大会5日目

World Sailing Youth Sailing World Championships 2024のレースDAY5、最終日が終了しました。
DAY4にレース数をきちんと消化出来なかったこともあり、最終日は多くのクラスで8:00スタート予定の早いスケジュールが組まれました。日本チームも4クラス8名の選手が6時にはホテルを出発してレース会場での準備に取り掛かりました。

この日は29er男子とiQFOiL男女が4レースを実施。420男子とILCA男女、29er女子が3レースを実施。そして420女子が1レースを実施しました。

この日が勝負の1日だった420の男子チームと女子チームは、前日までの成績から表彰台も狙える順位につけたスタートだったのですが、各国最終日ということもありスタートの位置取りから激しい戦いが繰り広げられ、日本勢は競り合いの中で埋もれる苦しいレース展開が続いてしまいました。
スタートの出遅れを挽回しようと大胆なコースを選択しながら最後まで粘り強く戦いはしましたが、表彰台までは届かず、420男子が10位、420女子が7位でレガッタを終えました。

今回のガルダは日中かなり気温も高く、体力を消耗するようなコンディションが連日続いていました。
またレースコンディションも北風から南風、軽風から順風まで幅広いコンディションでレガッタが行われたことを考えると、今の選手達の力量がそのまま成績に順当に表れたレガッタになったと思います。
サポートボートでのコーチングなどは各国相乗りボートなので限られた面でしかサポートは出来ませんでしたが、選手達の戦いやレガッタを通して把握した情報などは、しっかり集約と分析をして今後に生かしていきたいと思います。

大会期間中、日本からの応援どうもありがとうございました!!

【各担当コーチコメント】
420クラスコメント
「大会最終日は朝の北風で2レース、南に変わってから男女の最終レースを行いました。男子は初の北風でリズムが合わず、初めのレースにカットレースを作ってしまい、2レース目はなんとか修正するも勝負所で上手く噛み合わず、総合10位で大会を終えました。女子は点差が少なく2位までは狙える状況でスタートから有利な左エンドを狙いましたが優勝したギリシャチームに殺されて不利な右展開となり、1上を大きく遅れてしまいました。フリーや2上で集団と反対サイドで逆転を狙い順位をあげましたが、残念ながら1つ順位を下げ総合7位で大会を終えました。」

29erクラスコメント
「29erの最終日は前日レースができなかった男子が朝の北風で3レースを実施。午後の南風で女子が3レース終えた直後に、海上で乗り換えて男子が最終レースを行いました。男子はスタートと走りは悪くないのですが、伸ばすサイドを間違えたり、大きな風の変化を逃して順位に結びつきません。レースの展開力を高める必要性を痛感しました。また女子は最終日にして、ようやくスタートから積極に前に出て、走りも良くなり12-10と力を発揮できました。残念ながら時すでに遅く、総合成績は下位のままです。今後この大会で上位を目指すためには、国内海外を問わず29erで競い合う環境が必須だと思われます。」

iQFOiLクラスコメント
「iQFOiLクラスは最終日4レースを実施しました。両選手とも大会期間中は毎日新たな課題に挑戦することをポリシーに果敢にレースに挑戦し続けたレガッタでした。特にスタートでの攻めの姿勢やトップスピードの追求といった面では一定の収穫を得ることが出来たと感じる一方で、世界との差もハッキリ認識させられた大会となりました。現状の成績をしっかりと受け止めて分析をし、今後どのような強化でこの差を詰めていくのか、選手とコーチで多くの課題にトライしていかなければならないと感じています。iQFOiLやFormula Kiteといったハイスピードボートクラスは若い選手達の台頭が顕著なクラスなので、このユースワールドの上位陣はU23世界選手権でも同様に上位に入ってきますし、クラス別のシニアの世界選手権でも全体の30%を切るようなレベルになってきています。来年、再来年のユースワールド大会では日本勢としての最高順位を毎回更新しながら、入賞やメダル獲得の実現、シニアの舞台でも世界に通用する選手達の輩出を目指して引き続き強化を推し進めていきたいと思います。」

