選手コメント

インドネシアで開催されたアジア大会セーリング競技で4種目の金メダルを獲得した日本選手とコーチ、惜しくもメダルには届かなかった選手のコメントをお送りいたします。

470級女子 金メダル
吉田 愛
アジア大会は3回目の金メダルです。ほっとしましたし、とにかく疲れました。今月は4日間しか息子に会っていないので、早く帰って、息子のルイにメダルを見せたいです。

吉岡美帆
今日のレースは今大会で一番の出来で、もっともリードを広げてフィニッシュできました。勝ってメダルを獲得できて、「やった!」と思いました。(レース終了後)

470級男子 金メダル
磯崎哲也
今日は作戦通りにレースができました。何もトラブルははなかったのですが、(前のレースで中国からの抗議で順位を落としていたので)、陸に上がってからまず中国選手に「今日はプロテストないよね?」と聞きにいきました。「ないよ」と笑っていたので、握手しました。アジア大会のメダルは、本当に嬉しいです。やっと取れました。

高柳 彬
初めてのアジア大会で、金メダルがとれて、嬉しいです。

レーザーラジアル級女子
土居愛実
メダルは重たいです。金メダルで、嬉しいです。ほんと、嬉しい!(表彰式でメダルを手にした直後)

レーザー級
瀬川和正
今日はいいレースができました。3位までは届きませんでした。

レーザー4.7級
前田海陽、抜井理紗の若い2人は、メダルを獲得した先輩たちを見ながらとてもうらやましそうな表情を見せていました。初めてのアジア大会で、シニアといっしょのレースでしたが、オリンピックを目指すトップセーラーたちの活動を間近に見て「いつか自分も」と思う気持ちと、「すごいな、そこまでやらないといけないのか」という複雑な気持のようです。(帯同コーチ)

コーチ 中村健次
オリンピック種目で4個の金メダルは過去最高の成績であり、選手がよく頑張ってくれました。アジア選手権(6月に開催されたアジア大会の前哨戦とも位置づけられた大会)、その後の世界選手権(デンマーク、7月30日~8月12日)にも出場するようなタイトなスケジュールの中で、現地でしっかり準備ができたのが良かったのだと思います。

Report by JSAF広報委員会 Photo by 平井淳一

大会サイト(https://www.indonesiansailing.org/asian-games-2018)

レース6日目

レーザーラジアル級の土居愛実 金メダルを確定!!

レーザーラジアル級の土居愛実選手が、最終レースを待たずに金メダルを確定させました!!
表彰式は8月31日にセーリング全レースが終了してから行われます。8月30日は予備日です。

レーザーラジアル女子 土居愛実(アビームコンサルティング)
総合1位 1-(2)-1-1-1-2-1-1-1-1-1
「4年前のアジア大会と今回は、レースの考え方から違っていました。4年前は自分のレースをして、勝てればよいという取り組み方でしたが、今回は少数のフリートの中で勝つために、積極的に攻めていくように考えました。この風域での走りもテクニックも自信を持って臨めたので、作戦通りにレースができました。前回は銀でしたが、やっぱり金がいいです! とても嬉しいです!!」

470男子 磯崎哲也(株式会社エス・ピー・ネットワーク)/高柳 彬(日本経済大学)
総合1位 1-2-1-1-1-2-1-1-1-4-(12 DSQ)
「今日で逃げ切りのはずが、中国からの抗議で失格になりました。納得できない結果ですが、最終レースでウップンを晴らしたいです。」(磯崎)

470女子 吉田 愛/吉岡美帆(株式会社ベネッセホールディングス)
総合1位 1-1-1-1-1-1-1-1-1-2-(8 OCS)
「今日、OCSをやらかしてしまい、得点計算しないと決まったかどうかわからない状況になりました(計算の結果、同点タイで1位の数が多いのでタイブレークで勝つことが判明)。最終レースも出て、同点じゃなく、勝ってメダルを取りたいと思います。」(吉田)

49er男子 古谷信玄/八山慎司(株式会社エス・ピー・ネットワーク)
総合1位 3-3-1-2-2-1-3-1-2-4-3-(6)-6-2
「インドがオマーンからの抗議で失格になったので、計算上では私たちが金確定です。ただ、インドが抗議の審問の再開を要求するようなので、それが終わってからとなります。」(古谷)

