大会最終日

天気予報は強風で大波ですが、朝から風がありません。大きな波だけが岸壁に打ち寄せています。AP旗が掲揚され長い間風待ちをしますが、風は吹く気配はありません。13:40にAP旗が掲揚され2021年ILCA7世界選手権は終了しました。

優勝はNZLのThomas Sanders。陸風で難しいコンデションの中、2位に14点もの点差をつけての優勝でした。今までリオ・オリンピック銅メダリストのSam Meechの影に隠れていましたが、久しぶりにニュージーランド人が世界選手権を制しました。思えば台風が直撃し、陸風シリーズになった2017年江ノ島OWでもぶっちぎりの優勝でした。今回のような陸風シフティー、ガスティーコンデションは好きなようです。

今回はパリオリンピックを目指す若い選手の活躍が目立ちました。
U21のトップはAUSのZac Littlewood。総合でも5位に入りました。この名前を聞いてピンと来る日本人が多いと思います。東京オリンピックのラジアルクラス代表の土居愛実選手のトレーニングパートナーを務め、何度も来日したあのザック少年です。いつも、いつも勝負どころで負けて泣きべそをかき、生意気な事を言ってはコーチに怒られていた少年がついに世界選手権でTop5に入りました。

日本人選手は瀬川がゴールドフリートに残りレースを行いました。東京オリンピックを経験し、ヨットレースを淡々とこなす姿が印象的でした。

今回は世界選手権にしては少し物足りないコンデションでしたが、1年9カ月ぶりにライバルたちとレースをして、コロナ禍で何もかもが止まってしまった時間が再び動き出したような感じがしました。完全に元どおりに戻ってはいないかもしれませんが、前のようにライバルとレースができるようになりました。皆、心なしか楽しそうにレースをしているように、レースができることを喜んでいるように、感じます。

パリオリンピックへのチャレンジは始まっています。日本人選手たちにはこれからもオリンピックに向かってトレーニングを続けてほしいと思います。

大会サイト(http://2021-standard-men.laser-worlds.com)

大会成績

ILCA7

52位瀬川和正(鳥取県スポーツ協会)
26-25-17-14-26-54-(57)-50

73位鈴木義弘(明治安田生命・早稲田大学)
38-20-31-(63)-46-20-6

134位竹内修祐(パナソニック株式会社)
55-(67)-63-63-62-55-64

▲最終日は風なし、大波、雨のコンデションでレースはありませんでした
▲今回のwinnerたち

Report & Photo by 飯島洋一

大会5日目

今日も昨日に引き続き9:00にスタートです。
陸風のうちにゴールドフリート3レース、シルバーフリート2レースが行われました。

ゴールドフリートに進出した瀬川ですが、ゴールドフリートでは思うようには走らせてもらえません。54-57-50で総合52位へ成績を落としてしまいました。3レース目はいつもと同じように風が落ち、シフトして2回目のゲートでコース短縮となりました。「なぜノーレースにしなかったのか?」と抗議が出ていましたが、却下となったようです。

レース後にはCoaches Forumが開催され、今後のILCAクラスのあり方を話し合いました。昨年よりILCAのボートビルダーが増え、様々なボートビルダーがILCAを建造しています。ボートビルダー間でのボートの重量やマストレーキの差が大きいようです。その点についてコーチから様々な意見が出されていました。その議論の中で「東京オリンピックでは日本のビルダーが厳しい品質チェックをしたため、イーブンなボートで大会が行われた」との意見が出たのは印象的でした。

明日は待ち焦がれた強風コンデションになる予報です。最後に今までの安定しないコンデションの鬱憤を晴らすよう、存分にハイクアウトしてほしいと思います。

大会サイト(http://2021-standard-men.laser-worlds.com)

