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2016 420 World Championships

420級世界選手権大会 2016


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Report by 重 由美子・Photo by 橋本 健太郎




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ダントツトップでフニッシュする倉橋・小柳組


決勝1日目

朝は東風が吹き、昼から風が落ちてくるという予報だったので10時スタート予告となり、D旗も9時50分に上がりました。海面は10ノット前後の順風が吹き、絶好のレースコンディションでしたが、徐々に6ノットから7ノット程度まで落ちてきました。

オープンの海面はすぐにレースが始まり、ゼネリコもなかったためスムーズにレースを行うことができ、予定の2レースを消化できました。
オープンのゴールドチームは、初めてのゴールド2年生チームがレベルの高いレースに苦しみ、松尾・三浦チームが辛うじて上位にとどまっています。

レディース、U−17の海面はゼネリコを繰り返したためレースが遅れ、1レースを消化した後に風が落ち始め、ハーバーバック、再度、海に出たものの風は上がってこず、後日に延期となりました。
初めてゴールドに進出したレディースの石井・盛田チームは、スタートでゴー
ルドの洗礼を浴びて1マークではブービーで回航。その後、得意の粘り強いレースでしつこく走り、フィニッシュは28位まで上げてきました。
宇田川・大橋チームは、フィニッシュへのアプローチの厳しいタイトリーチでマークタッチし、順位を大きく落とす結果となりました。明日に向けて、態勢を立て直し、がんばります。

U-17は、倉橋・小柳チームが有利な右海面を目指してスタート前から執拗に上を狙いました。その競争に競り勝って上2番からめ目の覚めるような鮮やかなスタートを決め、良い方の右海面に返し、1マークからダントツのトップ。マークを回るごとに後ろと距離を広げ、最終的には2位に40秒差をつける見事なトップを取りました。本日の日本チームのMVP! この勢いに乗って、明日からもこの調子を続けて欲しいと思います。

●本日のMVPのコメント
倉橋 なおき
今日の勝因は、スタートとスピードを出せていたこと。初めの頃はスタートできていなかったが、スタートで出るコツがつかめて第1線で出ることができた。スピードではトップ集団より速いスピードを保つことができた。この調子を保って順位を安定できるようにします。

小柳 りんたろう
○良かったこと
 ・スタート時の声の大きさ
 ・積極的にバウを出し、周りに負けないようにした
 ・加速するタイミングを早めた
 ・ボートスピードを維持することができた
○悪かったこと
 ・スピンランでのコールが少なかった
 ・少しタックが多かった


大会Webサイトhttp://2016worlds.420sailing.org/en/default/races/race


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第8レース、3位で上マークにアプローチする松尾艇。この後ペナルティーターンで10位まで順位を落としますが、粘り強く7位でフィニッシュ。総合8位にまで上がり、終盤戦に臨みます



(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)

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2016 420 World Championships

420級世界選手権大会 2016


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Report by 重 由美子・Photo by 橋本 健太郎




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美しいサンレモをバックにレース


3日目で予選終了

1日目は無風ノーレースとなり、残り2日は遅くまで風待ちの後、3レースずつレースを消化できました。予選最終日は20時ころにレースが終わりました。

スタート予行時刻が10時だったり13時だったりと、コミッティは天気予報に合わせて臨機応変にスタート予告時間を変更して努力をしてくれているのですが、なかなか思うように風が吹いて来ず運営スタッフ泣かせ。選手も長い待ち時間をコントロールせねばならず、体力を維持し、集中力を持続させるタフさが必要になってきます。

オープン、女子U-17の海面ともに沖に出すと水深が100mを超えるため、岸際でレースを行います。その結果、どちらの海面も風が強くなると陸の影響が出始めます。
風が強くなってくると陸の影響で右海面が良くなってきますが、日本チームは、本部船側に集まる集団のトップでスタートすることができないことが多く、ハイレベルな集団の中でのスタートをする機会が少なく、苦戦を強いられています。
一方、風が弱い時にはオープンシーからのブリーズの影響がやや入ってくることになってコース選択に迷いが生じ、ゆっくり変化していくシフトに乗り切れず、順位を落とすことがありました。

