大会5日目(最終日)

6種目でメダルを獲得

最終日は雨。風も弱く、スタート時刻は延期でした。
11時過ぎから出艇が始まり、レースエリアへ行ってレースをしたのはOP、レーザースタンダードとRS:Xでした。他の種目はレースができず、15時のタイムリミットで大会終了となりました。

最終日は撤収作業もあり、雨のなかコンテナの積み込みやチャーター艇の返却、RS:Xのホテルへの輸送など大忙しでした。作業がほぼ終わってホテルへ戻ろうとしたとき、今から審問だとアナウンスが入り、インド選手から池田、北原の両選手にプロテストが出ていることがわかりました。すぐに審問に行きましたが「Invalid」ということで、審問の最初だけですぐに終わりました。いいがかりみたいなプロテストで、今回は何事もありませんでしたが、ある意味、これはアジア大会でも審問対策を充実させておかねばならないというリマインドだと思わされました。

OPの北原選手、池田選手は2位、3位で表彰台に上がる成績でしたが、夜の便で帰国する予定だったため、19時からの表彰式には参加できませんでした。470の磯崎選手が池田選手の代理で表彰を受けましたが、優勝したタイの選手があまりにも小柄で驚きました。

優勝した470女子の吉田選手も帰国便の都合で表彰式には出られず、RS:Xの小嶺選手と吉岡選手とで表彰台に上がりました。隣の中国の選手が不思議がっていましたが、その他の人々は運営を含めてほとんど、気がついていませんでした。
男子の磯崎組も高柳が体調をくずしていたため、RS:Xの池田が代理をつとめましたが、やはり気づいていたのはほんの一部の470の選手だけでした。

TDを務めた大谷さん、PROの岡田さん、運営に加わった伊藤さん、花田さん、たいへんな苦労だったと思います。ベトナムで開催予定だったアジア大会が急きょジャカルタへ変更となり、競技を開催する意気込みは感じるものの、準備を進める現場はたいへんです。本番までに改善できないことも多々あるだろうなと考え、アプローチを考えなければなりません。

今回はアジア競技大会の準備という目的で参加ジャカルタへ遠征しました。体調管理、暑熱対策と多くの準備リストが出てきました。大会中に体調を崩した選手もおり、こういったことも考慮し、アジア競技大会はさらなる準備を整えて臨みたいと思います。

Report by 斎藤愛子

日本選手の成績

470級男子〈1艇〉
2位磯崎 哲也(エス・ピー・ネットワーク)・高柳 彬(日本経済大学)

470級女子〈1艇〉
1位吉田 愛・吉岡 美帆(ベネッセホールディングス)

49er級男子〈1艇〉
3位古谷 信玄・八山 慎司(エス・ピー・ネットワーク)

Laser級男子〈1艇〉
3位瀬川 和正(米子産業体育館)

レーザー4.7級〈2艇〉
4位前田 海陽(広島県立広島高校)
17位抜井 理紗(大阪教育大学付属高校池田校舎)

OP級男子〈1艇〉
3位池田 海人(藤沢市立片瀬中学校)

OP級女子〈1艇〉
2位北原 頌子(雙葉中学校)

RS:X級男子〈1艇〉
9位池田 健星(明治大学・KAYA)

RS:X級女子〈1艇〉
7位小嶺 恵美(愛媛県競技力向上対策本部・ジェイウィルコーポレーション)

大会サイト 大会成績サイト

大会4日目

4日目のジャカルタは風が弱まり風向も北西になりました。初めて回答旗があがり、陸上待機をしてから1時間遅れて出艇となり、弱風でのレース日でした。

470女子の吉田・吉岡組は弱い風でも安定した走りです。アジア大会を見据えて、いろいろな風を経験しておくことを目標にしています。
男子の磯崎・高柳組は1レース目が終わったところで高柳が体調を崩し、2レース目はリタイアしました。

レーザーの瀬川は少し風が弱まると急に元気が出て走りだすアジア各国の中で、今日もふんばりを見せていました。逆に、この風を待っていたのがレーザー4.7の抜井選手で、彼女にとってはハイクアウトして起こせる風域でしたから、スタートから積極的に出て、いいコース展開で2-2とまとめ、総合でも17位に上がりました。
男子の前田選手は軽風が苦手といいますが、4.7は強風が得意な選手と軽風が得意な選手が分かれるので、その中でしのぎ、総合4位まできました。

