期間:
HOPEユース合宿期間:2024年1月3日(水)~2024年1月8日(月祝)6日間
HOPE合宿期間:2024年1月5日(金)~2024年1月14日(日)9日間
開催地:沖縄県・座間味村

第4期HOPE育成プログラム(HOPEユース/HOPE第1回)を2024年1月3日(水)~14日(日)の期間、沖縄県座間味村にて開催しました。
新4期生も新たに加えてスタートを切った2024年ですが、HOPEユース/HOPE合同で新年第1回目の合宿を無事に終了することが出来ました。
今年からプログラムは新たに、オリンピック艇種に取り組む18歳以上を対象とした『HOPE選手』と、WSユースワールド艇種に取り組む『HOPEユース選手』の2軸での合宿を年間で計画しています。
選手それぞれが短〜中期的に目指す目標や国際大会、そして長期的にはオリンピックでの活躍というゴールに照準を合わせて、育成・強化を促進させていく予定です。

▲HOPE育成プログラム1期生〜4期生の選手集合写真
▲12月〜2月の合宿地である沖縄県・座間味島。村民の方々や役場の協力もあり、毎年合宿を行うことができています。
▲座間味島での練習風景(29erクラス)
▲座間味島での練習風景(49erクラス)
▲座間味島での練習風景(ILCAクラス)

【ルール講習】講師:吉本昌弘さん(JSAFルール委員会)
今回のルール講習では、4期生に向けてセーリング規則の原則や基本的なルールについての説明と解説を吉本ジャッジから行なって頂きました。
また毎朝の日課として、選手にはインシデント例をもとに抗議請求書を決められた時間内に提出するという小テストにも取り組んでもらいました。
自分の出した審問請求書が有効なものかどうかを常に採点してもらい、毎日フィードバックをもらうことで、本番を想定した抗議・救済を要求する為の良い練習となっています。
HOPEユースAdvance以上の選手、またHOPE選手には英語で請求書を書くように制限を設けており、選手それぞれのレベルに合わせてルール理解力や表現力を高める工夫をしています。
まずは、ルールに対するリテラシーを高めていってもらい、最終的には実戦でルールを有効に活用して自身の順位や艇体を守る能力などを選手には培ってもらいます。

▲ルール講習の様子(吉本ジャッジ)

【栄養講習】講師:武田哲子さん、栄養スタッフ協力:山口岳斗さん
今回も栄養士の武田さんご協力のもと、選手達は合宿中の3食ともにバランスの良い食事を摂取することが出来ました。
また、座学の一環として栄養講習も行ってもらい、選手達には普段のトレーニング時や生活において意識する食事バランス、摂取目安となるタンパク質量など、アスリートとしての食事に対する向き合い方、基礎を学びました。
まだ若いHOPEユース選手たちは苦手な食べ物などがある選手もまだ多くいますが、HOPE合宿においては毎日の食事を単に食事を摂取するだけの時間に留めず、身体のことを自ら考えて食事を摂取出来る選手へと成長していく様に、今後も「食育」という観点での講習、意識付けを継続していく予定です。

▲栄養講習の様子(武田さん)

【セーリング講習】講師:市川コーチ
セーリング講習では、初回ということで「セーリング理論の基礎・ヨットが帆走する原理」について講習を行いました。
シングルハンド、ダブルハンド、スキフ、フォイリングと様々な艇種に取り組むHOPE育成プログラムではありますが、セーリング競技の基礎(考え方)は全て共通しています。
これからセールトリムやチューニングの仕方、ボートバランスコントロールなど、ボートスピードに直結する技術取得の第一歩の為にも、自身の競技艇に働いている力学や帆走のメカニズムについて基本理解を深めていくことが重要となっていきます。
コーチと選手が共通言語、共通認識をもってコミュニケーションを行えるようになる為にも、この基本的な考え方をHOPEユース世代にはしっかりと理解してもらえるようなカリキュラムを順次用意して取り組んでいく予定です。

【海上練習】
今回は49er、49erFX、420、ILCA6、29er、iQFOiLの6艇種に分かれて海上練習を行いました。
座間味島、阿嘉島、安室島に囲まれたインサイドの練習海面ではフラットな海面特性を活かして基本となる走りと動作の確認が念入りに行えます。
また、島から離れた沖合に出れば大きなうねりを伴ったコンディションもあるので、選手のレベルに合わせて更にタフなコンディションでの練習を選択することも出来ます。
トレーナー陣とも連携を取りながら、選手のコンディションやレベルに応じて、練習内容や練習海面を変更、工夫しながら質の高い練習が行えました。

▲420クラス / 占部心美選手・ダウスト絵麻選手
▲420クラス / 占部心美選手・ダウスト絵麻選手
▲中村健一ヘッドコーチ。420/470級をメインにコーチング担当