オープンでは松尾・三浦チーム、尾道・冨永チーム、西村・平井チームがゴールドフリートに残りました。少しずつヨーロッパ特有のシフトにも慣れてきて、これからが楽しみです。
蜂須賀・岩田チームは、1レース目に3位でフィニッシュするもリコール。このレースはマークタッチを解消しなかったり、インシデントを起こしたりトラブル続きでした。船は走っていたのですが、リコールのショックを引きずり、その後のレースで消極的になり、5レース目には2度目のマークタッチをして解消せず、ジュリーに抗議を出され、リタイアすることとなりました。非常にセンスがあり、スピードもあるチームなので、しっかりとルールを守り、気持ちを新たにシルバーでトップを目指して欲しいと思います。

女子は、宇田川・大橋チーム、石井・盛田チームがゴールドフリートに残りました。磯辺高校の石井・盛田チームは、海外レース初参加で専属のコーチもつかない中、自分たちでしっかりとペースをコントロールし、粘り強く諦めないレースを展開し、じわじわと上位に食い込み、これからが非常に楽しみなチームです。

U-17の3チームはスタートでラインにつけないことが多く、スタートから頭を出せずに気後れしていますが、徐々に雰囲気に慣れてきて、順位をあげています。このフリートは68艇と艇数も多く、上げ潮のためゼネラルリコールを繰り返すのでコミッティがAPにしてくれることもあり、未完成のヤングセーラーに配慮したレース運営がみられます。

●予選を突破した日本チームのコメント
松尾 虎太郎
予選シリーズとはいえ、スタートから混戦でその中でクリアーに出ていくことを意識しました。しかし、途中の展開などでミスがあると集団にのまれてしまい、自分たちのレースができませんでした。決勝では、スタートからフィニッシュまで自分たちが思い描いたようなレースをします。

三浦 匠
予選は通過したのですが、この後が本番だと思うので、焦らず落ち着いてレースをしたいです。そして、自分の力を出し切り、レースを終えたいです。

尾道 佳論
予選は通ったけど、綺麗にスタートできたのは6レース中1レースのみで、スタート後に毎回苦しい展開になっていた。スタートを改善し、ゴールドでメダルを取れるよう頑張りたい。

冨永 理貴
予選はうまくスタート切ることができませんでした。決勝は難しいレースになると思いますが、しっかりとスタートを決めて一つでも上に絡み、今よりも上の順位を目指します。

西村 宗至朗
予選シリーズはスタートがうまくできませんでした。自分たちの何が悪くて、何が良かったのかを明確にさせて、決勝シリーズでは、それを活かせるようにしたいと考えています。

平井 徳輝
予選シリーズが進むにつれて、緊張が解けて、自分の中ではいつも通りの動きができるようになってきました。決勝シリーズでは外国人選手に怖じ気づかず、もっと上を目指せるように頑張りたいです。


大会Webサイトhttp://2016worlds.420sailing.org/en/default/races/race


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曳航でレース海面に向かうTeam Japan。微軽風での神経戦が続きます

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ゴールドフリート進出の松尾・三浦匠組(光高校)。スタートの安定感は抜群です。課題は展開力

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同じくゴールドに進出した尾道・冨永組(光高校)。クレーバーに集団を抜け出してきます

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2年生ペアながらゴールド進出の西村・平井組(清風高校)。OBの松永鉄也コーチの指導も受けながら、尻上がりに調子を上げてきています

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JSAF派遣チームの蜂須賀・岩田組(霞ヶ浦高校)。第1レースを3位でフィニッシュするもUFD。最後まで波に乗れず、シルバーフリートとなりました



