8月21日 最終日

本日は、決勝レース11時、メダルレースがブリーフィングと計測の後 12時の予定で組まれました。

決勝レース レースエリア1 コースLR2
岸寄りにショートコースでマーク設定され行われました。
アウター寄りから気合十分な好スタートを決め、有利サイドで1〜3位争いを展開しながら1マークへ。風が落ち始めパフィなコンディションとなりましたが丁寧に風を掴み、形成された上位集団の中で攻守を使い分けながら3位でフィニッシュ。素晴らしい最終レースとなりました。小西・有田組は、男子ペア1位には惜しくも5点届かず2位、総合14位で大会を終えました。

メダルレース レースエリア1 コースLR2
決勝レースに引き続き行われました。Min8knot/s〜Max14knot/sの風が左右から断続的に入る難しいコンディション。
スタートシークェンスで、トップのフランスが2位のオーストリアへ仕掛け、その際にペナルティーを受けたオーストリアは、このレースで精彩を欠く展開となってしまいました。
中山・池田組は本部船寄りから好スタートをし、ハイレベルな上位集団の中で一歩も引けを取らないセーリングスピードとレース展開を続けます。レース前に「メダルレースに10位というポジションで挑むので、1位を取って帰ってきます!」と元気にコメントしてくれたチームの言葉通り、1マーク回航時にO旗が揚げられ、更に激しく競り合い密集する上位集団に果敢に攻め肉薄し、7位でフィニッシュ。
総合10位で大会を終えました。

選手コメント
中山 由菜

淡水の湖で初めてレースをし、風の見え難さとボートスピードの感覚修正に時間がかかってしまった。上位のチームはレースの展開を組み立てるのが上手く、周りの状況を冷静に見極めているように感じた。これは自分達のチームに足りていない部分だと今大会で強く感じたとともに、帰国してから取り組むべき課題が明確になった。10位という結果は悔しいが、大会の中で成長する自分を感じることもできたので、この感覚を忘れないようにし、帰国後の練習に励んでいきたい。

池田 隼太
上位チームのレース展開は自分達に比べリスクは少ないが要所を押さえる展開で、確実に上位へ上がっていく姿が印象的だった。その様子を自分達に置き換え、今後のレースで活かしていけるよう練習に取り組んでいきたい。
自分達の得意な風域で、自分達のボートスピードが世界で通用することが確認でき、大会中に冷静になれるきっかけとなったことが嬉しかった。帰国後も再現できるように、今以上に感覚を磨いていきたい。

小西 健治
社会人1年目で長期休みをもらい、いろんな人に支えてもらわなければ実現しなかった大会参加で、Menクラス2位・総合14位という成績には嬉しさ半分悔しさ半分です。
世界選手権という舞台に立ち、海外選手のいろんなセーリングを見ることができ、その違いが毎日刺激的で、自分は「ヨットが好きだ」という気持ちを強く感じることができた。
今後もヨットというスポーツに携わっていけるよう、活動を続けていきます。
帰国したら真っ先に応援して下さった皆様に感謝の気持ちを伝えたいと思います。後輩達に自分が経験した刺激的な話を伝えられたら良いなと思っています。

有田 功樹
新しい気付きや学びの多い大会でした。
レース中は、チャンスを見逃してしまったことに事後に気付いて悔しいシーンが多かったが、徐々に修正することができ、自分の成長を実感できた。自分に足りていないことや修正すべきことを自己分析やチームでの話し合い、コーチングを受ける中で改善できたことも今回の学びでした。
世界の舞台で戦える機会が得られるよう、帰国後も課題に取り組んでいきたいです。

今大会は参加艇数こそ少なかったものの、ハイレベルな大会であったと思います。特にメダルレースに残ったチームは、前年度に同世代の大会で上位入賞をしている強豪チームであり、今後の470シーンのみならず、世界のセーリングシーンで頭角を現すであろうと思える強さを感じました。
今大会では、2018年に他界された重由美子選手の功績を偲び、インターナショナル470クラス協会より優勝したフランスチームのクルーにShige Yumiko杯が授与されました。授与の際に、故人の輝かしい偉業に聴き入る参加選手の表情がとても印象的でしたし、偉大な選手であり指導者であった故人が多方面で活躍され、非常に大きな存在であったことを再認識しました。