最後まで日本選手の動向をチェックいただき、応援していただいた皆様、改めまして誠にありがとうございました。
世界選手権やオリンピックでの日本選手の継続した活躍、次世代選手の輩出の為にも、このユース世代の選手達の育成・強化は日本セーリング界の非常に重要な課題です。
オリンピックの動向などに併せてこれからユース種目も変革されていくことが予想されますが、ユースワールド大会での日本人選手の複数クラス入賞を直近の目標として捉え、日本セーリング連盟として強化や補助のシステム構築や改善を推し進めていきたいと思います。

2025年ユースワールドはポルトガル・ビラモウラで開催予定です。

大会成績
420級 男子【全24艇】

10位重松 陽 / 酒巻 祐成(霞ヶ浦高等学校)
13-15-6-13-3-7-(19)-10-13

420級 女子【全19艇】
7位森山 伊織 / 林 深姫(鳥取県立境高等学校)
6-8-(14)-9-4-10-1-9-12

29er級 男子【全29艇】
21位堤 悠人 / 後藤 大志(慶応義塾湘南藤沢高等部 / 横浜市立南高等学校)
21-22-11-18-(26)-15-14-1-14-15-16-22-24

29er級 女子【全24艇】
23位東道 すず / ライナス 海波(田園調布雙葉高等学校 / 横浜インターナショナルスクール)
17-19-23-20-22-22-9-20-(24)-24-21-12-10

ILCA6級 男子【全62艇】
29位岡田 佳悟(N高等学校)
25-(45)-27-30-41-18-13-27-23

ILCA6級 女子【全53艇】
36位出口 美帆(静岡県立磐田南高等学校)
(43)-31-40-38-19-34-27-18-20

iQFOiL級 YOUTH男子【全38艇】
32位小薗 正虎(福岡県立香椎高等学校)
29-29-31-31-30-DNF(39)-29-32-32-(36)-(33)-33-28-29-25-19-27

iQFOiL級 YOUTH女子【全26艇】
18位大島 朱莉(立命館守山高等学校)
17-19-21-(21)-18-DNF(27)-18-19-13-20-19-18-17-DNF(27)-17-19-17-11

▲ILCA男子 岡田選手 最終日出艇の様子
▲ILCA女子 出口選手 最終日出艇の様子
▲最終日レース本船の様子
▲コーチボートに集まり最後のアドバイスを受けるILCAクラス選手達
▲朝早くから出艇しましたが、思ったよりも北風は強くなく12ktほどのコンディション
▲iQFOiLクラス 最終日アップウィンドコースレースのスタートシーン
▲iQFOiLクラス スラロームスタートのシーン
▲iQFOiLクラス 大島朱莉選手
▲ILCAクラス レースシーン ボトムマークの回航シーン
▲ILCAクラス岡田選手 最終日良いかたちでのレースもありました
▲29erクラス レース中の日本選手(イエローのジェネカーボート)
▲29erクラス スタート後の日本選手
▲420クラス男子 出艇のシーン
▲420クラス 出艇シーン
▲420クラス レースシーン ダウンウィンドの様子
▲420クラス男子 スタート後良い展開も作れていましたが風を読みきれずスコアをまとめられませんでした
▲チャータボートでの男女乗換え制なので、お互いに助け合いながらレースに挑みました
▲420クラス女子(森山/林ペア) 総合成績7位でレガッタを終えました
▲表彰式の様子 地元イタリアが圧巻の強さを見せた大会でした
▲帰国の様子 iQFOiLチームはギア積載の関係で急遽便を変更して一足先に帰国しました
▲帰国の様子 現地では大きな事故や怪我、病気もなく無事に帰国できました
▲日本チームの応援、ありがとうございました!!

