420 class
- ユース世代を中心に世界で最も普及している2枚帆の2人乗りディンギーであり、各世代の優秀なセーラーを輩出し続けている。帆走性能はもちろん高いところにあるが、安全性の確保が容易なところに最も普及している理由がある。
- 非常に厳格なクラスルールを有しており、艇の性能差が非常に少ないのが特徴である、ダブルハンドの入門艇としては最高の艇種である。
- 理想の体型はヘルムスマン・クルー合わせた合計体重が115〜125kg程度。ジュニアユース世代の体格にマッチしたクラスである。
- このクラスから470級や29er級、49er級などへステップアップするのが世界の流れであり、ユース世代最高峰の大会であるISAF Youth World の正式種目として採用されている。
- コーチングスタッフ:白石 潤一郎
- 重 由美子
Laser Radial
- スタンダード・リグより一回り小さい5.76㎡のリグを持つレーザー・ラジアルクラス。セールのカットがラジアル(放射状)であることからのネーミング。
- 2008年の北京オリンピックから女子シングルハンダー種目としてオリンピック正式種目艇に採用された。国内シングルハンド艇で最も普及している艇種で各地で様々な大会が開催され、ユース世代最高峰の大会であるISAF Youth World の正式種目として採用されている。
- 理想の体型は身長165~170cm、体重60~65Kg程度。セールが小さく失速しやすいため繊細なハンドリングとバランスが要求される。
- コーチングスタッフ:佐々木 共之
- 高橋 航
- 藤谷 匠
RS:X8.5 class
- 現在のオリンピック採用艇種であるRS:Xクラスに8.5㎡のセールを用いたクラスである。(オリンピック女子クラス)軽風時にはダガーを用いて風上への帆走効率を上げ、およそ風速12ノット以上では、ダガーを上げトラッカーの位置を変え、プレーニングでクローズホールドを疾走する艇である。したがって、3ノットから35ノットまでのどのようなコンディションにおいてもレースが可能である。軽風時ではパンピング、強風時では大きなセールを引き込み続けてトリムを行うため、非常に体力を要するクラスである。
- ワールドセイラー達は、恵まれた体格の選手が多いが、身長は165cmから170cm程度あれば十分に戦えると思われる。またテクノ293では、体重が重すぎと悩んでいた選手には、特にこの艇に乗って、世界大会を目指し活躍していただきたい。
- このクラスは、ISAFユース世界選手権の採用艇種であり、2010年大会では30カ国から選手が集まり、レースが行われた。各国においてもISAFユース世界選手権で活躍した選手が、オリンピックや世界選手権で活躍しており、日本国内においてもRS:Xクラスの普及、育成、強化の体制づくりが求められている。
- コーチングスタッフ:宮野 幹弘
- 萩原 正大
Laser 4.7
- レーザーシリ―ズ最小の4.70㎡のリグを持つレーザー4.7クラス。欧州ではOP級から次へのクラスとしてステップアップするジュニアセーラーが多く、広く普及している。ハル(艇体)が共通であるため普及も早く、2006年フランス世界選手権大会では34カ国325名の選手が参加した。
- 2009年ブラジル世界選手権大会ではU-15において世界チャンピョン、女子部門総合2位、3位を獲得する。理想の体型は身長155~165cm、体重50~60Kg程度。強風下でのトレーニング用としても適したクラスである。
- コーチングスタッフ:佐々木 共之
- 高橋 航
- 藤谷 匠
TECHNO293 class
- 現在、ISAFの公式クラスとして、世界的に普及しているクラスであり、国内では2010年から大学生の学連艇として採用され、初心者から大学生まで幅広い世代で使用できる艇である。TECHNO293の「293」とはボードの長さが293cmであることを表しており、軽風域から強風域まで幅広いコンディションに対応するためにダガーとトラッカーを有している。これにより軽風時には、ダガーを用いて風上への帆走効率を上げ、強風時には、トラッカーのポジションを変えることで、よりスピードが高まるようなボードとなっている。
- このクラスは幅広い年齢層でレースがおこなわれるため、クラスルールでU-17およびU-15世代のカテゴリー分けだけでなく、U-13やオーバーエイジといった世代も対象としたレースもおこなわれている。それぞれのカテゴリーにおいて、使用するセールサイズが異なる規則となっている。
- このクラスは、ISAFユース世界選手権やオリンピックで採用されているRS:Xクラスにつながる艇種と考えられ、コースレース艇として最適なクラスといえる。
- コーチングスタッフ:宮野 幹弘
- 萩原 正大
29er class
- 2000年シドニーオリンピックより採用された新世代のハイパフォーマンスディンギー49er。このハイスピードセーリングを継承し、ユースのトレーニングボートとして開発された29erはシンプルでハイスピードな艇を持ち味に、各国のヤングセーラーをとりこにしている。ハイスピードセーリングは 艇のスピードを上げて強いアパレント(見かけの風)をリグ上に流し、更にリグの効率を上げて走らせるという、今までのセーリングテクニックとは次元の一つ異なったもの。このテクニックをマスターするためにはスピードの出る軽量のハルはもちろんのこと、乗り手のコントロールに対応できる優れたコンポジットリグが必要だ。基本設計は、49er同様ジュリアンベスウェイトによるもので、ワンデザインコンセプトとしてレーザー級同様セールまで含めたすべてが同一の均一性能クラスである。
- ISAFユースワールドの正式種目として採用され、同じハルを使ったダブルトラピースディンギー29erXXは、将来の五輪女子種目候補に挙がっている。
- コーチングスタッフ:重 由美子
- 平井 恵子