大会成績

ILCA7

52位瀬川和正(鳥取県スポーツ協会)
26-25-17-14-26-54-(57)-50

73位鈴木義弘(明治安田生命・早稲田大学)
38-20-31-(63)-46-20-6

134位竹内修祐(パナソニック株式会社)
55-(67)-63-63-62-55-64

▲スタート後の瀬川
▲ゴールドフリートは2回目のゲートでコース短縮になりました
▲ゼネリコを繰り返すフリート

Report & Photo by 飯島洋一

大会4日目

今日も午前中からレースを試みるため、朝焼けの中で艤装しました。各選手9:00のスタートに向けて8:00に出艇していきました。

昨日よりもエリアを北寄りに、時間を早めたからか、風は若干安定しているように思えました。この陸風の中で2レース。午後、海風が吹いてから1レースと合計3レースを行い、予選を終了しました。

イエローグループの瀬川は落ち着いて17-14-26と丁寧にまとめ、総合41位で危なげなくゴールドフリート入りを決めました。ブルーフリートの鈴木は31-63-46と大きく崩してしまい、総合82位でシルバーフリートとなりました。少し勝負を意識しすぎて外に出て行ってしまうレースが、裏目に出てしまいました。

予選シリーズを通してシフティー&ガスティーなコンデションで、シフトを使うか? 風を取りに行くか? 難しいところでしたが、トップ集団は丁寧に風に合わせてレースをしていました。

明日も9:00スタートです。
レースは折り返しを過ぎて後半戦に入ります。疲れも溜まって来ていると思いますが、あと2日悔いのないようにレースをしてほしいと思います。

大会サイト(http://2021-standard-men.laser-worlds.com)

大会成績

ILCA7

42位瀬川和正(鳥取県スポーツ協会)
(26)-25-17-14-26

81位鈴木義弘(明治安田生命・早稲田大学)
38-20-31-(63)-46

133位竹内修祐(パナソニック株式会社)
55-(67)-63-63-62

▲落ち着いてゴールドフリートに進出した瀬川(夕焼けではなく朝焼けです)
▲各選手8時に出艇します
▲風が弱めなこともあり、マークは常に大混戦です

Report & Photo by 飯島洋一

大会3日目

今日も午前中からレースを試みるため朝焼けの中で艤装し、選手たちは10:00のスタートに向けて出艇していきました。昨日の午前中と同じコンデションで陸風です。斜め後ろから大きなウネリ、反対の斜め後ろから強い潮。
このコンデションでブルーグループの鈴木がいい走りを見せました。1上マークを8位で回航し、難しいコンデションの中、ハラハラ、ドキドキの抜きつ抜かれつのレースを展開します。
しかし、先にスタートしたイエローグループに続きアウターループで風がなくなりノーレースとなりました。

その後、BISC(バルセロナインターナショナルセーリングセンター)の東側に風が残っているとの情報からレースエリアを東へ移動して再度レースを試みます。このレースはイエロー、ブルー共にオールクリアでスタート。
イエローグループの瀬川、ブルーグループの鈴木共に20番くらいで上マークを回りますが、風が大きく左に触れてクローズホールドでゲートに向かうようになってしまいました。ここで両クラス共にまたものノーレースとなりました。

その後、長い海上待機で海風を待ちますが、風は吹かず14:44にAP/A旗が掲揚され、翌日にレースは持ち越されました。1日に2レースもノーレースになると選手、コーチ、運営スタッフは精神的にも肉体的にもクタクタです。
しかし、鈴木、瀬川共にブランクのあった海外レースにも慣れてきており、落ち着いてレースをこなしています。

明日はレースができますように。

大会サイト(http://2021-standard-men.laser-worlds.com)

大会成績

ILCA7

45位瀬川和正(鳥取県スポーツ協会)
26-25

54位鈴木義弘(明治安田生命・早稲田大学)
38-20

129位竹内修祐(パナソニック株式会社)
55-67

▲サグラダファミリアをバックに抜きつ抜かれつの攻防の鈴木
▲午後は大きなうねりの中で強風レース

Report & Photo by 飯島洋一

大会2日目

昨日レースができなかったことからレース時間を変更し、9:30に第1レースを行なう予定でDay2を迎えました。

レースコミッティーは午前中の陸風で1レース、午後の海から吹く風で2レースを予定していましたが、斜め後ろから流れる強い潮がレースの進行を妨げます。風は北西の陸風でシフテスィー、ガステスィー。上マークを見て右後ろから大きなウネリ、左後ろから強い潮、しかも上マーク付近は岸壁の返し波でぐちゃぐちゃなコンディションでした。

