7月11日 (決勝、最終日)

第11レース
風向 270度 、海風でゆっくりと左右へシフトする風速10ノット前後の風域でスタート。
3艇ともスタートがよくフィニッシュは、6位、9位、20位。この風域はコースとボートスピードともに落ち着いてレースができるようになりました。

第12レース
本部船寄りから 3艇ともスタートするも、3艇とも失敗。右海面へ展開プランは変更せずにマークへ向かいます。
1マークを小柳・池田組3位、倉橋・河津組が13位、青山・福田組 が20番後半から順位を上げてフィニッシュ。
ヨーロピアン選手権のレースが終わりました。
陸に上がってチャーターボートを返却し、クロージングセレモニーで倉橋・河津組がシルバーフリート3位の表彰を受け、海外の選手達との交流を深めました。
11日間の海外遠征でしたが、4人の選手はこの後、ユースワールドに参戦します。このヨーロピアンへ参加したことは必ずプラスになると思います。これからも、強い気持ちを持って、チャレンジしてくれることを願います。

選手たちのコメント

小栁倫太郎:「今回ヨーロッパ選手権に出場させていただいて学んだことがあります。まず、スタートです。日本とは違い2分30秒前には並ばないと場所獲りをするのは難しく、キープするのはもっと難しかったです。その中でスタートを成功することがあり、自信になりました。2つ目はコースです。サイドのブローを掴み、その中でのパフとラルをしっかりと見分け、風の強い所を常に走っているようにみえました。ゴールドフリートに残ることはできませんでしたが、シルバーフリートでスタートやコースの感覚が掴めたのが一番の成果だと思っています」 池田隼太:「今回の大会で感じたことは、世界との差でした。スタートからフニッシュまでレベルが高く、シルバーフリートでやっとトップをとれるくらいでした。今のままでは世界に通用しないので、今回の大会で得たことをしっかりと自分のものにし、まだできないことを日々の練習で意識し強化していきます」

福田桃奈:「初めての海外レースで新しい発見とともに多くの課題が見つかる10日間となりました。レースではその課題にチャレンジし、攻める気持ちを忘れずに行いました。結果としては何も残らないものでしたが、この経験で自分たちは多くのことを吸収でき、この先のヨット生活で生かしていけるものになりました」

青山みづき:「学ぶことが多かった初めての国際試合でした。ヨットの技術ももちろんそうですが、考えることの重要さを感じました。ヨットでは次に起こることを考えることが必要で、またチームをまとめるにも必要になってきます。今まで私はあまり考えてこなくて行き当たりばったりだったので、これからは普段から考え、チームを引っ張っていくとともにヨットも向上させていきたいです」

福田桃奈:「今回、私達のチームは初めての海外レースで新しい発見とともに多くの課題が見つかる10日間となりました。そしてレースの中では、その課題にチャレンジしていくことと攻める気持ちを忘れずにしていきました。結果としては何も残らないものでしたが、この経験で自分たちは多くのことを吸収でき、この先のヨット生活で生かしていけるものになりました」

河津優理:「今レガッタで学んだことは、強い気持ちを持って挑戦し続ければ必ず成功するということでした。初めは外国人の勢いに圧倒され緊張してトラブルばかりで、すごく苦しい展開になってしまったけれど、相方と話し合い、挑戦し、シルバーフリートの3位まで上ことができました。でも、自分tpしてはもう少し頑張れたと思っています。この悔しい思いを心に刻んで、同じ失敗を繰り返さない努力をしていきます」

倉橋直暉:「今回の海外遠征で学んだことは、精神を落ち着かせることの大事さです。今大会、僕たちは陸上にいるときから負けていました。大会の雰囲気にのまれて視野が狭くなり、気持ちが弱いからすぐに場所を譲ったりして、いつもの状態ではありませんでした。それは海上のレースでも影響し、本来の実力が出せないままでした。陸上にいるときから自分のモチベーションを高め、それをレースで発揮することがいかに重要かを学ぶことができました。これからは、世界のトップレベルの選手たちと張り合えるような選手になります。そのためにはもっと海外の大会にチャレンジし、日々の練習の1つ1つを今まで以上に大事にして、日々の生活でもハートの強さや視野の広さ、思考力といったヨットに直接かかわることを意識して改善していきます。これからもユースワールドやインターハイといった国内外の最高峰の大会が続くので、初めから消極的になりスタート前から負けているという状況を作らないように強いハートで積極的に攻める気持ちを持って大会に挑みます」

Report & Photo by 北方貴紀

大会サイト
▲レースを終えた 青山、福田チーム
▲シルバーフリート3位表彰式
▲ヨーロッパ選手権終了
▲日本チーム

7月10日(大会5日目、決勝2日目)

