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Day3


Enoshima Olympic Week 2017
26 - 29 Oct 2017



江の島オリンピックウィーク2017

レース3日目(最終日)
レポート

最終日は台風22号の影響でひたすら雨の1日でした。その中でしっかり2レースができたスキフの49erと49er FX, RS:X男女、1レースができたフィン、レーザーと470女子、レースができなかった470男子、420、ラジアルとで明暗が分かれました。

RS:Xの富澤選手は僅差の表彰台争いで3位に入りました。蒲郡で逃した表彰台に今回は上がることができましたが、「このメンツなら優勝狙えましたよね」(富澤)と、1つクリアしてもさらに次の課題が浮かび上がり、これがオリンピックまで続くのでしょう。優勝したGao(中国)、Lee(韓国)とはこれからもずっと戦いが続きます。

RS:X女子は伊勢田選手が最終日に逆転されながらも、3位で表彰台に上がりました。中国勢との競り合いに残り、リオ五輪の経験だけではなく、江の島という地の利を生かして東京を目指してほしいと思います。また、1レース目ではRS:Xユースワールドで3位に入った松浦選手がシニア相手に4位に入り、前を走った時の勝負強さを見せてくれました。

レーザーラジアルの土居愛実選手は蒲郡の時の富澤と同様に、最終日での逆転チャンスがノーレースという結果で表彰台が実現しませんでした。視界の悪い、時折激しく降る雨の中でずっとゼネリコを繰り返し、スタートしたレースもN旗が上がるという残念な結果でした。

1レースができたレーザーでは瀬川選手が9位に入りました。トップランカーが数多く集まったレーザー男子は非常にレベルの高い中での争いです。まずは1レースでも上位を走り、キープすることが先決です。江の島に集まるトップ達との練習を生かして、さらなるレベルアップに期待します。
また、12月にユースワールド(ラジアル男子)に出場する鈴木選手が今回はスタンダードに参加し、37位に入りました。今回の上位3名はそれぞれの国の2番手の選手達です。みな、ユースワールドで台頭し、シニアでのトップ選手へと成長していく下克上グループですから、若手の成長も楽しみです。
レーザーとラジアルは次の週末から全日本選手権が山口県・光であります。鈴木選手の地元での大会となります。

フィンは日本での国体種目からなくなって以降、活動がほとんどありませんでしたが、今回は海外勢がコンテナで自艇を輸送してきていたので8艇のエントリーを得て実現しました。スウェーデンの選手が中耳炎になり初日のみの参加でしたが、7艇とはいえ世界チャンピオンとメダリストが集結したグループであり、フィンを始めたばかりの藤村選手にとっては貴重な経験になったと思います。
優勝したGilles Scottはアメリカズカップのイギリスチームのタクティシャンでしたが、7月後半にも葉山で練習していましたし、蒲郡でフィンが実施されませんでしたから、代わりに江の島での練習期間がとれました。

49erはイギリスのワンツー争いが江の島でも繰り広げられました。彼らはどの大会でもトップ争いをしており、ロンドン、リオで負け続けたAUSとNZLに勝てるチーム作りに取り組んでいます。昨年の江の島オリンピックウィークに出たDylanとStuがワールドチャンピオンになり、再度、本大会で優勝しました。完璧なボートハンドリングを目指しているそうです。日本の2チームもボートの一部になるくらいまで乗り込んで世界との差をつめてほしいと願います。

49er FX女子はチャンピオンのNZLがドイツを引き離して優勝しました。トップと少し力の差がある第2グループとに分かれていますが、日本勢はその中で戦えるところに3チームともいます。今回は山崎・髙野組が最終レースでも3位をとり、総合7位は日本選手トップです。

470男子はイギリスのPatience/Grube組が優勝しました。夏の全日本から江の島に来ていますが、コーチとしてMorgan Reeserが復活し、このチームで東京でのメダルを狙います。日本は2位に高山・今村組、6位に磯崎・高柳組、7位に土居・木村組が入り、層の厚さは世界1です。今後も競争が続き、競り合いをしながらより強いチームの誕生を期待します。

470女子は1レースを行い、吉田・吉岡組がトップをとって総合3位となり、吉田選手は4カ月の息子さんを抱いて表彰台に上がりました。吉田選手は「女性アスリート支援プログラム」で出産と育児のサポートを受けており、出産後、短期間で競技に戻ってくることができました。チャイルドルームでお世話をしてくださる皆様も含めて、吉田選手の復帰を応援いただき、ありがとうございます。

420は2日間のレースで、しかも最終日にはレースがなくて残念でしたが、「本物」に出会う機会が得られたと思います。これまでの江の島オリンピックウィークとは比べられないほど進化した異次元な大会で刺激を受け、日々の練習に持ち帰ってもらえたなら、土砂降りのノーレースの辛さは帳消しにならないでしょうか。

東京オリンピック開幕まで999日になりました。今回はオリンピッククラスで4種目が表彰台に上がりましたが、金メダルがありませんでした。表彰台に上がるようになったなら、次は金メダルを目指すのが順番です。次は金が欲しいです。

今大会はナショナルチームの選考の1つになります。チームの発表は10月末にあらためて、オリンピック強化委員会のウェブサイトでお知らせします。

台風で始まり台風で終わり、コンテナが流れ、ハーバーが被害にあった時にはどうなるかと思いましたし、土砂降りの最終日にはレースができるかも心配でしたが、無事に大会が終了しました。皆様、ありがとうございました。

Report by 齋藤愛子
Photo by 平井淳一


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大会サイト:https://www.jeow.org/

(編集・文責:JSAFオリンピック強化委員会・広報)