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49er, 49erFX Junior World Championships
2016.9.7

49er, 49erFXジュニアワールド選手権


Report & Photo by 山田 寛


●開催地:レリスタッド・オランダ Lelystad・Netherland
●大会日程:2016年8月31日〜9月3日
●出場選手:
 49er:高橋 稜・小泉 維吹
 49erFX:山崎 アンナ・高野 芹奈
●帯同コーチ:山田 寛(日本セーリング連盟)・鈴木 國央
●最終成績:
 49er:高橋・小泉(14位)
 49erFX:山崎・高野(15位)
●大会サイト:http://49er.org/event/2016-junior-world-championship/


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▲大会が行われたヨットハーバーBatabia Haven


開催地レリスタッドはアムステルダムから西に車で1時間ほど走った所にある比較的新しい街で、ハーバーには美しい帆船がいくつも係留されている綺麗な場所でした。ここに世界各国から49er 35艇、49er FX 34艇が集まり熱戦が繰り広げられました。

1日目
初日は49er 3レース、49er FX 2レースが行われました。

午前中に出艇した49erは予定より少し遅れて6ノット程の軽風の中1レース目がスタート。高橋・小泉組はアウターからフレッシュウインドをつかみ第1レースを3位フィニッシュと幸先の良い出だしとなりました。

2レース目は長い風待ちの後に行われ、スタートで出遅れた高橋・小泉組は第1マークから遅れを取り、その後も大きく挽回することができず21位となりました。

第2レースの反省を生かし臨んだ第3レースは丁寧な展開で上マークを10位で回航するも、最終ダウンウインドで後ろから入ってくる新しい風に対応しきれず、不運にも16位まで落としてしまいました。

49er FXは49erのレースの終了後に2レースが行われました。
1レース目は緊張のためかレース中にティラーを離してしまうミスがあり沈。28位のスタートでした。

2レース目はミスもあったもののスピードを生かし8位でフィニッシュし、2日目につながる内容となりました。


2日目
49er FX、49er共に4レースが行われました。
風は午前中8~12ノット、午後は10~13ノットの北西風と初日よりも少し上がった風域の中で行われました。

午前は49er FXのレースが行われ、トップグループにはなかなか食い込めないものの、着実に順位をまとめ総合で7位まで上げる内容でした。

49erはスタートがなかなか決まらず苦しい状況からのレースでしたが、シフティな中でも左寄りのプレッシャーをうまく使いながら、地味ではあるもののシングル3つを取り総合で4位に上がりました。


3日目
予報通り朝から風が徐々に上がり、南西の風が12~16ノットの比較的安定した中で49erが3レース、49er FXが4レース行われました。

本大会は新しいレースフォーマットが採用されていました。
予選シリーズの1位から7位までがファイナルへ進出します。一方、予選シリーズ8位から15位までがセミファイナルに進出し、その中で1番になった艇が8番目の艇としてファイナルに進出するというシステムです。

この日はファイナル進出の7位以内を目指してのレースとなりましたが、49erは風が上がってもスピードには問題ないものの、課題のスタートでうまく加速し切れず苦しい展開からのレースが続きました。
その結果、第8レースでは風の読みも外れ31位と大きく崩してしまいました。しかし、第9レースではスピードを生かし10位と踏ん張り、メダルレースシリーズファイナルの可能性を残し第10レースに臨みました。

第10レースではついに会心のスタートを決め、序盤はトップを争う展開で上マークを5位で回航しましたが、下マーク手前でスピードコントロールに失敗し痛恨のバウ沈。そこから追い上げるも21位となり、9位でセミファイナルに臨むこととなりました。

午後に行われた49er FXは、風に加え波が出てきたことによりアップウインドのスピードで劣る形となり、思うようなレースができませんでした。この日行われた4レースをDNF-14-15-20とし、ぎりぎりの15位でのセミファイナル進出となりました。

さらに、レース後ハーバーに帰る途中に山崎選手が足を怪我するアクシデントに見舞われ、翌日のセミファイナルに出場できるかどうか微妙な状況となってしまいました。また、陸に上がってから総合16位のオランダ艇から抗議を出されるという事態となりましたが、高野選手の堂々とした受け答えにより相手の抗議が却下となりました。


最終日
午前中にセミファイナル、そして午後にファイナルが行われましたが、49er FXの山崎選手は昨日の足の怪我の様子が芳しくなく、無理をして大きな怪我につながる恐れがあったためレースをリタイアすることにしました。この時点で総合15位が決まり、大会を終えることとなりました。

49erは4ノット程度の軽風の中セミファイナルに出場しましたが、積極的に攻める他チームに比べ消極的なレースになり、3レースを7位‐8位‐7位といいところを見せることができず、総合14位まで落とす結果となりました。


まとめ
今大会は日本から初めての49erおよび49er FXジュニアワールド出場となりましたが、上位に食い込むことができず悔しい結果となりました。しかしながらスピードやアクションにおいて大きな手応えを感じており、結果以上に得るものが大きな大会となりました。両チームともに若い選手で構成されており、今後の飛躍に大いに期待したいと思います。

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スタートを決める高橋・小泉組


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山崎・高野組の上マーク回航


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セミファイナル第1レースを4位で回航する高橋・小泉組


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来年は日本選手がここに立っていることを期待したいします


(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)