大会5日目
Day5は決勝シリーズ最終日となりました。本日もMalojaの風が11時前から吹きはじめましたが、昨日ほど安定して吹き上がってはきません。多少強弱がありガスティ、シフティーなコンディションでしたが、12時からシルバーフリートのマラソンレースが実施されました。
本日は地元の47th ENGADINWIND MARATHON レースも同時に実施され、湖面は5分後にスタートしたカイト、ウィング、ウィンド、モスなどのフォイルレーサーも交わったレースとなりました。
マラソンレースはボートによるラビットスタートで始まり上マーク、下マークに続いてスラロームジャイブマークが設置されたコースを5周回りました。穴見選手はラビットスタートで下スタートを決めて、1上マーク手前まで3位を走る好位置にいましたが、マーク付近で風速が落ちたことでしばらくフォイリング出来ずに止まってしまい順位を大きく後退、スタートのアドバンテージを失いこのレースでも10位前後を一進一退しながら最終的には12位でフィニッシュしました。
続いてゴールドフリート、女子フリートのマラソンレースを実施した後には、コースレースを2レース行い、明日のメダルレースを残して全ての予選〜決勝レースが終了しました。
今大会で穴見選手はレースを行うごとに技術や戦略がステップアップしていくことが感じられ、昨年に比べてフィジカルの強化の影響でボートスピード、レースマネジメント力、動作が良くなった印象です。
ここから更にもう1つ前のグループでレースをしていくためには、レース戦略の面での集団に対する位置取りやレース展開予測の素早さ、風速変化への対応力など、よりシビアで感覚を研ぎ澄ましていく課題があるのではないかと思います。20歳になったばかりの穴見選手にとって今大会は年上の世代が多くいる中でのレースとなりましたが、今後もフィジカル強化、体重増量、技術力アップなどをしっかり行い、厳しいレース練習を積んで活躍してほしいと思います。大会中の応援、有難うございました。
【穴見選手のコメント】
「今大会は、レース前半はスタートの時点で前に出ることが出来ずに順位を落とすことが多かったです。レース後半では、課題であるスタートを改善することができ、ファーストタック後に集団の前に出ることにも成功しました。トレーニングや増量の成果もあり安定したボートスピードを発揮することも以前よりも出来たと思います。しかし、レース中のコース選択やフォイリングタックが不完全なためトップ集団から離されてしまうなど課題も見えました。今回見つかった課題を克服して、さらに上のレベルに行けるように頑張ります。」
大会成績
iQFOiL級 U23【男子参加:101艇】
68位穴見 賢太
BFD(35)-27-11-21-34-(38)-(36)-32-34-16-10-7-(17)-12-12-12-(22)-11
Report & Photo by オリンピック強化委員会
大会4日目
Day4も朝は静かな無風に始まり、10時半くらいからMalojaの風が入り始めました。昨日で予選シリーズが終わり、本日からはゴールドフリートとシルバーフリートに分かれて決勝シリーズが始まりました。
穴見選手はシルバーフリートでのレースとなり、スタート予定の11時30分には風速も14~15knots、ガストで19knotsの風が入りはじめ、昨日同様に素晴らしいコンディションの中でコースレース5レースが実施されました。
本日はスタートでも積極的な姿勢を見せながら、昨日のコースレースでの反省点を踏まえてスタートでの位置取りや出遅れといった点に注意してレースに挑みました。また、ラフィングやパンピング時に見られていた上り過ぎてしまうことでの失速も改善を図れてきており、昨日よりもロスを大きく減らしたレース展開が出来ていました。
スタート直後の走らせ方が変わったことでファーストタックまでのポジション取りがしやすい展開を作れるようになってきたと思います。ファーストタックでの失速を極端に少なくできたレースでは、途中5位を走る場面もありながら、最終的には7位でフィニッシュすることも出来ました。
