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最終日



2012
レーザー級レーザーラジアル級
ナショナルチーム選考大会
〔兼 世界選手権日本代表選手選考大会〕

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Report:オリンピック特別委員会 広報
Photo : 岡田 敏晴・中嶋 一成

開催地:神奈川県 葉山町 葉山新港
会 期:2月7日(火)〜12日(日)
エントリー:レーザー級/12名 レーザーラジアル級/11名
大会公示
LinkIcon2012年 レーザー級・レーザーラジアル級 ナショナルチーム選考大会 開催公示(PDF)


1202_laser-NT_race-34.JPG最終日、富士山を背景にラジアル級スタート
2012年 新NT決まる
レーザー級 安田 イアン 永井
レーザーラジアル級 土居 原田 松苗
土居は史上初の高校生NT

1202_laser-NT_race-37.jpg3位に入った永井2月12日 大会5日目・最終日いよいよ選考レースも最終日。前日、レース委員会は最大12レースの実施をめざし、最初のレースの予告信号を08:30と公示しました。
日が差しているものの、葉山沖は凍える寒さです。海面は今シリーズ初めての真北に近い風が静かに吹いていました。定刻スタートには風が安定しないためしばらくの待機。ようやく待望の8~10ktのブローが海面を覆うようになりました。
09:15レーザー級からレースが始まりました。両クラスは1上まで順調な展開を見せていましたが、次第にNNE系のブローが衰え、微風の中の戦いに変わってきてしまいました。
レーザー級第9レースはなんとかフィニッシュまでこぎつけましたが、レーザーラジアル級は鎌倉沖でN旗となってしまいました。レーザー級では永井が安田に続く2位に入り、上昇機運。次の10レースが行われれば第1レースの10点が消え南里に肉迫します。

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1202_laser-NT_race-36.JPG軽風から強風まで安定した走りの安田次の両クラスのスタートは風の振れ幅が大きく安定しないため1時間の待機。8ktの弱いNE風を迎えてスタートが切られました。レーザー級は現NTの城が初のトップを取りましたが、上位4名はなんと5~8位の連なりフィニッシュ。10レースを終えて2レースのカットが出て、安田を除く上位3名イアン、南里、永井が1点差で並びました。ラジアル級は原田と松苗が同点で2、3位に並びました。4位に少し離れて冨部です。現NTの蛭田、高橋は不調から抜け出せず、精彩を欠いています。
正午を過ぎ海面は超微風状態となってしまいました。風待ちです。この風と時間を見る限り今日は「出来てもあと1レース」状況となりました。しかし、風はまったく落ちて360°を見回してもどこにもブローがありません。ひたすら待機です。14:00が次のレースのスタートタイムリミットです。13:30になっても状況は変わらず。本部船周辺に集まり風を待ち続ける艇の間では「もはや選考会はこれで終わり」が支配していました。
13:45。「あと1レース」の執念の本部船から「逗子沖に風を見つけたので即刻移動」の指令が出ました。これが京黒レース委員長の大英断。東からまさに「神風」が吹いてきました。レース委員会の機敏な動きが奏功して(感心するばかりの采配とチームワークです)、14:00、皆があきらめかけていた最終最後のレースがスタートしました。
風は10ktに上がり、運命のレースが走り出しました。レーザー級のイアン、南里、永井の3人は勝った者がNTの残り2座を獲得できます。序盤、永井が出遅れて、19歳南里に初のNTの座が転がり込むと思われましたが、中盤からの永井の神がかった走りは驚異的で最終レグで3番手を走る南里に追いつき、ついに半艇身差で南里を抑えました。同点ですが、上位の数で永井が上回り、城に代わって1年ぶりにNTに復帰しました。南里には悔しく冷酷な結果になりましたが、彼にはまだ「次」があります。今回の勝負を「糧」にして、NT-HOPEとしてさらに飛躍してほしいと思います。安田は安定した戦い振りで余裕がありました。イアンは最終レースでトップを取り有終の美となりました。

