期間:
HOPE Basic 2023年10月19日(木)〜22日(日)4日間
Youth World 代表 2023年10月20日(金)〜22日(日)3日間
開催地:和歌山NTC
第3期HOPE育成プログラムの(Basic第10回)を2023年10月19日(木)~22日(日)の期間、和歌山NTCにて開催しました。またこの合宿と併催で12月ブラジルのブジオスで行われる2023 Youth Sailing World Championships 代表合宿も併催されました。
暑かった夏も終わり、少し涼しくなった和歌山にて合宿は行われました。期間中はシーブリーズだけでなく雨雲がやってきたり、前線が通過したりとさまざまなコンディションで行われました。
【気象講習】講師:岡本さん
今回はまず、陸地の影響や雨雲の影響で変化する風のメカニズムを理解する上で、重要なベクトルについて学びました。すでに学校でも学んでいる選手も多いと思いますがもう一度、基本に戻り、力がどのように合成されるかを復習しました。その後、海上に出ましたがその日は雨雲が多く、講習で学んだことを実感でき非常に良い経験をすることができました。
【ルール講習】講師:吉本さん(JSAFルール委員会)
プログラムでは毎朝、最近用いられているオンラインでのプロテストフォーム提出の練習のために小テストを行なっています。毎朝続けられるこのテストですが、初日は合格点に満たない選手も多かったものの、最終日には多くの選手が合格点を超えるようになってきました。このように繰り返しプロテストフォームの提出を行うことで海外でのプロテストで物おじせずに対応できるようになります。
講習会ではインシデントのお題が出され、模擬審問が行われました。審問での証言は現場にいないジュリーをいかに信用させるか?証言の「確らしさ」が重要になります。「確らしい」証言ができるように選手達は審問の練習を行いました。
【メンタルトレーニング講習】講師:高志さん
Basic対象選手は高志さんより、メンタルトレーニング講習を受けました。レース中、予期せぬ状況や思うようにいかない状況になるとストレスから本来のパフォーマンスが出せなくなることがあります。今回はそのストレスにどのように対応するか「コーピング法」というものを学びました。
【セーリング講習】山田コーチ
今回のセーリング講習は「セッティング」について学びました。マストがどのように立てられているか?マストが曲がることによってどのようにセールカーブが変化するか?また、どうしたらマストの曲がる部分を変化させることができるか?説明を受けました。クラスによっては当てはまらないところもありましたが、自分のクラスに置き換えて考えてみました。そうすると方法は違いますが、各クラス同じような目的のためセッティングをしていることに気づくことができました。
【海上練習】
今回はILCA6、29er,iQFOiLの3艇種を使って行われました。夏が終わり、良い風が吹く中、29erは波多江コーチのもとで基本動作を中心に練習が行われました。来月全日本が控えている選手が多いILCA6は皆でレースを行い、今日のレースではどのようなコースを引くのがよかったか?毎日、振り返りを行いました。前線が通過する日もあり、比較的強い風で練習ができました。振り返りのミーティングでは「あの雲が。」「マストベンドが。」と講習で学んだことを早速反映した会話が聞かれました。
【フィジカルテスト/フィジカルトレーニング】トレーナー:鈴木さん・喜納さん・岩田さん・山口さん
HOPE育成プログラムではフィジカルの基準値を設け、その基準値をクリアできるように選手達は課題に取り組みます。年に数回フィジカルテストを実施し、フィジカルの成長具合を見ると同時に、このテストでプログラムに残れるかが決まります。選手達はこの日のために対策を練りテストに挑みました。
Youth World 代表選手達の中にはこのHOPE育成プログラムに参加希望をしている選手もおりその予行練習としても実施されました。
【オンラインインティグリティ講習】宮本委員長
今回参加できなかった選手も含めてYouth World代表選手の為にインティグリティ講習をオンラインにて行いました。オリンピック強化委員会では勝つだけが目的ではなく、皆から応援される選手に成長して欲しいと思いこの講習を取り入れています。
宮本委員長からintegrityの意味の説明を受けその後、映像を見てオリンピアンのintegrityについての考えを学びました。
Integrityとは「高潔さ」、「誠実さ」、「真摯さ」と日本語では訳されています。12月のYouth Worldに出場する選手は、是非この言葉の意味を考え、日本代表選手としてふさわしい言動を身につけていって欲しいと思います。
暑い夏が終わり少し涼しくなった中、10月和歌山でのプログラムは無事に終了しました。選手達は今後、秋に行われるクラス別全日本選手権やYouth Worldに臨みます。
選手の皆さん、スタッフの皆さんお疲れ様でした。
Report & Photo by オリンピック強化委員会