期間:2022年8月17日(水)~8月24日(水)8日間
開催地:和歌山ナショナルトレーニングセンター(和歌山セーリングセンター)

第7回はインターハイ直後の8月17日から24日まで和歌山セーリングセンターにて行われました。今回はインターハイやJrワールドを終えた選手が多く参加し、大会の反省を行い次のステップに活かす為の準備の合宿となりました。

①ルール講習(石川さん・古川さん・林さん・吉本さん)

今回はインターハイや世界選手権でも見られた救済要求について、審問での証言する際の注意点やどのようなケースが救済の対象になるかを学びました。
また、10~17条の基本的なルールについて、一つ一つのケース毎には学んできましたが、実際に起きた複合的なケースを元にどのルールが適用されているのかを再度確認することで、より理解を深めました。
また、ディスカッションをする中で、審問と同じように証言したり、モデルシップを置いたりと証言する際に何を伝えるべきかを学び、確実に自分の意見をジュリーに伝えていく為の方法を学びました。

▲石川さんによるケースの説明の様子
▲ケースを説明する上園田選手

②インティグリティー講習(講師:JOC・宮本委員長)

JOC作成の映像資料をもとに宮本委員長より「人間力」をテーマに講習を行いました。具体的なオリンピック本大会での事例や、TOPアスリートへのインタビューを基に、、自分たちはアスリートとしてどうあるべきか、ということについてグループでディスカッションを行い、選手それぞれが向上を目指す人間力について考え発表を行いました。この講習を通して、選手それぞれが自らの行動を顧みて、自ら考え、日々の行動に反映させる良い機会となったことを期待しています。

▲動画を見て意見をまとめる選手
▲意見を発表する遠藤選手

③気象講習(講師:岡本さん)

今回は毎日行っている気象チェックのアドバイスやこれまでの気象講習内容の復習を主として行っていただきました。気象チェックに関しては当初と比べると非常に内容の濃い発表ができるようになってきていますが、今は一つの予想を伝えているだけで、実際のレースに上手く活用できるような発表がまだできていません。「〜だから〜になるだろう」、「〜にならなかったら〜になる」などのように、1つの予想だけでなく外れた場合のカウンタ―プランを用意することで、実際のレースにおいてもその予想を活用することが出来、そのためにもしっかりと気象について理解することが大切であることを学びました。

▲気象講習の様子
▲気象発表の様子

④海上トレーニング

今回49erFXを使用した海上練習を行い、合宿を通じて風が弱い中での練習となりました。船のサイズに対しセンターボードが小さい49erFXはスピードを出す事で横流れが減り結果角度を取ろうとした船よりも角度もスピードも良くなる傾向が顕著な艇で、これを実際体験する事で、ヨットの基本であるスピードを生み出す事について学びました。
また、全員がスキッパーとクルーを経験し、コミュニケーションの大切さやチームワークの重要性を学び、毎日の練習の最後に行うレース練習では、日に日に上達が見られたのが印象的でした。
唐門選手は参加するカイト世界選手権が間近に迫っている為、風の良い日はカイトで練習を行い、普段できないスタート練習やマーク回航を行いました。自分自身の課題をとことん突き詰め、一段と成長しているのが印象的でした。

▲接近したマーク回航
▲唐門選手のマーク回航

⑤メンタルトレーニング講習(講師:高士真奈さん)

今回は、感情のコントロールについて講習していただき、これまでの復習としてKPT法を用いて最近の自分自身の行動と感情に対しての振り返りを行い、レースの中で感情コントロールが行えているかということについて確認を行いました。今回のゴールは自らの認知の仕方(感情や捉え方)を意識する事で、これらを踏まえ、状況や感情に合った自分なりのコーピング方法(行動)を見つけることで、レースにおいて自らの感情のコントロールをできるようになること、でした。また、普段の練習の時から上記を意識することも大事になってきますので、今後の練習の中でしっかりと取り組んでいってほしいです。

※用語説明
● KPT法・・・Keep、Problem、Tryの頭文字からなる振り返りの方法です。良かった点は継続して行い、問題点や課題を把握し改善すべきこと見つけ出す手段として用いるもの
● コーピング・・・ストレスについて自分がどのように対処するかの行動を指す言葉

▲メンタル講習の様子
▲全員でコーピング方法について意見を出しました

⑥フィジカル講習(講師:吉松トレーナー)

今回は「柔軟性トレーニング」について学びました。トレーニングの目的は機能的な動作を行うために筋肉のバランスを考えて適切な関節可動域を獲得することで、これができないとケガに繋がる事もある大切な要素になります。実際に講習の中で動作を行いながら、方法とその重要性を確認することができました。この内容は個人でも行えるものでもあり、練習前や練習後で内容を変えることで非常に効果的なものになります。

▲手本を見せる吉松トレーナー
▲選手も実際に行います

⑦体力テストおよび陸上トレーニング

HOPE合宿では定期的に体力テストを行うことで、フィジカルの現状を各自が把握できるようにしています。また、フィジカルトレーナーが選手の状態を確認しながらトレーニングを行いました。
設定された値を超せるようになる為には、日頃からのトレーニングが重要となります。

▲シャトルランを行う選手達

⑧栄養講習(講師:武田さん)

まず、前回の内容である「体づくりのための食事」について復習を行い、その後は本題である「レース前、レース中の栄養摂取」について学びました。いつどのタイミングで食事をしなければならないのか?どれくらいの量をとる必要があるのか?何を食べるべきなのか?と食事についても考えなければならないことは沢山あります。食事は疲労回復に欠かすことのできない要素ですので、今回はレースの場面を設定し、グループワークで必要となる食事について考えを発表しました。今回は皆良い発表ができており実際のレースで活用してほしいと思います。

▲グループで発表内容を考えます
▲発表の様子

⑨今シーズンの振り返りと来年に向けての目標設定

今シーズンの主要な大会が終了した選手が多い中、振り返りと来年に向けての目標を考え、全員の前で発表を行ってもらいました。。来年は全員が立てた目標をクリアできるよう、何が必要かを考えて、日頃の取り組んでほしいと思います。

▲発表する嶋倉選手
▲発表する酒巻選手

長期の合宿となりましたが、全員が全力で取り組み内容の濃いものになりました。
次回また成長した姿を見るのを楽しみにしています。
次回の合宿の日程は、2022年9月17日~9月25日です。

▲集合写真(撮影時のみマスクを外しております。)
▲全力で最後まで追い込みます(トレーニング時のみマスクを外しています)
▲練習の合間にアドバイスを受ける上園田選手と福井選手
▲合宿名物 朝の紀三井寺の階段ダッシュ
▲スタート前の様子 かなり上達しました
▲夕日を浴びながらのクールダウン

Report & Photo by オリンピック強化委員会