【フィジカルトレーニング】講師:石川大輔トレーナー・秋間愛トレーナー・寺田健太郎トレーナー・岩田友絵トレーナー
今年からフィジカル面の強化に関しては、各分野エキスパートのトレーナーさんたち協力のもと、選手個人によりフォーカスした目標(ノルマ)設定をし、パーソナルなトレーニング内容を選手個人が計画的に取り組める体制を敷いています。
その為、今回の新年1回目の合宿では現状の選手のフィジカル能力をそれぞれ測定するとともに、トレーナーさんから測定値を分析したフィードバックをもらい、今後のトレーニング計画・自分の課題などを選手と細かく話し合う場を設けました。
座間味では温暖な気候とアップダウンのある島の地形を上手く活用しながら、陸上でのトレーニングについても充実した合宿を行うことが出来ます。
トレーナー陣から基本的な身体の使い方を学び、セーリング競技の根幹ともなる体力面のベース強化を行い、今年の国内大会・海外大会により良いパフォーマンスを発揮して挑める準備をこの1月からスタートさせました。
また、武田さんの栄養講習と併せて、プロテインやアミノ酸などの栄養補助の摂取について寺田トレーナーから講習もしていただきました。

▲座間味合宿恒例、島半周のランニングトレーニング
▲島半周ランニングタイム測定。後藤大志選手
▲島半周ランニングタイム測定。豊澄麻希選手
▲寺田トレーナーによるフィジカル講習

2024年1月、新4期生を加えた沖縄・座間味村でのプログラム第1回目合宿は無事に終了をすることが出来ました。
今年は上半期からイベントが立て込んだ1年になりそうです。オリンピック艇種で活動をするHOPE選手の中には、Paris2024大会に向けたキャンペーンをしているチームもおり、HOPEユース選手たちのビッグイベントであるWorld Sailingユースワールド大会は3月に選考会、そして7月にイタリア・ガルダ湖で開催と、すぐに結果が求められる舞台が迫っています。
ユースワールド入賞、Jrワールド上位入賞、そしてその先のオリンピックでのメダル獲得を目指して、HOPE内で切磋琢磨をしながら人間力と競技力の向上に努めて行きましょう!

▲420クラス / 占部心美選手・ダウスト絵麻選手
▲420クラス / 占部心美選手・ダウスト絵麻選手
▲420クラス / 占部心美選手・ダウスト絵麻選手
▲420クラス / 占部心美選手・ダウスト絵麻選手
▲420クラス / 占部心美選手・ダウスト絵麻選手
▲ILCAクラス / 練習の様子
▲ILCAクラス / 豊澄成光選手
▲ILCAクラス / 豊澄成光選手
▲ILCAクラス / 豊澄成光選手
▲ILCAクラス / 豊澄麻希選手
▲ILCAクラス / 豊澄麻希選手
▲ILCAクラス / 練習の様子
▲ILCAクラス / 練習の様子
▲ILCAクラス / 練習の様子
▲ILCAクラス / 練習の様子
▲29erクラス / 練習の様子
▲スキフ担当 / 波多江コーチ。HOIPEプログラムではマンツーマンに近い体制でコーチングをおこなっています
▲29erクラス / 練習の様子
▲29erクラス / ライナス海波選手
▲29erクラス / 堤悠人選手・後藤一太選手
▲iQ FOiLクラス
▲iQ FOiLクラス / 練習の様子
▲iQ FOiLクラス / 練習の様子
▲iQ FOiLクラス / 穴見賢太選手
▲iQ FOiLクラス / 大島朱莉選手
▲iQ FOiLクラス / 大島朱莉選手
▲iQ FOiLクラス / 髙濱奈菜選手
▲iQ FOiLクラス / 髙濱奈菜選手
▲iQ FOiLクラス / 小薗正虎選手
▲49erクラス / 練習の様子
▲49erFXクラス / 練習の様子
▲49erFXクラス / 市橋愛生選手。ダブルハンドクラスではコーチが一緒に乗り込み練習することも
▲49erクラス / 嶋倉照晃選手・上園田心太浪選手
▲島半周ランニングタイム測定。小薗正虎選手
▲ウォーミングアップからトレーニングまでトレーナーがしっかり付き添います。(寺田トレーナー)
▲トレーナーが細かなチェックをしながらフィジカル測定をしました。(石川トレーナー)
▲寝泊まりをする交流センターもローイングなどのトレーニング機材を完備
▲クラス特性、艇種に合わせて専門トレーニング機材を使用します
▲1月合宿では身体の使い方、コアトレーニングをメインに強化を行いました
▲コアトレーニングの様子 / 大島朱莉選手
▲サーキットトレーニングの様子 / 占部心美選手

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。