大会6日目・決勝3日目(最終日)
快晴の朝を迎えました。
朝から北東の風が順調に吹いています。
コーチミーティングで「今日の天気予報は2〜5ノットとレースを実施することが難しいほど風が弱い」ことが伝えられ、レース延期を示すAP旗が10時に陸上で掲揚されました。
北東の風が11時過ぎまで続き、だんだんと無風になってきたところで、いつもの西寄りの風を期待して出艇のサインであるD旗が掲揚されました。
レースエリアに到着したものの東西の風がぶつかり合い無風状態が続きました。結局、シリーズの最終タイムリミットの15時までにレースができないと判断され、14時前にはAP+A旗が掲揚されノーレースとなりました。昨日までの成績が最終成績となります。
18時に大会の開催地であるポーツマスオリンピックハーバーで表彰式・閉会式が開催されました。入賞した選手は胴上げをされたり湖に落とされたりと手荒な祝福をチームメンバーから受けていました。日本チームは抜井選手が入賞までもう少しでしたが入賞ゼロという結果となり、悔しさの残る大会となりました。
若きセーラーたちの戦いは終わりましたが、今後はこの大会での経験を活かし、他種目へのステップアップも含めて日本のセーリング界を牽引する存在となってほしいと思います。
ご声援ありがとうございました。
大会を終えての選手コメント
岡田 爽良 選手
初めてレーザー4.7ワールドに出て、改めて自分の悪いところや修正点がわかりました。特にスタートや強風の時にしっかりと起こせて走れないことを感じました。セールセッティングや体力面でも足りず、中風までしかきちんと走ることができなくてとても悔しい大会になりました。これからは強風でも勝てるように体力と体重、技術面でも頑張って行きたいと思います。
元尾 帆斗 選手
3度目の世界選手権ということで上位10%に残るという高い目標を掲げてレースに臨みました。
日本のレースにはないほどコース設定が長く、精神的なスタミナも必要となる大会となりました。それに加え、毎日がハイクアウトコンディションで身体の疲れも目立ちました。
この大会で1番吹いた最終レースで10番前後で回航できたことは自信になりました。この自信を次のステップに繋げられるよう今後も頑張りたいと思います。サポーターや保護者、そしてコーチの皆さんありがとうございました!
豊島 有壮 選手
4.7ワールドでの目標は、ゴールドフリートに入ることでしたが、あと一歩のところで、悔しい思いをしてしまいました。しかし、シルバーフリートでは自分の走りが存分に披露でき、総合では2位という結果も残せ自信がつきました。悔いが残る大会でしたが、自分のプレーを最大限に引き出すことができたので良かったです。応援ありがとうございました。
抜井 理紗 選手
入賞という目標を達成できなかったことはとても悔しいです。
でも、今まで苦手意識のあったスタートや強風のレースで海外選手に食らいついていけたことなど、自分の成長を感じることもできたレースでした。
今回得た自信も反省も糧にして、セーラーとしてさらにレベルアップしていけるように頑張ります。
大槻 多恵美 選手
今までずっと課題にしていたスタートを決めることができたレースが多かったのでよかったです。しかし、アップウインドでスピードがなく、コースもあまりうまく引くことができず、順位をキープできない場面が多かったと思います。今回の経験を今後に生かせるように、これからも練習を続けたいと思います。応援ありがとうございました。
そして、帯同してくださった永井さん、岡さん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。
山崎 彩加 選手
2回目のワールドで上位30%に入ることが目標でしたが、安定した順位をとることができず悔しい結果になりました。
しかし、トップフィニッシュすることができ、自分のいい経験になりました。応援してくださった皆さんありがとうございました。
Report & Photo by 永井久規
大会5日目・決勝2日目
今朝は曇天でしたが、いつもより肌寒い朝でした。
コーチミーティングでは「昨日とほとんど同じで若干西寄りの風、ガストで20ノット」という予報が発表され、そのとおりのコンディションになりました。
明日(大会6日目・最終日)は風が期待できないことから、本日は3レースを実施したいとの運営の意向があり、予定通り男女とも3レースを実施しました。
男子ゴールドフリートの元尾選手は3レース目に会心のレースを見せます。
風速の上がった15ノット前後の風のなか、本部船寄りからいいスタートを切り、だれも前を通らせずにシングルで第1マークを回航。2回目の上マーク(第3マーク)まではほとんど順位を落とさずに来ましたが、フィニッシュまでのリーチングレグを含むダウンウインドで約10艇に抜かれてしまい19位でフィニッシュしました。抜かれはしたもののタフなコンディションの中、世界トップレベルの選手たちと肩を並べて走れたことは自信になったと思います。
