大会4〜6日目
*DAY5は軽風によりノーレース
*DAY6は上位10艇でのメダルレース(ノックアウト式)のみ実施
10/26 大会DAY4は10~14ノットの風の中、各クラスでアップウィンドコースレースが行われました。
大島選手の出場するU17女子クラスも立て続けに5レースを実施。レースとレースの間隔が短いスピーディーな進行だったので、各選手とも水分補給やセッティング変更、走りのチェック、コーチとのミーティングや戦略立て、そしてレースと慌ただしいマニューバを繰り返した1日となりました。
大島選手は、この日の1レース目そして2レース目で本部船のやや下側からのスタートを狙いましたが、混戦に巻き込まれ2線、3線のスタートを繰り返してしまいました。
アップウィンドの走りは海外選手勢に分がある為、スタートでの出遅れを挽回するのはなかなか難しく、フィニッシュ順位は下位グループの上位で落ち着くかたちとなりました。
しかし、続く残りのレースでは反省点をしっかり生かす様にし、混戦でのスタートを避けること、またアップウィンドの角度が劣る現状を踏まえて艇団の下先行を狙える位置取りを心掛けること、何より折角の世界選手権、ビッグフリートという貴重な舞台で様々なチャレンジをして次に繋げる経験をすること、この3点を強く意識してアウターピンエンドを狙ったスタート戦略に果敢に挑戦しました。
アウターレイラインを越えてしまえばスタートラインを切れないリスクもある中、タイムアンドディスタンスを見極めながら、3レースとも第1線で良いスタートを切ることに成功。
アップウィンドのスピード差により、フィニッシュ順位は残る3レースとも中盤ほどで落ち着いてはしまったものの、1上マーク、そして1下のゲートマーク回航順位は格段に良くなり、大きな手応えを感じることが出来た1日となった様でした。
翌日のメダルレース前日、決勝最終日となるDAY5は6~9ノットの軽風予報。
ダウンウィンドスラロームレースの実施が予想され、大島選手もここでDAY2の様な快走で総合順位のジャンプアップを狙っていたのですが、スラロームをやるにも風が弱過ぎてしまい、長い待機に。
また、女子クラスの前に男子クラスが予定されていましたが、レース委員会がどうにか時折入るブローに合わせてレースを進行しようとするものの、最後の勝負掛けと逸る選手が相次ぎブラックゼネリコの繰り返し、そうこうしているうちに風が落ちてしまいレースが進行しない悪循環に…
結局、陸上と海上と合わせて8時間もの待機をした末に、この日は1レースも実施出来ないままAP+Aのノーレース。前日までの成績をもって、最終日のメダルレースへと移ることとなってしまいました。
最終日のメダルレースでも風は相変わらず弱いままでしたが、何とか各クラスとも予定数のレースを実施することが叶い、2023ユース&ジュニアのiQFOiL世界選手権は幕を閉じました。
2024パリオリンピックもあと僅かに迫ってきていますが、次に台頭してくる次世代選手の育成・強化についても各国で強く推し進めていることが今回の遠征ではっきりと感じ取れました。
大島選手はまだ中学3年生ですが、世界では同世代でも既に抜きん出た実力を持った選手達も多く、彼らの走り、戦い方、体格の違いなど、多くを学ぶことの出来た実りある遠征となりました。
自分の現状の走りや課題を客観的に認識すること、また現状持ちうる武器(長所)を使い如何に上手く戦うのかを思考すること、スタートや走りで多くのチャレンジをしたからこそ、次に自分が目指すべきステージがはっきり見据えることが出来たと思います。
今後も、国際舞台での継続的な日本選手の活躍を目指して、クラス協会と連携を図りながら、次世代選手の発掘・育成・強化をきちんと進められるように努めていきたいと思います。
今大会への注目、日本選手への応援など、最後までありがとうございました。
大会成績
U17ジュニア女子【12カ国49艇中】
24位大島 朱莉(立命館守山中学校)
28-17-11-11-17-13-15-25-DNF(50)-26-(30)-28-26-24
Report & Photo by オリンピック強化委員会