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

大会4日目

World Sailing Youth Sailing World Championships 2024のレースDAY4が終了しました。
DAY4最初のスタートはDAY3でレース消化が不十分であったiQFOiLクラスからで、8:00にこの日の最初のレースが始まりました。朝5:30起床の6:00ホテル出発と海外レースでは滅多にない、早いスケジュール進行を経験することになりました。
ガルダの朝はこれまでの南風とは異なる北風(ペレル)が強く吹くことが多く、この日は18〜12ノットとレース毎に風速が徐々に弱まっていくコンディションながら、男女ともにアップウィンドコースを5レース消化することが出来ました。後半は風もかなり弱く、タイムリミットの短いiQFOiLクラスはDNFにかかってしまうケースも多く発生していました。

お昼に近づくにつれ日射が強まり北風が弱まっていき、420や29erクラスが出艇する13時頃にはいつもの南風(オラ)に変わりました。しかしながら、午前に北風が思ったよりも強く残った影響もあり8ノットほどのライトなコンディションがベースとなりました。
まずは、29er女子と420女子が3レースを終えますが、男子に交代する頃には南風も非常に弱く、この日は29er男子、420男子、ILCA男女はノーレースとなりました。
420女子はこの日の3レースを10位-1位-9位のスコアで終え、前日からさらに順位を上げることに成功しました。2位から8位までがたった6点差の混戦模様なので、最終日の結果次第では表彰台も狙える位置につけています。

最終日となるDAY5は多くのクラスが8:00レーススタートで3〜5レースが予定されています。
最終日の結果次第で順位も大きく変動すると思いますので、最後まで選手達の応援を宜しくお願い致します!!

いよいよレガッタ最終日となるDAY5です。
入賞、表彰台圏内のチームもいますので、最後まで日本チームの走りにご声援を御願いします。

【各担当コーチコメント】
420クラスコメント
「大会4日目は中風コンディションで左エンド崖のブランケットを上手く外しながら岸際のベンドを使って伸ばす展開でした。2レース目は集団が崖のブランケットに入ってる所を上手く抜け出して後続を大きく離してトップフィニッシュしましたが、3レース目はスタートで抜け出せずに埋もれてしまい、逃げタックからの右展開と厳しい戦いを強いられました。総合順位を6位にあげて最終日に挑みます。」

29erクラスコメント
「29erは前日1レースしか行われなかった女子が先に出て3レースを実施し、4レース目の途中で風がなくなってそのまま着岸。男子は残念ながらノーレースとなりました。女子はスタートが大きく改善され、先頭集団にくらいつけるようになったのですが、オーバーセールやジャイブの沈で順位を落としてしまったのが悔やまれます。明日の最終日は朝8時から男子のレースが行われるので、最後まで集中して一つでも上を目指します。」

iQFOiLクラスコメント
「iQFOiLは北風12〜18ノットの良い風の中で5レースを行いました。気温の上昇と共に徐々に風も落ち、ラルに捕まるとフォイリングが出来ずに大きく遅れてしまうスポットも発生するなど安定した南風よりも少し難しいレース展開でした。
日本選手達は積極的なスタートと、スタート後にフレッシュエアーで走り続けられるポジショニングを意識してレースを展開しました。中位以上の順位の選手とはボートスピードの差がある分、どうしたら少しでも前を走れるのか、ストラテジーやタクティクスでカバーできるところがどこなのかを強く意識してもらいました。最終日も果敢に挑戦して帰ってきてほしいと思います。」

大会成績
420級 男子【全24艇】

9位重松 陽 / 酒巻 祐成(霞ヶ浦高等学校)
13-(15)-6-13-3-7 *本日ノーレースにより順位変動なし

420級 女子【全19艇】
6位森山 伊織 / 林 深姫(鳥取県立境高等学校)
6-8-(14)-9-4-10-1-9

29er級 男子【全29艇】
18位堤 悠人 / 後藤 大志(慶応義塾湘南藤沢高等部 / 横浜市立南高等学校)
21-22-11-18-(26)-15-14-1-14 *本日ノーレースにより順位変動なし

29er級 女子【全24艇】
23位東道 すず / ライナス 海波(田園調布雙葉高等学校 / 横浜インターナショナルスクール)
17-19-23-20-22-22-9-20-(24)-24