(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)


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2016 420 World Championships

420級世界選手権大会 2016


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Report by 重 由美子・Photo by 橋本 健太郎



●開催地:サンレモ・イタリア San Remo, Italy
●大会日程:2016年7月18日〜23日
●参加艇数オープン/110艇・女子/84艇・U-17/68艇
出場選手:
○西村 宗至朗・平井 徳輝(清風高校)
○藤原 達人・長沢 潤一(清風高校)
○松尾 虎太郎・三浦 匠(山口県立光高校)
○尾道 佳論•冨永 理貴(山口県立光高校)
○蜂須賀 慎之介・岩田 慧吾(霞ヶ浦高校)
○宇田川 真乃・大橋 未奈(霞ヶ浦高校)

●帯同コーチ:小松 一憲・橋本 健太郎
自己参加チーム:男子/5チーム・女子/5チーム

大会Webサイトhttp://2016worlds.420sailing.org/en/default/races/race

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アウェーの海に挑みます

420級世界選手権が7月18日〜7月23日、イタリアのサンレモで開催されます。
7月10日に現地入りして、11日から練習を始めた日本チームは、計測を無事に終了し、いよいよ開会式を迎えました。

今回、日本からは過去最高の16チームが参加しており、昨年の世界選手権の日本開催の成果がこのような形で出てきたことが嬉しいところです。また、計測の順番など様々なシーンで、日本チームは昨年の恩返しとしてサポートを受けることができました。

今回は、高校の顧問の先生をはじめ、ヨーロッパのビックボートのサーキットを転戦中の元オリンピック選手、松永哲也さんもコーチングに駆けつけてくださり、また保護者の方々の温かい支援もあり、心強いサポート陣となりました。

イタリアのセーリング文化にカルチャーショックを受けながら元気に練習を重ねていた日本チームは、開会式を終了していよいよレースを迎えます。ディフェンディングチャンピオンとして、アウェーの海に挑みます。


●選手の抱負
西村 宗至朗
「日本と違う環境の中で、自分のペースを崩さないようにしたいと考えています。2度目の世界選手権挑戦なので、昨年学んだことを最大限発揮し、さらにたくさんのことを吸収したいと思います。また、レースをしっかり楽しんでいきたいです。」

平井 徳輝
「今大会は、私にとって2回目の世界選手権です。昨年とは違い、今年はオープンで出ます。これまで練習してきたことをすべて発揮し、メダルを取れるようにがんばります。」

藤原 達人
「2度目のU-17での参加なので、上位を目指しながらも自分のやるべきことをやり、昨年の反省を活かして、多くのことを学んで日本へ帰りたいです。」

長沢 潤一
「昨日のプラクティスレースではスタートの位置どりが悪かったので、本番ではスキッパーと協力して良いスタートができるようにしたいです。また、外国人のスタートを観察して多くのことを学びたいです。」

松尾 虎太郎
「今年も日本に優勝カップを持って帰る。自分の納得のいくレースをする。」

三浦 匠
「練習の成果を全て出し切り、優勝して日本に帰る。」

尾道 佳論
「オープンでの参加は今年が初めてで、今の自分の実力がどこまで通用するかわからないけれど、練習を活かしてメダルがとれるようがんばります。」

冨永 理貴
「今年は、去年のような悔しい思いをしないように、自分の力を全て出し切りメダルを持って帰る。」

蜂須賀 慎之介
「基本を忠実に実行し、気持ちで負けないようにします。メダルを取ります。」

岩田 慧吾
「420での世界大会は今回が最後なので、後悔のないような走りをし、上位に食い込めるようがんばりたいです。」

宇田川 真乃
「今までやってきたことをすべて出し切ります。表彰台に立ちます。」

大橋 未奈
「昨年はU-17で参加して、経験を積みました。今年はミスのない、自分が納得できるセーリングをして良い成績を残します。」


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(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)