JY_TOP-2.png

ba_jy競技活動レポート.png

Techno293 U-17


2011テクノ293級 ウインドサーフィン
U-17クラス世界選手権
The 2011 Techno 293
World Windsurfing Championships

Report : オリ特・宮崎 景
Edit : オリ特・広報委員会

line-535.png

日 程
7月18日:レジストレーション
7月19日:レジストレーション、プラクティクスレース、コーチ会議、開会式
7月20日~23日:レース
7月24日:レース終了後 閉会式

開催地:米国・サンフランシスコ

日本代表選手 U-17クラス 
男子:川崎 翼(NPO法人 京田辺シュタイナー学校 1年生) 
女子:原 百花(武庫川女子大学付属高等学校 1年生)

帯同コーチ宮崎 景(ミヤザキ ヒカル) 

大会サイト:http://www.techno293worldchampionship.org/


JSAFから2名の選手が参加
ウインドサーフィン競技、ジュニア・ユース世代
育成・強化プロジェクト

1107_T293-U17-01.jpg開会式7月17日
2011年テクノ293級ウインドサーフィン世界選手権が米国・西海岸サンフランシスコで開催されます。
「テクノ293」は、ユースオリンピックでも使用されたワンデザイン・国際種目です。
日本代表選手は6月上旬に行われたテクノ293関西選手権(琵琶湖)で選考を行い、選抜された16歳以下の選手男女各1名です。
本大会には今回のU-17クラス派遣選手の川崎翼、原百花の両名以外にも他クラスにエントリー(自費参加)している日本選手がA‐17クラスに6名、U‐15クラスに2名います。
昨日夜に宿舎のホテルにチェックインしたため今日はややゆっくりと起床をし、9時前にホテルを出発、9時半頃に会場に到着、直ぐにチャーターボートの受け取りを済ませ、セッティングを開始しました。その後午前中いっぱいをカニンガムやフットストラップ付けなどのセッティングに費やし、昼食後からレース予定海面での調整を行いました。

今日のコンディションは、午後から徐々に風速が上がり始め、風速が4~6ノットで、16時過ぎには最大24ノット程度の風が入りプレーニングコンディションで練習をすることができました。この季節は、ほぼこの様な傾向とのことですが、風が上がって来ると体格的にも欧米選手が有利になりますから、余り吹き上がらないでほしいと思います。
ここの海面のもう一つの特徴は潮が速い事です。15時半の段階でチェックしたところ270度方向へ分速で4m~5m程度、風向が240度~270度だったので完全に逆潮。そのために海面が非常にチョッピーとなり、この海面での走らせ方と潮の読みが勝敗を大きく左右してしまうので選手たちには、レースでの優先順位をしっかり話しをしました。
この日は結局18時半までセーリングを行い(サマータイムと言う事もあり日没は20時過ぎ)無事終了しました。
明日も再度調整セーリングを行う予定です。

line-535.png

1107_T293-U17-02.jpgセッティング風景7月18日
ホテルから大会会場までが遠いため、日曜日だった昨日と違い朝の通勤ラッシュに巻き込まれ予想より時間が掛かり9時半頃到着。
この日はレジストレーションが10時からとのことで、先にセッティングをしてからレジストルームへ。大混雑と運営の段取りの悪さから2時間も掛かってやっとの事で、無事受付を終了しました。

昼食後、コーチボートを使い日本選手たちで上り下りの練習を何本か行ないました。
この日の潮は、昨日と違い、ほぼ風向と同じ向きに流れており(潮止まりだったのかもしれませんが)特にスターボーの上りに対し真横から潮を受けている感じで、川崎、原ともボードを安定させ難い様子で、アンヒールさせた瞬間にヘダーしてしまい、本人が意識してない間にかなり高さを損していました。