男子シルバーフリートの豊島選手は、4-7-10位と3レースを手堅くまとめ、シルバーフリートで2位をキープしています。岡田選手も最初のレースは6位となりましたが、風速が上がるとどうしてもスピード差があるようで、なかなかいい順位をとることができませんでした。
女子は抜井選手が5-7-15位と安定したレース運びを見せ、総合11位まで上がってきました。山﨑選手は課題のスタートで苦戦していますが、3レース目には順位には結びつかなかったもののよいスタートを切ることができました。
大槻選手は2回目のアップウインドのレグで順位をキープできずに苦戦していましたが、2レース目には上位の選手に肉薄するレースを見せました。
なお、大会の優勝は男女とも最終日を待たずに決しており、男子はイタリアのNiccolo選手。女子はスイスのAnja選手が安定したレース運びで世界チャンピオンに決定しました。
明日の最終日・最終レースはシリーズの総仕上げとして、各選手が納得のいく順位を取ってほしいと思います。
大会サイト(https://sailing.laserinternational.org/site/event-site/106/home) 成績サイト(http://www.cork.org/past-results/results2019/l47yw/47_youth_worlds_results.htm)Report & Photo by 永井久規
大会4日目・決勝初日
本日から男子は決勝が始まります。
朝から生ぬるい風が吹く曇天で、日課の体操の際には雷とともに土砂降りの雨に見舞われました。雨とともに風がなくなってしまいましたが、レースが始まる頃には晴れ間が見えるとともに、いつも通りの南西の風が吹いてきました。予報は17ノットで200から220度のシフティなコンディションとなっており、結局は予報どおりの風となりました。
今日はこれまでスタート順が変更となり、女子、男子ゴールド、男子シルバーの順でレースが行われました。
女子の1レース目には抜井選手が得意の軽風域でのスピードアドバンテージを活かし、4位でレースを運びます。最後の下マーク回航直前にイエローフラッグのペナルティを受けてしまい7位まで順位を落とし、その後1艇を抜き、6位でフィニッシュしました。
山崎選手はスタートが思うように行きません。最初から後手の展開となり追い上げを見せるもののなかなか上位に食い込むことはできませんでした。
大槻選手は思い切りの良いスタートをするものの、その後の走りでのスピードが出せず、ズルズルと順位を落としてしまいました。
男子は唯一ゴールドフリートに残った元尾選手が1レース目にはスタートから積極的な走りを見せ25位となりました。しかしながら、2レース目には56位とレベルの高いゴールドフリートの洗礼を受ける結果となりました。
豊島、岡田選手はシルバーフリートではあるものの高順位で走り、豊島選手は総合でシルバー2位の状況です。
レース終盤に入り肉体的にもキツクなってきますが、集中を切らさずにシフティな風を捉えてほしいと思います。
大会サイト(https://sailing.laserinternational.org/site/event-site/106/home) 成績サイト(http://www.cork.org/past-results/results2019/l47yw/47_youth_worlds_results.htm)日本選手の成績
男 子
ゴールドフリート
46位元尾 帆斗(長崎県立長崎西高等学校)
26-25-25-13-20-40-25-(56)
シルバーフリート
61位(シルバー2位)豊島 有壮(広島なぎさ中学校)
38-39-36-36-23-6-5-7
70位(シルバー11位)岡田 爽良(藤沢総合高等学校)
34-47-40-9-(DSQ)-22-17-10
女 子
16位抜井 理紗(大阪教育大学附属高等学校池田校舎)
17-16-29-(32)-4-6-22-16
20位山崎 彩加(東海大学付属静岡翔洋高等学校)
24-28-12-1-27-19-32-(40)
32位大槻 多恵美(済美平成中等教育学校)
28-29-(41)-17-22-21-30-37
Report & Photo by 永井久規
大会3日目
予選最終日の今日は明け方の気温が16度と冷え込みましたが、気持ちのいい快晴となりました。
予報どおり6~12ノットの風で、レース海面を挟んだ対岸の島を越える風と湖面を吹き抜ける風が不規則に入り乱れる難しいレースとなりました。
今日の特筆すべきポイントは女子の活躍です。
