大会4日目(2月27日)

杭州アジア大会のセーリング競技代表選手選考会は江の島で6クラス、宮古島で1クラス、先に神奈川県・津久井浜で実施されたウインドサーフィン2クラスの合計9種目が終了しました。東京五輪代表選手から、パリやロスを目指す高校生選手達が集まり、少数ながらも緊迫した選考会となりました。代表は1チームだけで、厳しい選考になりましたが、選考にもれた選手達も引き続き、パリ目指してしっかり活動を続けてほしいと思います。

470 Mix(5艇参加)

男女混合になった470 Mixですが、東京大会代表チームが組み替えて、全日本で優勝した岡田奎樹・吉岡美帆組が代表になりました。今選考レースで1位の高山大智・盛田冬華と選考得点は同点になりますが、その場合は全日本の勝者が代表になるきまりです。吉岡選手は前回ジャカルタ大会での金メダリストで、岡田選手はOP級で2010年広州大会に出場しました。

1位高山大智・盛田冬華(ヤマハ発動機)
1-1-1-1-3-UFD-3-2 12点

2位岡田奎樹・吉岡美帆(トヨタ自動車東日本・ベネッセホールディングス)
2-2-3-4-2-3-2-1 15点

3位吉田愛・木村直矢(Cabc’S Group・ピアソンマリンジャパン)
5-5-2-3-1-1-1-3 16点

4位市野直毅・福田桃奈(JFE商事・立教大学)
4-4-5-2-4-2-5-5 26点

5位中山由菜・池田隼太(日本大学)
3-3-4-5-5-4-4-4 27点

49er男子(3艇参加)

古谷・高柳組が貫禄勝ちでした。古谷選手は49er、高柳選手は470男子で、前回大会の金メダルです。今回、強風では若手を寄せつけない走りでしたが、HOPE育成プログラムにて育成されてきた若手2チームにも軽風では苦しめられる場面がありました。軽風が想定される寧波なので、連覇を目指して若手を他国代表にみたてて練習を続けていくことでしょう。

1位古谷信玄・高柳彬(エスピーネットワーク)
1-1-3-1-2-1-1-2-1 10点

2位吉井稀世輝・上園田心太浪(なし、佐賀県セーリング連盟)
3-2-1-DSQ-3―2―2-1―2 16点

3位嶋倉照晃・遠藤海七希(霞ヶ浦高校・湘南学園)
2-3-2-2-1-3-3-3-RET 19点

49erFX女子(3艇参加)

田中・永松組と山崎・髙野組は同点で、タイを解くのは最終レースの上位となり、田中組が代表に決まりました。470で東京を目指した田中選手とFXで目指していた永松選手にとって、初めての大舞台に向かうことになります。東京の予選が終わってから、早めにスキフへ転向した田中選手なので、練習の成果がでました。

1位田中美紗樹・永松瀬羅(豊田自動織機)
3-2-1-2-1-2-1-2-1 12点

2位山崎アンナ・髙野芹奈(日本体育大学・Nabtesco/関西大学)
2-1-2-1-2-1-2-1-2 12点

3位松苗幸希・齋藤由莉(建新・なし)
1-3-3-3-3-3-3-DNF-3 22点

Nacra 17(2艇参加)

ナクラはオリンピック代表で経験豊富な飯束選手とユースワールド代表にもなった西田カピーリア選手が順当に代表に決まりました。西田選手はタフで、持ち前のパワーを生かしてナクラのトリムをこなします。高校生時代、29erでユースワールドにも出場し、HOPE育成でのFX級をへてナクラのクルーになりました。より力強い走りが見られそうです。

1位飯束潮吹・西田カピーリア桜良(エスピーネットワーク・関西大学)
1-1-1-1-1-1-1-1 7点

2位渡部雄貴・植田実(なし・なし)
2-2-2-2-2-2-2-DNF 14点

ILCA7男子

鈴木選手はユースからあがってきたHOPE選手で、国際大会での入賞もあります。東京の代表選考でも最後まで選考で争い、その後も代表選手のサポートでコロナ禍でもとぎれることなく練習してきました。3月からクロアチアで世界のトップクラスの選手と合同練習に遠征し、5月はメキシコで世界選手権となります。アジアにはILCAの強豪が複数いますが、その中に割って入れる選手です。怖いもの知らずのヤングパワーに期待します。

