期間:2025年4月4日(金)
開催地:国立スポーツ科学センター(JISS)
概 要 本レポートは、2025年1月の体力測定に参加できなかったユース選手を対象に実施された、HOPE育成プログラム第1回体力測定(補講)について報告です。本測定は、年3回実施される定期体力評価の一環であり、選手の日々のトレーニング成果と成長の経過を科学的に把握し、個別の育成計画に活かす重要な機会となっています。
測定にあたっての準備
当日は、JISSのフィットネスチェック担当スタッフより、選手と保護者へ丁寧な測定説明が行われました。その後、保護者署名済みの同意書を提出し、当日の体調確認シートと体温チェックを経て、測定を安全に実施しました。
測定種目と目的
本測定では、セーリング競技に必要な身体的要素を多面的に評価するため、以下の種目を実施しました。各種目は、体力構成要素(筋力、パワー、持久力、敏捷性など)に基づき、選手の競技力・成長段階を客観的に捉えることを目的としています。
午前セッション
〇体組成測定(INBODY・BODPOD)
体組成は、競技パフォーマンスの土台となる身体構造の質を把握する上で不可欠な要素です。
〇筋力評価(Biodex:膝関節・体幹)
等速性筋力の定量評価し、最大筋力と筋力バランスを測定します。特に関節周囲筋の左右差、筋出力、筋バランスを評価。
〇最大持久力評価(2000mローイング)
最大酸素摂取量(VO₂max)の推定および有酸素持久力の評価し、全身を使った有酸素運動による心肺持久力の把握。特に長時間におよぶセーリング競技で必要な疲労耐性や回復力と直結する指標。
昼食休憩:アスリートビレッジにて
施設内アスリートビレッジでの栄養バランスに優れた食事も体験。選手たちは午前の疲労を癒しながら、午後の測定に向けて英気を養いました。
午後セッション
〇スプリント能力(30m走)
短距離ダッシュにより、スタート時の加速力および最大スピードを測定。
〇敏捷性(反復横跳び)
方向転換の速さと下肢の瞬発力を評価し、競技中の動きの鋭さに関する指標とします。
〇背筋力測定
姿勢保持筋群(脊柱起立筋等)の筋持久力と最大筋力の評価。セーリング中の長時間の体幹固定、ハイクアウト中の支持に必要な体幹持久力を反映。
〇筋持久力(30秒ローイング)
加速力と直線的な最高速度の評価。
測定延期:シャトルラン
予定されていたシャトルラン(持久系測定)は、当日コンディション等の理由により2名とも実施を見送りました。こちらは2025年5月に再測定を予定しております。
今後に向けて
本測定は、各選手の成長を数値で「見える化」する貴重な場であり、指導者・選手双方にとって有益なフィードバックの基礎となります。今後も継続的に測定を行い、個別最適な育成支援を展開してまいります。
Report & Photo by オリンピック強化委員会