風が弱まり、1レースのみで時間切れ

最終日は定刻の11時にレース海面へ向かいました。1レースはできましたが、その後は風がなくなり、1度スタートしかけたものの、すぐに大きなシフトが入って再度回答旗が上がって風待ち。15時のタイムリミットぎりぎりまで待ち、結局レースはできませんでした。合計10レース、2カットでの大会終了となりました。

今大会の脅威はオランダ勢で、表彰台の1位と2位を占めただけでなく、参加4人の選手が全員トップ10に入りました。大柄で強風が得意なこともありますが、それでも4人はすごい。優勝したマリット選手は4回目の世界タイトル獲得となりました。

土居選手は今日のレースを15位で終え、最終的に8位に入賞。久々の世界選手権での表彰に、ほっとした表情の中にうれしさが見えました。本人にすると納得のいく結果ではないようですが、東京五輪の代表に内定し、これから本番までが勝負ということで、悔しさはこれからの練習への力へと変えていきます。

世界選手権の期間中、応援をいただいき、ありがとうございました。

代表選考について
大会サイト(http://2020-radial-women.laser-worlds.com/)
大会成績(http://sailingresults.net/sa/results/overall.aspx?ID=80330.4)
大会Notice Board(http://2020-radial-women.laser-worlds.com/notice-board/)

大会成績

レーザーラジアル級 女子【40カ国/105艇参加/2グループ】

1位Marit BOUWMEESTER(オランダ)

2位
Maxime JONKER(オランダ)

3位Line FLEM HØST(ノルウェー)

8位土居愛実(アビームコンサルティング株式会社)
6-4-7-19-5-7-22-1-(27)-15

43位冨部柚三子(福井県スポーツ協会)
12-39-22-24-29-22-(47)-14-43-27

▲上マーク30位と出遅れた土居
▲マークごとに順位を上げて15位でフィニッシュした土居
▲レース終了後の最後の水洗い
▲2カ月を超えるオーストラリア遠征の飯島コーチもやっとボートを片付け、明日コンテナに積みます
▲8位で表彰される土居選手
▲105艇のエントリ―ですから、全員揃ってトップ10が表彰されます
▲オランダ脅威の4人娘(左から10位、2位、1位、7位)

Report by 齋藤愛子 & Photo by 齋藤愛子・飯島洋一

西風が徐々に強まる中での3レース

280度から270度、西風が最初は10ノット前後、少しずつ強くなり、3レース目には15ノットを超えるガストが入り、白波が増えたレース海面でした。左右へのシフトや、弱くなった時はどちらかのサイドから次のガストが入るなど、難しいコンディションで、上位も含めて安定しない成績でした。

今日のハイライトは、第8レース(2レース目)で、土居選手が待望のトップフィニッシュを果たしたことです。
1上は土居選手と冨部選手がワンツーで回航しそうなところへアイルランドのマーフィー選手(リオの銀メダリスト)が割って入り、その後は土居選手とマーフィー選手との一騎打ちが続きました。2上では少し強まった風の中で、強風が得意なマーフィー選手がトップに出ましたが、「アップウインドで抜かれても、できるだけ差をつけられないようにすれば、ダウンウインドで必ず抜けると思っていた」と土居が言うように、2回目のダウンウインドでは土居選手が逆転し、そのままフィニッシュまでリードを保ちました。

明日の最終日も同じく3レースが行われる予定。昨日ほどの疲れはありませんが、最終日も11時からスタートして3レース。15時以降のスタートを行わないため、今日と同じような風で、スムーズに全レースできることを願います。

全12レースを予定していますが、10レース以上になると2レースをカットできるので、成績が大きく変動します。代表選考に関しては、明日のレース終了後、最終成績が出た後の発表となります。

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大会成績

レーザーラジアル級 女子【40カ国/105艇参加/2グループ】

9位土居愛実(アビームコンサルティング株式会社)
6-4-7-19-5-7-22-1-(27)

46位冨部柚三子(福井県スポーツ協会)
12-39-22-24-29-22-(47)-14-43

▲日本からメディアも来て、撮影や取材に頑張っています
▲大混戦のゲートマーク
▲第2レーストップでマーク回航の土居

Report by 齋藤愛子 & Photo by 齋藤愛子・飯島洋一

15ノット+、波が高い中の予選3レース

12月末からずっとメルボルンでの日本選手達の練習をサポートしてきた飯島コーチは、「いつものメルボルン」と表現していましたが、190度からの冷たい風で、昨夜からの強風の影響で波が高く、とがって、崩れて、コーチボートもレーザーも飛んでははたかれ、走るのがきつい1日でした。
その中での3レースは体力勝負でもあり、安定した走りの上位選手には江の島の波を意識して練習してきた成果を試すチャンスと見受けられました。

