SAILING TEAM JAPAN Paris2024オリンピック競技大会報告

オリンピック強化委員会
委員長 宮本貴文

【はじめに】
この度Paris2024オリンピック競技大会におきましてセーリング競技のチームリーダーを務めました、オリンピック強化委員会委員長の宮本貴文です。
まずは、今回本大会出場された選手・コーチの皆さまのご健闘を心より称えると共に、選手の所属する企業の皆様、トヨタ自動車東日本株式会社、株式会社ベネッセホールディングス、株式会社豊田自動織機、株式会社エス・ピー・ネットワークの皆様、長期間に亘ってご帯同を頂きサポートを頂いたスタッフの皆様、マルセイユに駆けつけて応援を頂いたファンの方々、日頃よりオリンピック強化の活動にご理解、ご協力、ご声援いただいた皆様に篤く御礼申し上げます。
また、終始有言実行での金メダルを狙える位置に身を置き、全9レースを戦い抜いて銀メダルを獲得した岡田奎樹/吉岡美帆選手、並びにトヨタ自動車東日本株式会社、株式会社ベネッセホールディングスの関係者の皆様に改めて心からのお祝いと、深甚なる感謝を申し上げます。
この20年間メダルから遠ざかっていた我が国のセーリング競技の歴史において、今回の銀メダル獲得は悲願のものであり、選手や関係各位のご尽力はもちろんのこと、国内におけるジュニアヨットクラブ、高校大学等の教育機関、セールメーカー、クラス協会といった関係者の皆様方の日々の強化活動があっての賜物と考えております。
また、今回のメダル獲得の意義は非常に大きいことは言うまでも無く、オリンピック強化委員会と致しましては、今回の成績を単発のものとすることなく、LA2028オリンピック競技大会以降に繋げていくことこそが今後最も重要な課題と認識しており、関係各位のフィードバックを頂きながら今回の要因についてしっかりと分析を行い、今後の施策に繋げて参る所存です。
以下、JOC宛に提出致します報告書をベースに、いくつかの情報を加えてJSAF関係者の皆様向けの報告書と取り纏めておりますので、ご一読の程よろしくお願い致します。
改めて、皆様の日頃のご支援ご声援に感謝を申し上げます。

【代表選考について】
オリンピックのセーリング競技10種目中、日本はWorld Sailingの定める国枠獲得基準を基にした日本独自の選考方針で2020年中に9種目の日本代表を選考しました。日本では馴染みのないクラス、過去オリンピックで国枠獲得を逃したクラスも参加枠を獲得できたことは、日本が欧米諸国に近づいた証だと言えます。残る1種目のFINN級については、World Sailingの指定した国枠獲得大会の中止が相次いだため、オリンピック選手登録締め切り直前の2021年5月に国内で代表選考大会を開催し、全10種目がオリンピックの舞台で活躍できることになりました。
今回のオリンピックでは、国枠獲得大会の世界選手権でトップ10に入った470級男子女子、Laser Radial級、RS:X級男子の4種目が入賞あるいはメダル獲得の可能性がありました。そのほかのクラスも最後まで調整を行い、上位を目指すこととなりました。