1位鈴木義弘(早稲田大学・明治安田生命)
2-1-4-3-1-1-1-2 11点

2位樋口碧(三井住友海上火災保険)
4-2-3-1-3-2-4-1 16点

3位瀬川和正(鳥取県スポーツ協会)
3-3-1-2-2-4-3-2-4 18点

4位黒田治渡(津工業高校・Nabtesco)
1-4-2-4-2-4-3-3 19点

5位神谷空弥(豊田自動織機)
5-5-5-5-5-5-5-5 35点

ILCA6女子

国体で何度も優勝している冨部選手が追従されながらも逃げ切りました。国際大会にも10年近くチャレンジしてきましたが、高校生の三浦選手と昨年12月に世界選手権にも参加し、パリ五輪へ向けて日本選手を牽引しています。ILCA6は中国、マレーシアが強敵になります。

1位冨部柚三子(福井県スポーツ協会)
3-1-1-3-3-2-1-1 12点

2位山本佑莉(岡山県牛窓海洋スポーツ振興会)
1-2-4-1-2-3-3-4 16点

3位三浦帆香(霞ヶ浦高校)
4-4-2-2-1-4-2-2 17点

4位小屋英美里(江の島フリート)
2-5-3-5-5-1-4-3 23点

5位柿元麻衣(豊田自動織機)
5-3-5-DNF-4-4-5-5-5 31点

コロナ禍で滞っていた海外大会への参加も4月1日からスペイン・パルマで開催されるプリンセスソフィア杯をスタートに元に戻り始めます。
選ばれた選手達は練習を重ね、9月のアジア大会へしっかり準備をして、全種目表彰台を目指します。真冬の江の島で、超微風から南西サバイバルまで全コンディションで運営をしてくださった皆さまに御礼申し上げます。

Report & Photo by オリンピック強化委員会

大会3日目(2月26日)

予報どおり、吹きの4レースとなりました。1時間の陸上待機の後、南の風が強まる中、藤沢エリアで470とILCA6&7、鎌倉エリアで49er/FX/Nacra17が各4レースずつ実施しました。最大で20ノットを超えるガストが入るようになり、シフトもあり、選手も運営メンバーもくたくたになる1日ながら、いいレースができました。

470 Mix(5艇参加)

本日4レース行われ上位3チームによる白熱した三つ巴戦が展開されました。その中でも吉田・木村組が三連続トップフィニッシュを決めて、力強いセーリングを魅せました。
「男女ペアになって、クルーのパワーが違うので、今日も楽しかったです」(吉田選手)。
最終日となる明日は強風予報なので、激しいコンディションの中での選手の駆け引きや、1ポイントを争う際どい接戦が予想され最後まで目が離せません。

1位高山大智・盛田冬華(ヤマハ発動機)
1-1-1-1-3-UFD-3-2 12点

2位岡田奎樹・吉岡美帆(トヨタ自動車東日本・ベネッセホールディングス)
2-2-3-4-2-3-2-1 15点

3位吉田愛・木村直矢(Cabc’S Group・ピアソンジャパンマリン)
5-5-2-3-1-1-1-3 16点

4位市野直毅・福田桃奈(JFE商事・立教大学)
4-4-5-2-4-2-5-5 26点

5位中山由菜・池田隼太(日本大学)
3-3-4-5-5-4-4-4 27点

49er男子(3艇参加)

古谷・高柳組は第8レースで沈をして2位になったものの、それ以外は半レグほど離す走りで、風が強くなるほど差が広がりました。若手2チームは走るのが精一杯で、今後の課題がはっきりしました。それでも、江の島の波を走りきれたので、時間をかけて課題を克服いけると思います。辛抱が肝心です。