1202_laser-NT_race-38.jpg大会期間中、首位を堅持した土居

 
 ラジアル級の総合順位は前日と変わらぬ結果となりました。下馬評の高かった高校3年生の土居が圧勝しました。JSAFのナショナルチーム史上初の高校生NTの誕生です。2位原田は最終レースでシリーズ2回目のトップを取り、気を吐きました。24歳、470級男子NT・原田龍之介の妹です。兄妹のNT誕生となりました。松苗は鹿屋体育大学で原田の先輩です。選考会を目指して極寒の室蘭から鎌倉に長期遠征、黙々と練習に励んできました。閉会式の笑顔が印象的でした。

 新NTは来る5月の世界選手権(ドイツ)に出場、ロンドン五輪を目指します。


1202_laser-NT_race-40.jpgレーザー級優勝 安田1202_laser-NT_race-42.jpgラジアル級優勝 土居
1202_laser-NT_race-39.jpgレーザー級2位 イアン1202_laser-NT_race-43.jpgラジアル級2位 原田
1202_laser-NT_race-41.jpgレーザー級3位 永井1202_laser-NT_race-44.JPGラジアル級3位 松苗


 
【大会総合成績】2月12日 第5日目 最終日
●レーザー級(12艇)
1位 安田真之助(鹿屋体育大学)
[3-1-3-1-1-2-4-1-1-(5)-(5)]17点
2位 ホールイアン(福岡ヨットクラブ)
[6-2-2-3-3-3-3-4-(8)-(8)-1]27点
3位 永井 久規(豊田合成株式会社)
[(10)-(OCS13)-1-2-2-1-5-9-2-6-3]31点
4位 南里 研二(佐賀県セーリング連盟)
[1-4-(7)-4-6-4-1-2-5-(7)-4]31点
5位 城 航太(株式会社エス・ピー・ネットワーク)
[2-5-5-6-5-5-(7)-3-(7)-1-2]34点
6位 粟野 和昭(レーザー逗葉フリート)
[4-8-4-(10)-8-(12)-6-7-4-4-6]51点
7位 真田 敦史(㈱パルーナ)
[7-3-6-5-7-8-(9)-8-(9)-3-8]55点
8位 齋藤 大輔(秋田県セーリング連盟)
[5-6-(11)-9-4-6-8-5-(10)-10-9]62点
9位 北村勇一朗(聖隷クリストファー高等学校)
[9-9-8-8-9-(10)-10-10-(12)-2-7]72点
10位 川村 岳 (和光高等学校)
[11-10-9-(12)-10-11-2-6-6-(12)-11]76点
11位 平川 竜也(逗子開成高等学校)
[(12)-7-10-(11)-11-7-11-11-3-9-10]79点
12位 室松 さとし(ダウンアンダーセイリングジャパン株式会社)
[8-11-(12)-7-(12)-9-12-12-11-11-12]93点


●レーザーラジアル級(11艇)
1位 土居 愛実(山手学院高等学校)
[1-2-1-1-2-(5)-(6)-2-3-2]14点
2位 原田 小夜子(鹿屋体育大学海洋スポーツセンター)
[3-3-5-(8)-(OCS12)-1-3-5-6-1]27点
3位 松苗 幸希((財)室蘭市体育協会)
[5-(8)-3-4-7-(8)-2-1-4-4]30点
4位 冨部 柚三子(日本女子大学)
[6-7-2-(10)-6-4-(8)-4-1-7]37点
5位 長谷川 哲子(㈱豊田自動織機)
[8-1-(10)-7-1-(DSQ14)-1-8-5-8]39点
6位 多田 桃子(日吉染業(株))
[(10)-5-(9)-2-4-3-7-7-9-3]40点
7位 高橋 香(福島県セーリング連盟/和歌山セーリングクラブ)
[(9)-9-4-3-3-6-4-6-(10)-5]40点
8位 蛭田 香名子(㈱豊田自動織機)
[4-4-8-(9)-5-7-5-3-8-(9)]44点
9位 村山 仁美(東海大学付属高輪台高等学校)
[2-6-6-5-(10)-9-9-(10)-2-10]49点
10位 石川 智香(放送大学)
[(11)-10-(11)-11-9-2-10-11-7-6]66点
11位 荒井 かおる(ウルマンセイルスジャパン)
[7-(11)-7-6-8-10-11-9-11-(DNE14)]72点