RS:X男子 富澤 慎(トヨタ自動車東日本株式会社)
総合4位 2-4-3-3-3-3-4-4-5-4-3-3-(7)-5
「体調を崩してしまったかもしれません。体のふしぶしが痛くて、熱が出てきた感じです。今日の走りは3-7-5で4位が確定。なんで、アジア大会では4位になってしまうのか……」(富澤)

RS:X女子 小嶺恵美(愛媛県競技力向上対策本部・ジェイウィルコーポレーション)
総合5位 (6)-6-5-4-5-4-5-5-4-5-5-4-6-5

レーザー男子 瀬川和正(米子産業体育館)
総合4位 5-3-5-5-4-6-4-5-(8)-8-6

レーザー4.7オープン 前田海陽(広島県立広島高校)
総合5位 (24 DSQ)-8-3-2-10-3-4-12-9-8-12

レーザー4.7オープン 抜井理紗(大阪教育大学付属高校池田校舎)
総合13位 15-13-15-13-13-16-15-3-8-4-(17)
「4位は良かったのですが、17位はだめ。総合は13位に上がりました。」(抜井)

Report by JSAF広報委員会 Photo by 平井淳一

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レース5日目

日本勢、4種目でトップを堅持!

昨日の4日目はRS Oneのみがリレーレースを行いました。第5日となる本日は、これまでよりも少し弱めの8ノットでのレースとなりました。

470男子 磯崎哲也(株式会社エス・ピー・ネットワーク)/高柳 彬(日本経済大学)
総合1位 1-2-1-1-1-2-1-1-1
今日の2レースとも1位です。これで2位の中国と点差が開きました。残り2レースで大きく崩さなければ、最終日を待たずに優勝が決まります。アジア大会は最後までフリートレースでメダルレースはありません。

470女子 吉田 愛/吉岡美帆(株式会社ベネッセホールディングス)
総合1位 1-1-1-1-1-1-1-1-1
今日の2つのレースも連続トップでしたが、2レース目は途中まで中国にリードされていました。それでも、離されないように食いついて、ワンチャンスで抜くことができ、落ち着いたレースぶりでした。

49er男子 古谷信玄/八山慎司(株式会社エス・ピー・ネットワーク)
総合1位 3-3-1-2-2-1-3-1-2-4-3
今日は3レースが行われ2-4-3位です。2位につけていたオマーンがインドからのプロテストで失格となり、2位が韓国になります。僅差なので、最後まで1点が重要になります。

RS:X男子 富澤 慎(トヨタ自動車東日本株式会社)
総合4位 2-4-3-3-3-3-4-4-5-4-3
ダントツの中国を追って香港、韓国、日本が表彰台を争う接戦でしたが、今日の3つのレースで富澤が少し後退してしまいました。

RS:X女子 小嶺恵美(愛媛県競技力向上対策本部・ジェイウィルコーポレーション)
総合5位 6-6-5-4-5-4-5-5-4-5-5
少し弱めの風でしたが、スピード差は変わりません。中国が堅い走りで香港を少しだけ引き離しました。

レーザー男子 瀬川和正(米子産業体育館)
総合4位 5-3-5-5-4-6-4-7-4
今日は崩して、捨てレースとなる8位をとってしまいました。3位との点差は開いてしまいましたが、5位以下も混戦で、その間になります。

レーザーラジアル女子 土居愛実(アビームコンサルティング)
総合1位 1-2-1-1-1-2-1-1-1
初日のプロテストの審問が再開されて、中国が失格になりました。4年前のアジア大会では最後まで点差がなくて争ったライバルでしたが、今日の2レースの1-1位で土居が引き離しました。

レーザー4.7オープン 前田海陽(広島県立広島高校)
総合5位 DSQ-8-3-2-10-3-4-12-9
前田は弱めの風で崩して12-9位で総合5位になりました。