1位古谷信玄・高柳彬(エスピーネットワーク)
1-1-3-1-2-1-1-2-1 10点

2位吉井稀世輝・上園田心太浪(なし、佐賀県セーリング連盟)
3-2-1-DSQ-3―2―2-1―2 16点

3位嶋倉照晃・遠藤海七希(霞ヶ浦高校・湘南学園)
2-3-2-2-1-3-3-3-RET 19点

49erFX女子(3艇参加)

田中・永松組と山崎・髙野組が譲れない戦いを続けています。今日は4レースを行いましたが、レースごとに1位と2位が入れ替わり、フィニッシュするまでどちらが勝つかわからない接戦になりました。R8は田中組が遅れを取り戻せず山崎組に軍配があがりましたが、R9では先行する山崎組を田中組が粘り強く追い上げてフィニッシュまでに逆転し、総合では同点タイで並び、今日のバトルを終えました。明日、決着がつきます。

1位田中美紗樹・永松瀬羅(豊田自動織機)
3-2-1-2-1-2-1-2-1 12点

2位山崎アンナ・髙野芹奈(日本体育大学・Nabtesco/関西大学)
2-1-2-1-2-1-2-1-2 12点

3位松苗幸希・齋藤由莉(建新・なし)
1-3-3-3-3-3-3-DNF-3 22点

Nacra 17(2艇参加)

本日は南風の中4レースを行い、R5の途中から風が吹き上がり、最後は20ktのハードなコンディションになりました。レース内容としては終始、飯束・西田カピーリア組がリードをする展開で4レース全てをトップフィニッシュでまとめました。昨日までの軽風レースとは一変しましたが、強風域でもその安定したボートスピードを武器に戦っていました。
渡部・植田組は、ナクラに乗り始めてから短い期間でありながらも、厳しいコンディションの中で、最後まであきらめずに走りきりました。

1位飯束潮吹・西田カピーリア桜良(エスピーネットワーク・関西大学)
1-1-1-1-1-1-1-1 7点

2位渡部雄貴・植田実(なし・なし)
2-2-2-2-2-2-2-DNF 14点

ILCA7男子

昨日までの胃が痛くなる混戦のシリーズを、鈴木が快心の走りで終わらせ、頭ひとつ抜け出しました。強目の風になった今日のコンディションで冷静にスタートし、素直にシフトを使ってクローズホールドを走っていたのが印象的でした。昨日、ベストスコアだった瀬川はうまくシフトに合わせることができず、スコアを崩してしまいました。

1位鈴木義弘(早稲田大学・明治安田生命)
2-1-4-3-1-1-1-2 11点

2位樋口碧(三井住友海上火災保険)
4-2-3-1-3-2-4-1 16点

3位瀬川和正(鳥取県スポーツ協会)
3-3-1-2-2-4-3-2-4 18点

4位黒田治渡(津工業高校・Nabtesco)
1-4-2-4-2-4-3-3 19点

5位神谷空弥(豊田自動織機)
5-5-5-5-5-5-5-5 35点

ILCA6女子

昨日までの2日とはうってかわってハイクアウト・コンディションとなりました。
風は強いのにシフトが大きく、順位の変動も多い状況でした。その中で今日は冨部が手堅く、昨年から誰よりも乗り込んだ成果を出して、総合でも1位にあがりました。また、風をしっかり見て走った小屋も今日はこのシリーズで一番いい走りを見せました。

1位冨部柚三子(福井県スポーツ協会)
3-1-1-3-3-2-1-1 12点

2位山本佑莉(岡山県牛窓海洋スポーツ振興会)
1-2-4-1-2-3-3-4 16点

3位三浦帆香(霞ヶ浦高校)
4-4-2-2-1-4-2-2 17点

4位小屋英美里(江の島フリート)
2-5-3-5-5-1-4-3 23点

5位柿元麻衣(豊田自動織機)
5-3-5-DNF-4-4-5-5-5 31点

明日は10時スタートです。さらに強風が予想され、残りのレースがしっかりできることを祈ります。

▲ナクラのスタート
▲49erのスタート
▲470のスタート
▲470 吉田・木村組 今日は3回連続トップでした
▲ILCA6 三浦選手のトップフィニッシュ
▲49er R7 スタート
▲吹き上がりだした中でのNacra17
▲49erも波で飛ぶ
▲ILCA7 鈴木選手が頭ひとつ抜け出した
▲49erの古谷組は沈してもあきらめず2位でフィニッシュ