1202_laser-NT_race-45.JPGレーザークラス本年度NTの3人(左側からイアン、安田、永井選手)
1202_laser-NT_race-46.jpgレーザーラジアルクラス新NT3人(左側から原田、土居、松苗選手)
1202_laser-NT_race-47.jpg最終日帰着後、ハーバーにて 1202_laser-NT_race-49.jpgメンタル部分を兄から教わったという原田選手
1202_laser-NT_race-48.jpg大会前の練習成果がでて3位に入った松苗選手1202_laser-NT_race-50.jpg大会終了後、NT選手の発表が行われた

4日目


1202_laser-NT_race-17.jpgレーザスタート

NEの寒風 4レース消化 安田 土居 首位堅持
男女とも2位以下は僅差 熾烈なNTの座争い


1202_laser-NT_race-23.jpg安定した走りで初日からの首位をキープした安田選手2月11日 大会4日目
気温4℃。快晴。今日4日目は予定が1時間繰り上がり、08:00に全選手が出艇しました。風はNNE14kt前後、ガスト18kt。葉山沖は絶好の海面コンディションとなりました。

9時、レーザー級スタート。冷たい北風の中、熱い戦いが始まりました。
今日は午前3レース、午後1レースの4レースを消化しました。昨日の借りを返した形です。

1202_laser-NT_race-19.jpg


レーザー級は触れ回る風の中、安田が1‐2‐4‐1と手堅い走りを見せ2位との点差を8点に広げました。また、19歳の南里は第7レースでトップを取り、続く第8レースも最後のダウンウィンドまでトップをキープしていましたが、安田に抜かれてしまいました。ただ、抜かれはしたものの、今日の彼は終始落ち着いて、よくコースを見ていました。総合3位を堅持、猛追する永井に8点差をつけています。
結局、上位3艇の順位は2日目と変わりませんでした。
今日の特筆は第7レース。これまで不発だったヤングパワーが爆発、高校2年生の川村が第1マークを2位で回り、少し風が上がっても南里に食らいつき、堂々と2位でフィニッシュをしました。この頑張りが次の糧となります。上位と点差は開いていますが、高校生トリオは9.10.11位に並んでいます。エールを送ります。

1202_laser-NT_race-22.jpg初日からの首位を堅持した土居選手レーザーラジアル級はハイクアウトする風でも、土居、原田は持ちこたえ、後半2レースで弱くなった時に松苗が上がってきました。高橋は初日の出遅れからじりじりとあがってきました。結果として順位はついていますが、実は僅差で2位から8位が9点差で並んでいます。14点差でアドバンテージを持って首位を走る土居以外は、最終日にNTの座が懸っています。
 風速14ktの中でシフトをよく見て走った原田、やや強弱が出た中で的確に風をひろった松苗、1上の順位が悪くても、ダウンウィンドで上がってくる土居、アップダウンがあるもののトップを2回とった長谷川。それぞれが懸命な戦いを続けています。

明日大会最終日は4レースが予定され、最初のスタートは08:35になりました。

1202_laser-NT_race-21.jpg



【総合成績】2月11日 第4日目 第8レース終了時
●レーザー級(12艇)
1位 安田真之助(鹿屋体育大学)
[3-1-3-1-1-2-(4)-1]12点
2位 ホールイアン(福岡ヨットクラブ)
[(6)-2-2-3-3-3-3-4]20点
3位 南里 研二(佐賀県セーリング連盟)
[1-4-(7)-4-6-4-1-2]22点
4位 永井 久規(豊田合成株式会社)
[10-(OCS13)-1-2-2-1-5-9]30点
5位 城 航太(株式会社エス・ピー・ネットワーク)
[2-5-5-6-5-5-(7)-3]31点
6位 齋藤 大輔(秋田県セーリング連盟)
[5-6-(11)-9-4-6-8-5]43点
7位 真田 敦史(㈱パルーナ)
[7-3-6-5-7-8-(9)-8]44点
8位 粟野 和昭(レーザー逗葉フリート)
[4-8-4-10-8-(12)-6-7]47点
9位 川村 岳 (和光高等学校)
[11-10-9-(12)-10-11-2-6]59点
10位 北村勇一朗(聖隷クリストファー高等学校)
[9-9-8-8-9-(10)-10-10]63点
11位 平川 竜也(逗子開成高等学校)
[(12)-7-10-11-11-7-11-11]68点
12位 室松 さとし(ダウンアンダーセイリングジャパン株式会社)
[8-11-(12)-7-12-9-12-12]71点