2レース目となる第4レースで山崎選手がトップフィニッシュを果たしました。スタートこそ失敗はあったものの、右海面の風をうまく掴み、最初のマークから一桁台の順位で回航し、2回目の風上レグでフレッシュな風を継続的に掴めたことで2位にジャンプアップ。さらにダウンウインドでトップを抜き1位でフィニッシュしました。
また、第5レースでは抜井選手が得意のダウンウインドで順位を上げ4位フィニッシュでした。
大槻選手は昨日の課題だったスタートに改善が見られて上位を走るものの、マークで回航ミスした先行艇に追突してしまい、ペナルティを負うなどあと一歩のところでした。
男子は偶然にも全員がYellowフリートでの戦いとなりました。
第4レースでは岡田選手が軽風域でのスピードを武器に9位フィニッシュ。しかしながら、続く第5レースのスタート前に痛恨のイエローフラッグのペナルティを受け、さらに慌ててしまったのかペナルティターンの回転不足で失格となってしまいました。
第6レースでは豊島選手が右側の風をうまく掴み6位となりました。
岡田、豊島両選手ともに高い順位をつづけて取ることができず、あと一歩のところで予選落ちとなってしまいました。
元尾選手は一桁フィニッシュこそないもののスタートからうまく抜け出し、安定した順位を継続し、見事ゴールドフリート入りを果たすことができました。
日本選手の成績
男 子
47位元尾 帆斗(長崎県立長崎西高等学校)
26-25-25-13-20-(40)
63位豊島 有壮(広島なぎさ中学校)
38-39-36-36-23-6
71位岡田 爽良(藤沢総合高等学校)
34-47-40-9-(DSQ)-22
女 子
16位山崎 彩加(東海大学付属静岡翔洋高等学校)
24-(28)-12-1-27
17位抜井 理紗(大阪教育大学附属高等学校池田校舎)
17-16-29-(32)-4
28位大槻 多恵美(済美平成中等教育学校)
28-29-(41)-17-22
Report & Photo by 永井久規
大会2日目
朝は小雨が降っていましたが、出艇の頃には晴れてきました。
コーチミーティングで風は南西10ノット程度の予報ということでしたが、最終的には15ノットオーバーまで吹き上がりました。湖が開けた230度方向から吹いており、波長の短い波が立ってきました。
男女ともに昨日レースができなかったため、本日と明日に実施できなかったレースを取り戻すべく、2レースから3レースを実施する予定に変更されました。
男子は、元尾と豊島が体格を活かし良い走りをするものの、1レース、2レースともにレース中に沈をして、大きく順位を落としました。ダウンウインドで攻めた結果とはいえ非常にもったいなく、明日からは特に気をつけてほしいと思います。
岡田はスタート直後の加速が弱く、クローズホールドで置いていかれる展開となりました。
女子は抜井が小柄な体格ながら得意のダウンウインドで順位を上げて10番台を2回とりました。
山崎と大槻はスタートこそ良かったものの、アップウインドのスピードが足りず、今ひとつ順位を伸ばすことができませんでした。
女子はフリート全体でのレベルの差が激しく、20ノットに満たない風でも十分に乗りこなすことができない選手も見受けられ、結局3レース目は実施せずに2レースで終了となりました。
明日は軽風の予報ですが、予選最終日となるので思い切ったレースをしてほしいと思います。
大会サイト(https://sailing.laserinternational.org/site/event-site/106/home) 成績サイト(http://www.cork.org/past-results/results2019/l47yw/47_youth_worlds_results.htm)日本選手の成績
男 子
52位元尾 帆斗(長崎県立長崎西高等学校)
26-25-25
77位豊島 有壮(広島なぎさ中学校)
38-39-36
80位岡田 爽良(藤沢総合高等学校)
34-47-40
女 子
15位抜井 理紗(大阪教育大学附属高等学校池田校舎)
17-16
25位山崎 彩加(東海大学付属静岡翔洋高等学校)
24-28
28位大槻 多恵美(済美平成中等教育学校)
28-29
Report & Photo by 永井久規
大会1日目
本日からレースが始まります。
男子は全体を二つのグループ(フリート)に分けて3日間の予定で予選が行われます。女子はグループ分けを実施せず、一つのフリートで最後まで競います。
男子選手たちは決勝で上位半分のゴールドフリートで戦うために安定して好成績を残すことが重要です。スタート前に入念にスピードチェックを行うなど、レース前の調整を行いました。
コンディションは晴れ。風は5ノット程度と弱いものの真南の風向から安定して吹いています。
定刻通りの12:00に予告信号が発せられ、レースが始まりました。