14時の定刻スタートで3レースを順調に行い、陸に戻ったのは18時前でした。今日で予選6レースが終了し、明日、あさっての2日間で決勝レースとなります。
明日は11時スタートで3レースを予定。最終日も同じスケジュールになることが想定され、決勝は2日間で6レースになるのか ―― この風が続くと、相当にきつい決勝になりそうです。土居、冨部ともにゴールドフリートに残りました。

土居がゴールドフリートに残ったことで、五輪選考では計算上、逆転される可能性はなくなりましたが、選考成績は最終レースまで終わらないとポイントがつかないため、代表選考に関しては、最終日に最終成績が確定した後の発表となります。

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大会成績

レーザーラジアル級 女子【40カ国/105艇参加/2グループ】

8位土居愛実(アビームコンサルティング株式会社)
6-4-7-(19)-5-7

50位冨部柚三子(福井県スポーツ協会)
12-39-22-24-(29)-22

▲黄色のボートはプレスボートです。日本から来た3人のカメラマンが撮影しています

Report by 齋藤愛子 & Photo by 齋藤愛子・飯島洋一

雷雨の後、18時から1レース

長い1日になりました。
14時半頃のスタートを目標に少し遅れて海上に出たものの、風はシフトを続け、風待ちが続きました。周囲は雨雲だらけで、特に北西方向に発達した雨雲から稲光と雷音が轟きました。レース運営が突然、AP+Hを上げ、全艇ハーバーへ戻った時にハーバーも雷雨が襲い、瀧のような雨が降り出しました。運営のタイムリーな判断でした。

しばらく陸で待機を続け、今日もレースができないかとあきらめかけた時、再度、海上へ出ると合図があったのが16時50分。全艇いっせいに出艇となりました。

18時の女子イエローのスタートから、180度、15ノットオーバーで1レースを行い、強風に強い選手達が周期の短い、とがった波の中で力強く走りました。1上を11位で回航した土居選手はアウターループのゲートでは7位まで上がり、そのままフィニッシュまで順位をキープしました。トータルの5位もキープしています。

予選3レースが終了しましたが、規定の4に足りません。明日も予選3レースを行い、その結果でゴールド、シルバーに分かれての決勝へと進みます。1日最高3レースとなるため、これから最終日までずっと3レースの厳しい戦いが続くことになりそうです。

明日も14時から3レースの予定です。

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大会成績

レーザーラジアル級 女子【40カ国/105艇参加/2グループ】

5位土居愛実(アビームコンサルティング株式会社)
6-4-7

46位冨部柚三子(福井県スポーツ協会)
12-39-22

▲ダウンウインドで大きく順位を上げた土居
▲パースに留学中の遠藤は今大会も参加です
▲雨雲から稲光と雷音が轟いたレース海面
▲激しい雨にわれるハーバー内の海面
▲明日からは1日3レースが続きます

Report by 齋藤愛子 & Photo by 齋藤愛子・飯島洋一

小雨交じりで6-7ノット。何とか1レース完了。

定刻どおりにスタートをしましたが女子イエローの1回目はゼネリコとなり、14時12分に2回目のスタートがオールクリアでした。180度から6ノット前後の風で、ちょうどハイクアウトするかしないかのコンディションでした。

R3(今日の2レース目)もイエローがスタートしましたが、すぐに風が90度振れてノーレースとなり、その後しばらく待機。昨日と同様、17時前にAP+Aを上げました。3ノットあるかないか、風向も100度だったり210度だったり、不安定でコース設定はとてもできる状態ではありませんでした。

土居選手はイエローで4位に入り、トータルで5位です。落ち着いたレースぶりで淡々としています。
明日もスケジュール変更となり3レースを予定しています。スタート時刻は14時。午後からの方が風の予報が良いようで、明日こそしっかりと3レースをこなし、予選を終了してほしいものです。(予選は4レースが必要)

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大会成績

レーザーラジアル級 女子【40カ国/105艇参加/2グループ】

5位土居愛実(アビームコンサルティング株式会社)
6-4

51位冨部柚三子(福井県スポーツ協会)
12-39

▲手堅く安全にしっかり順位を上げてくる土居
▲今日は順位を落としてしまった冨部
▲AP+Aを掲げた本部艇にはT旗(フランス国旗みたいなデザイン)も上がり、8ノット以下で曳航可能
▲土居選手はオーストラリア選手と一緒にアーサーコーチに曳航されて帰ります
▲レース後には捕食が振る舞われます。今日はパスタでした

