大会4日目

大会4日目は早い時間から安定した風が入っており、各選手ともに最大カイトサイズのコンディションではあるものの、風待ちなど挟まずに各ディヴィジョンで5レースが実施されました。

ゴールドフリートではTOP3選手同士の激しい戦いが繰り広げれましたが、シンガポールのMaximillian選手が5レースをオールトップでまとめる強さを見せました。
これでFinalシリーズも終了し、1位のMaximillian選手、2位の中国Qibin選手はDAY5に行われるメダルレース進出が決定。3位〜10位の選手がメダルレースの残り2枠をかけてSemi Finalを戦うこととなりました。

シルバーフリートを戦っていた日本の2選手は、この日の第1レースのスタートでポートスタートを試みた三好選手が同じくポートからスターボー艇を避けようとタックした選手に絡むケースに巻き込まれてしまい痛恨のリタイア。レスキューをされ陸に上がった後、別のコントロールバーとラインで再度出艇しようと試みるも、ケース時にカイト本体のブライダルラインも損傷していたことが分かり、続く残りレースも全てリタイア(DNC)。順位を大きく下げる結果となってしまいました。

唐門選手の方は、第1レースでスターボーからの良いスタートを決め、右海面の艇団をカバーリングしながらポートタックでも良い走りを継続、レイラインの読みさえ完璧に決めればトップも狙える位置でマークアプローチまで行きましたが、少しオーバーセールしてのアプローチになってしまい4位でトップマークを回航。アビームとダウンレグでスピード負けから抜かれて8位でのフィニッシュとなりました。
続く残りのレースも良いスタートは決めていたものの、スピード差で抜かれることが多く12位ほどでまとめるかたちに。総合順位は少し順位を上げたシルバーフリート10位でレガッタを終える結果となりました。

予選ラウンドからの全15レースの成績をもって、日本選手の挑戦、今レガッタの戦いは終了しました。
大会は最終日DAY5の順位決定戦まで続きます。
DAY5の成績と大会総括をもって、今大会の遠征レポートを締めさせていただきますが、ここまで日本選手の応援をして下さった方々に感謝いたします。応援ありがとうございました。

日本選手 シルバーフリート最終成績:シルバーフリート(39人参加)
FORMULA KITE U21【全64名】
10位唐門 紘(大阪体育大学)
(19)-15-17-16−(22)-18-15-17-10-18-8-17-12-12-12 = Total 169.0

24位三好 竜寧(三好整形外科)
16-22-30-29-21-17-17-15-4-14-(DNC40)-(DNC40)-DNC-DNC-DNC = Total 275.0

▲出艇前の様子 (#30唐門選手、#31三好選手)
▲レース間の休憩シーン 唐門選手
▲ケースからの道具トラブルでリタイアした三好選手とレースを控える唐門選手
▲唐門選手の出艇をサポートする三好選手
▲ドローン映像1:スタート直前 スタートラインにアプローチする選手達
▲ドローン映像2:ポートとスターボーの選手が交差するスタートシーン

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター
日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。

大会3日目

この日は風が不安定なこともあり、1時間ほどのAP陸上待機から1日が始まりました。
昨日までの成績をもとに男子はゴールドフリート/シルバーフリートに分かれてのレースフォーマットとなり、日本の2選手はシルバーフリートでの戦いとなります。
10ktほどの風が入ってきたところで予定の4レースを消化すべくレースが始まりましたが、徐々に風速が落ちていってしまい最大サイズのカイトを使ってもギリギリのライトウィンドコンディションに。
途中風待ちで一旦ハーバーバックなども挟みつつ、運営側もなんとかレースを進行しようと再度出艇、レーススタートなども試みましたが、多くの選手がカイトを落として漂流してしまったりしたため、結局男子ゴールドは3レースのみ、男子シルバーは2レースのみの消化で1日が終了しました。

日本人選手は若干順位を上げる結果に。しかしながら、トップマークまでは4~5番手で回航するものの、リーチングレグやダウンレグで抜かれてしまうなど、シルバーフリート上位の選手ともまだスピード差があることが明確になり、ゴールドフリートまでの壁を実感する内容となりました。

ゴールドフリート男子は、シンガポールのMaximillian選手、中国のQibin選手、イタリアのRiccardo選手、この3選手が4位以降と大きくスコアを引き離す熾烈なバトルを繰り広げています。
また、この3選手はいずれもまだU19の選手たちですが既に世界トップレベルの実力を持った選手たちです。先週までマルセイユで行われていたプレオリンピック大会でもシンガポールのMax選手は2位を獲得しています。同じく先週までここで行われていたU17世界選手権で優勝したスイスのGianandrea選手も現在7位につけるなど、この若い世代がまだまだこのクラスを牽引していくことが予想されます。

