470級世界選手権は最終日の9日、江の島沖で上位10艇による男女のメダルレースを行い、日本勢女子で唯一出場した吉田愛・吉岡美帆組(ベネッセホールディングス)が2位に入りました。

この結果、吉田・吉岡組は日本セーリング連盟の代表選考要項の規定をクリアし、東京オリンピック2020の470級女子日本代表に内定しました。神奈川県出身の吉田は来年、地元の海でメダルに挑戦します。

吉田愛(38歳)は2008年北京(14位)、12年ロンドン(14位)、18年リオデジャネイロ(5位)に続く4度目のオリンピック出場。13年から吉田のクルーを務める吉岡美帆(28歳)はリオデジャネイロに続き、2度目のオリンピック出場となります。

代表内定の記者会見では、2人で顔を見合わせ、笑顔を見せる場面も。吉田によると「世界選手権で代表内定したい、と思ってやってきた」そうで、その狙い通りの結果にホッとした様子でした。

世界選手権の連覇は逃した形になりましたが、それよりも代表内定でオリンピックに向けての準備期間を確保できたことが大きいようです。「1年間五輪に向けて時間ができた。(今回の)銀メダルを(本番では)金メダルに変えられるよう、しっかり準備したい」と、吉田は来年のオリンピックに意識を向けていました。

吉田にとっては、4度目のオリンピックになります。「これまでの経験を生かして、自分の力を全部発揮したい」と意気込みを語りました。「(途中の結果が)悪くても、気持ちを切り替えることができるようになった。それがその結果になった」と成長を自覚しているようです。

吉田を支えるクルーの吉岡はリオデジャネイロに続いて2度目のオリンピック出場。「前回は悔しい思いもしたけど、(来年は)ベストのパフォーマンスをできるようにしっかり準備したい」と言葉に力を込めました。

吉田が「以前は慌てたりしていたけど、リオデジャネイロを経験して、今回は落ち着いていた。成長したと思う」と吉岡を評価すれば、吉岡は「いろいろ学んで、成長させてくれて、ありがとうと言いたい」とスキッパーに感謝しました。

江の島を本拠地として活動する吉田・吉岡組ですが「セーリングを知ってくれている人が増えてきて“頑張ってね”と声を掛けられたりする。励みになります」と口を揃えました。

今大会で女子の代表選考は終了しましたが、男子は代表内定に至りませんでした。

男子6位でメダルレースに出場した岡田奎樹(トヨタ自動車東日本)外園潤平(JR九州)組は、リコールしたため、OCSとなり、9位で今大会を終えました。470級男子は、代表選考対象レースの最終戦となる今月末のワールドカップ江の島大会でオリンピック代表が内定します。

▲女子表彰式 女子総合2位の吉田・吉岡組
▲男子表彰式 男子総合9位の岡田・外薗組
▲表彰式後に行われた、代表内定記者会見

Report by 山﨑恵司