大会5日目

大会最終日の今日は、これまでの4日間とは逆方向の北風が吹く予報通り、朝から肌寒い天気となりました。風速も予報通り徐々に上がり始め、最初のレースが行われる頃には最大15ktほどのガストが入っていましたが、北側は陸地が非常に近いため風のムラが激しく、8〜15ktほどの強弱と50°近く振れるトリッキーなコンディションとなりました。

嶋倉・上園田はトリッキーなコンディションで序盤はリードを許すことが多かったものの、2周目のアップウインドで大きく挽回する展開で、2レースともシングルでフィニッシュしました。後続と大きく点差を引き離し、決勝シリーズでは圧倒的な成績でシルバーフリート1位で今大会を終えました。予選最終日に大きく崩し、ゴールドフリートを逃したことで26位以上に上がることはできませんでしたが、後半のレースを見ると今回の成績以上の順位を確実に残すことができると感じました。また予選レースでのコンシスタントな順位をとり続ける重要さを再確認する良い経験となりました。

市橋・後藤は、振れ回る風と大きな強弱に翻弄され、普段しないようなミスや、判断ミスが多発し、今大会で一番良くない1日となってしまいました。自分たちの走りができれば少しずつ順位を上げていける場面で大きくジャンプアップを狙って博打をしてしまったり、不利だと分かっていながら反対方向に行ってしまったりと自滅が目立つレースとなりました。

両チームとも、レガッタを通して、今大会に向けて行った合宿、練習の成果が確実にレースに活きている部分と、これから詰めていかなければならない課題がはっきりと浮き彫りになりました。今回参加した選手たちは、今シーズンの国際大会はこれで最後となりますが、来シーズンに向けて着実に成長することができるよう、目標・計画を練り直して活動していきます。ご声援ありがとうございました。

大会成績
49er級【参加艇数60艇】

26位嶋倉 照晃 / 上園田 心太浪(早稲田大学 / SAGA MIRAIプロジェクトJV)
22-1-11-12-1-(27)-23-17-26-1-2-1-9-3

49erFX級【参加艇数33艇】
11位市橋 愛生(早稲田大学 / 後藤 凛子(青山学院大学)
(28)-17-10-6-7-4-2-18-11-19-12-19-14-14-27

▲49er級 優勝マルタ、2位ニュージーランド、3位ドイツ
▲49erFX級 優勝イタリア、2位ドイツ、3位ポーランド
▲Nacra17級 優勝ベルギー、2位ベルギー、3位フランス
▲今大会で試験導入されたVakarosシステム。スタートでのOCSやUFD、BFDをGPSで感知し、即時に選手に通達することができる。システムでフライングと通達された艇はそのレースをリタイアしなければならないというルールで行われた

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。

大会4日目

大会4日目は朝から雨が降ったり止んだりで風はありましたが、霧がひどく視界がほとんどないということで30分ほど待機したのち、レースが始まりました。
これまでで一番良い風の予報通り、15kt前後で雨雲が通過するたびに風速が上がり、雲が晴れると風速が落ちるようなコンディションとなりました。また、これまでも藻が浮いていることはありましたが、今日は特に大きな塊でレースエリアの至る所に点在し、藻にも気をつける必要があるようなレースとなりました。

嶋倉・上園田は、今日からシルバーフリートでのレースとなりましたが、コース選択が冴えており、スタートから1タック目までで集団を支配し、それ以降は安定したレース展開で、今日のレースを1.2.1と他を寄せ付けない圧倒的なスコアでシルバーフリートのトップに立ちました。

市橋・後藤は、スタートは悪くないものの左海面しか伸びないコンディションに苦戦し、一度リードを許すと挽回が難しいため、苦しい結果となりました。上位チーム以外の選手も今日のレースで大きく崩してしまったため総合順位は変わらずですが、上位との点差が大きく開いてしまう1日となりました。

明日大会最終日は、これまでの4日間とは逆の北風が吹く予報となっています。北側は陸地が近いため、これまでとは違ったコンディションになることが予想されます。少しでも上の順位を目指して最終日も頑張っていきます。