●レーザーラジアル級(11艇)
1位 土居 愛実(山手学院高等学校)
[1-2-1-1-2-5-(6)-2]14点
2位 原田 小夜子(鹿屋体育大学海洋スポーツセンター)
[3-3-5-8-(OCS12)-1-3-5]28点
3位 松苗 幸希((財)室蘭市体育協会)
[5-(8)-3-4-7-8-2-1]30点
4位 高橋 香(福島県セーリング連盟/和歌山セーリングクラブ)
[(9)-9-4-3-3-6-4-6]35点
5位 長谷川 哲子(㈱豊田自動織機)
[8-1-10-7-1-(DSQ14)-1-8]36点
6位 蛭田 香名子(㈱豊田自動織機)
[4-4-8-(9)-5-7-5-3]36点
7位 多田 桃子(日吉染業(株))
[(10)-5-9-2-4-3-7-7]37点
8位 冨部 柚三子(日本女子大学)
[6-7-2-(10)-6-4-8-4]37点
9位 村山 仁美(東海大学付属高輪台高等学校)
[2-6-6-5-(10)-9-9-10]47点
10位 荒井 かおる(ウルマンセイルスジャパン)
[7-(11)-7-6-8-10-11-9]58点
11位 石川 智香(放送大学)
[(11)-10-11-11-9-2-10-11]64点

1202_laser-NT_race-18.jpgレーザーラジアルスタート直後1202_laser-NT_race-20.jpg一斉にスタートするレーザークラス
1202_laser-NT_race-24.jpg硬い走りで2位を堅持、イアン・ホール選手1202_laser-NT_race-25.jpg熾烈な3位争いで前に出た南里選手
1202_laser-NT_race-26.jpgホール選手(手前)と安田選手1202_laser-NT_race-27.jpg2位に浮上した原田選手
1202_laser-NT_race-28.jpg3位に浮上、松苗選手1202_laser-NT_race-29.jpg原田(手前)選手と土居選手
1202_laser-NT_race-30.jpg第7レース2位フィニッシュの川村1202_laser-NT_race-31.jpg観覧艇で説明をするJSAF河野会長(上段左端)
1202_laser-NT_race-32.jpg観覧艇
1202_laser-NT_race-33.jpgレーザースタート直後

3日目


6時間の陸上待機 ついに風来ず
本日 中止

2月10日 大会3日目
今朝も風待ちから始まりました。天候は晴れですがまったく風がありません。選考会に相応しい風が吹くことをひたすら祈るばかりです。

気温9℃。葉山新港は春うららの状況。午後になっても一向に吹いてきません。
伊豆大島は西南西15mが吹いているというのに、葉山沖では練習をしている学連の船がスピンが定まらない…なんとも情けない海面が続いています。

15時、ついにAPA旗が掲揚。本日の中止が決まりました。
明日4日目は予定が1時間繰り上がり「08:55予告信号予定時刻」になる旨の通告がおこなわれました。大会は土日の2日間を残すだけとなりました。

【総合成績】2月9日 第2日目第4レース終了時
●レーザー級(12艇)
1位 安田真之助(鹿屋体育大学)
[3-1-3-1]8点
2位
ホールイアン(福岡ヨットクラブ)
[6-2-2-3]13点
3位
南里 研二(佐賀県セーリング連盟)
[1-4-7-4]16点
4位
城 航太(株式会社エス・ピー・ネットワーク)
[2-5-5-6]18点
5位 真田 敦史(㈱パルーナ)
[7-3-6-5]21点
6位
永井 久規(豊田合成株式会社)
[10-OCS13-1-2]26点
7位 粟野 和昭(レーザー逗葉フリート)
[4-8-4-10]26点
8位
齋藤 大輔(秋田県セーリング連盟)
[5-5-11-9]31点
9位
北村勇一朗(聖隷クリストファー高等学校)
[9-9-8-8]34点
10位 室松 さとし(ダウンアンダーセイリングジャパン株式会社)
[8-11-12-7]38点
11位
平川 竜也(逗子開成高等学校)
[12-7-10-11]40点
12位
川村 岳 (和光高等学校)
[11-10-9-12]42点