【前回オリンピック後の重点強化策】
2022年3月にJSAFオリンピック強化委員会の新体制が発足して以降、①Paris2024オリンピック競技大会での1種目以上のメダル獲得、②LA2028オリンピック競技大会以降を見据えた強化戦略の構築・次世代育成、③人的・物的資源の最適化、の3つの方針を強化戦略の中心に据え、組織体制の抜本的な再構築と、当該方針に基づいた個別強化施策の立案・実行、強化選手選考方法の策定等を行って参りました。
方針①に基づくParis2024オリンピック競技大会に向けた強化対象選手の選定にあたっては、透明性・公平性を確保しつつ、限られた資源を選択的に投入しメダル獲得という目標を必ず達成することを最優先として、認定大会を各種目の世界選手権に設定し、かつ当該大会において一定の結果を残したチームをNT(ナショナルチーム)に、世界選手権で10位以内に入ったチームをNT-A(ナショナルチームエース)に認定する方式としました。また、NT-Aに対してはオーダーメイドでの強化施策を各チームと強化委員会の二人三脚で実施していく体制とし、2022年種目別世界選手権に於いては470級の岡田奎樹・吉岡美帆組がNT-Aに認定されたため、同チームと協議のうえ冬期の日本チーム合同での沖縄与那原合宿等を企画・実施しました。更に2023年度期初には1年後に迫ったParis2024オリンピック競技大会に向けた、テストイベントへの参加を含む各種準備作業を滞り無く実施するため、Paris2024メダル獲得プロジェクトチーム(以下「Paris2024PT」という。)を強化委員会内に立ち上げて2名の強化委員会コーチを専任に据え、各NT-A、NTの強化に携わると共に、テストイベントで実施する各種施策の立案・実行についてもParis2024PTを中心に取組んでいくことと致しました。
2023年7月のテストイベントにおいては、本大会期間中に提供を予定する各種サービスのテストを実施、a.会場外での日本チーム拠点の構築と拠点での日本食・身体ケアの提供、b.会場内での日本チーム拠点(コンテナ)の設置・運用、c.会場内でのルールサポート・修理サービスの提供、d.会場内でのアイスバス・アイスベスト等の暑熱対策の実施、e.日本チーム独自の気象予報情報の提供について概ね良好な結果を得ることができました。また、結果的にテストイベントに参加した選手が全て本大会にも参加することとなり、現地環境への慣れという点については非常に有効な大会であったと言えるでしょう。
2023年8月のSailing World Championships(蘭/ハーグ)においては470級の岡田・吉岡組が優勝、磯崎哲也・関友里恵組が3位に入るなど、日本チームとして非常に順調な仕上がりを見せて当該種目での国枠を獲得、その後もNT-Aの岡田・吉岡組を中心に合同合宿等を開催して代表選考に突入しました。岡田・吉岡組が無事に代表選手内定を果たした2024年5月以降は現地マルセイユでの合宿を主として展開し、PTメンバーである土居一斗コーチが全ての合宿に帯同し、マルセイユの海面に合わせた道具の選定や大会戦略の立案、現地の風の傾向の把握等を行ったうえで、本大会を迎える運びとなりました。
なお、その他の種目については男女iQFOiL級とILCA7級において断続的にNT選手が誕生し、都度合宿・遠征サポートを強化委員会として実施したが、コンスタントにNT選手入りすることは叶わず、対象選手において国枠・代表選手枠を獲得するに至っておりません。

【選手選考の経過と大会対策】
470級は2024年3月の種目別世界選手権(伊・サンレモ)を一次選考会、4月のプリンセスソフィア杯(西・パルマ)を二次選考会に設定、2023年8月のSailing World Championshipsにおいて1位の岡田・吉岡組と3位の磯崎・関組のハイレベルな争いが期待されましたが、一次選考会で3位表彰台に上がりボーナスポイントを獲得した岡田・吉岡組が、二次選考会でも危なげなく競合を退けての代表内定となりました。その他の種目については国枠の獲得が2024年4月下旬のLast Chance Regatta(以下「LCR」という。)に縺れ込んだことから、一次選考会をプリンセスソフィア杯、二次選考会をLCRとして、最後まで国枠と代表枠の双方が争われる形式としました。結果は概ね実力順通りの成績となり、LCRで国枠圏内に入った男子iQFOiL級の富澤慎選手、49erFX級の田中美紗樹・永松瀬羅組、Nacra17級の飯束潮吹・西田カピーリア桜良組が順当に代表内定を獲得しました。
代表内定後の大会対策については、それぞれのチームで課題が異なっており、課題の解決に向けた各チームの活動に対して、強化委員会は主に金銭面でのサポートと、470級についてはコーチの帯同を行う形で支援を実施しました。具体的には、470級は道具の選定とメダル獲得に向けた戦略の設定、男子iQFOiL級は本番のみで使用する借用機材の性能確認と選定、49erFX級は軽風域以外での走りの強化、Nacra17級はマルセイユ現地の環境にアジャストした走りの獲得、等が課題として挙げられ、それぞれが課題の解決に向けて合宿等を実施しました。
強化委員会の大会対策としては、a.代表選手の宿舎や機材置き場として活用する為の2024年5月以降の現地拠点の確保、b.現地での審問対応体制の構築、c.現地での艇の修理体制の構築、d.現地での日本人協力者の確保、e.独自の気象予報の入手(コンディショニング関連については次章ご参照)を主な項目に据えて、Paris2024PTメンバーにて準備に取組んで参りました。a.についてはテストイベントで借用した一軒家が広大な敷地を有しており、当該借家を引続き本大会前の期間から借用することでロジスティクス面でのストレス軽減を図る事としました。b.については特に英語で実施される審問については日本チームとして手厚く取組む必要があり、会場外に映像撮影専門の部隊を配置して競技中の映像を常に記録し、必要に応じて証拠映像を提出できる体制を整えました。c.については修理担当者を大会に帯同し、必要な工具・材料等を調達して体制を整えました。d.については現地日本人会から協力者3名をご紹介頂き、テストイベントから運営に協力頂くことで万全な組織体制づくりを行いました。最後のe.については、組織委から全体に共有される気象データに加え、他国のナショナルチームやアメリカズカップでも実績のある気象予測アナリストによる情報を購入してチーム関係者に展開し、日々一覧性があって分かりやすい気象予測情報を提供できるよう心がけました。