大会3日目
10/25 大会DAY3は8ノットほどの不安定な風と、あいにくの雨模様となりました。
初日はアップウィンドで1レース、2日目はスラロームで5レース、3日目はアップウィンドコースが予定されていましたが、風が思ったよりも吹かずに運営サイドも決断が難しいコンディションが続きました。暫くの待機を挟んでアップウィンドコースでレースが開始されたものの、1マーク手前で風速が落ち、ほぼ全ての選手がフォイリング出来ないような状況によりレースは中止に。その後も、雨の中での海上待機を余儀なくされました。ようやく午後になり、かろうじてアップウィンドコースでのレースが出来るほどになり、大島選手の出場するU17女子カテゴリーでは3レースが行われました。
再開した1レース目では、思い切ったポートスタートを幸いにもノーケースで決めることに成功し、また風も他の選手達にも難しいライトウィンドだったことも功を奏して、15位という好成績でフィニッシュを決めました。
シニアの選手達にも共通して言えることですが、海外選手のアップウィンドの走りはレベルが高く、より速いスピードとより高い角度を両立して走るので、このアップウィンドコースレースでいかに粘り強く走り、スラロームコースレースに繋げるかが、ユースからシニアまで日本人選手共通のレガッタメイク課題だと言えます。
続く第2レースでは、1レース目の成功体験からポートスタートをチョイスするも、スターボースタートの方が高く、後手後手な展開に。挽回も難しく25位でのフィニッシュ。
第3レースでは、レースの終盤に風が落ちてきてしまい、中盤以降の選手たちはラルに捕まり着水。大島選手含む、16位以降の選手は全てDNFとなってしまいました。
この日を終えて総合成績は、1レース目の15位が効いたおかげで順位を前日から2つ上げることに成功。24位/49艇 にてレガッタを折り返すかたちとなりました。
レガッタも終盤になり、決勝シリーズ、メダルレースシリーズに向けて各ディヴィジョンでミスの許されない状況となってきました。引き続き、最終日まで応援宜しくお願い致します。
大会成績
U17ジュニア女子【12カ国49艇中】
24位大島 朱莉(立命館守山中学校)
(28)-17-11-11-17-13-15-25-DNF(50)
Report & Photo by オリンピック強化委員会
大会2日目
10/24 iQFOilユース世界選手権2日目、この日は前日1レースしか行えなかった女子からレースが始まる予定でしたが、風が思ったよりも吹き上がらず陸上でも海上でも暫く待機が必要でした。
ようやくレースが始まったのは午後3時頃、風速はアップウィンドコースには不十分だったのでダウンウィンドスラロームコースで続け様に5レースが行われました。女子のレースが終了したのは午後7時前、男子はその後も日没の8時過ぎまでレースが行われるタフな1日となりました。
大島選手の出場する女子のU17カテゴリーは前日の成績を元に、各ヒート16~17名ずつの3ヒートに分けられレースが進行。スラロームコースにおいてスタートは非常に重要で、良い位置からトップスピードを切った選手が逃げ切るのが基本です。選手達もそれを分かっているので、ブラックフラッグながらアグレッシブなスタートが繰り返され、リコールによる失格選手も毎レース、全ヒートで出るような状況でした。
大島選手は、ケースを避けた着実な走りと安定したフォイルジャイブ動作を見せ、また時折良いスタートも決めながら、5レースを9-6-6-9-7位フィニッシュの成績でまとめました。総合順位も前日の28位から2つ上げての26位となりました。
選手権も中盤に差し掛かり、熾烈な戦いが繰り広げられています。引き続き、応援宜しくお願い致します。
大会成績
U17ジュニア女子【12カ国49艇中】
26位大島 朱莉(立命館守山中学校)
(28)-17-11-11-17-13
Report & Photo by オリンピック強化委員会
大会初日
10/22この日は最大50ノットの嵐が直撃、予定されていたプラクティスレースが中止となりました。