ILCA6級 男子【全62艇】
35位岡田 佳悟(N高等学校)
25-(45)-27-30-41-18 *本日ノーレースにより順位変動なし

ILCA6級 女子【全53艇】
36位出口 美帆(静岡県立磐田南高等学校)
(43)-31-40-38-19-34 *本日ノーレースにより順位変動なし

iQFOiL級 YOUTH男子【全38艇】
31位小薗 正虎(福岡県立香椎高等学校)
29-29-31-31-30-DNF(39)-29-32-32-(36)-33-33-28

iQFOiL級 YOUTH女子【全26艇】
18位大島 朱莉(立命館守山高等学校)
17-19-21-21-18-DNF(27)-18-19-13-20-19-18-17-DNF(27)

▲北風(ペレル)が強く吹いていた朝。カイトサーファーがたくさん出艇していました
▲iQFOiLクラス 北風が強く残る中で5レースを消化出来ました
▲420女子 出艇前のチューニングシーン
▲420女子 DAY4の2レース目 快調な走りでトップを走る森山/林ペア
▲420女子 トップフィニッシュをしてメディアインタビューを受けているシーン
▲420女子 左崖側のエアポケットを上手く避けたコース取りで抜け出しました
▲29er男子 残念ながらノーレースの1日でしたが、最終日の走りに期待です

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。

大会3日目

World Sailing Youth Sailing World Championships 2024のレースDAY3が終了しました。
この日はこれまで同様に南風(オラ)のコンディションでしたが風速8〜11ノットと穏やかな1日となりました。風が吹き上がってこないこともあり、各クラス共にスタートや待機時間が延期になり、長い1日となりました。難しいコンディションの中でのレースとなった中、各国スコアメイクに苦しんでいた印象でしたが、日本チームはスコアを伸ばすことができDAY4へと繋がる走りを見せてくれました。
29er女子は上手く下スタートを決め、タックして上後続の艇の前を切ることに成功してシングルフィニッシュ。また男子は、良いスタートから第1線に残って上手く走り切りファーストマークからフィニッシュまでトップで逃げ切ることに成功しました。
420では男子が2レース、女子が1レースを実施しましたが、こちらもシングルでまとめる走りを見せ、両チームとも入賞圏内まで上がってきました。
DAY4はレース数も多く設定された勝負の1日となりますので、引き続き日本からの応援を宜しくお願い致します。

レガッタも折り返し、いよいよ終盤です。
引き続き日本チームの走りをご期待ください。

【各担当コーチコメント】
420担当:小泉凱皇コーチ
「420は男女ともにスタートから積極的にレースを展開し全レースシングルでまとめることができました。明日から後半戦、上位陣も順位は荒れているのでまだまだチャンスはあります。目の前の1点に拘り最後まで戦い抜いて欲しいと思います。」

29er担当:後藤浩紀コーチ
「29erは一矢報いる1日になりました。男子はこれまで以上に積極的にスタートで前に出て、第8レースでは見事にトップフィニッシュ。女子は風が落ちて1レースだけでしたが、こちらも積極的に仕掛けて初のシングルを獲得できました。残り2日もこの勢いを持続して、一つでも上を目指します。」

ILCA担当:三部泰成コーチ
「大会3日目は軽風コンディションで下。有利エンドに伸ばしつつブローを上手くつかまなければ戦えない難しいコンディションでしたが、男子はファーストタックで良い位置で返せたレースはシングルで回るなど序盤の良い形の作り方が1レース出来ました。
女子は風速が落ちてボートスピードに少しアドバンテージが出来たこともあり、スタートが良かったレースは途中まで前を走れていました。途中、オーバーセール等で抜かれたりと修正が必要な部分はありますが少し順位をあげることができました。それぞれ良い形を1レース作れたので、明日は引き続きファーストタックの位置を修正して上位を狙って行きたいと思います。」

iQFOiL担当:市川航平コーチ
「iQFOiLはILCAと同海面で15時からレースの予定でしたが、風が弱くレースの進行に遅れが発生し、出艇出来たのは17時になってからでした。女子はスラロームコースで1本行えたものの、男子は風が止んでしまいノーレースに、長い1日が終了しました。
成立した女子のスラロームでは大島選手がスタートから何とか上位陣に食らいつき、7位でフィニッシュ。後続の多くの艇がDNFとなったことで少しスコアを伸ばせました。
DAY4は今日の遅れを取り戻すべく朝早くからレースが行われます。両選手ともこれまでの振り返りを活かして良い走りを期待したいと思います。」