●レーザーラジアル級(11艇)
1位 土居 愛実(山手学院高等学校)
[1-2-1-1]5点
2位
村山 仁美(東海大学付属高輪台高等学校)
[2-6-6-5]19点
3位
原田 小夜子(鹿屋体育大学海洋スポーツセンター)
[3-3-5-8]19点
4位
松苗 幸希((財)室蘭市体育協会)
[5-8-3-4]20点
5位
冨部 柚三子(日本女子大学)
[6-7-2-10]25点
6位
高橋 香(福島県セーリング連盟/和歌山セーリングクラブ)
[9-9-4-3]25点
7位
蛭田 香名子(㈱豊田自動織機)
[4-4-8-9]25点
8位
長谷川 哲子(㈱豊田自動織機)
[8-1-10-7]26点
9位
多田 桃子(日吉染業(株))
[10-5-9-2]26点
10位
荒井 かおる(ウルマンセイルスジャパン)
[7-11-7-6]31点
11位 石川 智香(放送大学)
[11-10-11-11]43点

2日目


1202_laser-NT_race-06.JPGレーザスタート直後

SSEの軽風2レース
レーザー級 安田3-1 レーザーラジアル級 土居1-1  
リードを広げる


1202_laser-NT_race-07.JPGラジアル艇団2月9日 大会2日目
朝の気温2℃。雪を頂いた富士山がくっきり見えるいつもの冬の相模湾です。
大会2日目は風待ちから始まりました。13時前になりようやく南南西の風が入り始め、
選手の出艇。13:35レーザー級のスタートとなりました。風はおおむね230°4~8kt。
期待した風は最後まで吹くことがありませんでした。

2日目を終え、レーザー級では安田が手堅く3-1でまとめ首位をキープ、2位との差を5点としました。安田を追う2位には前日4位のイアンが2-3で上がってきました。また、前日予想外の発進となった永井が本来の力を発揮、1-2で6位にジャンプアップしました。
これからの追い上げに注目です。
 レーザーラジアル級は土居がフリートを圧する強さを見せ、1-1。2位の同じ高校生セーラー村山を14点引き離す首位に立っています。

【中村健次NCのコメント】
昨日に続き風のシフトと強弱があるコンディションでした。ただ、ブローの見易い海面であった事から最初に行くサイド(海面)が分かり易い(言うなればスタート位置が決まる)レース展開となった2日目でした。そうした意味で、上位を安定して走らせた選手はその点がしっかりしていたと言えるし、スタート後の展開が有利になり、レースを支配したという結果となりました(アップウインドで先行するということは相手より先に新しい情報が得られるからです)。
スタート前に情報を集め、「レースプランを立てる事が重要である」と言う事を今一度意識して明日に備えて欲しいと思います。

1202_laser-NT_race-08.JPGレーザー1位の安田選手

【レーザー級・飯島洋一コーチのコメント】
今日は昨日出遅れた永井が1‐2とまとめました。もうひとつも落とせないという気迫がコース取りにもあらわれ、スタート後誰よりも最初にいい風を掴んでフリートをリードしました。続いては3‐1と昨日と同スコアの安田が続きました。安田は永井とは対照的にスタートも無難でコースも決して大崩れしないという慎重なコース取りを図り、上マークから順位を上げる走りでした。振れ回り、強弱も大きく難しいコンディションでしたが、対照的な二人が、このレースにかける意気込みを強く感じた2日目のレースでした。