大会成績
49er級【参加艇数60艇】

26位嶋倉 照晃 / 上園田 心太浪(早稲田大学 / SAGA MIRAIプロジェクトJV)
22-1-11-12-1-(27)-23-17-26-1-2-1

49erFX級【参加艇数33艇】
9位市橋 愛生(早稲田大学 / 後藤 凛子(青山学院大学)
(28)-17-10-6-7-4-2-18-11-19-12-19

▲雨と霧で視界が悪い1日でした
▲今大会4度目のトップフィニッシュを決める嶋倉・上園田
▲49er/49erFX公式SNSからインタビューを受ける市橋・後藤

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大会3日目

大会2日目の今日も風待ちから始まりました。昨日と比べると早い段階で風が入り始め、昼すぎには49erFX級のレースが始まりました。だんだんと風速が上がっていき、男子がレースする頃には12kt前後のフルパワーコンディションとなりました。

嶋倉・上園田ペアは苦手なフルパワーコンディションでのボートスピードに苦しみ、ほぼ全てのレースで素晴らしいスタートを切るもののスピードでついていくことができず徐々に苦しいポジションになり、逃げから始まる展開を強いられ、片振れするコースで挽回のチャンスもほとんどないため順位を落とし続ける結果となりました。
今日で予選が終了し、上位25位以内のゴールドフリート進出を逃し、明日からシルバーフリートでのレースとなります。

市橋・後藤ペアは、攻めのスタートから第7レースは2位フィニッシュと好調でしたが、続くレースではスタートで抜け出せず、追いかける展開となりました。第9レースも素晴らしいスタートから左展開をし、第1マークを2位で回航したものの、2度目のアップウインドで順位を守りきれず、11位まで落としてしまう結果となりました。

今日は風は安定しているもののワンサイドゲームになることが多く、レース序盤で躓くと挽回のチャンスはほとんどなく、上位にいても有利サイドから少しでも離れてしまうと一気に置いていかれるようなレースとなり、ボートスピードが重要となった1日でした。
明日は今レガッタを通して初めて良い風の予報となっているので、良いレースができることを期待します。

大会成績
49er級【参加艇数60艇】

31位嶋倉 照晃 / 上園田 心太浪(早稲田大学 / SAGA MIRAIプロジェクトJV)
22-1-11-12-1-(27)-23-17-26

49erFX級【参加艇数33艇】
9位市橋 愛生(早稲田大学 / 後藤 凛子(青山学院大学)
(28)-17-10-6-7-4-2-18-11

▲下マークを2位で回航する市橋・後藤
▲混戦の上マーク回航
▲朝は全く風がありませんでした

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大会2日目

大会2日目の今日は予報通り風がなく、長い風待ちから始まりました。予定から約3時間遅れてレースを始めますが風が安定せず、スタートシークエンスを始めては延期を繰り返しながらなんとか49er級は2レース行いました。49er級のレースの後、17時を回ってから49erFX級は出艇となりました。そよそよ入ってきた8〜10kt前後の風で3レース行うことができましたが、最終レースをフィニッシュする頃には20時を過ぎており、選手にとっては長い1日となりました。

嶋倉・上園田ペアは不安定な風ながら、今大会2度目のトップフィニッシュを飾り、他の選手が崩していることもあり、総合5位まで順位を上げました。陸に近いコースエリアでは、ピンエンドスタート〜左奥展開がゴールデンコースとなっており、実現することができれば上マークを確実に上位で回ることができます。シンプルではありますが、シンプルだからこそ失敗した際に取り返すことが困難なため、嶋倉・上園田は毎レース攻めの姿勢で素晴らしいレースをしています。

市橋・後藤ペアは、昨日からの反省を生かし、堅実なレース運びで終始安定したレースを行い、徐々に順位を上げながら3レース全てをシングルでまとめ、総合7位まで順位を上げました。

明日は49er級の予選最終日となります。まずは第一関門の上位25位以内、ゴールドフリート進出を目指します。
明日のスケジュールは、49erFX級とNacra17級が午前、49er級が午後となります。天気予報は今日と同じくあまり期待できない風となっていますが、日本チームに良い風が吹くことを祈っています。