大会成績
420級 男子【全24艇】

9位重松 陽 / 酒巻 祐成(霞ヶ浦高等学校)
13-(15)-6-13-3-7

420級 女子【全19艇】
7位森山 伊織 / 林 深姫(鳥取県立境高等学校)
6-8-(14)-9-4

29er級 男子【全29艇】
18位堤 悠人 / 後藤 大志(慶応義塾湘南藤沢高等部 / 横浜市立南高等学校)
21-22-11-18-(26)-15-14-1-14

29er級 女子【全24艇】
24位東道 すず / ライナス 海波(田園調布雙葉高等学校 / 横浜インターナショナルスクール)
17-19-(23)-20-22-22-9

ILCA6級 男子【全62艇】
35位岡田 佳悟(N高等学校)
25-(45)-27-30-41-18

ILCA6級 女子【全53艇】
36位出口 美帆(静岡県立磐田南高等学校)
(43)-31-40-38-19-34

iQFOiL級 YOUTH男子【全38艇】
34位小薗 正虎(福岡県立香椎高等学校)
29-29-31-31-30-DNF(39)-29-(32)

iQFOiL級 YOUTH女子【全26艇】
19位大島 朱莉(立命館守山高等学校)
17-19-(21)-21-18-DNF(27)-18-19-13

▲ILCA 風の弱い中で待機が長い1日でした
▲ILCA男子 岡田選手
▲iQFOiL 出艇前のシーン
▲iQFOiL 女子のみ1レース成立でした
▲コーチボートが各コーチ乗り合いなのもユースワールドならではの光景です
▲420女子 フィニッシュシーン
▲iQFOiL男子 19時まで粘りましたが風が落ちノーレースでした
▲29er女子 良いスタートからのシングルフィニッシュを決めました
▲29er男子 1stマークから逃げ切りのトップフィニッシュ!!
▲420男子 2レースをシングルフィニッシュで順位を上げました
▲420両チーム シングルでまとめる走りを見せてくれました。勝負のDAY4で表彰台を目指します

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。

大会2日目

World Sailing Youth Sailing World Championships 2024のレースDAY2が終了しました。
本日は昨日からやや風速のアベレージが上がり10〜18ktの南風(オラ)のコンディションでしたが、各海面でのセオリー・ストラテジーなどに大きな変化はなく、各国レース初日のフィードバックを反映しよりシビアな戦いが繰り広げられた1日となりました。
日本勢も初日の反省を踏まえ、スタートや1stマークまでのストラテジーを各クラス念入りに確認したことで、良い走りが時折見られましたが、なかなかフィニッシュまで良い順位を紡いでいくことが出来ず新たな課題の見えた1日となりました。
徐々にではありますが、それぞれの成功パターンを掴めてきている選手もおり、今後のジャンプアップに期待がかかります。

明日が終わればレースも折り返しです。
後半戦に向けて繋がるDAY3にしたいと思います。引き続きの応援、宜しくお願い致します。

【各担当コーチコメント】
420担当:小泉凱皇コーチ
「420男子は昨日のミーティングで課題に出たスタートとボートスピードは大きく改善され、1マークを両レース5番以内で回航することができました。ダウンウィンドレグで1位まで順位を上げることや前との差を詰めることができますが、2回目のアップウィンドレグで相手に対して内側で展開をすることが多く、大きく順位を落とす結果となりました。
女子チームはうまく噛み合わず焦りが出てしまい基本的なミスが目立つ1日になりました。
両チーム共に振り返りを丁寧に行い明日に繋げていって欲しいと思います。」

29er担当:後藤浩紀コーチ
「29erは今日も苦しい1日になりました。初日よりも風が上がり、ガルダ特有のワンサイドが伸びる状況で、スピードが無ければまず前で回れるチャンスがありません。男子は果敢にスタートを攻めていますし、女子も苦しい中でもポジティブに戦っています。明日からのレースで上向く兆しも見えているので、良いレースで後半に繋ぎたいと思います。」