日本チームは今大会での経験と学びを日本へ持ち帰り、周りの選手に刺激を与え、共に切磋琢磨し「強い日本チーム」として再び世界へ挑んで欲しいと思います。
6日間、温かい応援をいただき有難うございました。

大会成績【予選シリーズ最終結果(8レース総合)】
10位中山 由菜・池田 隼太(日本大学)
15-9-18-7-9-(22)-8-10-MR14

14位(Men2位)小西 健治(株式会社メディクルード)・有田 功樹(中央大学)
8-16-(25)-21-13-13-7-22-FR3

大会サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race) 大会成績サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race-resultsall)
▲MRスタートシークエンスのワンシーン。AUTチームはFRAチームに仕掛けられ、コントロールを失った状態でTURチームとインシデントを起こしてしまいペナルティーを受けました
▲1マークでO旗が掲揚され、レース展開の激しさを増す上位集団
▲中山・池田組。総合10位で大会を終えました
▲小西・有田組。Menクラス2位で大会を終えました
▲表彰式にて。総合1位フランス、準優勝ポーランド、3位オーストリア。オーストリアチームはU-21クラス優勝
▲Shige Yumiko杯授与

Report & Photo by 辻寛基・波多江慶

8月20日 予選シリーズ5日目

昨晩の雷雨の余波で雨が朝から降っています。空は少しずつ明るくなり、次第に風も落ち着いてきました。
大気が不安定なため、風向・風速が安定せず、陸上でAP旗が掲揚され陸上待機となります。

予選シリーズ第9レース
長い風待ちの後、13:52にD旗が掲揚されレースエリア1へ出艇。北寄りの風が5knot/sほど吹いていますが、風向が定まりません。
15:10 AP+H旗が掲揚され、一旦、ハーバーへ戻ります。レース数を1レースでも多く行いたいところですが、その後も風は安定して吹いてこず、16:30 AP+A旗が掲揚され、本日のレースが終了したとともに、予選シリーズの終わりを告げました。
シリーズ中盤から後半戦にかけて修正点を着実に改善し、良いレース展開ができるようになってきていただけに、順位を上げるチャンスが巡ってこず悔しさが残る5日目となりました。

明日は上位10チームによるメダルレース、それ以降のチームによるファイナルレースが行われる予定です。大気が不安定な状態が続くため、雷が突発する可能性もある予報となっています。思いの丈を最終レースにぶつけられるよう、今シリーズの経験と気持ちの整理をブリーフィングで行い、明日を待ちます。

引き続き皆様の応援宜しくお願いします。

大会成績【予選シリーズ最終結果(8レース総合)】
10位中山 由菜・池田 隼太(日本大学)
15-9-18-7-9-(22)-8-10

15位(Men2位)小西 健治(株式会社メディクルード)・有田 功樹(中央大学)
8-16-(25)-21-13-13-7-22

大会サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race) 大会成績サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race-resultsall)
▲風向・風速が安定せず、湖上で風待ちとなりました
▲一旦、ハーバーへ帰着となりますが、この後も風は安定せず

Report & Photo by 辻寛基・波多江慶

8月19日 予選シリーズ4日目

スタート予告予定を8:30に早め、7:30に出艇しレースエリア2へ向かいます。予報よりも東寄りの風が朝から吹いており、オンタイムでレースが行えそうです。

予選シリーズ第7・8レース
レースエリア2でのマーク設定は地形の影響を大きく受けるため、風軸の僅かな変化を察知し、左右エンドの優劣を見極めることが重要なレース展開となります。昨日の経験を基に、対策をしっかりと練っていたため、両チームとも自信を持ってレースプランを組み立てました。その自信がスタート時に現れ、両チームとも素晴らしいスタートから上位で周回します。
風向が安定しているため上位から中位までの距離差は無く、各マークは混戦での回航となり、周囲の状況把握と瞬時の判断・行動が順位変動へ直結する緊迫したレース展開がフィニッシュ前まで続きました。
この2レースを終えて、中山・池田組は8位のスペインまで15点差の10位。小西・有田組は徐々に点差を詰め男子ペア1位(総合12位)と11点差で2位、総合で15位となりました。