早いものでFinalシリーズも残すところ1日です。
明日の結果をもとに、トップ10選手によるSemi Final→メダルレースへと進行する予定です。
日本人選手の最後の走りに期待しながら、トップ選手の動向などチェックしていきたいと思います。

日本選手大会成績:シルバーフリート(39人参加)
FORMULA KITE U21【全64名】
12位唐門 紘(大阪体育大学)
(19)-15-17-16-(22)-18-15-17-10-18

13位三好 竜寧(三好整形外科)
16-22-(30)-(29)-21-17-17-15-4-14

▲出艇前の様子
▲日本2選手のフォイルボード
▲出艇する唐門選手
▲AP+Hの陸上待機中 風待ちの様子
▲ドローン映像1:昨日と同様にポートスタートが目立つ展開でした
▲ドローン映像2:ポートスタートとスターボスタートの選手が絡まる(タングル)ケースも多く見られました

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター
日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。

大会2日目

男子は昨日に引き続き2ディヴィジョンでの予選ラウンドが実施されましたが、昨日4レースの成績をもとに再度ディヴィジョン分けが行われ新たなグループでの戦いとなりました。日本人2選手は今回も同じグループです。
昨日のシーブリーズ待ちの時間を考慮し、この日はスキッパーズブリーフィングは1時間遅れで実施。
風も安定していたことから陸上待機なしでスムーズにレースが進行しました。
風向は昨日と変わらずサイドオンショアの西風、風速は12ktほどのコンディション。
ほぼ全ての選手達が最大サイズのカイトを選択してレースに臨み、昨日同様に右海面を選択する選手が多い展開となりました。運営サイドも本部船寄りが多くなり過ぎないように、スタートラインはやや下有利にバイアス設定。タイムアンドディスタンスを合わせてトップスピードでスタートラインを切れれば、ポートスタートでも辛うじてスターボースタートの前を切れるようなラインセットでレースが行われました。

日本選手達には昨日までの戦い方を踏まえて、スタートとトップマークまでの展開を情報共有を行いました。
また、ストラテジーについてのアドバイスを行ったところ、スタートの成功率とトップマークまでの展開は非常に良くなった印象でした。三好選手は昨日のようなカイトの不調はなく走りに集中できていた様子。
唐門選手も現在首位のMaximillian選手と並んでの好スタート、ポートでの右展開も並走して食らいつき、トップマークを7番手で回航する良い走りを見せてくれました。

2選手ともトップ選手と比べると、アップウィンドとダウンウィンドともに若干スピードに課題はあるものの何とかついていけるような様子。最大の課題はアビームレグで、最大速度の違いから追い抜かれてしまう場面が多く見られた1日でした。

この日の成績をもって、男子はゴールドフリート(上位25名)とシルバーフリート(下位39名)に分けられ3日目から戦うことになります。
日本人2選手は残念ながらゴールド進出を逃す結果となってしまいましたが、今後に繋がるレガッタにすべく課題を持って残りのレースを戦ってきたいと思います。

日本選手大会成績
FORMULA KITE U21【全64名】
36位唐門 紘(大阪体育大学)
(19)-15-17-16-(22)-18-15-17

39位三好 竜寧(三好整形外科)
16-22-(30)-(29)-21-17-17-15

▲レース前 ビーチでの様子
▲出艇前の唐門選手(右)と三好選手(左)
▲レースに向けて出艇する唐門選手
▲レースシーン スタート直前の様子
▲レースシーン アップウィンドの様子

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター
日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。

大会初日

U21世界選手権のレース初日を迎えました。
今回、日本からの2選手が参加するU21男子のカテゴリーは総勢64名の参加となりました。
32名ずつ2つのディヴィジョンに分けてのレースになりますが、唐門選手と三好選手は同じグループで予選ラウンドを戦うことになりました。

11時からスキッパーズブリーフィングが行われ、12時には第1レースの予報でしたが風が安定せず、AP待機に。風が徐々に右にシフトしながら290度のいつものシーブリーズが吹き込んできたところで13時にレースが開始されました。

風速は10~13kt、日本人両選手とも最大サイズのカイトをセッティングしてレースに挑みます。(唐門選手は21㎡、三好選手は23㎡、海外勢も最大サイズ)
1レース目の最中に予想よりも早く風速が上がったことで、多くの選手がオーバーパワーのコンディションに。
2レース目までの短い時間にピットストップのように続々と選手がビーチに上がり、選手もサポートのコーチ陣もカイトサイズの変更、セッティングで慌ただしい状況となりましたが、唐門、三好の両選手も無事カイトチェンジを間に合わせて2レース目に臨みました。

そのまま良い風が続き、この日は全ディヴィジョンで4レースを消化。
結局、唐門は21㎡→15㎡の1カイトチェンジを行い、三好は道具のトラブルもあり23㎡→15㎡→11㎡の2カイトチェンジで初日を乗り切りました。