Report & Photo by オリンピック強化委員会

シフトを繰り返す海面で、1レースのみの初日でした

定刻どおりにスタートする予定でレース海面へ出ましたが、海上で延期信号が上がり、女子イエローの最初のスタートは14時22分となりました。170度から6ノットでスタートしたものの、途中135度になったり、210度や180度から風が入ったりして、風向の定まらないままのレースでした。
アウターループのイエローはそのままレースを続行したものの、女子ブルーと男子の2グループは1上あたりでN旗が上がり、仕切り直しになりました。

女子ブルーと男子が再度スタートしてレースをしている間、イエローはスタートエリアで待機になりましたが、16時20分の予定というコール以降は音沙汰がないまま、結局、AP+Aで後日延期の旗があがりました。
皮肉にも、全艇がフィニッシュし、ハーバーへ戻る頃になって、やっと10ノットオーバーの風が入り始め、少し残念なところもありましたが、あと1時間待つかというと、それも厳しいわけで、今日は1レースで終わりました。

明日はスケジュール変更で、スタート時刻は14時のままですが、3レースの予定になりました。

大会成績

レーザーラジアル級 女子【40カ国/105艇参加/2グループ】

11位土居愛実(アビームコンサルティング株式会社)
6

23位冨部柚三子(福井県スポーツ協会)
12

▲潮のチェックをするアーサーコーチ
▲落ち着いて順位を上げていった土居。6位でフィニッシュ
▲12位でフィニッシュした冨部

Report & Photo by オリンピック強化委員会

レーザーラジアル級女子世界選手権が始まります

レーザーラジアル級女子世界選手権2020が始まります。
エントリーは106艇、40カ国。昨年5月にポルトガルで開催された欧州選手権、7月に開催された境港での世界選手権に続いて日本代表の選考レースの3回目であり、最終選考大会となります。

開催地:オーストラリア・メルボルン
日程:2月21日~2月28日
2月21日〜2月22日受付・計測
2月22日開会式・ブリーフィング・プラクティスレース
2月23日〜2月25日予選6レースを予定(4レースできたら26日から決勝)
2月26日〜2月28日決勝6レース ※メダルレースはありません

日本の参加艇

土居 愛実(アビームコンサルティング株式会社)
冨部 柚三子(福井県スポーツ協会)

帯同スタッフ

飯島 洋一・齋藤 愛子(オリンピック強化委員会)
石川 雅之(強化委員会 ルールアドバイザー)
飯妻 宏幸(強化委員会 トレーナー)
アーサー・ブレット(チームコーチ(土居))

今回も開会式にはメルボルンの日本領事館から松永総領事が登壇されてスピーチを行い、サンドリンガムの人気ゲストになりました。
各国チームのグループ写真撮影の際には、日本チームだけが3カット連続の「真顔」➡「笑顔」➡「はじけて!」を撮影。それまで遠慮がちだった各チームが日本の撮影を見て、自分たちもと次々と撮影を始めて、大賑わいでした。
松永総領事は、「人を楽しくさせることが重要です。東京五輪もそうなってほしいです」とスピーチされ、このところ忘れかけていた周囲の人を笑顔にする喜びを思い出させていただきました。

今大会は女子のエントリー105艇を2グループに分けます。同時開催のラジアル男子世界選手権は67艇のエントリーなので1グループ。合計3グループでのレースです。1日2レース、予選の3日間で6レース、決勝の3日間で6レース、合計12レースで、メダルレースはありません。

昨年の世界選手権(鳥取県境港)で15位に終わった土居愛実選手がメルボルンでどのような走りを見せてくれるのか、冨部選手が欧州遠征の成果をしっかり見せてくれるか、大いに注目したいと思います。

2月28日まで、応援をよろしくお願いします。

▲大会会場のサンドリンガムヨットクラブ。今回で今年レーザーのレース4大会目です
▲きれいに並べられたレーザーの艇台。青い空といい風。人工芝に覆われた理想のヨットクラブです
▲ヨットクラブの桟橋に沈んでいる潜水艦
▲サンドリンガムがまたまたレーザーラジアルで満杯になりました
▲はじけた日本チーム(左から、飯妻トレーナー、石川ルールアドバイザー、松永総領事婦人、遠藤選手(ラジアル男子)、冨部選手(ラジアル女子)、松永総領事、齋藤愛子)
▲運営チームヘッドのカルテットも日本勢に影響されて笑顔の写真撮影(左からPeter (WSのコースRep)、Steve(今回のレース委員長、さすがに5大会の運営連続でこの大会終了を楽しみにしているとか)、Peter(大会委員長)、Hugh(レーザー協会代表のコースRep,東京五輪のレーザーエリア担当))

Report & Photo by オリンピック強化委員会