長い一日となりました。
風が弱く1時間の陸上待機の後、13:40に出艇し海上で待機。といっても風速は10ノットはありました。国内ならスタートさせていますね。

第9レースが始まったのは16時を過ぎ、昨日のレースの傾向から右海面を選択した艇が1マークを上位回航しました。
ただ昨日と違うのが、追い潮でのスタートとなったこと。スタートで並ぶ艇団も高めの待ち位置となり、セールを引き込むのも3~5秒前と苦戦していました。

ゴールド、シルバー、U-17ともにゼネラルリコールの後、ブラックフラッグ適用でスタート。

小柳・池田組がグッドスタートを決めて1マークをトップで回航し2位でフィニッシュしますがBFD。 このレースは7艇がBFDとなりました。

つづく第10レースは先ほど同様のスタートですが、全艇スタートラインを読み切ってスタートしました。着岸は19:00を過ぎ、明日が最終日残り2レースを行う予定です。

Report & Photo by 北方貴紀

大会サイト

日本人選手の成績

54位(7-11)倉橋 直輝/河津 優理(中村学園三陽高校)

60位(BFD-7)小柳 倫太郎/池田 隼太(中村学園三陽高校)

80位(26-37)青山 瑞希/福田 桃菜(霞ケ浦高等学校)

96位(20-41)桑野 遥/中堀 こなみ(別府翔青高等学校)

▲青山・福田組
▲BFの掲示
▲回航やコースの説明会

7月9日(大会4日目、決勝フリート初日)

朝から霧が出て、11:00に会場のビーチに着いても霧が濃く、風も弱い状況でした。 AP旗が掲揚され風待ちの後、13:40に風が入り始めビーチに活気が出てきました。14:15にD旗が掲揚され出艇。

本日からゴールドフリート・シルバーフリートに分かれてのレースとなりましたが、残念ながら日本チームはゴールドフリートには残ることができませんでした。シルバーフリートで現時点よりも上位を目指してレガッタを戦います。

第7レース
1マーク 300度設定、I2コース、O旗なしのスタート。
小柳・池田組が右海面を選択し、倉橋・河津組と青山・福田組は左海面を選択。3艇ともスタートが良かった。
その後、1マークでO旗が上がり、小柳・池田組がトップ回航、その後をすべてのマークでトップ回航し、1位でフィニッシュ! 倉橋・河津組は14位、青山・福田組は38位。

第8レース
風速が上がりI2コース、O旗でスタート。
レース中に徐々に風速が上がり、倉橋・河津組が1マークを3位で回航。 SUI、POR、JPN、IRLの接戦が展開されます。
順位が入れ替わりながらレースは進み、倉橋・河津組が3位でフィニッシュ。 小柳・池田組 18位、青山・福田組 25位でフィニッシュした。

選手たちのコメント

池田隼太:「トップ艇は風の強い所だけではなく風の弱い所も把握しており、自分たちはそこに気づけていなかった。明日はスタートを第一線で決めてトップをとります!」
小柳倫太郎:「トップスピードでスタートできなかったので、明日はトップスピードを持ってスタートし、自分たちのコースプランが取れるようにします!」
福田桃奈:「今日はスタート時のフリーウォーターが足りず、スピードを出せなかった。明日のレースはシングル2本をとります‼」
青山瑞希:「スタート後に自分のスピードが出せず、行きたい方に行けなかった。明日はスタートを決めて冷静にコース展開を行います」
倉橋直暉:「空いている所から出ようという考えが消極的なスタートになり、有利なエンドから出られなかった。明日はスタートから積極的にいきます!」
河津優理:「第一線からスタートし、風の強い所を走ってきます!!」

Report & Photo by 北方貴紀

大会サイト
▲散歩を兼ねたトレーラーの移動
▲第7レース シルバートップで1下に来た小柳・池田組
▲第7レース トップフィニッシュの小柳・池田組
▲第8レース 3位フィニッシュの倉橋・河津組
▲霧のボートパーク

7月8日(大会3日目)

ハーバーでの過ごし方や、砂浜からの出艇にも慣れてきました。
計測のテントが待機場所として大活躍しています。

1時間の陸上待機の後、3艇はゴールドフリートを目指して今日の2本に臨みました。

海上へ出ると徐々に風速が上がり、最初のレースは15ノット程度でした。
昨日までの風向よりも海風に近い290度の風向で、うねりも入ってきて1マークは岸寄り。地形風が影響しそうです。

小柳・池田組が1本目で18位を取り、次のレースで20位以内であればゴールドフリートに残ります。
続く2レース目、風向は310~330度、1マークが330度設定。スタートを失敗しますが早めのリカバリーに成功し、予定どおりに右海面でのコースを選択。