予選シリーズ第9レース
厚い雲の接近に伴い、風が180度変わり、マーク設定し直しますが風向が安定せずAP+A旗が掲揚され、本日のレースが終了しました。

安定した風向・風速の中、世界の同世代と十分に戦える手応えを両チームともに感じることができた1日でした。反面、変化が起こった際の状況把握能力とレース展開への反映が遅いことに関し、ブリーフィングで修正をし、明日の予選最終日へと繋げました。

引き続き皆様の応援宜しくお願いします。

大会サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race) 大会成績サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race-resultsall)
▲朝の準備風景
▲小西・有田組、中山・池田組ともにグッドスタートを決めて1マークを目指します
▲小西・有田組はマーク際で冷静に状況判断をし、順位を上げて7位でフィニッシュしました

Report & Photo by 辻寛基・波多江慶

8月18日 予選シリーズ3日目

朝から北東の風が吹く中、レースエリア2(Tihanyの南西部)にてレースを行う旨の通達。(理由は、北東の風がTihany半島で収束し、弱い風でも安定した風が吹き、レースが行えると予想したため。)

予選シリーズ第6レース
レースエリアに吹く収束した風は、有利サイドを明確に分けており、スタートから有利サイドへいかに早く到達できるかが明暗をつけました。その有利サイドも風軸の変化で移行するため、選手は時系列で風の入り方を予測しレースプランを組み立て、実行に移す正確性が問われました。
コースはインナーコース。スタートの成功率が上がった両チームは、自身のプラン通りにレースを展開していき、マーク際で順位変動こそあったものの上位で回航していきます。しかし、最終レグに差し掛かったところで風が一気になくなり、局地的に入った風で後続艇が差を詰めてくる展開となり、小西・有田組 13位、中山・池田組 22位でフィニッシュ。たらればですが、あと5分間おなじ風が吹き続けていてくれていれば、良いレース展開から両艇とも上位でフィニッシュできていたため悔やまれます。
引き続き第7レースをLR2コースにて行おうとしますが風が安定せずハーバーバック。陸上で風待ちをしますが14:50にAP+A旗が掲揚され、本日のレースは終了となりました。

後半戦に向けて良いレース展開ができるようになってきました。修正点を細分化し、確実に修正ができている様が順位に繋がってきており、各選手もポジティブにレースへ取り組めています。明日は8:30にスタート予告時間を変更し行われる予定です。

引き続き皆様の応援宜しくお願いします。

大会サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race) 大会成績サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race-resultsall)
▲コーチングを受ける小西・有田組
▲スタート後の艇団。左右に大きく分かれる展開が印象的でした
▲有利サイドへ早く到達できるポジションを取るため、スタートの位置取りが熾烈化しました
▲2マーク 混戦で回航

Report & Photo by 辻寛基・波多江慶

8月17日 予選シリーズ2日目

バラトン湖に来て初めて朝から良い風が吹いています。最大3レースを行う旨、朝のコーチブリーフィングで通達がありました。

予選シリーズ 第3レース
スタートで出遅れるも、有利サイドでレースを上手く組み立て、上位で周回を重ねて行きます。最終レグで両チームとも順位をキープすることができず、中山・池田組 18位、小西・有田組 25位でフィニッシュ。O旗掲揚から風が落ち、R旗コントロールされた際に、集団に置いていかれるシーンがあったため、次のスタートまでの間にコーチングを行い、修正しました。

予選シリーズ 第4レース
スタートから飛び出した中山・池田組。序盤から上位で競り合い7位フィニッシュ。小西・有田組はスタートで思うように出ることができず苦しい展開ながら21位フィニッシュ。スタートに苦戦する小西・有田組へアドバイスを行い、次のレースへ送り出します。

予選シリーズ 第5レース
風が落ち始め、左右に振れ幅大きく風が振れる状況になりました。有利サイドとフリートの動きに丁寧に合わせながらレース展開していきますが、マーク回航時に順位を落とすシーンがあり、中山・池田組 9位、小西・有田組13位でフィニッシュ。着実にチャンスを得て順位を上げる場面も見られましたが、順位をキープするためのセオリーを外してしまう場面もあったため、10位以内でフィニッシュするために必要な点を修正しました。

