大会3日(2月13日)

午前8時半に海上運営メンバーが出艇する時は、「風が強くなければスラローム3回」の予定でした。しかし、9時過ぎのレースエリアには北から12ノットオーバーの風が入っており、早速アップウインドコースを設定し、9時半スタートでL2コースを3レース行いました。

男子:本日3レース
3レースとも1位の富澤慎選手と2位の池田健星選手が激しく競り合う内容となり、池田選手が第8レース、残りの2レースを富澤選手がトップで入り、富澤選手がこの大会の勝者となりました。2位は池田選手、3位に倉持大也選手が入りました。U21の穴見賢太選手が第9、10レースで3、4位をとる大健闘で、総合でも5位に上がりました。

アジア大会代表選考は、全日本選手権(2021年11月21日~23日、杵築市守江住吉浜リゾートパーク)と今大会の合計で選考得点をつけた結果、池田健星選手が1位となりました。正式な発表は後日、他の派遣種目の決定とともに行います。

「代表にはなりましたが、今回のレースの8割が思ったようにできず悔しかったです。残り2割は理想どおりだったので、8割の課題を今後、解決していきたいです。アジア大会ではしばらくとれていないウインドサーフィンでのメダルを目指して頑張ります」(池田健星)

女子:本日3レース
最後の最後まで競り合いが続きましたが、大西富士子選手が今日も2-1-1とまとめて、この大会の勝者となりました。2位に須長由季選手、3位に新嶋莉奈選手となりました。

女子はアジア大会選考得点で、新嶋選手、須長選手、大西選手が同点となりました。タイスコアの場合は全日本の上位がとなると定められており、新嶋選手が1位となりました。

「少しほっとした気持ちと、今回いい走りができなかった焦りとがあります。宮古島の練習から戻ってからの調整が大会までに間に合わず、艇速がよくなく、自分のコースが引けず、もどかしかったです。アジア大会ではメダルをとりたいです」(新嶋莉奈)

2人とも2014年ユース五輪で7位入賞を果たしてから、新嶋選手は2017年国際セーリング連盟のユースワールド大会で6位に入賞するなど、HOPE選手としてオリンピックを目指して活動をしてきました。東京オリンピックに向けては代表選考に最後までチャレンジしましたが富澤選手や須長選手にはかなわず、次のパリ目指して新クラスのiQFOiLへ移りました。
iQFOiLは艇速がつくと水面下の翼が働いてウインドサーフィンが水面から浮くフォイリング状態になり、スピードも倍増です。新種目での出だしはアジアの他国よりも早かったので、3月からの欧州遠征や国内での調整を経て、中国・杭州で開催されるアジア競技大会を目指します。セーリング競技は寧波(杭州から230㎞離れています)で実施されます。

関東首都圏で雪や冷たい雨が降るコンディションの最終日でしたが、3日間、充実した10レースができました。寒い中、運営をしていただいた皆様、大会にご支援いただいた横須賀市、地元クラブの大学OBの皆様、施設を利用させていただきましたTEARS様、ありがとうございました。

最終成績

男子
1位 富澤慎 8ポイント
2位 池田健星 14ポイント
2位 倉持大也 25ポイント

女子
1位 大西富士子 11ポイント
2位 須長由季 15ポイント
3位 新嶋莉奈 20ポイント

大会成績(https://jw-a.org/5359) 大会成績表(PDF) 2022年アジア大会代表選考 ⽇本代表選⼿選考順位・選考得点表(PDF)
▲天候は雨。14ノット吹いているのでD旗が上がり出艇です
▲フィニッシュ後池田
▲第8レース1上
▲男子トップ3 左から富澤選手、池田選手、倉持選手
▲今大会1位の富澤選手
▲U21男子1位の穴見賢太選手
▲U21女子1位の佐伯紗菜選手
▲女子1位の大西富士子選手
▲帰着直後の新嶋莉奈選手(iQFOiLはヘルメット着用、ライフジャケットのようなプロテクターも着用です)寒かった…
▲賞をもらった6名

Report by 宮野幹弘

大会2日(2月12日)

