期間:2024年6月10日(月)〜6月17日(月)8日間
開催地:江ノ島ヨットハーバー

江ノ島ヨットハーバーにて470 クラス HOPE 選手を対象とし、470Jr.ヨーロッパ選手権でのメダル獲得に向けて帆走技術/セーリング理解力/フィジカル等、総合的なセーリングパフォーマンスの向上を目的に開催しました。

【海上練習】
今回の合宿目標として3項目の課題を設け、取り組みました。
① スタート練習/動作練習(主にショートマークラウンディング動作の向上)
② フィジカルトレーニング(体幹トレーニング/持久トレーニング)

合宿恒例練習始まりはウォーミングアップを兼ねて1つのマークを右回り、左回りで5分間回り続け、これを2セット実施しました。このメニューにはセールトリムやハンドリング、へルム、タック・ジャイブタイミングの要素が含まれており、セーリングで重要な上マーク・下マーク(ゲート)回航の動作を確立することを目的に取り入れています。

【朝イチのグルグル周りは基礎動作の確認です】

① スタート練習/ショートマークラウンディング
スタート練習
今回の合宿ではスタートでのポジション確保の確立をテーマに沢山のドリルをこなしました。スタートでは多くの選手が約1分前にポジションを決めシバして止まっていますが、上・下・後ろの艇に対して艇のコントロールをどのように対応することがベストなのか、細かいトリムとヘルム、舵の操作方法を熟知できれば、ポジションも簡単に確保でき、スタート確立は驚くほど向上します。
練習ドリルでは、スタート3分前からラインに並び、コーチが後ろから笛き、吹かれたチームが即座にバッキングを行い、空いている場所へポジションを変える練習です。練習始めは艇をうまくコントロールできずバッキングでさえできない状況でしたが、時間の経過とともに徐々にできるようになりました。合宿後半ではクイックにポジションを変化することが可能となり、スタートの成功率は大幅に向上し、その後のレース展開にフォーカスできるまでになりました。

【スタート練習:その場でポジションキープし続ける練習】

ショートマークラウンディング
上マークをショート、ロングにそれぞれ1個設置し、上下2周のレース形式でスタート。ショートマークでは混戦を想定し瞬間的な判断と、素早いスピンアップ、相手に対して優位なポジショニング、3艇身サークル内でのインシデントに対する「プロテスト」のコールと対処方法などを学び、2周目のロングコースでは、順位を守る側なのか、仕掛けて勝負する側なのか、自分の順位によってどのような戦略で攻略していくのかを学ぶことを目的に指導していきました。

【ショートマーク:混戦場面の中でベストな判断力を磨く練習】

混戦時での「プロテスト」の掛け声が非常に少ないため、しっかり相手に伝えることと、何が良かったのか何が悪かったのかレース後に話し合い、理解することでインシデントになる前の状況改善ができるようになり、レベルの高い練習を展開することができたのは大きな成果でした。
どのような練習でも基本的なタックやジャイブ、ボートバランス、細かいセールトリムの重要性は全く変わりません。基本動作をベースにこれまで得た経験を積み上げレベルアップしていくことが大切なことも全員で確認しました。

② フィジカルトレーニング(体幹トレーニング/持久トレーニング)
海上練習の中でより高度な技術を習得するためには、強靭な体力を持ち合わせていることが必須です。フィジカルトレーニングは日々の積み重ねのみが自分をより高みに導いてくれるものですので、自分自身の確固たる意思の強さが鍵となります。
今回の合宿では海上練習時間の比率を9割にシフトし、セーリングで使う筋肉の強化を図りつつ、フィジカルトレーニングでは体幹の強化を中心に実施しました。
選手達は海上で力を出し切って着艇した後、トレーナーのサーキットプログラムで更に自身を追い込み精神的にも肉体的にも一回り強くなりました。

【サーキットトレーニングで自身を追い込む】
【サーキットトレーニング風景】

厳しい合宿でしたが、一緒に乗り越えていける同世代の仲間がいることで良いモチベーションで乗り切ることができました。
選手の皆さん、スタッフの皆さんお疲れ様でした!

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。