OPは北原選手がトップをキープしています。池田海人選手は3位をキープ。前を行くタイに追いつけるか。
RS:X男女は中盤から脱出できず、上位をいく中国、香港、男子の韓国とは差があります。苦しい状況ですが、風域の異なる中でやるべきことを整理していかないと、上位選手に追いつくことができません。

49er男子も体調不良がありますが、本番も弱い風の時があるはずですから、しっかり準備を続けてほしいと思います。

Report by 斎藤愛子

日本選手の成績

470級男子〈1艇〉
2位磯崎 哲也(エス・ピー・ネットワーク)・高柳 彬(日本経済大学)

470級女子〈1艇〉
1位吉田 愛・吉岡 美帆(ベネッセホールディングス)

49er級男子〈1艇〉
3位古谷 信玄・八山 慎司(エス・ピー・ネットワーク)

Laser級男子〈1艇〉
3位瀬川 和正(米子産業体育館)

レーザー4.7級〈2艇〉
4位前田 海陽(広島県立広島高校)
17位抜井 理紗(大阪教育大学付属高校池田校舎)

OP級男子〈1艇〉
3位池田 海人(藤沢市立片瀬中学校)

OP級女子〈1艇〉
1位北原 頌子(雙葉中学校)

RS:X級男子〈1艇〉
9位池田 健星(明治大学・KAYA)

RS:X級女子〈1艇〉
8位小嶺 恵美(愛媛県競技力向上対策本部・ジェイウィルコーポレーション)

大会サイト 大会成績サイト
▲レーザー男子の瀬川、出艇前の入念なチェック
▲レーザーの瀬川
▲ウインド女子の小嶺、行きまーす
▲ウインド男子の池田、苦戦しています…
▲少し弱めの風でレーザー4.7の抜井が2-2をとりました

大会3日目

「コンディション」対策

3日目、地元の人達が「典型的な海風」という15ノット前後まで上がる北東からの風が吹きました。昨日までとは20度ほど北へずれた風でした。毎朝、D旗が時間どおりに上がり、定刻でスタートします。ハーバーの中は出艇する時は大混雑ですが、風待ちはありません。

日本チームにとっての課題は「コンディション」です。
東南アジアの国々の人たちは暑さに慣れており、水道水が飲めないような環境でも平気です。一方、日本やシンガポールは体調を崩す選手が出て、苦労しています。
とはいえ、「レース前に体調を崩して2日休みましたが、そのおかげでマルセイユから日本、日本からインドネシアへの移動の疲れが全部とれ、病み上がりというよりも、前より元気になってレースに入れました。アジア大会に向けて免疫ができたようです」(吉田愛)と、周囲の心配をよそに病気をリフレッシュのきっかけに変えてしまいました。

食事、飲料、暑熱対策など8月の本番までに準備をすべきことが多々あります。次に来る時も世界選手権(オーフス)の直後となり疲労困憊でやってくることになるので、状況は今回と同様でしょう。

チーム力、アップ

470女子はメインをトリムし始める風になると吉田・吉岡組は他を圧倒しています。
男子の磯崎・高柳組は、女子ほどではありませんがやはり体調を崩し、いまひとつ元気がありません。それでもトップの中国とは1点差ですから、後半4レースをしっかり戦いたいところです。

▲3日目470女子スタート

49er男子はトップを走っていて沈をするなどミスが多く、もったいない戦いぶりです。アジアの49erのレベルは急速に上昇していますから、ミスを減らさないと他の技術的なアドバンテージがなくなり、結果につながりません。もうひと頑張りです。

▲3日目49erスタート

レーザーの瀬川はアジア大会でライバルになる韓国とマレーシアに続いて3位をキープしています。アジア勢の中で戦っている時のほうが自信をもってレースに臨んでいるように見られます。
レーザー4.7は、「2レース目は3位をとれたのに、最後のダウンウインドでガストが入るサイドを間違い、反対へ行った艇にやられてしまいました」(前田)、「吹いて、艇が起こせずにたいへんですが、昨日よりも今日のほうが走れるようになっています。風が少しだけ落ちたからかもしれませんが…」(抜井)と苦戦しながらも光明を見出そうとしています。