レーザー4.7オープン 抜井理紗(大阪教育大学付属高校池田校舎)
総合15位 15-13-15-13-16-15-10-3-8
軽風が得意な抜井は3-8位。今日の2レース目で3位をとりましたが、総合15位は変わりません。

Report by JSAF広報委員会 Photo by 平井淳一

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レース3日目

日本勢、4種目で1位に

3日目は470とレーザー、ラジアル、4.7が2レース、49erとRS:Xが3レースずつ行いました。風向はいつもよりも10度右でしたが、風の感じはほぼ同じ。エリアが昨日とは少しずれました。

470男子 総合1位 1-2-1-1-1-2-1
「中国、韓国、日本が僅差で争っています。今日は中国をケアしすぎて、韓国に先行された感じです。明日は休み、あさってからまた頑張ります。」(磯崎)

470女子 総合1位 1-1-1-1-1-1-1
「この3日間、コンディションがまったく同じです。中国がそれに慣れてきて差を詰めてきた印象があります。でも、今日も1ー1で決めました。」(吉田)

49er男子 総合1位 3-3-1-2-2-1-3-1
「総合でトップに立ちました。3位以内を取り続けるつもりでレースをしています。昨夜、熱がありましたが、今日は集中してレースができています。」(古谷)

RS:X男子 総合4位 2-4-3-3-3-3-4-4
「今日で1位が抜け出し、2位、3位がくっつき、自分は4位で少し点差ができてしまいました。とはいえ5点差なので、残り7レースで取り返したいと思います。」(富澤)

RS:X女子 総合5位 6-6-5-4-5-4-5-5
「昨日と同じ。もう少し走れたら……。プレーニングのスピードに課題があります。今できるベストを尽くして頑張ります。」(小嶺)

レーザー男子 総合4位 5-3-5-5-4-6-4
「3位と点差がついてしまいましたが、後半、粘って追いつきたいと思います。」(瀬川)

レーザーラジアル女子 総合1位 1-2-1-1-1-2-1
「会社のインドネシア支店の皆さんが大勢応援に来てくださいました。ありがとうございました。中国とは接戦が続いていますが、2レース目に中国が4位になったので、少しずつ点差をつけています。」(土居)

レーザー4.7オープン
抜井 総合15位 15-13-15-13-16-15-10
「いつもより、少し後ろになってしまいました。明日、休んで、また頑張ってハイクアウトします。」(抜井)
前田 総合4位 DSQ-8-3-2-10-3-4
「3位と2点差です。お腹が痛かったのですが、治りました。」(前田)

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レース2日目

毎日、似たような海風が続きます。
今日も北東から15ノット前後の風の中、各エリアで3レースが行われました。
日本勢は調子を上げています。470 男女とラジアル女子がオールトップで頑張りました。

470男子 総合1位 1-2-1-1-1
「3レース目、中国がダウンウィンドのレグで上下の位置関係でも避けないので、抗議を出しました。審問の末、却下になってしまいました。」(高柳)

470女子 総合1位 1-1-1-1-1
1点差を積み重ねて2位との差を広げています。
「15ノット前後での3レースはきついです。トップをキープしていますが、疲れました。」(吉田、吉岡)

49er男子 総合3位 3-3-1-2-2
トップのインドとの差がつまりました。調子をあげてきています。

RS:X男子 総合3位 2-4-3-3-3
1位の中国は抜けていますが、2位から4位は僅差で並んでいます。
「3位ばかり並んでしまいました。競っているから、3位じゃだめなんですけどね。」(富澤)

RS:X女子 総合6位 6-6-5-4-5
少しずつですが、よくなってきました。

レーザー男子 総合4位 5-3-5-5-4
「結構、吹いていて、フルハイクでした。5位ではだめです。」(瀬川)

レーザーラジアル女子 総合1位 1-2-1-1-1
オールトップで2位の中国との差を広げました。
「頑張って、いいレースができました。」(土居)

レーザー4.7オープン 前田 総合7位 DSQ-8-4-2-10/抜井 総合15位 15-13-15-13-13
前田はDSQから立ち直り、総合7位に。
抜井はきつい吹きのレースでも中盤で粘りました。

Report by JSAF広報委員会

大会サイト(https://www.indonesiansailing.org/asian-games-2018)