【現地でのコンディショニング】
大会会場内外において、選手・チーム関係者のコンディショニングのため以下の施策を実施しています。また、一部代表チームにおいては大会会場外に自前の拠点・トレーナー・管理栄養士を用意し、強化委員会が提供するサービスとは別に独自のコンディショニングを実施しました。
・大会会場内
会場内のコンテナヤードにおいてオフィスキャビンを借用して設置し、空調完備の環境下で選手・関係者が休息・ケアを受けることが出来る環境を整えました。また、キャビン内には冷蔵庫を設置して常に冷たい飲料やアイスボックス用の氷、海上で摂取するおにぎり等を供給出来る体制を整えると共に、室内にマッサージベッドと超音波治療機器を設置し、連盟の専属理学療法士を派遣・常駐させることで競技の前後に身体のケアを実施できるようにしました。また、倉庫として使用した40ftコンテナには最新式の自動温度調整機構を備えたアイスバスを設置し、競技後に効率的なクーリングダウンを実施できる体制とするとともに、選手の人数分のアイスベスト・アイスラリーを常備するなどテストイベントからのフィードバックに基づく万全の暑熱対策を実施しました。
・大会会場外
代表チームの拠点を会場外に設置し、選手・スタッフ向けに管理栄養士による日本食の提供(朝食・夕食、昼食はおにぎり等の海上食)を実施しました。また、拠点においてもマッサージベッド・治療器を設置することで、ケアを受けることのできる体制を整えております。
・その他
選手の個別要望に応じて、競技開始時に最大のパフォーマンスを発揮するためのケアメニューの提供や、時差ぼけやストレス対応を加味したトレーニングメニューの提供・実施・フィードバックを専属理学療法士より行いました。
また、現地の応援機運を高め、少しでもホームの雰囲気で戦える環境作りを目的として、在マルセイユ日本国総領事館のバックアップの下、現地日本企業・日本語補習校を対象とした、競技見学会・交流会・観戦会・報告会等のイベントを5月頃から断続的に実施し、応援機運の醸成に努めました。