第2レースの途中から風速15~17knots、ガストで22knots以上の風が入りましたが、本日の5レースは全体的に10位前後を走ることが出来ていて、一進一退の展開で走る中でコースの組み立て方なども整理出来たのではないかと思います。順位を落としたレースでは1つのタックキングでのテクニックミスや、風の振れを上手く捉えきれないコース取りなどがロスの大きな原因となっていました。
シルバーフリートではありますが、昨日よりレース内容は良くなっていると思いますし、トップ10以内をコンスタントに走り続けるために必要なこと、また前での走らせ方などが見えたのではないかと思います。
明日はコンスタントなMalojaの風が吹いた場合、12時よりマラソンレースを予定しています。シルバプラーナでのマラソンレースは狭い湖面を5周することから、フィジカルとテクニックを最大限のレベルで必要とする「スプリントマラソン」と言えるハードなレースです。今大会のフリートレースの最終日となるので、最大限の力を出し切って走ってほしいと思います。
大会成績
iQFOiL級 U23【男子参加:101艇】
68位穴見 賢太
BFD(35)-27-11-21-34-(38)-(36)-32-34-16-10-7-(17)-12
(DAY4 シルバーフリートはコースレースで5レース実施)
Report & Photo by オリンピック強化委員会
大会3日目
iQFOiL U23世界選手権のDay3は予報通りMalojaの風が朝から入り始め、シルバプラーナでのベストコンディションの1日になりました。
この日は予選最終日ということでコースレースを5レース実施、スタート予定時刻の12時には11~14ノットの風が入り、4レース目を行う頃には風速は15-17ノット、時折19ノットを超えるブローが入るまでに強まりました。
レースは先にイエローフリートを行い、次にブルーフリートを行う形で、1海面を交互に交代して行われました。男子のフリートは参加艇数が101艇に及ぶので各フリート50艇程度に分けてレース進行です。ここ数年のこの海面でのスタートラインと比べてスペースもあり安全性も高くレースはしやすそうに見えますが、シルバプラーナのガスティかつシフティーなコンディションにスタートのタック選択(スターボーorポート)やポジション取り、風向のシフトに合わせたタッキングポイントの選択が難しいようでレグの序盤に苦戦しているトップ選手も多く見られました。
穴見選手は今日で順位を上げなければゴールドフリートに行けなくなるため重要な1日でした。スタート前はコース取りなどを考えたりしていましたが、レースではスタートの段階でポジションが悪いことから苦戦した1日になりました。スタート時のラフの技術やパンピングの技術に課題があることが見え、パンピングや動作の際にボードが上ってしまうことで失速してしまうこと。またスタート前のラインの見え方や切り替えに課題があるようです。
シルヴァプラーナはレースエリアが狭く限られていることから、ストラテジー上どうしてもタックの回数が多めになります。上位の選手達はフォイリングタックなどのテクニックを駆使してロスを少なくコース選択をしていますが、穴見選手も昨年に比べてタッキングで置いていかれることが減っていることが見受けられますし、ダウンウィンドの走りはスピードやコース面でも総じて良いことなど成長している点もしっかり確認出来ています。
本日までの成績で明日からはシルバーフリートでのレースとなりますが、現状で必要な改善点を意識して明日からも順位を上げる走りをしてほしいと思います。
大会成績
iQFOiL級 U23【男子参加:101艇】
79位穴見 賢太
BFD(35)-27-11-21-34-(38)-(36)-32-34
(前半4レース:スラロームコース / 後半5レース:コースレースで実施)
Report & Photo by オリンピック強化委員会
大会2日目
本日は予報通り北西の風が朝から入りはじめ次第に吹いてきましたが、シルバプラナでは南からのMaloja風でしか安定したレースが実施できないため、風向きがMalojaに変わる可能性に賭けて1日長い風待ちとなる陸上待機をしました。待機中は、大会会場内にてバレーボールやサッカー、湖上ではトーイングで遊んだりと選手達はそれぞれにアクティビティを楽しんで時間を潰したり、近くの宿の選手は部屋に帰ってくつろいだりして過ごしていましたが、残念ながら終日風向きが安定することはなく16時にAP/Aが掲揚され本日のレースはキャンセルとなりました。