大会成績
49er級【参加艇数60艇】

5位嶋倉 照晃 / 上園田 心太浪(早稲田大学 / SAGA MIRAIプロジェクトJV)
(22)-1-11-12-1

49erFX級【参加艇数33艇】
7位市橋 愛生(早稲田大学 / 後藤 凛子(青山学院大学)
(28)-17-10-6-7-4

▲長い風待ちとなりました
▲今大会2度目のトップフィニッシュをする嶋倉・上園田
▲20時を過ぎてもレースが行われるのは日が長いヨーロッパならでは

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大会1日目

大会初日の今日は、予報通り風がなく、陸上待機から始まりました。お昼頃にはシーブリーズの風向に変化し、1時間ほどの風待ちの後、出艇しました。
49erFX級の最初のレースは5〜6ktほどの軽風コンディションでしたが、だんだん風速は上がり、女子の後半レースと男子のレースは8〜12ktほどの中風コンディションとなりました。全てのレースではありませんが、ほとんどのレースでピンエンドからスタートして陸地に近い方へ展開し、レイラインギリギリを攻めるコースを走った選手が上位で上マークに到達していた印象です。そのため、ピンエンドのポジションを最後まで守りきり、良いスタートをすることが重要となりました。

市橋・後藤ペアは、33艇一斉スタートと普段よりも多い艇数に加えて、乗り始めて間もない選手もいるため、スタートやマーク際で集団に巻き込まれてミスが目立つ初日となりました。少しずつペースを取り戻して、3レース目には落ち着いたいつものレースができるようになってきました。明日からの挽回に期待します。

嶋倉・上園田ペアは、第1レースから絶好調で第1マークをトップ回航その後も2位をキープしていましたが、レース中の艤装品トラブルの修復に手間取り、22位まで落としてしまいました。しかし、失敗から落胆することなくうまく切り替えて、次のレースでトップフィニッシュを飾ったことには選手たちの素晴らしい成長を感じます。3レース目も手堅くまとめて、波乱の初日となりましたが、ゴールドフリート圏内で明日以降の戦いに備えます。

明日は49er級が午前、49erFX級とNacra17級が午後のスケジュールとなります。天気予報はあまり期待できない風となっていますが、良いレースができることを期待しています。

大会成績
49er級【参加艇数60艇】

18位嶋倉 照晃 / 上園田 心太浪(早稲田大学 / SAGA MIRAIプロジェクトJV)
22-1-11

49erFX級【参加艇数33艇】
18位市橋 愛生(早稲田大学 / 後藤 凛子(青山学院大学)
28-17-10

▲出艇準備をする市橋・後藤
▲レース前の調整をする市橋・後藤
▲第1マークをトップ回航する嶋倉・上園田
▲トップフィニッシュ!!

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大会前日

49er, 49erFX and Nacra17 Junior World Championships 2024が7月17日〜21日までスペインのガリシアにて開催されます。

今大会は上記クラスに取組む23歳未満の選手の世界一を決める大会であり、世界中の若いスキフ選手たちがこの大会を目標にこれまで取り組んできています。

スペインのガリシアは、スペインの北西、北大西洋側に位置しています。大会会場は湾の奥にあるため、ある程度の風速でもフラットで波のたたない海面となっています。干満の差が大きく、時間によっては潮流が強いため、軽風シリーズが予想される今大会は風のみでなく海面によっては潮流についても考える必要がありそうです。

大会名:49er, 49erFX and Nacra17 Junior World Championships
開催地:スペイン・ガリシア Galician Sailing Center
大会期間:2024年7月17日(水)~7月21日(日)

出場選手:
49er級
嶋倉 照晃 / 上園田 心太浪(早稲田大学 / SAGA MIRAIプロジェクトJV)

49erFX級
市橋 愛生(早稲田大学 / 後藤 凛子(青山学院大学)

エントリーは、49er級が60艇、49erFX級が33艇、Nacra17級が13艇となっており、49er級のみ2フリートで予選決勝方式、49erFX級とNacra17級は1フリートでのレースとなります。

大会直前に3日間行われていたコーチレガッタで、嶋倉・上園田が10位 / 39艇中、市橋・後藤が7位 / 21艇中と各国選手が全レース参加しているわけではありませんが、レース前の調整としては良い状態でレースに臨むことができそうです。

大会前日は、プラクティスレースと開会式が行われました。
嶋倉・上園田は、男子チームのほとんどがプラクティスレースに参加しないとのことだったので、午後から船の整備を念入りに行い、休養をとりました。
市橋・後藤はプラクティスレースに参加し、4〜7ktほどの軽風レースを3位でフィニッシュしました。

明日は49erFX級、Nacra17級が午前、49er級が午後からレース予定です。今大会は軽風シリーズが予想され、風向によって特徴がガラリと変わるため、安定して上位を取り続けることが重要となりそうです。

▲計測の様子
▲大きな国旗を持って行進しました
▲街中の広場で開会式が行われました
▲応援よろしくお願いいたします

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