1202_laser-NT_race-09.JPG総合1位の土居【レーザーラジアル級・斉藤愛子コーチのコメント】
熱い戦いになりました。トップの土居は総合でダントツになりましたが、2位から9位が7点差で、明日からのレースで、どんな展開になるのか予想がつかなくなりました。今日はうねりあり、強弱あり、シフトも大きい非常に難しいレースでした。昨日は軽風でも踏ん張りを見せていた蛭田が今日は順位を崩し、一方、昨日の大崩しをしっかり立て直した高橋香が盛り返してきました。昨日不調だった選手が今日は上位をとってきたので、点差が縮まりました。
 今日の海面は南西から伊豆半島を超えてくる風が安定せず、ハイクアウトするガストがきたかと思えば、5ノットを切るようなエアポケットがあり、集中をとぎらせないように風を見て走ることが重要でした。ダウンウィンドもうねりの向きとガストの入り方がいまひとつしっくりこないもので、スピードをキープするのが難しいコンディションでした。
土居の強さは風をみて、フリートの散らばりを見て、よいと思ったサイドに上手に寄せていきます。ダウンウィンドはバングのかけ量がみんなよりも少し多く、リーチをうまく使ってセールが常にパワフルな状態をキープしています。とにかく、海面をよく見ているというのが、上位の土居、村山に共通していました。怖いもの知らずのヤングパワーです。

1202_laser-NT_race-10.jpg富士山と江の島を背景に晴れていても寒い1日でした。


【総合成績】第2日目第4レース終了時
●レーザー級(12艇)
1位 安田真之助(鹿屋体育大学)
[3-1-3-1]8点
2位
ホールイアン(福岡ヨットクラブ)
[6-2-2-3]13点
3位
南里 研二(佐賀県セーリング連盟)
[1-4-7-4]16点
4位
城 航太(株式会社エス・ピー・ネットワーク)
[2-5-5-6]18点
5位 真田 敦史(㈱パルーナ)
[7-3-6-5]21点
6位
永井 久規(豊田合成株式会社)
[10-OCS13-1-2]26点
7位 粟野 和昭(レーザー逗葉フリート)
[4-8-4-10]26点
8位
齋藤 大輔(秋田県セーリング連盟)
[5-5-11-9]31点
9位
北村勇一朗(聖隷クリストファー高等学校)
[9-9-8-8]34点
10位 室松 さとし(ダウンアンダーセイリングジャパン株式会社)
[8-11-12-7]38点
11位
平川 竜也(逗子開成高等学校)
[12-7-10-11]40点
12位
川村 岳 (和光高等学校)
[11-10-9-12]42点

●レーザーラジアル級(11艇)
1位 土居 愛実(山手学院高等学校)
[1-2-1-1]5点
2位
村山 仁美(東海大学付属高輪台高等学校)
[2-6-6-5]19点
3位
原田 小夜子(鹿屋体育大学海洋スポーツセンター)
[3-3-5-8]19点
4位
松苗 幸希((財)室蘭市体育協会)
[5-8-3-4]20点
5位
冨部 柚三子(日本女子大学)
[6-7-2-10]25点
6位
高橋 香(福島県セーリング連盟/和歌山セーリングクラブ)
[9-9-4-3]25点
7位
蛭田 香名子(㈱豊田自動織機)
[4-4-8-9]25点
8位
長谷川 哲子(㈱豊田自動織機)
[8-1-10-7]26点
9位
多田 桃子(日吉染業(株))
[10-5-9-2]26点
10位
荒井 かおる(ウルマンセイルスジャパン)
[7-11-7-6]31点
11位 石川 智香(放送大学)
[11-10-11-11]43点

1202_laser-NT_race-11.JPGレーザー2位に浮上したイアン選手1202_laser-NT_race-12.JPGレーザー3位に浮上した南里選手
1202_laser-NT_race-13.JPGラジアル2位の村山選手1202_laser-NT_race-14.JPG本来の走り永井選手
1202_laser-NT_race-15.JPG本部艇1202_laser-NT_race-16.jpgレース終了後は葉山新港ロビーでストレッチする選手達