その後、霧が濃くなってきたため岸近くで、外国人選手たちと一緒に艇速練習をしました。普段は色々な世代の選手たちと走る機会が少ないので、他国の同世代相手に走りあえたのは大変収穫だったと思います。

line-535.png

1107_T293-U17-03.jpg日本選手集合写真7月19日
午後からプラクティスレースが行われました。
レースは予想通り、明日からの本レースも含めEastとWestの2海面のコースが設定されていました。ゴールデンゲートブリッジ側にWestでU‐15の男女及びA‐17(オープン)で、アルカトラス側がEastでU‐17男女。
男女もそれぞれ別スタートで、選手総数は26の国と地域から146名が参加しています。
各国ともユニフォームや装備、コーチ&コーチボードをしっかり揃えてきており気合いが入っています。特に目に付くのが、今まで常連のヨーロッパ各国同様に、アジア、南米の国々が何カ国かきており、次世代のオリンピックを見据えた各国の強化への意気込みを強く感じました。

プラクティスレースは予定通り14時にゴールデンゲートブリッジ方向から(この日は240~260度)のレギュラーの風(風速12~18ノット)の中を各海面にてスタートしましたが、運営サイドも練習を兼ねていたのか、成績が上位者のみ掲示され、その他大半の選手たちはDNFと記載されていました。

その後、17時からコーチミーティングがあり、レース進行や安全についての説明や質問等がおこなわれ、18時半からは各国の代表選手(日本は川崎、原のU‐17のJSAF派遣選手)が自国の旗とプラカードを持って入場しての開会式とレセプション食事会が開催されました。この華やいだ楽しげな雰囲気のお陰で各選手とも明日の本レースへの緊張が多少なりとも和らいだ様子でした。

1107_T293-U17-04.jpgセッティング風景1107_T293-U17-05.jpg練習へ

1日目



男子・川崎 女子・原 試練の初日


1107_T293-U17-06.jpg原選手フィニッシュ7月20日・大会初日
U‐17の最初のレースはBoysクラスからで、コースはスタート、上、下(ゲート)、上、下、上フィニッシュ。
出艇時の風向は昨日のプラクティスレースとほぼ同じ風向からでしたが、徐々に風が上がるにつれ260~270と少し右寄りの風も入ってくるようになりました。

11時スタート予定が一度海上にてAPとなり、結局11:30過ぎにスタートしました。
この時点で風速は8~12ノット。沖に本船が通過する事もあり結構岸寄りにコース設定しているため、スターボーのレグを伸ばす事が出来ず、又沖の方が良い風が入る(ただし海面は非常にチョッピーで難しい)ので、どの選手たちもほぼ同様なコース取りとなっていました。
続いてバックトゥーバックで、もう一レースを行なう。ここのパターンですが、昼過ぎてから徐々に風があがりだします。この海面での勝敗はスタートと、プレーニングでのボードスピード、荒れた海面でのボードコントロールが重要な要素となります。

第2レースは12時30分スタート。
ロシア、イスラエル、シンガポール等各国共良い走りでしたが、残念ながら川崎は2レースとも相当遅れ63人中、57位、53位と順位を上げることができませんでした。
正直こういった海面での走り込み経験が不足している様に思えました。
ただ、タイム的にはトップ艇から13~14分の遅れですからいかにワールド大会の選手たちの実力が均衡しているかがわかります。

続いてGirlsの原の出番。このディビジョンは32名がエントリーしています。
スタートは13:20で上側からスタートしましたが、ポートに返した選手と接触しそうになりセールを落としてしまい、出遅れてしまいました。
1上は最後尾にて回航するが、下りで何名かをパスして、このレース26位にてフィニッシュしました。

第2レース、先ほどの事もありなるべく混雑場所を避ける様に指示した事もあり、中程からまあまあのスタートでした。
しかし、その後風が上がって来ていることもあり、思う様には走れていない様子で、特にプレーニングでのスピードを付けた上り角度、強風下でのタックにてこずってしまい、結局このレースは、25位にてフィニッシュしました。
トップの米国の選手は、この後の第3レースも含め全て断トツで、原はそれよりも約12分の遅れでした。

川崎の第3レース。この頃には平均して16~20ノットの風となるが、レース自体は先の2レースと同様の展開で、このレースは風が上がった事もあり、60位フィニッシュ。
続く原の第3レース時には、最も風速が強くなり流される選手も出てきました。原は何とか1下まで外人のパワーのある選手について走りましたが、マーク回航手前でウェザーヘルムがきつくボードを落とすことができず、回航出来ずに痛恨のリタイア。