ブローでの振れタックを行いながらマークに近づいていきますが、1マークの回航は40番後半でした。同じ右海面にいた艇がトップで回航し、しかも上位にもいたことから、マークへの風のつなぎ方に差があることがわかりました。

日本チームは20番台のレースができるようになりましたが、ゴールドフリートへ進出することができませんでした。

選手たちのコメント

池田隼太:「トップ艇は風の強い所だけではなく風の弱い所も把握しており、自分たちはそこに気づけていなかった。明日はスタートを第一線で決めてトップをとります!」
小柳倫太郎:「トップスピードでスタートできなかったので、明日はトップスピードを持ってスタートし、自分たちのコースプランが取れるようにします!」
福田桃奈:「今日はスタート時のフリーウォーターが足りず、スピードを出せなかった。明日のレースはシングル2本をとります‼」
青山瑞希:「スタート後に自分のスピードが出せず、行きたい方に行けなかった。明日はスタートを決めて冷静にコース展開を行います」
倉橋直暉:「空いている所から出ようという考えが消極的なスタートになり、有利なエンドから出られなかった。明日はスタートから積極的にいきます!」
河津優理:「第一線からスタートし、風の強い所を走ってきます!!」

Report & Photo by 北方貴紀

大会サイト
▲ジュリールーム
▲レースオフィス前
▲朝のビーチ 奥には海水浴が大勢
▲スタート前

7月7日(大会2日目)

予選シリーズ2日目も昨日と同様12:40に海上へ出て、U-17から風速10ノットほどでスタートしました。 徐々に風速が上がり17:00頃には17ノットくらいの風速に上がりました。

昨日の反省をもとに、スタートラインに対して向かい潮であることを考慮し、スタートの成功率が少し高くなりました。
スタートアウターの混乱に巻き込まれて接触してしまう艇もいましたが、1本目に青山・福田組がスタートレイラインをしっかり把握し、左海面でボートスピードに集中した走りを3分間つづけ、1マークを上位で回航しました。
2本目には倉橋・河津組が下から5番目のポジションでグッドスタートしました。
昨日、スタートの良かった小柳・池田組はスタートが成功せず、自分たちの走りができませんでした。

昨日の日本チームはマークごとに順位を落としていましたが、今日はマークごとに順位をキープしていたり、順位を上げてきたので、レベルの高い中でのレースに慣れてきたことを感じます。

明日はスタートを成功させ、1マークへのコース展開で上位に食い込んでいけるよう基本を思い出して取り組みます。

Report & Photo by 北方貴紀

大会サイト
▲セッティング風景
▲スタート前
▲派遣選手団。左から小柳倫太郎、倉橋直輝、青山璃希、福田桃菜、河津優理、池田隼太

7月6日(大会初日)

レース初日を迎えました。
積極的な良い部分と気負いすぎの悪い部分が見え隠れしながら迎えた初日でした。
イエローに男子2艇、ブルーに女子2艇のフリート分けで始まります。
上がっているのか下りているのかよくわからない状態のフラッグ掲揚にとまどっていましたが、14:00スタート予告、12:40にD旗が掲揚。陸寄りの風15~18ノット程度、よく振れる風、チョッピーな波の中で始まりました。

<イエローフリート>
コースO2
第1レース、倉橋・河津組がスタート時にスカリングの42条違反で最後尾スタートとなり、45位で1マークを通過し、挽回届かずのフィニッシュ。
続く第2レース、第1レースの結果を引きずったままなのかスタートを失敗し、18位で2回目の上マークを回航するも、ランニングレグで沈をしかかって、お風呂状態で30番台フィニッシュ。

小柳・池田組はいいスタートができていました。
第1レース、1マークを13位で通過し3マークのゲートを10位通過。スタートが成功し、落ち着いてセーリングができているようです。
アウターループの2上はボートスピードに集中できずに周りの艇に合わせる展開で順位を落としてしまいました。
続く第2レース、スタート成功。しかし、トップ集団を意識して他艇に合わせた展開により、ずるずると順位を下げていきました。

<ブルーフリート>
コースI2
青山・福田組はスタートの失敗から挽回して1マークを15位で通過し、いい形で3マークゲートを通過しましたが、2回目のクローズレグでコース展開がうまくできず36位でフィニッシュ。
つづく第2レースもスタートで失敗し、コース展開もうまくいかずのフィニッシュ。
桑野・中堀組は、セーリングスピードに苦労していました。

全体的に、大会の雰囲気に呑まれてしまっているようです。着岸後の選手を見ると、疲労感があるというよりも落ち込んでいるようでした。
会場近くのカフェでミーティングを行い、レースを振り返っていくと明日への課題が明確になり、ようやく自分たちを取り戻しました。