スタートで出遅れる展開がなかなか拭えない両チームに対し、スタートシークエンスでの位置取りやその後の展開について細部に亘りブリーフィングを行いました。
予選シリーズ2日目を終え、ジュニアカテゴリーで成績を残しているフランス・オーストリア・ポーランドチームは安定した順位で、頭ひとつ抜け出した形となりました。明日は風が弱い予報です。まずは10位以内で上位チームに競り合い勝てるように、状況判断に対する修正とレース展開を行なっていきます。
皆様の応援宜しくお願いします。

大会サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race) 大会成績サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race-resultsall)
▲スタート風景
▲マーク回航風景
▲オスカーコンディションで果敢に攻める中山・池田組

Report & Photo by 辻寛基・波多江慶

8月16日 予選シリーズ1日目

予定通り出艇し、レースエリアに到着しますが、風が安定しません。AP+H旗が掲揚され、ハーバーへ一旦戻ります。2時間ほど経ち西寄りの風が入り始め、13:50に再出艇となりました。

予選シリーズ 第1レース
左右から強弱・シフトのある変化の多い状況で、スタート時の出遅れを挽回しながらの展開となります。レースの後半には湖北部で発達する雲の影響から風向が大きく変り、上手く位置取りができていたチームが最終レグで順位を大きく上げる形になりました。
このレース、中山・池田組はUKR-22に対し抗議を行いました。慣れない海外での審問にも果敢に取り組み、結果、UKR-22を失格としました。

予選シリーズ 第2レース
湖北部に発生した雨雲の影響で、風向・風速が一気に変わりました。スタートから2レグ目まではオスカーコンディションの中、上位にしぶとく喰らい付き、風が落ち始めた3レグ目以降ではシフティーな風と変化の激しいコンディションに苦戦しましたが上位でフィニッシュすることができました。

予選シリーズ 第3レース
落ち始めた風は風向も安定せず、マーク設定を短くしてスタートを試みますが、1マークに向かう途中に風が無くなってしまいAP+A旗が掲揚され、本日のレースは終了となりました。

規則42条違反に対するジュリーのホイッスルが多く鳴り響いていたことと、スタートで出遅れる展開が2チームに見られたため、ブリーフィングで対策と修正を行い、初日が終了しました。

大会サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race) 大会成績サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race-resultsall)
▲レースエリアまでトーイングして行きます
▲第1レース 1マークを回航する中山・池田組(バウNo.20)
▲レース風景
▲湖上の気象は安定せず、刻々と変化します

Report & Photo by 辻寛基・波多江慶

大会前日

2022年 470 Jr.World Championships がハンガリー・バラトン湖Tihany半島東部に位置する The Sail Yacht Clubにて8月14日から8月21日まで開催されます。気温は日中30度以上にまで上がり、暑く乾燥しているため、暑さ対策が必要なシリーズとなります。
今回のレースエリアは、Tihany半島の南北に設置されており、風向によっては風が収束するため、地形の影響による風の傾向を捉えることが重要になります。
今大会は11カ国・30艇のエントリーがあり、Mixクラス・Mix U-21クラス・Menクラスにカテゴライズされシリーズを戦います。参加艇数こそ少ないですが、ハイレベルな戦いが期待されます。
本日は、受付・計測、オープニングセレモニーが19:00から執り行われました。日本チームはチャーター艇の整備・セッティングを行なったのち計測を無事にクリアし、15時からのプラクティスレースに合わせ、早めに湖上へ出て調整を行いました。
プラクティスレースでは小西・有田組が上位でフィニッシュし、明日からの予選シリーズに弾みをつけました。

8月16日から8月21日までの間、皆様、応援宜しくお願いします。

開催地:ハンガリー・バラトン湖
大会期間:2022年8月14日〜8月21日

日本チーム:出場選手4名
470 Men

小西 健治(株式会社メディクルード)・有田 功樹(中央大学)

470 Mix
中山 由奈(日本大学)・池田 隼太(日本大学)

大会サイト(https://2022juniorworlds.470.org/en/default/races/race)
▲準備作業風景
▲計測風景
▲湖上調整風景
▲プラクティスレース 1マーク回航風景

Report & Photo by 辻寛基・波多江慶