開催地:沖縄・座間味島
日程:2019年2月11日~2月28日(18日間)

参加選手:

吉田 愛・吉岡美帆・岡田奎樹・外薗順平・市野直毅・ 長谷川 孝・宇田川真乃・工藤彩乃・田中美紗樹・野田乙心・林 優季・西代 周・神木 聖・疋田大晟・小泉颯作・松尾虎太郎(16名)

海外チーム参加選手:

Xammar Hernandez Jordi・Rodriguez Garcfa-Paz Nicolas(スペ インチーム:2018 世界選手権3位・2019ワールドカップ・マイアミ大会優勝)・Victor Paya (スペインコーチ)

2018年11月、12月と2回の座間味合宿を終えて2019年最初の大会であるワールドカップ・マイアミ大会に日本チームが参戦し、男子470クラスで市野直毅・長谷川孝組が銅メダルを獲得しました。非常にレベルの高い大会でしたが、日本チームは常に上位を走り、次につながる良いレースをしました。反面、金メダルを獲得するには何が足りないのか、課題が多く見つかった大会でもありました。

海外の選手も自主参加

マイアミ大会の反省を踏まえて2019年2月の座間味村合宿がスタートしました。
本合宿には海外選手は参加しない予定でしたが、11月に参加したスペインチーム(2019ワールドカップ・マイアミ大会金メダルチーム)が自主参加することになり、非常に良い環境での合宿となりました。
今回の合宿では、主にレース練習、スタート練習、スピード練習、ダウンウィンド 、フィジカルトレーニング、ルール講習を重点に合宿計画を立て展開しました。

▲ダウンウィンド トレーニング中のシーン
▲ショートコースでのスタート練習とコース練習を日々導入

ハイレベルな海上練習

海上のレース練習では、スタート練習に加え、ショートコース設定で密集した状況下の中、瞬間的な判断による抗議が適正であったか、状況に合った適切なポジショニング取りができたのかを、レース毎にオンザウォータージャッジを行い、レース終了後に選手と話し合い、ルール、ストラテジー、タクティクスの知識の向上を図りました。非常にハイレベルな意識と技術の中で多くのレースをこなしたことでレベルアップを図れました。

フィジカルトレーニング

一方、フィジカルトレーニングでは、これまで同様にローイングマシン、バイク、ランニング、サーキット体幹トレーニング、パート別トレーニングと日々2時間行い、その日の海上の練習強度に合わせてトレーニング内容を変化させ、毎日の体にかかる強度を一定に保つようにトレーナーチームで考えて実行しました。

▲ローイング中のスペインチーム、吉田愛選手。ローイングマシンはセーリング競技のトレーニングに欠かせないもの

トレーニングはチームローイング・バイクグループと体幹トレーニンググループに分かれて行います。
ローイング・バイクグループは毎日最低でも1000mの距離を漕ぎ、続けてバイクを1000m漕ぎます。体幹トレーニンググループは隣の部屋で体幹の強化を目的としたサーキットトレーニングを45分行います。この2種目を休憩を挟んで交互に行う過酷なトレーニングです。選手たちは日々自分の記録を確認しながら、どのくらい自分が成長したのかを確認してモチベーションを上げるよう工夫しています。
体幹トレーニングではセーリングにおけるバランスの悪いコンディションの中でも細かい動きにブレがないよう、セーリング中の動きを細かく観察し、トレーニングに取り入れており、選手たちは合宿を通じ非常に強くなりました。

▲体幹トレーニング中の様子
▲ルールに関する座学も行われた

食事面からもサポート

今回の合宿では、栄養士に三食すべての食事を作成していただき、選手が口に入れるものもしっかり管理し、トレーニングの効果が着実に出るメニューを考えていただきました。スタッフも毎日食事の手伝いをし、さまざまな面で、日本チーム全員で合宿を盛り上げることができました。

▲スタッフも配膳や食事づくりを毎日お手伝いしました
▲選手が自分の現状分析と今後の取組みを発表し、自分自身と向き合う時間を作りました

座間味村のサポートに感謝します

18日間の2019年2月の強化合宿は無事にケガなく終えることができました。
今回の合宿で、世界に負けない課題を克服し、さらに日本チームは強くなったと思います。合宿を通じ自身と向き合うことで人間力も向上しました。
合宿を通じて海外選手との交流をしメンタル的にも強くなったと思います。
JSAFの470クラスは4月のスペインのプリンセスソフィア大会から日本代表選考レースが始まります。
8月末のワールドカップ江ノ島大会の後、9月2日に男女の日本代表が決まるまでに、すべての大会でメダルを獲得できる準備は整ったと思っています。
各大会への調整がスムーズにできるよう、今後もしっかりサポートしていきたいと思います。

最後に、座間味村役場の村長をはじめ、役場、観光協会、漁業関係、村民の皆さまのご支援、ご協力により、この合宿が成功したことをこの場をお借りしてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

▲合宿期間中、座間味村役場や座間味村小学校へ招かれ、職員の方々からの激励や小中学生全校生徒の声援を受けた選手たちは、これからの厳しい戦いをさらに頑張っていける力をいただきました

Report by 470担当コーチ 中村健一