【各種目の試合経過と戦評】
艇体計測等については各チーム共に問題なくクリアし、数日の事前練習期間を経て、7月28日から前半組の男子iQFOiL級、49erFX級のレースがスタートし、後半組の470級は8月2日から、Nacra17級は8月3日から順次スタートしました。
本大会期間中の風の傾向については、マルセイユは概ねどの風向についても安定的な中風~強風域の風が見込めるとの前評判に反し、全体の傾向としては大会期間を通して安定しない南~西風の軽風~中風域でのレースが大勢を占めたことが今大会の最も大きな特徴と言え、不安定な風の中、かつ地形的に複雑な波の立ちやすい海面のなかでいかにボートスピードを保ちながら相手と戦っていくか、が鍵となりました。
前半組の序盤は特に風が弱く、軽風域を得意とする49erFX級の田中・永松組が初日総合4位と印象的なスタートダッシュに成功したものの、2日目に軽風でも波の立つ海面へのアジャストに時間がかかってスコアを崩し、3日目以降の中風域以降で実力に勝るチームに対しては離された結果、20艇中17位の最終成績となりました。軽風レガッタとなった4月のプリンセスソフィア杯において3位表彰台に立ったこともある同組にとっては大変悔しい結果となりましたが、初出場の緊張をものともせず、初日から世界の強豪相手に互角以上の勝負を見せたことは大いに評価出来ます。苦手意識を持っていた中風~強風域については本大会までにカバーすることは叶いませんでしたが、持てる実力を遺憾なく発揮した大会であったと言えると思います。
49erFXと同日にスタートした男子iQFOiL級の富澤選手は、充分にフォイリング可能な風が満遍なく海面に入るまで競技を行うことが出来ないその艇種特性から、不安定な風の中でなかなかレースを行えず、2日目終わった時点で1レースしか消化できていない状況でありましたが、唯一行えたレースでは積極的なスタートを決めて6位と上々の滑り出しとなりました。風速の上がった3日目以降では会心のスタートを決めてシングル上位に食い込むレースもあるものの、絶対的なスピードで勝る海外勢に対してコンスタントに成績を纏めることは叶わず、24艇中総合18位で5回目のオリンピックを終えています。LCRでは一発勝負が続く決勝シリーズで見事に強豪相手に優勝を勝ち取り、本大会でも格上の複数チームに打ち勝っての最終成績は、最後まで実力を上げ続けたベテランの本領発揮と言えると思います。艇種変更に伴い出場した東京大会から残された時間が少ない中で20kgの増量を行い、先行して転向していたライバルに対してかなりビハインドの中で挑戦者として戦い抜き代表の座を勝ち取り、最後まで挑戦をしつづけたウインドサーフィン種目のレジェンド且つパイオニアの富澤選手のチャレンジに敬意を表したいと思います。
後半種目のNacra17級については、東京大会出場者の飯束とJSAF HOPE育成プログラム出身の若手、西田のペアで出場、序盤は緊張もあってミスが出たり、軽風でも特徴的な波が立つマルセイユの海面への適応に苦しみ、なかなか艇を安定させて走らせることが出来ず厳しいスタートとなりました。それでも諦めること無く、後半の得意とする軽風戦では風の読みを確実に当てながらコンスタントに中盤の順位でフィニッシュするなど、持てる強みをしっかりと発揮し、総合では19艇中17位の結果となりました。4月のLCR時点では格上であった2チームに打ち勝つ順位を収めることができており、オリンピックという大舞台でしっかりとキャリアハイの実績を残すに至っています。
470級の岡田・吉岡組については、初日に得意とする軽風域で思い切りの良い抜群のスタートとボートスピードでロケットスタートを決め、以前より改善に取組んできた2日目の強風域でも素晴らしいボートスピード見せて4レースを終えて1-2-2-6とトップをひた走る体制とし、誰もが初の金メダル獲得を現実のものとして捉え始めた2日間となりました。また、第4レースではライバルのスペインから抗議が出されましが、前園ルールアドバイザーを中心に独自映像データを元にロジックを組み立てて審問に臨んだ結果、無事却下に持ち込むことができ、チームとしても上手く機能することができた序盤となりました。
しかしながら再び軽風となった大会3日目においては、繊細なボートコントロールが求められる難しい海面の中で、その時点でメダル候補となっていた複数チームとの得点差を意識しつつレース運びを組み立てた結果、選択の優先順位がうまくかみ合わず、僅差ではあるもののオーストリア、スペインに次ぐ3位に後退することとなりました。
ノーレースとなった4日目を挟み、勝負の予選最終日の5日目においてはメダル候補となっていたオーストリア、スペイン、日本、スウェーデンの4チームがお互いを意識し合いながらの牽制の掛け合いとなる場面もあったものの、最終第8レースでは改めて自らのコース取りをしっかりと行い、素晴らしいボートスピードを活かして総合3位をキープしました。最終的に先述の4チームの中でメダルを争う展開となったメダルレースでは、得点計算上確実に銀メダルを取りに行くことをチームのテーマとして臨み、会心のスタートとレース運びで一時オーストリアを逆転しての金メダルも見える位置につけていたものの、最終的にはオーストリアが順位を上げてきた結果、銀メダル獲得となりました。

【競技後の総評と反省】
目標とした1種目以上のメダル獲得については、470級において銀メダルを獲得したことで達成しており、代表チーム及び強化委員会の取組みの方向性の正しさを確認することができました。また20年振りにメダルを獲得したことは競技認知度の向上や新たなスポンサー獲得に向けて大きくプラスに作用していることは確実と言え、今回の結果により新たな強化のフェーズに立つことが出来たと考えています。また、470級においては競技初日からトップをひた走る極めてハイレベルなメダル争いを演じており、オリンピックという特殊な環境下での、更には金メダル争いという貴重な経験を積むことが出来たことは我が国のセーリング競技の歴史から見ても極めて画期的かつ重要な出来事であり、今回得られた知見を確実に抽出し、次に繋げていくことが重要と考えます。
その他の種目については、基本的に大会直前までの実力が反映された結果となっており、そのうち男子iQFOiL級とNacra17級については直近大会の成績を上回る成績を残していることから、大会における環境整備面では特に大きな問題は無く、また直前の各チームの強化も上手く機能していたことが伺えます。
他方で、今回2023年8月に始まった国枠獲得大会の中で出場10種目中6種目の国枠の獲得を逃していること、また470級以外で出場した3種目においても決勝レース進出からは遠い結果となったことは今後の課題であり、各種目における強化の方向性について今一度精査を実施すると共に、種目特性に応じたフィジカル要件の科学的アプローチによる特定や、連盟の育成プログラムのアップデート等を行うと共に、各種目の協会、ユース種目等ともタイアップしたシームレスな次世代選手の強化体制を整えることが重要と考えています。
最後に、現地での応援機運の醸成、競技認知度の向上への取組みについて現地領事館や日本人会の多大なご協力もあって一定の成果を収めることができており、今後の大会にも繋げて参りたいと考えております。