午前9時半のスタートで3レースを実施しました。その後、第8レースとなる4レース目が始まる前に12ノット前後だった風が不安定になりながら落ちてしまい、AP+H旗が上がり浜へ戻りました。弱い風でもスラロームができるコンディションであれば1レースをやろうと待機しましたが、結局、風は上がらず、13時35分にAP+A旗が掲揚され本日のレースは終了となりました。

男子:本日3レース
第5レースは安定した北東の風だったこともあり、富澤慎選手が昨日同様の走りでトップをキープしました。第6レースになるとエリア内で強弱やシフトが増え、前を走っていてもエアポケットにはまる展開が出始めました。
このレースでは池田健星選手が難しい風をよく見て走り、トップをとりました。第7レースになると、エリア内ではもっと変化が増えましたが、富澤選手、池田選手に続いて金上颯大選手が3位に入る健闘でした。

女子:本日3レース
厳しい争いが続いている中、第5、6レースで連続1位をとり、第7レースでも2位だった大西富士子選手が崩すことなく、3レースをまとめてトータルでトップに立ちました。
第5レースでは山辺未希選手が3強に割って2位でフィニッシュしました。
第6レースでは新嶋莉奈選手が崩し手捨てレース。
第7レースではトップを走っていた須長由季選手がエアポケットにはまり、後続艇に一気に抜かれてしまい、捨てレースを作ってしまいました。後続艇の中から抜けてトップをとったのは渡辺由季選手でした。

高校生やU21の穴見賢太選手、金上選手、佐伯紗菜選手が頑張り、上位に入ってきています。

明日は9時半スタート予定で、3レースを予定しています。14時30分がタイムリミットですが、予報では雨か雪が次第に強まるということです。帆走指示書の変更が出され、4~7レースは1カット、8レース以上が2カットの得点になります。明日のレースでアジア大会代表が決まりますが、女子からは1レースも目が離せません。

本日までの上位3位

男子
1位 富澤慎 6ポイント
2位 池田健星 12ポイント
2位 倉持大也 18ポイント

女子
1位 大西富士子 10ポイント
2位 須長由季 13ポイント
3位 新嶋莉奈 14ポイント

大会成績(https://jw-a.org/5359)
▲新嶋選手 2上回航へ
▲須長選手1位で下マーク回航
▲富澤選手と金上選手
▲第1レース池田選手下マーク回航
▲男子スタート

Report by 宮野幹弘

大会初日(2月11日)

神奈川県・三浦海岸津久井浜をベースに、男子11艇、女子6艇が参加して、選考大会①の全日本に続いて、2回目の選考大会が始まりました。首都圏で大雪の予報が出ていた中、三浦半島は雨もやみ、朝から晴れ間が見えました。
13時から4回のコースレース(ウインドサーフィンではアップウインドのコースがあるコースレースと、ダウンウインド中心のスラロームの2種類のコースを風速によって選択してレースをします)を、北東の風14-18ノットのガスティーなコンディション下で行いました。

男子:本日4レース
選考1回目の全日本選手権を骨折のために欠場した富澤慎選手ですが、本レースには3月の欧州大会のレース感覚を取りもどすために出場しています。20ノット近いガスティーな風で走りにくい場面もありましたが、オールトップの快走でした。
全日本チャンピオンの池田健星選手と2位の倉持大也選手は一進一退のレースになっています。高校生の穴見賢太選手が1レースで4位をとる健闘を見せました。

女子:本日4レース
見ごたえのある1日でした。
代表を狙う上位3選手が3レースを終えた時点で同点。しかも、それぞれが1位、2位、3位を1回ずつとるという内容で、4レース目では須長由季選手が1位をとり、今日が終わった時点でトップになりました。全日本チャンピオンの新嶋莉奈選手が2位、2006年アジア大会代表だった大西富士子選手が3位に続いています。

11日は9時半スタート予定。1日の最大レース数は4レースです。今日よりも風が弱くなればスラロームコースが実施される可能性があります。

大会成績(https://jw-a.org/5359)
須長選手

Report by 宮野幹弘