▲レーザーの瀬川
▲レーザー4.7の前田
▲レーザー4.7の抜井

RS:Xは男女ともに中国、香港にやられています。
アジア競技大会代表の富澤は参加していませんが、池田が参加して以前よりも上のグループで走れるようになりました。
女子の小嶺にとってはプレーニングするかしないかの苦手な風域であり、うまくハンドリングができないため必死にテクニックを追求しています。

▲ウインド男子の池田
▲ウインド女子の小嶺

アジア大会から外れた影響でOPのエントリ―が減りました。
9艇が参加する女子は今日から1カットが入り、北原頌子選手が僅差でトップを守っています。男子の池田海人選手はタイの2艇に苦戦しています。

▲OP男子の池田
▲OP女子の北原

TDの大谷たかを氏は、日々発生する問題を解決するために奔走しています。
スロープの波がひどく、ポンツーンにボートを着けられないほどのウネリが入ってくる状況を消波ブイで防ごうとしましたが、効果は少なかったようです。PROとTDのためにジェットスキーが用意され、大谷さんもジェットスキーでレース海面へ出ました。

▲ジェットスキーで登場のTD大谷たかをさん

日本チームは、スロープでの艇の上げ下ろしを選手、コーチ全員で行っています。いつもRS:Xの池田健星選手が最初に戻ってきますが、最後の49erや4.7級が戻るまで上げ下ろしを行い、苦労しながらもチーム力がアップしています。

明日も同じ風が吹く予報です。暑さが敵です。

Report by 斎藤愛子

日本選手の成績

470級男子〈1艇〉
2位磯崎 哲也(エス・ピー・ネットワーク)・高柳 彬(日本経済大学)

470級女子〈1艇〉
1位吉田 愛・吉岡 美帆(ベネッセホールディングス)

49er級男子〈1艇〉
3位古谷 信玄・八山 慎司(エス・ピー・ネットワーク)

Laser級男子〈1艇〉
3位瀬川 和正(米子産業体育館)

レーザー4.7級〈2艇〉
5位前田 海陽(広島県立広島高校)
22位抜井 理紗(大阪教育大学付属高校池田校舎)

OP級男子〈1艇〉
3位池田 海人(藤沢市立片瀬中学校)

OP級女子〈1艇〉
1位北原 頌子(雙葉中学校)

RS:X級男子〈1艇〉
9位池田 健星(明治大学・KAYA)

RS:X級女子〈1艇〉
8位小嶺 恵美(愛媛県競技力向上対策本部・ジェイウィルコーポレーション)

大会サイト 大会成績サイト

大会2日目

大会サイト 大会成績サイト
▲49er級男子、古谷・八山ペア
▲470級女子、吉田・吉岡ペア
▲470級男子、磯崎・高柳ペア
▲RSX級女子、小嶺
▲RSX級男子、池田
▲レーザー4.7級男子、前田

開催地:インドネシア・ジャカルタ、Ancol
日程:2018年6月19日~6月25日

6月19日 受付・計測・開会式
6月20日 受付、計測、プラクティスレース
6月21日~25日 レース

日本からの参加(9種目10艇)

470級男子〈1艇〉
磯崎 哲也(エス・ピー・ネットワーク)・高柳 彬(日本経済大学)

470級女子〈1艇〉
吉田 愛・吉岡 美帆(ベネッセホールディングス)

49er級男子〈1艇〉
古谷 信玄・八山 慎司(エス・ピー・ネットワーク)

レーザー級男子〈1艇〉
瀬川 和正(米子産業体育館)

レーザー4.7級〈2艇〉
前田 海陽(広島県立広島高校)
抜井 理紗(大阪教育大学付属高校池田校舎)

OP級男子〈1艇〉
池田 海人(藤沢市立片瀬中学校)

OP級女子〈1艇〉
北原 頌子(雙葉中学校)

RS:X級男子〈1艇〉
池田 健星(明治大学・KAYA)

RS:X級女子〈1艇〉
小嶺 恵美(愛媛県競技力向上対策本部・ジェイウィルコーポレーション)

大会サイト 大会成績サイト

日本から9種目に参加

インドネシアのジャカルタでアジア選手権が始まりました。
アジア競技大会(8月23日~31日、インドネシア・ジャカルタ)のプレ大会となるため、470男女、49er男子、49er FX女子、RS:X男女、レーザー男子、レーザーラジアル女子の8種目とレーザー4.7級オープン、RS One 男女チームレース、それにアジア大会からは外れてしまいましたが、OPの男女が開催されます。

