-2-(14)-12-5 決勝:5-2-2-10-13-11
○山口 祥世・畑山 絵里
35位 予選13-20-(33)-16-15 決勝(シルバー):14-1-8-1-10-6
▲男子決勝最終日のスタート
▲女子決勝8レース目の吉田・吉岡の上マークアプローチ
▲女子決勝最終11レース、上マークからサイドマークに向かう吉田・吉岡
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)
470EC-1
2016 470 CLASS OPEN MEN’S & WOMEN’S EUROPEAN CHAMPIONSHIPS
2016年 470級ヨーロッパ選手権大会
Report & Photo by 中村 健次・中村健一・鈴木 國央
▲初日、男子スタート直前
●開催地:スペイン・マヨルカ島(パルマ)Spain Majorca (Palma)
●大会日程:2016年4月4日〜4月12日
●出場選手
470男子
○土居 一斗・今村 公彦(アビームコンサルティング・九州旅客鉄道)
○市野 直樹・長谷川 孝(和歌山セーリングクラブ、横浜ゴムMBジャパン株式会社)
○高山 大智・木村 直矢(日本大学入学4月予定、日本大学)
470女子
○吉田 愛・吉岡 美帆(ベネッセホールディングス)
○山口 祥世・畑山 絵里(NOEVIR)
●JSAFコーチ:中村 健次・中村健一・鈴木 國央
●大会Webサイト:http://2016europeans.470.org/en/default/races/race
女 子
今大会は2海面が用意され、男子、女子が海面を分けて予選が行われました。
大会2日目が大雨、そして風が安定せずレースが行われなかったため、予定が1日遅れましたが、大会3日目で男女それぞれ5レースを行い、予選が終了しました。
初日は10→7ノット程度の風の中、男子が3レース、女子が2レースを実施。
女子の吉田・吉岡は第1レースのスタートミスを挽回し順位を上げ、まずまずの出足で9-2位、総合で4位につけました。
3日目はスケジュールの遅れを取り戻すべく女子は10時45分(12時予定を繰り上げ)のスタートとなりました。
吉田・吉岡は最初のレースではマークタッチ。
2レース目は上マークをポートアプローチしますがスターボ艇のラインができてしまい、スターボ艇10艇以上の後ろを避けることになり、このレースも6番手くらいから一気に20番手まで順位を下げ、上位艇に距離を離されて苦しいレースでした。
3レース目はスタートこそ失敗するものの良い側に行って終始5位をキープでき、何とか上位にポイントを開けられず、13位で決勝に進みます。
山口・畑山は12ノット近くなると体力負けする観があり、苦しい戦いとなります。また、コースの選択も悪い側に行ってしまうことが多く、残念ながらシルバーフリートとなってしまいました。
男 子
男子は初日に3レースを実施。
土居・今村は第1レースのスタートを決めて、フリートの前でポートタックになり、リフトの中しっかりと走りながら、右の風に振れ戻るのを待ちますが、なかなか振れは戻らずに上マークを15番くらいで回航していきます。その後のダウンウインドで追い上げ、下ゲートを8位まで上げますが、2上のシフトをうまく掴むことができずに、14位でフィニッシュしました。
風の落ちた第2レースでは、リーチングのレグで内側に入ってしまい、風はさらに左に振れ大きく順位を落としてしまいました。
第3レースでは、風はさらに不安定になり、順位を上げることができませんでした。
3日目の予選の2レースでは、10ノット~12ノットの順風の中、決勝進出へ後のない土居・今村は、最後まで競り合い、2位、2位となり、決勝フリートに食い込みました。
ナショナルチームの市野・長谷川も、第5レースで4位を獲得し、高山・木村も13位、12位の成績で、日本男子3艇が全員決勝フリートに進みました。
決勝の始まった第6レース、レース開始時刻前に弱くなり、徐々に左に振れていく展開でした。調子を上げてきた土居・今村はスタートでよく競り左海面に伸ばしますが、風は大きく右に振れ戻ります。いち早く気づき、右海面に伸ばしたあとに右艇団の下でリフトの風を受けて走ります。しかし、風は右に振れ続けて上マークを15位前後で回航、その後最後のダウンウインドで順位を落とし、21位でフィニッシュしました。
朝から良い流れだったのに少し残念ですが、明日からのレースに期待ができる内容でした。
市野・長谷川は良いスタートで左展開するも右が伸び、その中でも上手く右に寄せて行き13位で上マークを回航。その後も順位をキープして最終上を回航したのですが、スターボロングに対してインサイドで展開したことで大きく順位を落とし26位でフィニッシュでした。
非常に悔しまれるレースでした。明日から気持ちを切り替え、目の前の課題に取り組んでいきます。
●選手コメント
470女子
吉田:「今回のレガッタはスタートの精度を上げること、レース中にクルー吉岡とのコミュニケーションを積極的に取り、多くの情報を取り入れること、を課題にしています。今日のレースではスタートの課題が裏目に出てしまい成績は悪かったのですが、明日からの決勝レースでは結果に繋がるように頑張ります」
吉岡:「今日は振れとブローにうまく合わせられず、なかなか前を走る事が出来ませんでした。今回のレースでは周りをよく見て、情報をうまく伝えることを課題にしているので、明日からもっと視野を広くして、情報共有をしていきたいと思います」
●成 績
470級男子(69艇参加)
○土居 一斗・今村 公彦
27位 予選14-(28)-27-2-2 決勝21
○市野 直樹・長谷川 孝
29位 予選18-11-22-17-4 決勝(26)
○高山 大智・木村 直矢
33位 予選10-29-14-12-13 決勝(BFD)
470級女子(57艇参加)
○吉田 愛・吉岡 美帆
13位 予選9-2-(14)-12-5 決勝
○山口 祥世・畑山 絵里
36位 予選13-20-(33)-16-15 決勝
▲男子決勝1レース目、ワールドチャンピオンの間に割って入った土居・今村
▲3日目、女子上マークアプローチする山口・畑山
▲3日目、混戦から抜け出し下マークを回航する吉田・吉岡
▲市野・長谷川組
▲山口・畑山組
▲高山(右)・木村組
▲土居・今村組
▲吉田・吉岡組
(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)