初日は2人とも残念な結果でしたが、もう少し弱い風でのレースがあれば、展開が変わるかもしれません。
明日以降に期待したいと思います。



●大会成績・1日目終了時
【男子・63艇】川崎 翼 総合順位未発表 57-53-60
【女子・32艇】原 百花 総合順位未発表 26-25-DNF

大会サイト:http://www.techno293worldchampionship.org/

2日目



実戦で学ぶ一つひとつが今後の糧に
奮闘を続ける川崎と原


1107_T293-U17-07.jpgスタート風景大会2日目
 今日の会場は、やや霧が掛かり、サンフランシスコ特有のコンディションになりました。レースは陸上にてAP旗が掲揚され予定時刻より遅れて11時のスタートになりましたが、結局12時35分、U17男子の第4レースがスタートしました。
この時点で風速は11~13ノット、このレース、川崎は昨日に比べると多少落ち着き、慣れてきたのか、スタート、走り等もそれなりの展開を見せましたが、1周目は30位台半ばの順位でした。その後ミスが目立ち、結局44位でのフィニッシュでした。他国の選手と比較するとミスが多く、レースでの経験不足を感じさせる結果となりました。
 続いて女子の第4レースレースがスタート。原はスタート3分前位にセールを落としてセールアップに手間取り、やや遅れてスタートでしたが、このレースは何とか踏ん張り23位でフィニッシュしました。
男子第5レースがスタートシークエンスに入ったころから昨日同様に風が入り始め、18ノット程度まで吹き上がってきました。ここの海面は風速以上に潮と船に引き波が激しいため海面は荒れており、こういったコンディションでは普段から走り込みをしていないと、相当きつく感じるコンディションです。普段は琵琶湖で練習している川崎、原にはこのコンディションはとてもつらく、このレースで川崎は3列目からのスタート。どうしても上位の選手を抜くことができず、残念ながらこのレースは、55位にてフィニッシュとなりました。
 続く原の5レース目、スタート時やや下から艇速をつけてスタートラインに向かいましたが、そのままスタートすれば良かったのにリコールを気にしたのか艇速を落としたため、またも若干遅れてのスタート。この女子のレースは昨日に続き風・海面とも一番キツイ状態となり、上り下りとも走りは悪くないが、タックやジャイブ、またその後の走り出し、ポジション等が悪く最後のフィニシュ前など、周りに競っている選手がいないのに、充分にレグを伸ばせずタックにもたつくため、フィニッシュラインをなかなか切る事が出来ず、やっとフィニッシュラインを通過した時にはタイムリミットとなっていました。

 この大会は上フィニッシュのコース設定がされている為、どちらかのフィニッシュを確認していると、次のディビジョンのスタートラインに戻るのがギリギリになってしまいます。特に下位の選手だと間に合わない事もあります。

 2人とも世界とのレベル差を痛感している様子ですが、レースでの経験不足と基礎的な部分での練習不足、ラフな強風海面での安定性を保つことなどはこの場で簡単に補えるものではありません。まだ3日間レースが残っていますから今後の為に少しずつでも順位を上げていける様に技術精神両面でのサポートをして行く事が重要かと考えています。
 ちなみに男子は現時点総合1位と3位が英国、2位と4位がフランスとなっており、女子は1位米国、2位3位4位は英国です。これだけでも、英米仏3国がいかにジュニアユースの強化に注力しているのかが伺えます。

●大会成績・2日目終了時
【男子/20ヵ国・63艇】川崎 翼 総合順位未発表 57-53-(59)-49-55
【女子/14ヵ国・32艇】原 百花 総合順位未発表 26-25-(DNF)-23-DNC
成績(大会HP):http://www.sailingresults.net/site/event/11/

