オリンピック強化委員会の強化戦略(2024年度)

2024年4月1日
公益財団法人 日本セーリング連盟
強化担当業務執行理事 舩澤泰隆
オリンピック強化委員会 委員長 宮本貴文

 Tokyo2020後の新体制下のオリンピック強化委員会においては、1.パリ大会での1種目以上のメダル獲得、2.ロサンゼルス大会を見据えた強化戦略の構築・次世代選手の育成、3.人的・物的資源配置の最適化の3つの強化方針を掲げ、強化活動を推進して参りました。今年度はオリンピックイヤーとして、パリ大会での20年ぶりのメダル獲得に向けてParis2024メダル獲得PTを中心に、代表チームを万全にサポートする施策を実行して参ります。
 最注力施策の一つである次世代育成についても引続き手を緩めることなく、HOPE育成プログラムを核とした、ロサンゼルス大会、2026アジア大会(愛知蒲郡)を見据えた強化施策を同時並行で進めて参ります。
 また、新体制3年目を迎える今年度を、強化コンテンツを活用した広報・マーケティング戦略を立案・推進していく年として位置づけ、自律的かつ持続的な強化活動が可能な体制構築を目指して参ります。関係者の皆様におかれまして引続きのご協力のほど何卒よろしくお願い致します。

 以下、各方針に基づく諸施策について記載致します。

方針1. パリ大会での1種目以上のメダル獲得

 470クラスの代表チームに対して、Paris2024メダル獲得プロジェクトチームのコーチが専任としてサポートを行い、メダル獲得に向け現地でのニーズに応じたオーダーメイド施策を順次実行します。また、本大会期間においては、マルセイユ現地の会場内外において日本チームのベースを構築し、代表選手が万全の状態で競技に臨むことができるよう、管理栄養士による日本食の提供、ルールアドバイザーによる審問サポートの実施、修理スタッフによる迅速な修理対応、メディカルスタッフによる暑熱対策・フィジカルケア等を実施します。

方針2. ロサンゼルス大会を見据えた次世代選手育成「HOPE育成プログラム」の深化

 2021年以来継続的に取り組んでいる「HOPE育成プログラム」を本方針の中心に据え、継続的にワールドセーリングユースワールド・種目別Jr.ワールド等においてメダルを獲得することを目標として次世代選手の育成・強化を実施します。国内トップレベルのコーチ・ルールスタッフ陣による海上技術指導に加え、フィジカル・栄養・メンタル分野におけるスタッフ陣が、プログラムに在籍する選手一人ひとりの状態に合わせたフィジカル・メンタル面での強化を実施して参ります。
2024年7月に開催されるWorld Sailing Youth Sailing World Championshipsにおいては複数クラスでの入賞を目標とします。

方針3. 資源配置の最適化と、マーケティング・広報戦略の立案・実行

 2024年度においても引続き公的助成金については厳しい状況が見込まれており、強化活動においては資源の選択と集中を継続していくと共に、自律的かつ安定的な活動基盤獲得を目的として、活動資金調達の多角化を目指したマーケティング・広報戦略に基づく各種施策を実行して参ります。