Report & Photo by オリンピック強化委員会

大会2日目(2月25日)

9時半のスタート予定で、7時半頃からハーバーに集まりましたが、吹いているはずの北風はなく、穏やかな太陽の日差しを浴びながら、陸で風待ちとなりました。気温が早く上昇したせいか、風が南へ回る時間が早く、12時5分にAPが降下され、470Mix、ILCA6&7は江の島エリアで2レース、鎌倉エリアでは49er、FXが3レース、Nacra 17は2レースを実施しました。R3が終わる頃には一度風が弱まり、変化がありましたが、その後は220度で安定しました。

470 Mix(5艇参加)

今日は軽風で左右に大きくシフトする2レースでしたが、高山・盛田組は昨日同様に1-1のスコアでしっかりとまとめることができ、レース序盤に後ろから上位に上がってくる展開が冴えていました。
470クラスは2日目で4レースを終了し、明日から後半戦となります。アジア大会と同様に少ない艇数の中で1点の重みがある選考大会となりますので、各チームとも凌ぎを削り合い、闘い抜いてほしいと思います。

1位高山大智・盛田冬華(ヤマハ発動機)
1-1-1-1

2位岡田奎樹・吉岡美帆(トヨタ自動車東日本・ベネッセホールディングス)
2-2-3-4

3位吉田愛・木村直矢(Cabc’S Group・ピアソンジャパンマリン)
5-5-2-3

4位市野直毅・福田桃奈(JFE商事・立教大学)
4-4-5-2

5位中山由菜・池田隼太(日本大学)
3-3-4-5

49er男子(3艇参加)

R3は弱い風の中、古谷・高柳組が崩してしまい、吉井組、嶋倉組が前で入りました。
R4は古谷組が順当にトップを守りました。R5は嶋倉・遠藤組が最初からトップを守り、1位でフィニッシュしました。古谷組は大きく遅れたものの、何とか挽回して2位でフィニッシュしました。風の読みが大切なレースでしたが、嶋倉・遠藤組の走りが光った日でした。
レース後、古谷組と吉井組が3件のプロテストで審問があり、R4で吉井組がDSQとなり、残りの2件は却下でした。アジア大会もプロテストによる審問になることが多く、2018年のジャカルタ大会で他国がプロテスト出し合ってDSQになる間に、古谷・八山組が金メダルを決めた記憶がよみがえりました。

1位古谷信玄・高柳彬(エスピーネットワーク)
1-1-3-1-2

2位嶋倉照晃・遠藤海七希(霞ヶ浦高校・湘南学園)
2-3-2-2-1

3位吉井稀世輝・上園田心太浪(なし、佐賀県セーリング連盟)
3-2-1-DSQ-3

49erFX女子(3艇参加)

軽風の中でいかにブローをとれるかが勝負の鍵になりました。ストラテジーと相手をカバーする意識のバランスが難しく、どちらに優先順位を置くかを選択しにくいレースでした。田中・永松組と山﨑・髙野組が、互いを意識し合いながらもセパレートして負ける場面が見られました。

1位田中美紗樹・永松瀬羅(豊田自動織機)
3-2-1-2-1

2位山崎アンナ・髙野芹奈(日本体育大学・Nabtesco/関西大学)
2-1-2-1-2

3位松苗幸希・齋藤由莉(建新・なし)
1-3-3-3-3

Nacra 17(2艇参加)

今日は2レース実施。第3レースは、3~5ktの微風で神経戦になりました。途中、渡部・植田組がうまく風を掴んで今レガッタで初めてリードする場面もありましたが、走りで安定する飯束・西田カピーリア組をカバーしきれず、飯束組が先にフィニッシュしました。
第4レースは少し風が安定し5~6ktのコンディションとなり、スタートから飯束組がリードする展開で、その後も安定した走りと手堅いコースでトップを守りました。
ナクラ級は4レースとも風が不安定なレースが続いているので、風を読むことはもちろんのこと、相手艇に対してのポジショニングや手堅いタクティクスを守ることが勝敗を決める要因になっていると感じました。