レース初日

北東からの風が15ノットから少し弱まった10~12ノット、ジャカルタでは慣れた海風でのレースでした。本日は2レースを行いました。

470男子 総合2位 1-2
1位の中国と同点の2位につけています。
「スタートしてから右にいるのが良いのですが、2レース目は中国に左に連れて行かれてしまいました。韓国がトップでしたが、フィニッシュまでに韓国が風のないところに入ったところで逆転しました」(磯崎)

470女子 総合1位 1-1
1位ですが、艇数が少ないため、2位の中国とのポイント差は開きません。
「12ノット吹くとスピードで優位にたてるので、中国を意識して同じサイドで戦うようにしていました」(吉田)

49er男子 総合3位 3-3
2位と同点の3位です。
「1レース目はトップスタートだったのですが、X旗が上がったために一番出ていた自分たちかと思って戻って、再スタートしました。実は、沈艇がいたためのX旗で、戻る必要なかったとわかりました。ビリから3位まで上がれたのでよしとするしかないですね」(古谷)

RS:X男子 総合3位 2-4
1位の中国は抜けていますが、2位から4位は同点で並んでいます。
「中国が1ー1、後はほとんど点差なく並んでいます。2レース目は右が良いと思っていたのに、スタートした後に左へ少し欲を出し伸ばしてしまい、前に行かれてしまいました」(富澤)

RS:X女子 総合6位 6-6
「スピードは良くなっているのですが、レース運びでかみあっていなかった……」(小嶺)

レーザー男子 総合4位 5-3
「マレーシアにプロテストを出します」(瀬川)→結果は却下

レーザーラジアル女子 総合1位 1-2
前回のアジア同様、中国が最大のライバルです。470女子同様、点差がつかないので、1レースも気が抜けない戦い方になります。
「1レース目で中国がミスをしていました。落ち着いてレースできたので、初日は順調です」(土居)

レーザー4.7オープン 
前田は第1レースで韓国と抗議の出し合いになり、前田がDSQとなりました。
(プロテスト前)前田 総合6位 6-8、抜井 総合16位 16-13

Report by JSAF広報委員会

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事前レポート

第18回アジア競技大会がジャカルタ・パレンバンで8月18日~9月2日まで開催されます。41競技465種目が実施され、45の国と地域から選手が参加します。

日本からは762人の選手が各競技に出場しますが、セーリングの日本代表選手団は以下の陣容です。

470級 男子
磯崎哲也(株式会社エス・ピー・ネットワーク)
高柳 彬(日本経済大学)

470級 女子
吉田 愛(株式会社ベネッセホールディングス)
吉岡美帆(株式会社ベネッセホールディングス)

49er級 男子
古谷信玄(株式会社エス・ピー・ネットワーク)
八山慎司(株式会社エス・ピー・ネットワーク)

Laser級 男子
瀬川和正(米子産業体育館)

Laser Radial級 女子
土居愛実(アビームコンサルティング)

RS:X級 男子
富澤 慎(トヨタ自動車東日本株式会社)

RS:X級 女子
小嶺恵美(愛媛県競技力向上対策本部・ジェイウィルコーポレーション)

Laser4.7級 男子
前田海陽(広島県立広島高校)

Laser4.7級 女子
抜井理紗(大阪教育大学付属高校池田校舎)

日本のセーリング選手は8月17日に現地に到着。
6月に開催されたアジア選手権の際に艇の輸送を終えていたので、コンテナからその他の荷物を引き出して、レースに備えています。 先ごろ終了したデンマークの世界選手権からまだ間もなく、身体の疲れを取りつつ時差の調整をするなど、ジャカルタに到着してからは短めの練習をして、体調回復を最優先しています。

宿泊地は選手村ですが、会場からは10km圏内です。交通渋滞に影響される時間帯もありますが、だいたい25分前後で選手村と会場の間を移動するといった環境です。

レースは8月24日から始まり、予備日を挟んで31日まで行われます。
レース数は、レーザー、ラジアル、4.7、470の5クラスは12レース、RS:X、49erは15レース行われます。

Report by JSAF広報委員会

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アジア大会 参加国一覧