イエローグループはゼネリコを繰り返し最初のグループがスタートしたのは予定時間の40分後。気温が高くなるにつれ風は落ちていき、イエローグループが2レース目を行なっている最中にN旗があがりハーバーバックとなりました。
このまま昨日のようになってしまうかと心配しましたが、14:45にD旗が掲揚され選手たちは海に出て行きました。海上は20ノット近い東寄りの風が吹いており、両グループ共に1レースを行いDAY2を終えました。

日本チームはこの難しいタフなコンディションで瀬川26-25、鈴木38-20としました。両名共スタートが…、コースが…と反省するところはあったものの、難しいコンディションで諦めずに戦いました。

明日も午前中の風を利用するために10:00に第1レース開始の予定です。

大会サイト(http://2021-standard-men.laser-worlds.com)

大会成績

ILCA7

45位瀬川和正(鳥取県スポーツ協会)
26-25

54位鈴木義弘(明治安田生命・早稲田大学)
38-20

129位竹内修祐(パナソニック株式会社)
55-67

▲朝焼けの中、出艇準備です
▲午後は大きなうねりの中で強風レース
▲落ち着いて走った瀬川
▲夕焼けの中での着艇でした

Report & Photo by 飯島洋一

大会1日目

朝は陸の風が吹いていたのですが、選手たちがセールをあげる頃には風も落ち始め、長い陸上待機となりました。風は海風になるものの弱く、2時45分にAP+A旗(本日のレースは行わない)が掲揚されました。明日はスケジュールを変更して9時30分に第1レースで全3レースが行われる予定です。

大会サイト(http://2021-standard-men.laser-worlds.com)
▲長い風待ちをする選手たち
▲昨年に引き続き参加の鈴木、瀬川
▲AP+A旗が掲揚されました。陸上では旗はなびくのですが、海上には風がありません

Report & Photo by 飯島洋一

開催地:スペイン・バルセロナ
大会日時:
11月3日:受付け・計測
11月4日:受付け・計測・プラクティスレース
11月5~10日:レース ※メダルレースはなし。最終日までフリートレース

出場選手:
ILCA7 Men’s one person dinghy

鈴木義弘(明治安田生命・早稲田大学)
瀬川和正(鳥取県スポーツ協会)
竹内修祐(パナソニック株式会社)

JSAF帯同スタッフ:
飯島洋一

大会サイト(http://2021-standard-men.laser-worlds.com)

大会前日

2021 ILCA Standard Men’s World Championshipが11月3日からスペイン・バルセロナで開催されます。

世界的なCovid-19感染の影響により、今年も多くのヨーロッパの大会が中止や延期となりました。このILCA7世界選手権も9月開催予定が11月に延期され、ようやく開催となりました。2020年2月に世界選手権が開催されたので、1年9カ月ぶりにライバルたちと顔を合わせることになりました。

日本からの参加者は補助対象選手の鈴木、瀬川に加えて一般参加のニューフェイスの竹内。10月以降、日本国からスペインへは渡航禁止となっており、様々な書類を準備しての渡航となりました。参加艇数は135艇。久しぶりの2フリートに分けてのレースとなります。

眩しい日差しのバルセロナのはずでしたが、11月に入りバルセロナも気温が下がり、夏から冬へと様子が変わってきています。11月3日、4日は受付け、計測でレースは5日から始まります。
いよいよ、パリオリンピックへの挑戦が始まります。
今まで日本で練習してきた成果を存分に発揮してほしいと思います。

▲太陽光発電のパネルがたくさんあるバルセロナセーリングセンター(BISC)を背に最終調整の鈴木。バルセロナオリンピックが行われたオリンピックハーバーは異なる場所です
▲距離を空け、計測を待つ選手たち。コロナ禍で密を防ぐため、今までにないくらいの簡単な計測でした

Report & Photo by 飯島洋一