1位飯束潮吹・西田カピーリア桜良(エスピーネットワーク・関西大学)
1-1-1-1

2位渡部雄貴・植田実(なし・なし)
2-2-2-2

ILCA7男子

瀬川が冷静に風をつかんで1-2と走り、昨日の遅れを取り戻しました。昨日、落ち着いてレースをしていた鈴木は歯車がかみ合わず4-3として、レースは振出しへ戻ったような状況です。1-4位までは1点差で並び、明日からも気の抜けないレースが続きます。

1位瀬川和正(鳥取県スポーツ協会)
3-3-1-2-2

2位樋口碧(三井住友海上火災保険)
4-2-3-1

3位鈴木義弘(早稲田大学・明治安田生命)
2-1-4-3

4位黒田治渡(津工業高校・Nabtesco)
1-4-2-4

5位神谷空弥(豊田自動織機)
5-5-5-5

ILCA6女子

今日は強弱のある海面で、三浦選手がいい走りをしました。両レースともレースをリードしましたが、最後に抜かれてしまい、残念でした。特に第4レースは最後の下マーク手前で山本選手に抜かれてしまい、悔しさいっぱいです。冨部選手と山本選手が同点ですが、山本選手が1位にたっています。

1位山本佑莉(岡山県牛窓海洋スポーツ振興会)
1-2-4-1

2位冨部柚三子(福井県スポーツ協会)
3-1-1-3

3位三浦帆香(霞ヶ浦高校)
4-4-2-2

4位小屋英美里(江の島フリート)
2-5-3-4

5位柿元麻衣(豊田自動織機)
5-3-5-DNF

明日は朝は弱い北風、その後、南へ回り、強まる予報です。
スタート時刻は10時、4レースを予定します。

▲49er R3スタート
▲470 高山・盛田組 トップフィニッシュ3回目
▲ILCA6 R3で冨部のトップフィニッシュ
▲470 スタート前の攻防
▲49erFX 山崎・髙野組のトップフィニッシュ
▲弱風でコースが短いので江の島エリアでのレース。陸から見えました
▲ILCA7 初日の出遅れを取り戻した瀬川選手
▲49erFXのスタート
▲Nacra17逆転してフィニッシュの飯束・西田組
▲ILCA6 同点首位の山本選手
▲49er トップフィニッシュの嶋倉・遠藤組、今日はよく走りました
▲ILCA7 やっと笑顔の瀬川選手

Report & Photo by オリンピック強化委員会

大会初日(2月24日)

10時スタート予定で、470Mix、ILCA6&7の3クラスはC海面、49er /FX/NacraはCX海面にて2レースを行い、13時半を回る頃にAP+A旗が上がり、後日延期となりました。
徐々に弱まる北風の中で各クラス2レースができました。

470 Mix(5艇参加)

アジア競技大会選考大会だけに緊迫したレースが接戦の中で展開されました。R1では上位陣がマーク変更に気づけず順位の入れ替わりもありました。次世代選手の成長を確認できる健闘ぶりもあり、パリに向けての新しい息吹を感じることができ、明日からのレース展開も楽しみです。

1位高山大智・盛田冬華(ヤマハ発動機)
1-1

2位岡田奎樹・吉岡美帆(トヨタ自動車東日本・ベネッセホールディングス)
2-2

3位中山由菜・池田隼太(日本大学)
3-3

4位市野直毅・福田桃奈(JFE商事・立教大学)
4-4

5位吉田愛・木村直矢(Cabc’S Group・ピアソンジャパンマリン)
5-5

49er男子(3艇参加)

古谷・高柳組がスタートから飛び出し、難しい風の中でもしっかりブローをとらえて独走態勢に入り、2018年アジア大会金メダリストの貫禄を見せました。若手の新チームは結成から時間が短く、まだまだミスが多いものの、2艇で争いながら古谷組を追っています。ユースワールドで世界を見てきた選手たちがオリンピック目指してパスウェイの第1歩となる予選大会で、明日からも古谷・高柳組にくらいつくレースを続けます。