【選手村の生活】
マルセイユ分村は大会会場に併設されたHotel N howと、会場からバスで5分程度の距離にあるGolden Tulip Hotelの2カ所に分かれており、3種目以上参加するNOCについては基本的に両方のホテルの部屋が配分される方式でした。4種目7名の選手が参加した日本チームについては、N howに2部屋(シングル1部屋、ツイン1部屋)、Golden Tulipに2部屋(ツイン2部屋)を充てがわれ、各選手にヒアリングの結果、各ホテルの部屋は1名1室での使用とし、残りの3名については村外のアパート等に滞在することとしました。
上述の通りマルセイユ分村については全て既存のホテルを活用していたため、空調やベッド等の設備についてはいずれも申し分なく、特にストレス無く快適に過ごすことができたと聞いています。食事についてはホテルによって内容が著しく異なっていたり、N howの昼食の提供時間が短か過ぎたり(N howは会場のアスリートラウンジを兼ねていた)と運用面については問題含みでありましたが、後者については最終的にはN howについては終日提供を行えるよう改善が施されました。他方で、食事の提供内容については結局改善されず、また米類等の提供は無かったため、特にN howに宿泊した選手については全員が日本チームの用意する日本食を毎食喫食することとなりました。
その他、Golden Tulipについてはできたてのピザが提供され、選手に好評であったと聞いています。また、選手村にはサッカーゲームやフォトスポット等他国の選手と交流が出来る工夫が施されており、一部の選手は交流を楽しむことが出来ていました。他方で、選手のみならずスタッフ等からも常にピンバッジをねだられるような状況となっており、対応に苦慮する場面が見受けらました。当該状況は選手村に限らず大会会場全体で生じており、今後の大会に於いては改善されることを期待したいです。

Paris2024オリンピック競技大会代表選手/参加スタッフ一覧

<代表選手>

岡田 奎樹 470級スキッパー トヨタ自動車東日本株式会社
吉岡 美帆 470級クルー 株式会社ベネッセホールディングス
富澤 慎 男子iQFOiL級 トヨタ自動車東日本株式会社
田中 美紗樹 49erFX級スキッパー 株式会社豊田自動織機
永松 瀬羅 49erFX級クルー 株式会社豊田自動織機
飯束 潮吹 Nacra17級スキッパー 株式会社エス・ピー・ネットワーク
西田 カピーリア桜良 Nacra17級クルー 株式会社エス・ピー・ネットワーク/関西大学

<役員(ATO)・会場スタッフ(P)>

宮本 貴文 チームリーダー JSAFオリンピック強化委員会
土居 一斗 470級コーチ JSAFオリンピック強化委員会
玉城 千鶴 470級トレーナー トヨタ自動車東日本株式会社/株式会社ベネッセホールディングス
中村 健次 男子iQFOiL級コーチ トヨタ自動車東日本株式会社
山田 寛 49erFX級コーチ 株式会社豊田自動織機
Matteo Nicolucci Nacra17級コーチ 株式会社エス・ピー・ネットワーク
三部 泰誠 サブリーダー(会場) JSAFオリンピック強化委員会
前園 昇 ルールアドバイザー JSAFオリンピック強化委員会
鈴木 慶 メディカル・ケア JSAFオリンピック強化委員会
梅田 長幸 修理・メンテナンス JSAFオリンピック強化委員会

<スタッフ>

山﨑 昌樹 ベネッセ監督 株式会社ベネッセホールディングス
関 一人 TEMJ 470級コーチ トヨタ自動車東日本株式会社
武田 哲子 チーム管理栄養士 トヨタ自動車東日本株式会社/株式会社ベネッセホールディングス
石嶺 忍 49erFX級トレーナー 株式会社豊田自動織機
中村 健一 拠点統括・撮影 JSAFオリンピック強化委員会
小泉 颯作 撮影 JSAFオリンピック強化委員会
山口 岳斗 JSAF管理栄養士 JSAFオリンピック強化委員会
神谷 香 現地協力スタッフ
合志 妙美 現地協力スタッフ
柳橋 奈美 現地協力スタッフ

その他、サポート・応援に駆けつけてくださった企業・JSAF関係者の皆様