2022 Asian Games Classes

470MIX

船の長さ:4.7m/船の幅:1.7m/セール面積:12.7㎡

日本で唯一メダルを獲得したクラス。470級が男女別だった期間に日本は2個のメダルを獲得した。

・1996年アトランタ五輪:重由美子・木下アリーシア組【銀メダル】
・2004年アテネ五輪:関一斗・轟賢二郎組【銅メダル】

1973年にフランスで設計された470級は1976年のモントリオール五輪からダブルハンドとしてオリンピック種目に採用された。モントリオールから1984年ロサンゼルスまではセーリングに男女の区別がなく、女子の参加がほとんどなかった。1988年から470級女子種目ができ、470は男女別の2種目となった東京大会までにオリンピック10種目のうちの4種目と混合1種目として、競技全体の半分近くを女性選手が占めるようになった。2024年パリ大会から男女混合の1種目になる。船の長さをとって、ヨンナナマル級とよむ。

Nacra17級 Foiling MIX

船の長さ:5.25m/船の幅:2.59m/セール面積:main+jib 20㎡・ジェネカー 19㎡

2016年のリオ五輪からオリンピック種目に採用された。リオ終了後、艇の改造が行われ、フォイリング(艇体が水面よりも上、空中に浮く)するようになり、マルチハル+フォイリングのスピードを出す五輪史上最高速艇となった。強風域で荒れた波の中ではアップウィンドでフォイリングさせずに片ハルで走ることも多いが、ジェネカーを張ってダウンウィンドでの走りが波を超えて走る姿は見ものである。

iQFOiL95級 男女

板の長さ:220㎝/板の幅:95㎝/セール面積:8㎡〜9㎡

パリ五輪からクラス変更となったウインドサーフィンのiQFOiL級は水中翼を装備し、スピードがつくと板を水面から上に浮き上がらせて、フォイリングという滑走状態になる。五輪種目ではナクラ17級がリオから東京へ向けて「フォイリング」の種目となったが、ウインドサーフィンもパリからはフォイリングするクラスとなった。

1984年ロス五輪でのウインドグライダーに始まり、1988年ソウル五輪と1992年バルセロナではリヒナー級になり、1996年アトランタと2000年シドニー、2004年アテネではミストラル級、2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオ、2020年東京と4大会でRS:X級が使われてきた。2024年パリからはフォイリング(飛ぶ! とよばれている)で、しぶきがあがらず、静かなる超特急な帆走を見せてくれる。東京大会が終了した直後の2021年8月末に、第1回iQFOiL世界選手権大会がスイスで開催され、池田健星選手(91位)、新嶋莉奈選手(43位)が日本選手最高位であった。

ILCA7級 男子

艇の長さ:4.23m/艇の幅:1.37m/艇の重量:59kg/セール面積:7.06㎡

2020年から名称が変更となったILCA7級(イルカセブン)は、旧名称はLaser Standardである。
アトランタ五輪からオリンピック種目に採用。80か国以上の登録があり、世界中で最も普及している一人乗りレースディンギー。

ILCA6級 女子

艇の長さ:4.23m/艇の幅:1.37m/セール面積:5.76㎡

2020年から名称が変更となったILCA6級(イルカシックス)は、旧名称はLaser Radial である。
北京五輪からオリンピック種目に採用。65か国以上の登録があり、世界中で最も普及している女子一人乗りレースディンギー。

マストのロアセクションとセールが異なるだけで、その他はILCA7と同じハル、艤装を使う。

49er級 男子

船の長さ:4.9m/船の幅:2.9m/セール面積:main+jib 21.2㎡・ジェネカー 38㎡

2000年シドニーからオリンピック種目に採用された。スキフクラスとしてオリンピック種目になり、セーリングにスピードと透明なセールプランを加えた。シドニー大会から連続して日本代表を出しているクラスである。適正体重は145から155kgとされているが、身長が高い方が有利で、動きもパワーも艇上での移動スピードも要求されるハイパフォーマンス艇である。操船技術がキーで、短いレース時間に凝縮されたテクニックを要求される。

49erFX級 女子

船の長さ:4.9m/船の幅:2.9m/セール面積:main+jib 19.6㎡・ジェネカー 21㎡

2016年のリオ五輪からオリンピック種目に採用された。49erの艇体を使い、マストとセールだけFXクラス用に小さくした。ILCA6や470から転向していくセーラーも多く、女子種目のステップアップクラスとしてチャレンジする選手が多い。

Formula Kite 男子

板の長さ:155cm/板の幅:50cm/カイトの面積:L 15㎡以上・M 11~15㎡・S:11㎡以下・XS:9㎡以下

パリ五輪からの新種目で、カイト(凧)のようにセール状のカイトをはり、ボード(板)に乗り、フォイリングする種目。ボーダー(選手)がラインでカイトを操り、板にはフォイルが装備され、スピードがつくとすぐにフォイリングする。カイトのサイズは自分で選ぶことができ、大会には3~4セットを登録できる。風の強さと自分の体重を考慮し、適したサイズを選ぶ。五輪種目はコースレースだが、フリースタイルやスラロームレースもある。

当初、カイトはMIXリレーとなっていたが、セーリング10種目のうち、1種目のオフショアレースが五輪種目に承認されず、急遽、2021年5月に男女別のコースレースへと変更された。