1位古谷信玄・高柳彬(エスピーネットワーク)
1-1

2位吉井稀世輝・上園田心太浪(なし、佐賀県セーリング連盟)
3-2

3位嶋倉照晃・遠藤海七希(霞ヶ浦高校・湘南学園)
2-3

49erFX女子(3艇参加)

風の変化と強弱がある中で、山崎・髙野組が初日を2-1でまとめました。R1は最初にいい風をつかみ、2上まではトップでしたが、松苗・齋藤組が最終レグでさらにいい風をつかみ逆転しました。R2は最後のレグで風が弱くなり、後ろが前に追いつきフィニッシュでは誰がトップかわからないくらいの僅差でした。3艇は1ブローで順位が入れ替わる混戦になっています。明日からも僅差が予想されます。

1位山崎アンナ・髙野芹奈(日本体育大学・Nabtesco/関西大学)
2-1

2位松苗幸希・齋藤由莉(建新・なし)
1-3

3位田中美紗樹・永松瀬羅(豊田自動織機)
3-2

Nacra 17(2艇参加)

東京オリンピック代表で練習量でも勝る飯束・西田組が圧倒的なスピード差で2レースともトップフィニッシュでした。西田選手は29erクラスのクルーでユースワールドに出場し、昨年まではHOPE育成でFXクラスでの練習も重ねてきた選手で、ナクラへ転向してから短い期間ながら基本をしっかり身につけてきました。
一方、今年から新チームを結成したばかりの渡部・植田組は、クルーの植田選手がバレーボールから転向したばかりで、慣れないヨットでありながらも持ち前の身体能力で走り切り、今後の成長が楽しみなチームです。

1位飯束潮吹・西田カピーリア桜良(エスピーネットワーク・関西大学)
1-1

2位渡部雄貴・植田実(なし・なし)
2-2

ILCA7男子

鈴木選手が難しい海面の中で、落ち着いたレースをしました。R1でトップを取った黒田選手は快心の走りでしたが、R2は雑なレースで我慢しきれない展開になりました。3位の樋口選手は風をよく見てレースを組み立てていました。前回アジア大会代表の瀬川選手は良い走りを見せながらも要所でミスがでて、明日からの巻き返しを狙います。

1位鈴木義弘(早稲田大学・明治安田生命)
2-1

2位黒田治渡(津工業高校・Nabtesco)
1-4

3位樋口碧(三井住友海上火災保険)
4-2

4位瀬川和正(鳥取県スポーツ協会)
3-3

5位神谷空弥(豊田自動織機)
5-5

ILCA6女子

北寄りの風でシフトとむらの多い中、マークごとに順位が入れ替わる展開でした。R1はダブルハンドからILCAへ転向してきた山本選手がトップフィニッシュしました。R2は途中から風が弱まり、残った風の中で下マークで団子状態となり、4艇が並んでしまいました。そこから抜け出した冨部選手が1位で入りました。

1位山本佑莉(岡山県牛窓海洋スポーツ振興会)
1-2

2位冨部柚三子(福井県スポーツ協会)
3-1

3位小屋英美里(江の島フリート)
2-5

4位柿元麻衣(豊田自動織機)
5-3

5位三浦帆香(霞ヶ浦高校)
4-4

寒かった2月も終盤に入り、今日は日差しに強さが戻り始めました。北風が弱まるのが早く、早い時間にレースをすることを想定してスタート時刻が早まります。明日は9時半に第3レースをスタート、全4レースを予定しています。

▲リードする高山・盛田組
▲ILCA6、第2レースのフィニッシュで抜け出した冨部選手
▲49erFX女子の山崎・髙野
▲Nacra17の飯束・西田カピーリア組
▲ILCA7男子の鈴木選手
▲接戦の470クラス、フィニッシュ前
▲ILCA6のスタート
▲49er男子スタート、風下から抜け出す古谷組
▲FX女子スタート

Report & Photo by オリンピック強化委員会