日本選手はいずれも空いているポジションから上手くスタートしましたが、風が徐々に弱くなり3ノット程度となってしまい、男子は第3マーク手前、女子は第1マーク回航直後にノーレースとなりました。
ノーレースになってしまいましたが、抜井が8位で第1マークを回航しており、軽風域でのアドバンテージには光るものを見せました。
その後、風待ちの後、再度5ノット程度の弱風が吹き始め、13:35に再スタートしました。しかしながら、またもや風が落ち、男子が第1マークを回ったところでノーレースとなってしまいました。
山﨑がスタート前にジュリー(審判艇)に推進法違反(ルール42条)のペナルティを受けてしまいました。つぎに違反を取られるとリタイヤしなければなりませんが、攻めの姿勢を忘れず、今後も積極的なレースをしてもらいたいと思います。
その後も湖上でしばらく待機するものの無風になってしまい、AP+A旗(明日に順延)が掲揚され、本日はレースが実施できませんでした。
明日は良いレースができるようにしっかりと調整したいと思います。
日本選手の成績
男女ともレース実施無し(ノーレース)
Report & Photo by 永井久規
2019 Laser 4.7 Youth World Championshipsがカナダ・キングストンで8月16日から23日まで行われます。
開催地:カナダ・キングストン
日程:8月16日~23日
日本の参加艇
男 子
岡田 爽良(藤沢総合高等学校)
元尾 帆斗(長崎県立長崎西高等学校)
豊島 有壮(広島なぎさ中学校)
女 子
抜井 理紗(大阪教育大学附属高等学校池田校舎)
大槻 多恵美(済美平成中等教育学校)
山崎 彩加(東海大学付属静岡翔洋高等学校)
帯同スタッフ
永井 久規(日本レーザークラス協会強化委員会 / オリンピック強化委員会スタッフ)
岡 美江(オリンピック強化委員会スタッフ)
この大会は1976年のモントリオール五輪を機に作られたCORK(Canadian Olympic training Regatta Kingston)が50周年を迎えることを記念して行われる各種レースの一つとして実施されます。
レーザー4.7級は、OP級でセーリングを始め、レーザーラジアル級や470級などに乗るまでに取り組む17歳未満を対象としたステップアップ種目として世界的に普及しています。
適正体重は約50~60kgと日本の中高校生の標準的な体格にも適合した種目と言えます。
日本からは男子3人、女子3人の計6人の選手が、国内の5つの選考大会の合計ポイントで代表権を勝ち取り、出場します。
選手たちは15日に羽田空港を出発しました。当日は台風10号が西日本に直撃しており、各地の選手は13日や14日に国内移動を早め、無事に予定通りの出国便に乗ることができました。
15日に現地入りし、16日にチャーター艇の受け取り、練習、受付け、計測を行いました。本日17日はプラクティスレースに参加して最終調整を行い、明日からのレース本番に備えました。なお、夕方から会場から少し離れたキングストンヨットクラブで開会式が行われました。
岡田爽良は軽風域を中心に力を発揮し、男子最上位の成績で予選を通過しています。
元尾帆斗は昨年ゴールドフリートに残れなかった雪辱を果たすために取り組んできました。
豊島有壮は今回唯一のU16(16歳未満)カテゴリの選手ですが、最も体格が大きく将来有望です。
抜井理紗は4.7ワールドこそ初出場ですが、OP級時代には国内優勝を重ね、4.7級ではアジア大会の代表として出場するなど、実績・実力とも男女を通じてNO1の選手です。
大槻多恵美は選考ポイントに含まれる体力測定で男女を通じて最高得点を獲得するなど、本大会に向けて実直に取り組んできました。
山崎彩加は、高校受験のブランクを取り返すべく今春からはしっかりと乗り込み、2回目のワールドで上位を目指します。
選手コメント
岡田 爽良(藤沢総合高等学校)「ゴールドフリートに入れるよう頑張ります。」
元尾 帆斗(長崎県立長崎西高等学校)「全体の上位10%に入れるよう頑張ります。」
豊島 有壮(広島なぎさ中学校)「悔いがないように、ベストを尽くして頑張ります。」
抜井 理紗(大阪教育大学附属高等学校池田校舎)「4.7ワールドに出場するのは今回が初めてですが、入賞を目指して、攻めの姿勢を忘れずに全力で挑んでいきたいと思います。」
大槻 多恵美(済美平成中等教育学校)「目標は得意な風では前を走ること。そして、最初で最後の4.7ワールドなので、悔いの残らないような積極的なレースをしたいです。」
山崎 彩加(東海大学付属静岡翔洋高等学校)「2回目のワールドなのでトップ集団に負けないような走りをしたいと思います。また上位入賞を目標に頑張ります。」
Report & Photo by 永井久規
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