レース展開はというと、スタートシーンではユースの大会に多く見られるような本部船側が混む展開が多く、また岸のベンドを活用しようと多くの選手が即タックして序盤から右海面に流れる展開が多く見られました。
この右海面の取り合いは混戦なだけに当然スタートでのトラブルリスクも非常に高く、カイトタングル(カイトが絡んで)リタイアする選手が毎レース3~4選手発生していました。
いかにリスク覚悟でここの混戦を生き抜けるか、またはクレバーにリスクを抑えて上艇団の下側から第1線のスタートを決め、落ち着いてフレッシュウィンドの中で右に展開していけるかが重要なストラテジーとなっていました。

日本人2選手はビッグフリートでのスタートに不慣れな分、スタート成功率は30~40%ほどと安定しません。
唐門選手は下位勢にはボートスピードで勝り追い抜いて行けはするものの、上位勢にはスピードで劣り中盤ほどの成績が定位置の1日でした。
三好選手はカイトの不備で走りが安定せず、スコアを崩す1日となりました。

トップ争いは、シンガポールのMaximillian選手、中国のQibin選手がそれぞれ別ディヴィジョン同士でオールトップを取り合う熾烈な戦いを繰り広げており、この2選手の強さの理由を捉えることも今大会の大きな課題です。

引き続き、日本からの応援を宜しくお願い致します!

日本選手大会成績
FORMULA KITE U21【全64名】
37位唐門 紘(大阪体育大学)
19-15-17-16

47位三好 竜寧(三好整形外科)
16-22-30-29

▲スキッパーズブリーフィングの様子。オーガナイザーからレースプランの説明がありました
▲大会会場は毎日36~39℃の過酷なコンディション。ビーチに裸足でいると火傷してしまう暑さです
▲スタート直前のシーン。常に上側(本部船)が混む展開が見受けられました

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター
日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。

大会前日

Formula KiteクラスのU21(Youth)世界選手権がイタリアのジッツェリーアにて7/19〜7/23の期間に開催されます。
ジッツェリーアはナポリから南に400km、シチリア島のすぐ北側、南イタリアのほぼ先端に位置する静かな田舎町です。7月のこの時期、雨は全く降らない乾燥した気候が続き、日中の気温も毎日33~39℃に上ります。
大会会場となるHang Loose Beachは南北に40kmほど続くビーチ・海岸線の中心に位置するビーチリゾートであり、毎日午後になると8~14ktほどのシーブリーズに恵まれる好スポットとなっています。
週末の土日には、カイトサーフィンを楽しむ人は勿論のこと、ビーチでリラックスや海水浴をしに訪れる地元の人々で賑わいます。
大会会場では、16日までU17とU15カテゴリーの世界選手権も行われていたばかりなので、各国の選手やコーチともコミュニケーションを取ったり、協力して海上練習に励めたりと良い環境になっています。

大会名:2023 FORMULA KITE U21(YOUTH) WORLD CHMPIONSHIPS
開催地:イタリア・ジッツェリーア(Hang Loose Beach, Gizzeria, Italy)
大会期間:2023年7月16日(日)〜7月23日(日)(レース期間 7/19~7/23)

出場選手:
FORMULA KITE U21

唐門 紘(大阪体育大学)
三好竜寧(三好整形外科)

今大会もU21カテゴリーとはいえ、欧州の強豪国では若い選手達の台頭が目立つのがこのカイトクラスでもあります。ワールドランキング上位者、先日マルセイユで行われていたプレオリンピック大会から連続して参加する選手なども多く、レベルの高い大会になることが予想されます。

今回日本からの参加選手は、HOPE育成プログラムに在籍する唐門紘と、10月のアジア大会代表選手となっている三好竜寧の2名です。
国内ではこうした規模の大会は無いので上位を狙って戦うことは勿論のこと、この大会の結果や内容を1つの試金石に2024オリンピック、その先に向けた強化を考えていければと思います。

我々は12日に現地入りしてから、午後のシーブリーズを狙って毎日海上練習と調整に励んできました。
時差による体調への影響も無く上手く調整を行えていますが、連日続く暑さが選手・コーチ・スタッフを疲弊させる過酷なコンディションとなっています。

昨日17日には簡単ではあるものの大会開会式が行われ、18日には計測とプラクティスレースの予定となっており、いよいよレース開始が迫ってきました。
日本からの応援宜しくお願い致します!

▲大会会場となるHang Loose Beach, Gizzeria, Italy
▲ビーチから見える距離がレース海面になります
▲練習に向かう唐門選手
▲U17,U15世界選手権も行われていました
▲三好選手・唐門選手 海上練習の様子
▲海上練習(アップ)の様子(一番手前が唐門選手)
▲海上練習(ダウン)の様子(一番手前が三好選手)
▲大会会場は静かなビーチリゾートになっています
▲計測の様子
▲大会会場の様子
▲唐門選手(左)・三好選手(右)

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター
日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。