1日目


1202_laser-NT_race-02.JPGラジアルスタート

葉山沖 熱い戦いの幕開け 
初日首位 レーザー級 安田 レーザーラジアル級 土居


1202_laser-NT_race-03.jpg我慢して手堅く走った安田2月8日 大会初日
いよいよロンドン五輪に向けた2クラスの国内選考が始まりました。
午前中に開会式及び艇長会議が行われ、13時に第1レースが定刻どおりにスタートし、続けて第2レースも8~10ノットの中で行われました。
昨日の南西の強風がもたらした同方向からのうねりと風向が真逆で、選手にとっては艇を安定させるのにかなり難しい海面状況でした。加えて、60~80°の風のシフトと強弱のためにコース戦略を立てることが辛い1日となりました。
また、レーザー級、レーザーラジアル級共にナショナルチーム数3枠と言う狭き門に対するプレッシャーの影響か、全体的に硬さを感じるレース展開となりました。

【レーザー級】
第1レースはダントツを走っていた城を最後のリーチングで捉えた19歳の南里がトップを取りました。途中、強弱がある風の中でも丁寧に風を拾って走っていたのが印象的でした。
第2レースは同じく風は強弱、振れがあるコンデションの中、リコール旗掲揚でスタートしました。その中にはトップフィニッシュをした永井も含まれていました。繰り上がりでトップとなったのは安田で、初日2レースを3‐1とまとめ、総合でトップに立ちました。
「作戦どおりです。初日は手堅く、我慢のレースを考えていました」(安田)

1202_laser-NT_race-04.jpg第1レースでトップの南里



【レーザーラジアル級】
 軽風の2レースでユース選手が前を走る活躍を見せました。ラジアル全日本チャンピオンの土居が力を発揮、2レースとも安定したレースぶりで初日のトップに立ちました。第1レースで、土居を最後まで追い詰めて2位でフィニッシュした同じくユース選手・村山は最後の吹き上がりで苦労したものの、フィニッシュまで持ちこたえて総合3位発進です。また、パースワールド代表であった原田も1上で悪くとも追い上げて上位でまとめ、総合2位につけています。総合4位の蛭田は軽量級選手を相手にしなければならない国内選考レースを想定して軽風対策をしてきた成果が出て、上位に残る踏ん張りを見せました。

〈佐々木共之 ジュニアユース育成強化委員長のコメント〉
「ユース選手達はいい出だしを見せてくれました。少数でのレースに慣れていない中で、ブローと他艇との位置関係をよく考えたレースができたと思います。明日からも成績にこだわることなく、集中力を切らさず戦っていってほしいと思います」



【総合成績】第1日目第2レース終了時
●レーザー級(12艇)
1位 安田真之助(鹿屋体育大学)
[3-1
2位 南里 研二(佐賀県セーリング連盟)
[1-4
3位 城 航太(株式会社エス・ピー・ネットワーク)
[2-5
4位 ホールイアン(福岡ヨットクラブ)
[6-2
5位 真田 敦史(㈱パルーナ)
[7-3
6位 齋藤 大輔(秋田県セーリング連盟)
[5-5
7位 粟野 和昭(レーザー逗葉フリート)
[4-8
8位 北村勇一朗(聖隷クリストファー高等学校)
[9-9
9位 平川 竜也(逗子開成高等学校)
[12-7
10位 室松 さとし(ダウンアンダーセイリングジャパン株式会社)
[8-11
11位 川村 岳 (和光高等学校)
[11-10
12位 永井 久規(豊田合成株式会社)
[10-OCS13

●レーザーラジアル級(11艇)
1位 土居 愛実(山手学院高等学校)
[1-2]
2位 原田 小夜子(鹿屋体育大学海洋スポーツセンター)
[3-3
3位 村山 仁美(東海大学付属高輪台高等学校)
[2-6
4位 蛭田 香名子(㈱豊田自動織機)
[4-4
5位 長谷川 哲子(㈱豊田自動織機)
[8-1
6位 松苗 幸希((財)室蘭市体育協会)
[5-8
7位 冨部 柚三子(日本女子大学)
[6-7
8位 多田 桃子(日吉染業(株))
[10-5
9位 荒井 かおる(ウルマンセイルスジャパン)
[7-11
10位 高橋 香(福島県セーリング連盟/和歌山セーリングクラブ)
[9-9
11位 石川 智香(放送大学)
[11-10