ILCA担当:三部泰成コーチ
「初日よりも風が上がり、本日も苦しい展開でした。昨日で各国とも伸びる方向を把握したのでスタートで有利エンドに伸ばせなければまず前で回れるチャンスがありません。女子は風速も上がってボートスピードでも厳しい戦いになりました。
男子はスタートを果敢に攻めましたが、ファーストタックでなかなか前に出せないケースが多く見受けられました。ボートスピード自体は悪くないので、明日からのレースでファーストタックの位置を修正して後半戦に繋げて行きたいと思います。」

iQFOiL担当:市川航平コーチ
「iQFOiLクラスは、昨日はヒートを2つに分けて(2グループ)でスラロームコースレースを実施しましたが、DAY2の今日は全艇一斉スタートでのアップウィンドコースレースで4レースを行いました。
この日も南風(オラ)でのレースだったので、ガルダの崖ぎわに突っ込むストラテジーをみんな駆使するべく、9〜10割の選手がポートスタートを狙う1日となりました。
男子はポートスタートでポジショニングが上手く行かず、スタート後早々に2線、3線へと埋もれて行ってしまう厳しい展開が続きました。また出遅れが目立つので、そこをしっかり改善して行って欲しいです。
女子はポジションを工夫しながら果敢にポートスタートを繰り返し、時折良いポジションで走れる展開もありました。現状の自分の出せる走り、持ちうる武器でどう上手く戦うのか、そこを良く考えて明日も挑戦を続けてほしいと思います。」

大会成績
420級 男子【全24艇】

16位重松 陽 / 酒巻 祐成(霞ヶ浦高等学校)
13-(15)-7-13

420級 女子【全19艇】
11位森山 伊織 / 林 深姫(鳥取県立境高等学校)
6-8-(14)-9

29er級 男子【全29艇】
21位堤 悠人 / 後藤 大志(慶応義塾湘南藤沢高等部 / 横浜市立南高等学校)
21-22-11-19-(26)-15

29er級 女子【全24艇】
23位東道 すず / ライナス 海波(田園調布雙葉高等学校 / 横浜インターナショナルスクール)
17-19-(23)-20-22-22

ILCA6級 男子【全62艇】
36位岡田 佳悟(N高等学校)
25-(45)-27-30

ILCA6級 女子【全53艇】
41位出口 美帆(静岡県立磐田南高等学校)
(43)-31-40-38

iQFOiL級 YOUTH男子【全38艇】
34位小薗 正虎(福岡県立香椎高等学校)
29-29-(31)-31-30-DNF(39)-29-32

iQFOiL級 YOUTH女子【全26艇】
20位大島 朱莉(立命館守山高等学校)
17-19-(21)-21-18-DMF(27)-18-19

▲ILCA男子 岡田選手 出艇前準備シーン
▲ILCA女子 出口選手 出艇前準備シーン
▲iQFOiL 小薗選手
▲ガルダの断崖を背景に iQFOiL 大島選手。良いポートスタートから1stマークの手前で7番手ほどの好位置につけたレースもありました
▲420男子(重松選手/酒巻選手) トップ回航など良い走りが見られるようになってきました。フィニッシュまで順位をキープするのが明日への課題です
▲420女子レースシーン
▲iQFOiL スタートシーン 後半の2レースは男子も女子も全艇がポートスタートでした
▲29er男子 レース前シーン
▲ILCA男子 艇数が多く、スタートと1stタック後のポジショニングが重要になります
▲早めにレースが終わったチームは鈴木トレーナーの指導のもとで、明日に向けたクールダウンもしっかり行なっております。熱中症予防、各種症状への対応などでもサポートして下さっています
▲個別ケアの様子
▲伊藤超短波さんの医療機器も使用してケアにあたっています