DAY3はMaloja風がしっかりと期待できる予報が出ていますので、残りの予選レースを引き続き行っていく予定です。10時にスキッパーズミーティング、12時にスタート予定のスケジュールとなっています。
Report & Photo by オリンピック強化委員会
大会1日目
大会初日、10時にスキッパーズミーティング、12時からレーススタートを予定し、予報通りシルヴァプラーナのレギュラー風であるMalojaが昼前から少しずつ入り始めスラロームレースを男子からスタートしました。
シルヴァプラーナの風上側をMaloja海面(blue fleet)、風下側をSt.Moritz海面(yellow fleet)として、男子は2海面を使って6ヒートのグループ分けで4レースを行いました。
シルヴァプラーナ湖は大きな湖ではないこともあってプレスタートエリアは狭く、今大会ではスタート前のルールが変更になり通常スタート30秒前からのところ今大会ではスタート15秒前から第1マークに向けてプレスタートエリアを走らなければならないルールに変更されています。
穴見賢太は本日yellowグループ、風下側海面でした。風が吹き上がる前の第1レース、思い切りの良いスタートで飛び出し良い位置を走りましたが最初のレースは惜しくもBFD(フライングによる失格)。
iQFOiLクラスはスタート時のトップスピード+タイムアンドディスタンスの判断が非常にシビアなクラスです。
続く第2レースからは風が徐々に上がり始め、スタートの位置取りに苦戦することになりました。また、第3、第4レースもスタートは集団の混戦に埋もれてしまいましたが、ゼネラルリコールを繰り返していくうちに有力選手がBFDなどで失格、スタートから排除されるラッキーなレースもあり、第3レースでは6位を走りました。
今日は、第1マークからのダウンウィンドのコース取りは良く、順位をあげていける走りが出来ていたことは良かった点でした。
一方で、レース後半の風が上がってきたコンディション、15ノットを超える風の中でのスラロームレースでは、スタートの位置取りやスピード負けが課題として見えています。
今大会ではU23クラスで年上の選手が多くいる中でのレースですが、全体の50%に入ることを目標にしていますので残りの予選レースで上位を目指していきます。
Report & Photo by オリンピック強化委員会
大会前日
iQFOiLクラスU23の世界選手権がスイスの東部に位置するシルヴァプラーナ湖にて8月20日から25日まで開催されます。北側にはサンモリッツ湖、南側にはシルス湖もあり、この地域ではウィンドだけでなくカイトやウィングなど、ウォータースポーツ全般が盛んに行われています。
大会名:2024 iQFOiL U23 World Championships & iQFOiL International Games #3
開催地:スイス・シルヴァプラーナ湖
大会期間:2024年8月20日(火)~8月25日(日)6日間
出場選手:iQFOiL U23 穴見 賢太
帯同コーチ:小菅寧子
U23の世界選手権は毎年この時期にここスイスで行われるのが定例化しており、次世代を担う各国の選手達の登竜門とも言える大会になっています。
日本からは派遣代表選手として男子クラスに穴見賢太選手が参加しますが、昨年に引き続いての参戦となるので、去年の成績を越えてどこまで上を目指せるか期待がかかります。
18日、19日は大会レジストレーション、また道具登録やFOIL計測などが行われました。19日に予定されていたプラクティスレースは、風向風速などコンディションが良くないためキャンセルとなってしまいましたが、事前練習ではシルバプラーナのレギュラーウィンドが吹いて良い風の中で事前練習を行うことができたようです。
明日からの大会期間中は軽風予報が出ているので、序盤にスコアを崩さずにまとめられるかが最初の課題となってきそうです。
iQFOiLクラスは、アップウィンドコース、スラロームコース、マラソンコースと様々なレースフォーマットが楽しめることも魅力のクラスです。
大会HPから成績だけでなく動画やトラッキングなども追っていただきながら、穴見選手の応援をしていただければと思います。
Report & Photo by オリンピック強化委員会