▲レーザー4.7の前田

今大会には17カ国から13種目に200艇がエントリーしました。
日本からはアジア大会代表を含めて9種目に参加します。

レースの運営はこれまでオーストラリアや欧州のメンバーが仕切ってきましたが、今回、初めてアジアのメンバーが運営します。大谷たかをさんはTDでイベント全体を仕切り、PROが岡田彰さん、そのほか花田卓教さん、伊藤大貴さんも運営メンバーに加わっています。セーリングセンターの施設も完成したばかりで準備もままならず、まったく何もないところからスタートです。ラマダン明けの休暇期間とも重なり、苦労の連続でした。

計測も終わり、初日は10ノットから強まった風の中でレースを行いました。どのクラスもコースが短く、12時からのレースでしたが、15時にはもう岸へ戻るペースでした。
この2日間、体調を崩して練習できなかった470女子の吉田・吉岡組は今日は元気な顔でハーバーへ現れ、体力を温存するために最後に出艇しました。インドネシアの風土に合わずに体調を崩すこともあるだろうしそれも準備のひとつとして考え、アジア競技大会を見据え落ち着いて取り組んでいました。

JSAFオリンピック強化委員会では医科学委員会メンバーとの連絡網を整備し、選手が体調を崩した時の対処に備えています。ジャカルタは日本との時差が2時間しかないこともあって連絡網がうまく機能し、有効なアドバイスをいただいて対応できました。

▲レーザー4.7の抜井

アジア競技大会の準備

470男子の磯崎・高柳組は走りがよく、スピードもあったのですが、途中でセンターボードにゴミをひっかけてしまい、センターを上げて外したと思ったら今度はラダーにかかるなど、細かいミスが多かったようです。アジア大会も同じ海面です。ゴミ対策も必要ということでしょう。

レーザーの瀬川は今日、飯島コーチがびっくりするくらいのスタートダッシュを見せて、優勝候補のマレーシア、韓国に引けを取らず、3位につけています。マルセイユで悔しい思いをした分、ここで修正をするつもりで取り組んでいます。

ユースの4.7、OP級もところどころで光る走りがありました。
また、RS:X男女、49erもミスを減らして結果につながるよう、明日もしっかりレースをしたいと思います。

海面は東系の風が多いのですが、吹かないと評判だったジャカルタで毎日10ノット以上が吹いています。4.7の抜井選手が練習をしている芦屋よりもジャカルタのほうが海水の茶色が濃いという話で盛り上がっていました。

レース運営ではコースが短い、マークが流れる、本部船が走錨する、など苦労しています。しかし、最大の難所はハーバーのスロープで、波が巻いてしまい、午後になって風が強まると着艇で苦労します。選手もコーチも総出で出迎えて、全艇の着岸をサポートしています。

明日は午後からのレースとなります。
アジア大会へ向けて、クセのある海面の特徴をつかむことが目標です。
今回参加の選手のうち、OP級以外は全員がアジア競技大会の代表です(OP級はアジア大会から外れてしないました)。そういったことからも本大会はアジア競技大会の事前練習でもあり、本番へ向けての準備が始まっています。

Report by 斎藤愛子

日本選手の成績(初日)

470級男子〈1艇〉
3位磯崎 哲也(エス・ピー・ネットワーク)・高柳 彬(日本経済大学)

470級女子〈1艇〉
1位吉田 愛・吉岡 美帆(ベネッセホールディングス)

49er級男子〈1艇〉
3位古谷 信玄・八山 慎司(エス・ピー・ネットワーク)

Laser級男子〈1艇〉
3位瀬川 和正(米子産業体育館)

レーザー4.7級〈2艇〉
5位前田 海陽(広島県立広島高校)
24位抜井 理紗(大阪教育大学付属高校池田校舎)

OP級男子〈1艇〉
4位池田 海人(藤沢市立片瀬中学校)

OP級女子〈1艇〉
1位北原 頌子(雙葉中学校)

RS:X級男子〈1艇〉
9位池田 健星(明治大学・KAYA)

RS:X級女子〈1艇〉
7位小嶺 恵美(愛媛県競技力向上対策本部・ジェイウィルコーポレーション)

▲レーザー級3位の瀬川
▲開会式での日本チーム
▲開会式でのアトラクション
この大会への遠征は、競技力向上事業助成金を受けて実施されています。