選手たちのコメント

倉橋直暉:「明日はハートを強く持って、レースに臨む。スタート前からの準備を徹底して行い、普段の自分でレースに挑みます」
河津優理:「42条違反を引きずってしまい気持ちが落ちてしまっていた。明日は積極的にチャレンジします」
小柳倫太郎:「明日はしっかりスタートして、自分たちのコースプランでセーリングする。基本に忠実にレースを行います」
池田隼太:「あわてず気持ちを切り替え、やるべきことを確実に行う」

Report & Photo by 北方貴紀

大会サイト
▲セッティングを終え、海上へ
▲レースが始まる
▲レース海面

7月5日

日本チームの4艇は、朝に計測を受けました。 計測はフル計測で行われ、最終的に4艇とも無事に計測を終了しました。
国内大会とは違い、計測を受けた後に大会受付けを行うことを選手たちは初めて経験しました。
艇体の重量が不足していたため、4艇中3艇が補正重量を必要としました。また、チャーターボートのスピンポール1本が10ミリほど長かったので、パロットピークを削ると強度不足になるために購入することにしました。メインセールのナショナルフラッグの貼り付け位置が正しくなかったため貼り直し、2艇のセンターボードが3ミリ程度長かったためヤスリを借りて修正をしました。

計測終了後、当初の予定では14時からのプラクティスレースでしたが、16時スタートに変更。 風速7~9メートル程度の中、約40艇が参加しました。 ほとんどの艇は2上を回航してそのまま着岸しましたが、 日本チームは現地練習の時間が短かったため最後まで海上で練習することにし、翌日からのレースに備えました 。

湿度が低く思ったよりも風圧が低く感じられるため、セッティングでアンダーパワーにしすぎないように注意することが重要です。また、本部船に上がる旗が小さく、オレンジフラッグが上がったらスタートエリアをあまり離れないようにすることが必要です。

Report & Photo by 北方貴紀

大会サイト
▲計測会場
▲スピンポールの長さ
▲プラクティクスレースの日本チーム

7月4日

昨日届いたセールで練習を行いました。
やっと海に出れた!!
セーリングが楽しい!!
チームに笑顔が戻りました。
午前中に女子2艇は1時間程度の海上練習を行い、ボートの感覚を掴むことに時間を使いました。
男子2艇は艤装とセッティングに時間を使いました。
午後からは風速6~8メートルの下、揃って海上練習を行いました。シフトと風速の強弱がある海面です。
陸風のため波がなくフラットに近い海面で、ブローが局地的に入っており、位置関係が少し違うだけで、大きな距離差になることが確認できました。
着艇後は、明朝の計測の準備を行い、オープニングセレモニーに参加。緊張気味の日本チームでしたが、次第に他国と打ち解け、明日以降のレースで、ものおじせずに大会に臨めると感じました。

Report & Photo by 北方貴紀

大会サイト
▲海上練習
▲開会式
▲日本選手集合写真

開催地:セジンブラ・ポルトガル
日程:2018年7月3日~11日

出場選手

420級 男子
倉橋 直輝/河津 優理(中村学園三陽高校)
小柳 倫太郎/池田 隼太(中村学園三陽高校)

420級 女子
青山 瑞希/福田 桃菜(霞ケ浦高等学校)
桑野 遥/中堀 こなみ(別府翔青高等学校)

帯同スタッフ
北方 貴紀

大会サイト

トラブル続きを乗り越えて

2018年420ジュニアヨーロッパ選手権がポルトガル・セジンブラで行われます。
日本からは男子2チーム、女子2チームが出場します。

今回の遠征では、初日からトラブルが続きました。
成田発の飛行機が機材トラブルのため90分遅れて出発。その影響を受けフィンランドでのトランジット時間がたったの20分。予定通りポルトガル・リスボンに到着したものの、トランジットが20分だったため3チームのセールを入れた荷物が届いていないことが判明しました。
大会会場は砂浜です。2㎞ほど離れたハーバーでチャーターボートを受け取ったのですが、部品が揃っていないのと、セールがないため海に出ることができず、宿舎のチェックインを済ませてこの日は終了。
大会に入り、チャーターボートの部品が徐々に揃ったものの、ボートの準備はまだ80%。午前中にセールが届く予定がそれも届かず、リスボン空港に戻って交渉し、ようやく荷物を受け取れました。その後、コーチボートを確認し、予定している準備物がようやく揃い、どうやら明日から練習が開始できそうです。
これで悪いことはすべて大会前に終了したので、レースでは結果を残せるように頑張ります。応援をよろしくお願いします。

Report & Photo by 北方貴紀

▲大会会場
▲ハーバー
▲チャーター艇の受け取りの様子