大会サイト:http://www.techno293worldchampionship.org/

3日目



連日の強風 疲れもピーク
めげずにがんばろう! 川崎、原


7月22日、大会3日目。
 レース開始が20分遅れて、U17は女子から第6レースがスタートになりました。
原は昨日までのレース全てが、風速もありスタートラインよりだいぶ下側に落ちて並んでいた為、今日はスタートからガンガン攻める様にアドバイスをしました。他の海外選手も同様だったのか、この日大会初のゼネラルリコール。その後の再スタートもリコール艇があり、一瞬、原か?と心配しましたが問題なくきれいにスタート。風がやや弱いこともあり1上を中位で回航したが、マーク回航がこのレースだけいつもと違う反時計回りだったせいか、残念ながらフィニッシュ時は26位に落ちてしまいました。
続いてバックトゥバックにて第7レースが行われ、前のレースよりも風は上がり始め、12~15ノット 風向は250~270度でレギュラーの風が入り始めました。今回も前レース同様に、スタートラインを攻める様に伝えましたが、スタート1分前にセールを落としてしまい急いでセールを上げ、なんとか遅れることなく下からスタート。
 ここのコースの特徴としては、沖に大型船が通過する為か岸寄りにマークが設定されます。このためスターボーを伸ばす事ができないため、みんな似たようなコース取りになってしまい、抜きどころが少なく一つのミスが大きく順位を落とします。
 結局トップフィニッシュから約10分遅れての27位フィニッシュで終了。

 男子の第6レース。若干風が上がり16~18ノット。川崎は本部船上側から流してスタートラインに入るが、下側が詰まってしまい、ライン上側に入ることができず、やや出遅れてのスタート。全体的に実力の差は歴然で、このレースはトップから13分遅れの52位フィニッシュでした。続く第7レースも同じような展開となりましたが43位でフィニッシュ。残念ながら選手たちも思うようなレースを作れずミスを減らすことができません。

 女子の第8レース。原はここまで連日のプレーニングコンディションでのレースと慣れないラフ海面で疲れ切っている中、相当キツそうでしたが、なんとか頑張ってスタートしました。しかしながら周回する毎に順位を落としてしまい、最終の下マークにて痛恨の沈。やっとセールアップをしてゴールに向かいましたが、タイムリミットに4分間に合わず大会2度目のタイムリミットとなってしまいました。

 この日の最終、男子の第8レース。川崎は今回も上から流しながらスタートラインに入りましたが、スタート直後にセールを落として出遅れてしまい、前のレースと展開変わらず55位フィニッシュでした。

 現状、日本に於いてはユース、ジュニアの層が薄く、また練習も各地でバラバラに行っている為、正直なところレースへの慣れや競う事自体の経験不足が今大会の結果に如実に表れています。彼らがこの大会で得る経験を基に我々は今後の強化内容を考えていかねばならないと痛感しています。
3日目を消化しましたが、ユース、ジュニアの選手たちには、これだけ連日の強風下でのレース数は未経験であることから全員が体力気力とも消耗しています。彼らの身体のケアにも気を配り、強い気持ちを持って残り2日間のレースを頑張っていきたいと思っています。


●大会成績・3日目終了時
【男子/20ヵ国・63艇】川崎 翼 総合56位 57-53-(59)-49-55-52-43-55
【女子/14ヵ国・32艇】原 百花 総合27位 26-25-(DNF)-23-DNC-26-27-DNF
成績(大会HP):http://www.sailingresults.net/site/event/11/

