期間:2025年4月14日(月)〜4月15日(火)2日間
開催地:国立スポーツ科学センター(JISS)

概 要 本レポートは、「HOPE育成プログラム第1回体力測定」および、2025年1月に実施された体力測定に参加できなかったHOPE選手および一部ユース選手を対象に実施された「第1回体力測定(補講)」の実施状況について報告するものです。
本測定は、HOPE選手を対象に年2回実施される定期的な体力評価の一環として位置づけられており、各選手のトレーニング成果や身体的成長の過程を科学的に把握することを目的としています。得られた評価データは、今後の個別育成計画に反映され、より効果的なパフォーマンス向上支援に活用されます。

測定にあたっての準備
当日は、JISSのフィットネスチェック担当スタッフより、選手と保護者へ丁寧な測定説明が行われました。その後、保護者署名済みの同意書を提出し、当日の体調確認シートと体温チェックを経て、測定を安全に実施しました。

測定種目と目的
プログラムでは、体力の構成要素(筋力、パワー、持久力、敏捷性など)に基づいて測定項目を設計し、選手の競技力および成長段階を多角的に評価しました。これにより、選手一人ひとりの特性に応じた個別支援の基盤を構築することが可能となります。
また、今回の測定は、HOPE育成プログラムの一環として年2回定期的に実施されるフィジカル評価の第1回目にあたり、継続的なデータ蓄積による成長の可視化および、フィジカル強化戦略の高度化を図るものです。

測定実施内容
【1日目 午前セッション】
◇体組成測定(INBODY・BODPOD)
選手の身体構造を構成する筋肉量・体脂肪率・骨量等を把握し、競技パフォーマンスの基盤を定量的に評価。体組成は、競技パフォーマンスの土台となる身体構造の質を把握する上で不可欠な要素です。

BODPOD(https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/facility/jiss/tabid/1387/Default.aspx)

◇最大持久力評価(2000mローイング)
最大酸素摂取量(VO₂max)の推定および有酸素持久力の評価し、全身を使った有酸素運動による心肺持久力の把握。特に長時間におよぶセーリング競技で必要な疲労耐性や回復力と直結する指標。

昼食休憩:JISSにて
施設内で提供される栄養バランスに優れた食事を体験し、午後の測定に向けて身体を回復・調整しました。

【1日目|午後セッション】
◇筋持久力評価(30秒ローイング)
短時間に高出力を求められる場面における加速力および無酸素性パワーを評価しました。

▲夕飯:JISSにて

【2日目 午前セッション】
◇スプリント能力(30m走)
スタート時の初速および最高速度を評価し、加速局面でのパフォーマンス特性を測定しました。

◇敏捷性(反復横跳び)
方向転換の速さと下肢の瞬発力を評価し、競技中の動きの鋭さに関する指標とします。

◇背筋力測定
姿勢保持筋群(脊柱起立筋等)の筋持久力と最大筋力の評価。セーリング中の長時間の体幹固定、ハイクアウト中の支持に必要な体幹持久力を反映します。

◇シャトルラン
有酸素運動を基礎とした持久的な運動耐性を測定し、反復的な全身運動による心肺持久力を評価します。

今後に向けて
本測定を通じて得られた評価結果は、選手個々の成長を数値として把握するうえで極めて有用であり、今後のトレーニング指導や育成戦略に反映されていきます。
継続的な評価の実施を通じて、選手の成長過程を客観的に支え、科学的な根拠に基づいたフィジカル強化・パフォーマンス向上を実現してまいります。

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。