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。

大会1日目

World Sailing Youth Sailing World Championships 2024のレースDAY1が終了しました。
この日は8〜18ktの南風(オラ)のコンディションで各クラス2〜4レースが行われました。日本勢は全体的にスタートポジショニングから苦戦する展開が多く見受けられ、タクティクスとストラテジー面で課題が多く見えた1日となりました。
国内ではボートスピードの優位性を武器にスタートやコースのミスはリカバリー出来ても、自分よりも速く上手い選手が多く出場するこのような大会では、ポジショニング争いや競り合いの強さといったスキルは特にシビアに求められてきます。各クラス初日の結果を踏まえてしっかりブリーフィングも行ったので、ここからの選手達の奮闘に期待したいと思います。

【各担当コーチコメント】
420担当:小泉凱皇コーチ
「420は思うようなスタートが出来ず、苦しい展開からレースが始まりました。特にスタートのポジショニングや走り出しの技術は海外勢の方が上手く、日本チームはスターボードからポートへの方向転換が早くなり、苦戦を強いられた1日でした。その中でも女子チームはうまく抜け出し、フレッシュウィンドを掴みながら徐々に順位を上げてくることが出来ました。明日はスタートから積極的なレースができるように取り組んでいってほしいと思います。」

29er担当:後藤浩紀コーチ
「29erは男女ともポテンシャルを活かせない初日となりました。男子はスタートも良く前に出れたのですが、マーク際のコース取りで順位を落とすことが目立ち、女子はスタートが消極的で走る場所がない展開でした。クローズの走りは男女とも良いものを持っているので、明日はそれを活かすレースを目指します。」

ILCA担当:三部泰成コーチ
「ILCAは男女とも伸ばす方向が噛み合わず苦しい初日となりました。男子はスタート良く前に出たのですがアプローチで順位を落とし、女子はスタートが上手く出れずに走る場所がない展開でした。途中順位を上げる場面も有りましたが、ゲートマークで選択を間違えて大きく順位を落とすなど、1日を通して良いコースが取れませんでした。明日はコースを修正して挽回したいと思います。」

iQFOiL担当:市川航平コーチ
「iQFOiLは8〜14ノットのコンディションでスラロームコースレースを4レース行いました。男子はスタートのポジショニングで苦戦し、またボートスピードの加速でも置いてかれる展開でした。最終レースではボトムマーク回航時のケースで沈もしてしまい、審問も経験するなど学びの多い1日になったと思います。女子は昨年のU17ワールドでの経験を活かして、果敢に攻めて良いスタートも切れていましたが、ボートスピードが少し足らず、徐々に艇団に吸収されてしまいこちらも苦しい展開を強いられていました。初日の反省をしっかり活かして、2日目はまた違う挑戦をしっかりしてほしいと思います。」

大会成績
420級 男子【全24艇】

16位重松 陽 / 酒巻 祐成(霞ヶ浦高等学校)
13-14

420級 女子【全19艇】
8位森山 伊織 / 林 深姫(鳥取県立境高等学校)
6-9

29er級 男子【全29艇】
21位堤 悠人 / 後藤 大志(慶応義塾湘南藤沢高等部 / 横浜市立南高等学校)
21-(22)-11

29er級 女子【全24艇】
21位東道 すず / ライナス 海波(田園調布雙葉高等学校 / 横浜インターナショナルスクール)
17-19-(23)

ILCA6級 男子【全62艇】
35位岡田 佳悟(N高等学校)
25-45

ILCA6級 女子【全53艇】
40位出口 美帆(静岡県立磐田南高等学校)
25-45

iQFOiL級 YOUTH男子【全38艇】
34位小薗 正虎(福岡県立香椎高等学校)
29-29-(31)-31

iQFOiL級 YOUTH女子【全26艇】
21位大島 朱莉(立命館守山高等学校)
17-19-(21)-21

▲iQFOiL会場のCircolo Surf Torbole 出艇シーン
▲420男子 スタートから苦戦を強いられた1日目でしたが、2日目からに期待です
▲420女子(森山選手/林選手)
▲29er女子(東道選手・ライナス選手) 出艇してレース海面へ向かうシーン
▲iQFOiL(小薗選手・大島選手)iQFOiLは男女4レースずつスラロームレースを行いました
▲iQFOiL(大島選手) スタートは果敢に攻めていましたが、ボートスピードで置いてかれる展開でした。マークラウンディングでもインサイドの競り合い時にジャイブで沈してしまったり勿体無い1日でした
▲ILCA女子 出口選手
▲ILCAレースシーン
▲iQFOiLレースシーン 男女とも2ヒートずつに分かれてスラロームコースレースを4本行いました
▲420女子 森山選手/林選手 この日の2レースを6-8でフィニッシュし、総合8位につけています。スタートで苦戦しているので、良いポジションをキープ出来れば更に良い順位も見えてきそうです