1202_laser-NT_race-05.JPG開会式(山田オリンピック特別委員会委員長挨拶)

LASER NT選考



ロンドン五輪日本代表選手の座獲得の第1関門

 レーザーラジアル級のロンドン五輪出場が昨年のISAF世界選手権で決まりました。日本の参加(出場)国枠は2011年ナショナルチーム(以下:NT)の蛭田香名子選手(豊田自動織機)が獲得しましたが、同選手は同級のJSAF五輪代表候補選手内定基準を満たすことが叶わず、日本代表候補選手の最終選考は2012年5月15~20日ドイツ開催のレーザーラジアル級世界選手権に持ち越されることになりました。日本代表の座は同大会の日本人最上位選手が射止めます。
その意味で今大会は上記世界選手権へ出場できる権利資格選手(2012NT)を選考する重要な大会(第1関門)となります。なお世界選手権参加選手枠数はILCA(世界レーザークラス協会)から追って付与されますが、このうちの1枠はすでに昨年2011年全日本チャンピオンである土居愛実選手(山手学院高等学校3年:神奈川県)が獲得しています。
 一方、レーザー級はロンドン五輪の参加国枠は未獲得です。2012年枠は12か国。そのすべてが5月4~10日ドイツ開催の同級世界選手権に懸っています。日本は先ずは同大会にてこの残り12枠の内の1枠を獲得しなければなりません。国枠獲得が叶った場合はレーザーラジアル級同様、同大会に参加の日本最上位選手が日本代表の座を獲得します。


開催地:神奈川県 葉山町 葉山新港
会 期:
2月7日 (火) 受付・登録・計測
2月8日 (水) 受付・登録・計測
      11:00 開会式・艇長会議
      13:00 第1レース スタート予告信号 予定時刻
2月9日 (木) 09:55 その日の最初のレース スタート予告信号予定時刻
2月10日 (金)        同上
2月11日 (土)        同上
2月12日 (日)        同上
       16:00 閉会式

大会公示
LinkIcon2012年 レーザー級・レーザーラジアル級 ナショナルチーム選考大会 開催公示(PDF)

選考内容:
(1)大会成績上位者から2012年度ナショナルチームメンバーを次の通り決定する
○レーザー級 3名
○レーザーラジアル級 3名

(2)「2012年レーザー全クラス世界選手権等代表選手選考方針」に基づき、各クラス上位者に
  2012年各クラスワールドの参加資格を与える。

エントリー:レーザー級/12名 レーザーラジアル級/11名

エントリーリスト:クリックするとPDFデータにてご覧いただけます
1202_laser-NT_race-01.jpg

ba_過去レポート.png

●2011.12.18:2011パースワールドチャンピオンシップ後半戦 大会レポート
●2011.12.12:2011パースワールドチャンピオンシップ前半戦 大会レポート
●2011.11.14:第1回東日本大震災被災地支援セーリングクリニックレポート
●2011.10.23:江ノ島オリンピックウィーク22011大会 レポート
●2011.9.11:和歌山インターナショナルレガッタ大会 レポート
●2011.8.13:2011年 セーリング プレ五輪大会 レポート
●2011.7.17:Open Europeans Helsinki 2011(ヨーロッパ選手権2011)レポート
●2011.6.12:Sail for Gold 2011レポート
●2011.5.30:デルタロイドレガッタ2011レポート
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●2010.12.11:2010アジアビーチゲームズ レースレポート
●2010.11.22:パースインターナショナルレガッタ2010 レースレポート
●2010.11.21:第16回アジア競技大会 レースレポート
●2010.10.25:JSAF和歌山インターナショナルレガッタ レースレポート
●2010.9.8:2010 レーザー級世界選手権 レースレポート
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●2010.5.18:エキスパート・オリンピック・ガルダレガッタ レースレポート
●2010.5.7:レーザー級 NT合同強化合宿レポート
●2010.5.1:ISAFワールドカップ第4戦 第42回イエールオリンピックウイーク
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