期間:2022年10月6日(木)~10月10日(月)5日間
開催地:和歌山ナショナルトレーニングセンター(和歌山セーリングセンター)

第2期HOPE育成プログラムの第9回目を10月6日(木)〜10日(月)の期間、和歌山セーリングセンターにて開催しました。今合宿は先合宿から集中的に取り組んでいる「スタート」に引き続きフォーカスして陸上講習と海上練習に取り組みました。
多くの選手がインターハイや国体、海外遠征で経験した各々の課題と向き合い、スタート講習に落とし込んで練習に取り組みました。

▲集合写真(撮影時のみマスクを外しています)

【メンタル講習】講師:高士トレーナー

これまで、競技に心理的なアプローチをすることで練習の効率化やモチベーションの改善方法、レースに挑むに当たって最適な心理状態を作り出すhow toなどを学んで来ました。
今合宿では現在HOPE選手たちが積極的に取り組んでいる「スタート」にシーンを絞ることで、より細かなメンタルコントロールの術を学んで貰えるような講習を実施しました。

▲メンタル講習の様子。自分を見つめ直しながら、選手やコーチとディスカッションを重ねて成長します

【スタート講習】講師:辻コーチ・市川コーチ・中村(悠)コーチ

先合宿から重点的に取り組んでいるスタート講習を更に深掘りする形で実施しました。
「How to manage good starts」の題目から、ヨットレースでの着順において重要となるスタートの成功率を上げること、またその為に必要となってくる要素やスキルを項目、レベルごとに講習をし、実際にその知識を海上練習にてルーティーンワークとして落とし込んでいくノウハウを選手達に学んでもらいました。

▲スタート講習の様子。スタートのノウハウについて講習するだけでなく、艇種による違いも踏まえてディスカッションし、技術と知識を学んでいきます。

【ルール講習】講師:吉本アンパイア

事前のアンケートにて選手達から質問の多かった42条について、吉本さんから講習していただきました。HOPE合宿においては、42条違反について、ただ禁止アクションを教えるだけには留まらず、どこまでが許容されているアクションなのか、また如何に許容されている範囲内で効率的なボートハンドリングが出来るのかを落とし込んでいます。
選手達はオンザウォーターでもジャッジングしてもらえるので、どこまで攻めても許容されるのかを細かく判定してフィードバックして貰えます。

▲ルール講習の様子。ケース、42条、幅広くルールへの解釈を深めていけるように取り組んでいます

【インティグリティ講習】講師:宮本委員長、市川コーチ

JOCのアスリート教材として、日本代表として世界の舞台で戦っていくことになる選手達に向けたインティグリティ講習を今回も行いました。
「人間力なくして、競技力向上なし」JOCが掲げるスローガンの下、スポーツマンシップを意識してもらうだけでなく、日本代表選手としてそれぞれが目指すべき姿、どういった人間に成長していきたいかを考えてもらい、アスリートとしての誠実さを学んでもらっています。
人から尊敬され、応援される選手を育て、輩出していけるようなプログラムを構築していきます。

▲インティグリティ講習の様子。JOCからの教材、ビデオを使いながら、アスリートとしてのあり方を考えてもらいます

【フィジカルトレーニング】講師:吉松トレーナー、与那嶺トレーナー

吉松トレーナー、与那嶺トレーナーの2名から、朝と出艇前のウォーミングアップ、また日々のフィジカルトレーニングを実施していただきました。
HOPE選手には、それぞれ身体的特徴から算出したフィジカルスコアリングをしており、定期的にテストを実施して選手の成長度合いを記録、アドバイスしています。
また、トレーナーからは個別のトレーニングメニューが考案されて選手達に伝わっており、自分達の課題克服に向けた効果的なメニューを普段からも取り組めるように指導されています。

▲フィジカルトレーニングの様子。トレーナーが2名つき、選手の身体能力の計測、課題設定、トレーニングを行なっています
▲フィジカルトレーニング講習の様子。選手が合宿を終えた後、個人での取り組みについてもトレーナーから学びます
▲筋力トレーニングだけでなく、チームスポーツなども取り入れることで、コミュニケーション能力、チームワークの向上、マルチタスクを処理する能力なども育みます
▲朝の紀三井寺階段登りも、恒例のトレーニングメニューです

【海上練習】
49er講師:中村(健)コーチ・山田コーチ/49erFX講師:波多江コーチ
ILCA講師:飯島コーチ・中村(悠)コーチ/420講師:辻コーチ、市川コーチ

各クラスにそれぞれコーチが付き添い、陸上で行った講習に則してスタート技術の向上に焦点を当てた海上練習を行いました。
単にスタートに対する考え方を学んでもらうだけに留まらず、艇種によって変わるスタートに必要なスキルなどもレクチャーすることで、選手達にとっても学びの多い講習になったと思います。共通の知識を身に付けてもらうことで、選手全員とコーチとのコミュニケーションも円滑になり、講習自体も回を重ねるごとに内容の濃いものを行えるようになってきています。

▲出艇前のウォーミングアップの様子
▲普段の高校ではシングルハンドにしか乗らない選手もHOPE合宿では、様々な艇種やポジションを経験し、セーリング能力の幅を広げるきっかけにしてもらいます
▲49erと49erFXスタート練習の様子。スタート講習で学んだルーティーンワーク、スタートノウハウを落とし込んでいます

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。