大会6日目(最終日)

朝から窓の外の木々が揺れています。最終日待ちに待った風がようやく吹きました。

第1レースは7〜8m。鈴木は下寄りから、なんとかスタートしました。
上マークは10番と出遅れたものの次のリーチングレグ、ダウンウインドのレグで一気に先行艇を抜きます。下マークで4位に上がりそのままフィニッシュ。しかし、このレースはBFDとなってしまいました。
続いて行われたレース。鈴木はスタートでリコールをおそれてメインを引くタイミングが遅れます。両レースとも上マーク出遅れますが、ダウンウインドではスピードで、クローズホールドではシフトを有効に使い前に出ます。7−5として3位と同点の4位となりました。
昨年、ポーランドでのU21世界選手権に参加した鈴木はこの大会で優勝することを目標にトレーニングを続けてきました。残念ながら目標には届きませんでしたが、風が弱くレースができない日々もブラッグフラッグでくじけそうになっても我慢、我慢の展開で戦いました。軽風のコース引きも強風のダウンウインドも昨年とは違い、世界一と呼んでもおかしくないようなセーリングでした。この悔しさと成長を自信にして、トレーニングを続け、次はシニアの世界選手権で活躍してほしいと思います。
6日間、日本からの声援をありがとうございました。

大会サイト(http://2019-u21.laser-worlds.com)
大会成績(http://2019-u21.laser-worlds.com/race-results/)
▲ダウンウインドで一気に先行艇を抜いて4位でマーク回航するも、残念ながらBFD
▲我慢のレースで順位を上げてくる鈴木
▲3位と同点の4位
▲1位から5位にはキューブと盾、6位から10位は盾が送られます

Report & Photo by 飯島洋一

大会5日目

いつものように朝焼けの中、出艇の準備を始めます。
風は昨日と同じくらいの6〜8kt。昨日と同じように「左に行きたいが、それ以上にきちんとシフトに合わせること」を頭に置いてレースに臨みます。

昨日レースができなかったブルーフリートを先にスタートをさせます。いつも冷静にラインを読んでスタートしていた鈴木ですが、まさかのスタートを失敗し、出遅れてしまいます。逃げのタックを打ちながら苦し紛れにシフトに合わせて行きます。見ているこちらもヒヤヒヤしましたが、フリーになったところで左に出て、左の風にしっかり合わせてなんとか上マークを7位で回航しました。
ここからダウンウインドでお互いを牽制しあう集団を尻目に、鈴木は風の中でマークに向けて行き、下マークは3位で回航。2回目のクローズでは、落ちて右に触れつつある風を上手に拾ってトップにぴったりとつけて2位で回航します。そのまま順位をキープして2位でフィニッシュしました。ようやく順位がつき、鈴木は総合で6位となりました。

その後、いつものように風がなくなりハーバーバックして2時まで風を待ちますが、風は吹くことがなく明日に持ち越しとなりました。
明日は雨で南東の風が吹く予報です。最後の3レース、今日までとは打って変わって強風の天気予報です。久しぶりの強風にビビらずにセーリングしてほしいと思います。

大会サイト(http://2019-u21.laser-worlds.com)
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▲ダウンウインドで大きく順位を上げた鈴木
▲2回目のアップウインドでトップに迫ります

Report & Photo by 飯島洋一

大会4日目

第1レース予告信号が9時になり選手達は7時にはハーバーに集まって艤装を始めます。風は昨日と同じくらいの6〜8kt。

昨日レースができなかったラジアルからレースが始まります。しかし、ゼネリコを数回する間に風は落ち始めます。

ブルーフリートは3回目でスタート。鈴木はラインの上よりからいいスタートし、タックしてポートで走ります。スタート前の話では「左がいいのは分かっている。ただ、左にシフトしている時には、さらに左に行かない」と話していました。
その通りの作戦でスタート直後、左の風で右に出して行きます。そのまま長い間左の風を受け続け、上マークに近づいてきたときには左の風は弱くなり、右の風が入り始めました。鈴木は5位で上マークを回航。落ちてゆく風の中、ダウンウインドで先行艇を追います。しかし3レグ中盤に差しかかった頃N旗が掲揚されました。その後、いつもの海面の状況になりハーバーバック。2時まで陸上で待機しますが、N/A旗が掲揚され今日もレースはすることができませんでした。