大会サイト:http://www.techno293worldchampionship.org/

4日目



風の強さに対応する難しさ
日々 世界から学ぶ ふたり


1107_T293-U17-08.JPG川崎翼第10レース1上攻防7月23日、大会4日目。
 大会も残すところ後2日。選手たちの疲れもピークに達している様です。
U17の2人も、出来れば今日3レースはして欲しく無いと話していたところ、気持ちが通じたのかノーティスにて「今日のスケジュールは男女共に2レース」となっていてホッとした顔をしていました。
今回の運営は、数々の大レースを開催してきたサンフランシスコヨットクラブの人達によって行なわれているのですが、意外にもアバウトな部分があり、予告信号と準備信号のフラッグ順を間違えたり、フィニッシュのフラッグをタイムリミットに合わせて降ろさずにいたりと、手違いも多く、女子第9レースは予定より4分遅れでスタートしました。
原は、このレースを下4番位の位置からスタートしました。1周目は本大会で1番風が弱く(9~11ノット)、他の選手達についていき、好スタートだったこともあるのか中盤で下マークを回航していきましたが、徐々に風が上がりだすと、上り角、タックを返すポジション等がうまくいかず、結局25位にてフィニッシュ。
続けて女子第10レースがスタート。今回も混戦を避け下3の位置にて並ぶが、スタート直前に上からかぶせられる形になり、初速、角度ともうまくとることができず出遅れてしまいました。今日の傾向としては、昨日より左の風が入ってきており、ポートに返した後この風に合わせられれば挽回出来たかもしれないのですが、前のレースより風速が上がり出し、上手く走らせる事が難しい様子で、結局このレースも27位でフニッシュとなりました。
続いて直ぐに男子のスタート。川崎は、よいポジションにてスタートを切る事が出来、1上は本大会中1番の中程の順位で通過しましたが回航後セールを落としてしまい、せっかく良いレースをしていたのに、今までで最悪な59位でのフィニッシュとなってしまいました。本人も相当悔しそうな様子でしたが、好スタートを切ること、ミスを少なくすることが上位を走ることに繋がると実感したようでした。
そして本日最終レース、男子第10レースが続けてスタート。川崎は、ライン中頃に並んでいましたが、混み合ってきたため下側に走らせてスタートしました。同様に走らせた選手が他にも何人かいて、ファーストタックの位置が少し遅れてしまい、抑えられた形で上マークへと向うことになりました。トップ集団の選手達とは風速が上がっている事もあり、残念ながらみるみる離されてしまいました。この頃になると、風向もいつもの風となり左からの風はほとんど無くなり、この海面のパターンで全員の選手がほぼ同様なコース取りをする為、抜きどころが少なく結局54位にてフィニッシュし、本日のレースを終了しました。

川崎選手のコメント
「世界の選手たちとの差に愕然としています。折角の機会なので、少しでも速い選手達と一緒に走れる様にして頑張りたいと思います」

原選手のコメント
「慣れない環境と連日の強風でとても疲れました。でも、諦めないで少しも順位を上げられる様にしたいと思います」


●大会成績・4日目終了時
【男子/20ヵ国・63艇】川崎 翼 総合57位 57-53-(59)-49-55-52-43-55-59-54
【女子/14ヵ国・32艇】原 百花 総合27位 26-25-(DNF)-23-DNC-26-27-DNF-25-27
成績(大会HP):http://www.sailingresults.net/site/event/11/

大会サイト:http://www.techno293worldchampionship.org/

最終日



大会閉幕 初の海外レースで収穫大
今後の練習に生かして上達を期そう


1107_T293-U17-09.JPG原上マーク回航1107_T293-U17-10.JPG最終日川崎スタートラインへ7月24日、大会最終日。
 いよいよ本大会も、最終日を迎えました。
今日で最後という事もあり、選手達には悔いの無いように最後の力を全て出し切り、攻め攻めで行くように伝えました。選手たちもそのあたりは十分わかっている様子で、昨日までの悲壮的な顔から笑顔に変わりうなずいていました。

 今日は、男子から2レース続けてスタートしました。コースは3上目フィニッシュの反時計回りコース。海上にて川崎にスタートを攻めていくように指示をし、それを意識したのか第11レースのスタートでは本部船に一番近い位置をキープしたまま1分前を迎えましたが、混雑しており周りの何名かの選手達と共にセールを落としている間にスタート信号となってしまいましたが、幸いなことに今日は風向と逆の潮が強く沢山の選手達が押し出されゼネリコとなり、救われました。2回目のスタートも同様にゼネリコとなり、本大会U17では初となるブラックフラッグが掲揚されました。その中、川崎は果敢に攻めて今大会一番のよいジャストスタートを切りました。一瞬ブラックになったかと思う程でしたが、事なきを得て上マークへ。1上はトップ回航から40秒遅れにて通過。その後徐々に引き離されていきフィニッシュ時は48位となってしまいましたが、他の選手達と絡むレースが出来、晴れ晴れとした顔をしていたのが印象的でした。そして、男子の最終レースが最初のシークエンスからブラックが適用されスタート。このレースも川崎は前のレース同様スタートを攻めて行こうしましたが、スタート信号と共にまたもやセールを落としてしまい、出遅れました。しかし最後の力を振り絞りよい走りを見せ、何人かをパスして46位フィニッシュで大会を終了しました。