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。

大会前日

World Sailing Youth Sailing World Championships 2024がイタリアのRiva del Garda(ガルダ湖)にて7月15日から19日まで開催されます。
大会会場のガルダ湖は南北に広い湖になっており、この時期はドイツをはじめヨーロッパ各国からバカンスを楽しむ人々で賑わう観光リゾート地となっています。
暑い気候の中でレースを行うため、選手達にとってはタフな1週間となることが予想されますが、日本選手達にご声援をお願いします。

▲日本を出国する日本選手団(*420女子チームはヨーロピアン遠征からの現地合流)

大会名:World Sailing Youth Sailing World Championships 2024(ITALY)
開催地:イタリア・ガルダ湖
大会期間:2024年7月15日(月)~7月19日(金)5日間

出場選手:
420級 男子
重松 陽 / 酒巻 祐成(霞ヶ浦高等学校)

420級 女子
森山 伊織 / 林 深姫(鳥取県立境高等学校)

29er級 男子
堤 悠人 / 後藤 大志(慶応義塾湘南藤沢高等部 / 横浜市立南高等学校)(HOPEユース)

29er級 女子
東道 すず / ライナス 海波(田園調布雙葉高等学校 / HOPEユース・横浜インターナショナルスクール)

ILCA6級 男子
岡田 佳悟(HOPEユース・N高等学校)

ILCA6級 女子
出口 美帆(静岡県立磐田南高等学校)

iQFOiL級 YOUTH男子
小薗 正虎(HOPEユース・福岡県立香椎高等学校)

iQFOiL級 YOUTH女子
大島 朱莉(HOPE ユース・立命館守山高等学校)

帯同コーチ:
市川航平 / 三部泰成 / 鈴木慶 / 後藤浩紀 / 小泉凱皇

我々、日本チームは11日に現地入りをし、レース艇の受け取りや準備・コンディショニング・練習を行なってきました。13日にはガルダの旧市街地でオープニングセレモニーを行い、14日には各クラス1レースのプラクティスレースが行われました。

出発直前にiQFOiLクラスの道具が大会までに輸送が間に合わずチャーター艇が不足するトラブル報告を受け、急遽各国自前のギアを輸送しなければならない事態も発生しましたが、日本の全クラス・全選手とも道具の準備は間に合いレースに臨める体制を整えることが出来ております。

また前回大会ブラジルでは、日本チームは体調管理の面で苦戦した経験もあるので、選手のメディカル面のケアとして鈴木トレーナーにも帯同をいただき、選手ケアの面でも万全の体制を整えております。コーチ・スタッフ一丸となって、ユース最高峰の大会で選手達が最高のパフォーマンスを発揮できるようにサポートしていく所存です。

レース期間の5日間、チーム一丸となってしっかり戦い抜きます。
日本選手の応援、どうぞよろしくお願いします。

▲ガルダ湖での練習をする420チーム
▲iQFOiL 小薗選手・大島選手の出艇シーン
▲29er男子(堤選手・後藤選手) 出艇シーン
▲420級女子(森山選手・林選手) 出艇シーン
▲420級男子(重松選手・酒巻選手)
▲ILCA級女子(出口選手)
▲ILCA級男子(岡田選手)
▲iQFOiL級(小薗選手/大島選手)
▲29er級男子チーム(堤選手/後藤選手)
▲29er級女子チーム(東道選手/ライナス選手)
▲チャーターボートの艤装を進めるILCA級(岡田選手)
▲ガルダ湖で練習するiQFOiLクラスの選手たち
▲日本チーム 選手全員集合写真
▲日本チーム オープニングセレモニー

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。