期間:2024年3月13日(水)~2024年3月17日(日)5日間
開催地:和歌山県・和歌山セーリングセンター(NTC)

和歌山セーリングセンター(NTC)にて420クラスHOPEユース ADVANCE選手を対象とし、2024年ユースワールドでのメダル獲得に向けて帆走技術/セーリング理解力等、総合的なセーリングパフォーマンスの向上を目的に合宿を開催しました。

【海上練習】
今回の合宿は軽風域でのセーリングパフォーマンスの向上を目標に掲げ取り組みました。幸いにも合宿期間を通じ軽風コンディションとなり、「軽風域における全ての動作確立」を目標にタック・ジャイブ・帆走の3項目に分けて指導を行いました。
タック:特に軽風域におけるタックの重要さは言うまでもなく、自分のポジションをより有利に働かせる武器となるためロールタックを中心にタック練習を実施。クルーは俊敏な動作と正確なジブシートの引き込み、スキッパーは新しいタックアングルを正確に決めることを意識し、タック中のヒールアングルを一定に保った後、2人でしっかり艇を起こすことを目標に取り組みました。
ジャイブ:ダウンウィンドでスピンを潰さずジャイブすることができれば大きくポジションを上げることができる重要な動作となりますが、スキッパーのジャイビング中のTo Doは極めて多く、艇を回す速度、ジャイビングアングル、ヒールアングル、ブームを返すタイミング、スピントリムと、多くの作業を正確にこなすことが求められ、猫の手も借りたいくらい手数の多い動作となっています。クルーはスピンポールの取り替える速さと艇を揺らさない慎重さが求められます。まずは失敗を恐れず数をこなすことを目標に取り組みました。
帆走:今回使用するセールの軽風域セッティングを合宿の中で構築することを目指しました。まずは基本的なコントロールロープの役割と効果、マストセッティングの基本知識、センターボードトリム、セールシェイプの確認方法など、陸上で講習会を実施。それぞれにどのような役割と効果があるのかを確認し、海上で実際に選手自身がどのように感じたのかをコミュニケーションしながら理解を深めました。

▲ロールタック練習中
▲ロールジャイブ練習中

初日から最終日まで一貫してトライ&エラーを繰り返し、練習後は動画で動作手順の洗い出しと改善ポイントを何度も話し合い、タック・ジャイブ共にチームに合った良い形が完成しました。沈を恐れず果敢に攻めていくことで、これまでにないスピードと良い感覚、手数の少ない動作を身につけることができました。
帆走練習では、コントロールロープの調整もその効果を理解することで風の強弱に合わせた調整が細かくできるようになり、フライングシェイプが安定するようになりました。セールカーブを作ることの重要性を改めて感じることができたようです。

▲海上練習風景

レース練習では実践レースの中で練習通り動作の再現性ができたのかを確認しました。結果としてチームで思うように動けなかった項目が多々あり、練習とレースでは緊張感が異なり自分の力が発揮しにくい事を確認できた良い機会でした。自分自身のメンタル的なコントロールもレースにおいては必要であることに気づけたのは成果でした。今合宿で新たに出た課題(項目)に関しては、次回合宿の重点課題としてしっかり取り組んでいくことを確認し合宿を終了しました。

▲左:ダウスト絵麻選手 右:占部心美選手

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。