 続いて、女子・原のスタート。原は控えめな性格なのか、なかなかスタート時の集団の中に入る事が出来ずにいる事が多いため、無理せず空いているポジションからジャストスタートを心掛けるようにとアドバイスをしてスタートへ送り出しました。原はこのレースも下サイドから走り込みのスタートを試みましたが、角度が今ひとつ他の選手より悪く、高さ的に引き離されてしまいます。上マークを最後尾近くで回航しましたが、冷静な判断で少しずつ順位を上げ、最終上では風を読んだタックでフィニッシュ順位を2つ上げる事ができました。このレースは23位でフィニッシュしました。続く最終レース。またも性格が出たのか消極的なスタートとなりました。このレース、1上り目で上マークが流れてしまい、「M」旗が運営船に掲げられ、選手達も一瞬とまどった感じでしたがそのままレースは続行され、26位にてフィニッシュしました。

【大会を終えて】
男子・川崎はセールを保持出来ず、肝心な所で落としてしまうなど、基礎練習を再度行なう必要がある様に感じました。女子・原選手はスタートの消極的な感じと、タック及びベアへの入りの遅さ等の課題が数多く見受けられ、練習の仕方も今後改善の必要があると思います。
大会が終了し選手たちは初めての海外遠征で海外選手とレースをして、自分たちに何が必要なのか感じ取ったのではないかと思います。帰国後この経験を生かししっかり練習をしてもらうことを切望します。また、私たちも、選手たち同様にこの経験を生かし、今後に向け選手たちの指導をしていきたいと考えています。

期間中、皆様の応援ありがとうございました。今後も頑張っていきますのでよろしくお願いします。


●大会最終成績・全12レース
【男子/20ヵ国・63艇】
川崎 翼 総合57位 57-53-(59)-49-55-52-43-55-59-54-48-51

【女子/14ヵ国・32艇】
原 百花 総合27位 26-25-(DNF)-23-DNC-26-27-DNF-25-27-23-26
成績(大会HP):http://www.sailingresults.net/site/event/11/

大会サイト:http://www.techno293worldchampionship.org/

ba_jy過去レポート.png

●2011.8.62011年 レーザー4.7級世界選手権 レポート
●2011.8.32011年 レーザーラジアル級ユース世界選手権 レポート
●2011.8.22011年 470級ジュニア世界選手権 レポート
●2011.7.252011テクノ293級 ウインドサーフィン U-17クラス世界選手権 レポート
●2011.7.25レーザースタンダード・ジュニア世界選手権 レポート
●2011.7.18ISAF ユースワールド2011 レポート
●2011.7.10東日本大震災 JSAFチャリティーフラッグ&ステッカーキャンペーン レポート
●2011.7.4ボードクラス 関西水域・ユニバーシアード派遣前 強化合宿 レポート
●2011.7.4ボードクラス 関東水域 強化合宿 レポート
●2011.6.23レーザーラジアルユース・4.7世界選手権代表選手強化合宿 レポート
●2011.6.10ダッチユースレガッタ2011 レポート
●2011.5.172011 ISAFジュニアユースワールド日本代表選考会 レポート
●2011.1.292010年 九州水域ジュニア・ユース強化合宿 レポート
●2011.1.142010年 ユースナショナルチーム候補合宿 レポート
●2011.1.11オーストラリアユースチャンピオンシップ レポート
●2011.1.72011年 420級世界選手権大会 レポート
●2010.12.242010年 470級ジュニア世界選手権 レポート
●2010.9.162010年 スナイプ級西半球および東洋選手権大会 レポート
●2010.9.162010年 第23回全日本420級選手権大会 レポート
●2010.9.8関西・四国・中国水域強化合宿 レポート
●2010.8.28関東水域強化合宿 レポート
●2010.8.28第1回 ユースオリンピック大会 レポート
●2010.8.2420級世界選手権大会 レポート
●2010.7.27レーザーラジアル ユースワールドチャンピオンシップ レポート