計測の済んだ競技道具はこの日から不正(改造)防止の為に会場内に置いておく規定となっていましたが、ギア置き場のテント内にも突風が入り、いくつかの選手の道具が風に舞い損傷してしまう事態となりました。また、桟橋に係留しているコーチボートにも被害が出るなど、レース前日から波乱の幕開けとなった本レガッタですが、幸いにも日本の大島選手の道具、そしてコーチボート共に被害が無く済み、無事にレースを迎えることが出来ました。
10/23レース初日、iQFOilユース&ジュニア世界選手権はアンダルシア沿岸を襲った嵐が過ぎ去った影響から、微風かつ深いうねりのあるコンディションから1日がスタートしました。
風がなかなか吹き上がらず1時間ほど陸上待機をしましたが、その後全てのクラスが出艇し順次レースが行われました。不安定な風により、女子クラスはアップウィンドコースを1レースのみで終了。
17歳以下の男子は2レース、アンダー19は湾内別海面に残ってコースレースとスラロームレースを組み合わせた3レースを終えた1日となりました。
1レースを行った大島選手は、スタート前に想定されるシチュエーションをしっかり海上でミーティングをし、それを活かして第1線でのグッドスタートを決めることに成功しましたが、2上レグでラルにハマってしまい着水。再度フォイリングして走り出すまでのロスで若干順位を落とし、中盤ほどでのフィニッシュとなりました。
ゲート回航時までは、上位集団の後続に粘り強く位置していただけに悔しい結果となりましたが、続くレガッタで改善を図っていければと思います。
10/24レース2日目は、各クラスで現状上位3名に向けたライクラ(ビブス)セレモニーから始まり、引き続き予選レースが続いていく予定です。 引き続き、大島選手の応援を宜しくお願い致します。
大会成績
U17ジュニア女子 初日成績【12カ国49艇中】
28位大島 朱莉(立命館守山中学校)
Report & Photo by オリンピック強化委員会
大会前日
iQFOiLクラスのU19/U17世界選手権がスペイン・Cadizにて開催されます。
スペインの南西部、セビージャから車で2時間ほどに位置するカディスは、アンダルシア地方の海に囲まれた古い港湾都市です。スペイン海軍基地があるこの一帯は、16世紀に探検と貿易の拠点として最も栄え、船の監視に利用してきた100を超える望楼があります。
パリオリンピックから新種目として採用されるiQFOiLクラスは、近年ユース&ジュニア世代の選手が爆発的に増えているクラスの1つです。2022年に行われた同大会では総勢248人だったエントリーに対して、今年は366名の選手がエントリーする更に大規模なイベントとなりました。
大会名:2023 iQFOiL YOUTH & JUNIOR World Championships
開催地:Puerto Sherry, Andalucía, Spain
大会期間:2023年10月20日(金)〜10月28日(土)(レース期間 10/23~10/28)
参加艇数:
U19女子:47人
U19男子:141人
U17女子:51人(12カ国)(大島選手出場クラス)
U17男子:127人
出場選手:
iQFOiL U17女子
大島朱莉(立命館守山中学校)
大会受付やギア計測、プラクティスレース、オープニングセレモニーが順次行われていく予定となっており、レースは10月23日~28日の期間に行われます。
日本から参加の大島選手(HOPE選手)はU17女子クラスでのエントリーで、51名(12カ国参加)の中で競い合います。昨年Techno293世界選手権を経験した大島選手ですが、iQFOiLの国際イベントへの参戦は初めての経験となります。
参加選手の数だけでも相当なものになっている本大会ですが、帯同するコーチや保護者、コーチボートの数も非常に多く、ヨーロッパを中心として世界各国、将来オリンピックを目指していく次世代選手の育成・強化に熱を入れていることが伝わってくる大会会場の雰囲気となっています。
大会最終日まで日本からの応援、宜しくお願い致します。
Report & Photo by オリンピック強化委員会