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大会成績(http://2019-u21.laser-worlds.com/race-results/)
▲午前7時、朝焼けのハーバーに集合です
▲準備を念入りに行う鈴木
▲5位でレースを展開
▲着艇は出艇以上に大混乱です

Report & Photo by 飯島洋一

大会3日目

第1レース予告信号を10時とし、8時半にはG旗降下。いっせいにレーザーの集団は海面に出ます。陸から吹いてくる風は6〜8kt、レースをするのには十分な風です。

ブルーグループの鈴木はよいスタートを切り左海面に出て行きますが、最初のタックのタイミングが少し早過ぎて集団の中で走ることになってしまい、上マークは20位と出遅れました。しかし、ダウンウインドで数艇を抜いた後、2回目のクローズホールドのレグで落ちて右に触れていく風をしっかり捉え、10位で上マークを回航。ダウンウインドで2艇を抜いて8位でフィニッシュ。しっかりと風を掴んでいいレースができました。スタート前、「風が落ちて暖かくなったら右に触れる。その傾向がなければ左」と作戦通りのレース展開でした。
1レースを終了した頃から風は落ち始め、いつものような無風になってしまい長い風待ちになりましたがその後も風は吹かず、つづく2レース目は行うことができませんでした。

大会サイト(http://2019-u21.laser-worlds.com)
大会成績(http://2019-u21.laser-worlds.com/race-results/)
▲やっと始まったスタートシークエンス
▲1レース終わる頃にはいつものコンデションに…
▲バディのEthanと風待ちです。Ethanは鈴木と同じ年、オーストラリアのフリーマントルから参加しました

Report & Photo by 飯島洋一

大会2日目

今日も朝から風がなく陸上待機が続きました。
2時まで待ちましたが、風は吹く気配はなくAP/Aとなりました。

明日は9時スタートで、午前中に残る陸風でチャレンジです。

▲長い長い風待ちでした
▲鏡のようなレースエリア
▲AP/Aの旗もなびきません

Report & Photo by 飯島洋一

大会1日目

初日を迎えましたが、陸上待機ののち海上待機をするものの、無風のためAP/A旗が掲揚され、レースは翌日に持ち越しとなりました。

▲朝から予想通りの無風、風待ちとなりました
▲どういうわけか、出艇となりました
▲世界遺産にもなっているスプリットの街並み
▲結局、レースは行われず、7km先のレースエリアから曳行で帰着となりました

Report & Photo by 飯島洋一

クロアチアのスプリットにて2019年Laser standard U21世界選手権が開催されます。
スプリットは約10年前から日本人選手は頻繁に練習に訪れている場所で、我々にとっては第2のホームといった場所です。

▲綺麗なアドリア海でレースが始まります

開催地:クロアチア・スプリット
日程:10月26日~11月2日
10月26日受付・計測
10月27日受付・計測
10月28日~30日予選シリーズ
10月31日〜11月2日決勝(予定)

日本の参加艇
レーザー級 U-21【参加45カ国/146艇】

鈴木 義弘(早稲田大学)

日本からは鈴木義弘(早稲田大学)が参加します。
鈴木は現地に1週間前から入り、リオ・オリンピック銀メダリストのTonci Stipanovic、2017、2018年世界チャンプのPavlos Kontidesと練習を重ねてきました。

スプリットは異常気象からか、11月も間近というのに暑く、日中は半袖、短パンでいないと暑くて過ごすことができない状況です。その影響からか風はとても弱く、毎日15時頃から入り始めるシーブリーズで練習を行ってきました。26日、27日は受付、計測が行われ、28日よりレースが始まります。

男子は45カ国146艇、女子は31カ国71艇とスプリットのヨットハーバーは200艇以上のレーザーであふれています。
レース中の天気予報はやはり風の弱い日が多いようですが、気持ちを緩めず大切にレースをこなしていきたいと思います。日本からの応援を、お願いいたします。

▲ハーバーはレーザーでいっぱいになりました。出艇の準備をする鈴木

Report & Photo by 飯島洋一