期間:2025年6月19日(木)〜6月22日(日)4日間
開催地:江の島ヨットハーバー

本合宿は、29erクラスHOPEユース選手を対象とし、ユースワールド、アジア大会でのメダル獲得に向けて帆走技術/セーリング理解/フィジカル等、総合的なセーリングパフォーマンスの向上を目的に合宿を開催。

【海上練習】
29erは非常に不安定な艇で、バランスを崩すと艇速がすぐに落ちてしまうため、帆走時におけるヒールバランス・前後バランスがスピードアップの鍵となります。またクルーがメインシートトリム、スキッパーはジブトリム、ラダーを操作することになるため、コンビネーションが最も重要となり、合宿期間中、下記項目をそれぞれ改善することでチーム力の向上に努めました。

【スキッパー】
① ジブトリム:ニュートラル/スピード/ピンチの各モードのトリムタイミングとトリム量
② 各マーク回航時の理想ラインの確認と実践での修正、反復
③ タック時の艇のヒールアングル確認(各コンディションでの柔軟な対応)
④ ジェネカーアップ時のボートアングルとアップ後のアングルの確認
⑤ ジェネカージャイブ中の艇アングルと回転速度の確認
⑥ ジェネカー中のブロー・ラルにおけるVMGの帆走とヒールアングル
⑦ ジェネカー中の下マークアプローチの考え方
⑧ ハイクアウトのボディアクション(キネティクス含む)
⑨ 波・うねりに対するハンドリングの向上(ボディアクションとの連携動作)

【クルー】
① メインセールトリム
② バング・カニンガムの調整タイミングと確認方法
③ 波・うねりに対する前後移動の確認方法と動作(キネティクス含む)
④ トラッピーズのアジャスタートリムの考え方と正しい姿勢
⑤ プロー・ラルの事前準備とコミュニケーション(コントロールロープの調整)
⑥ ジェネカートリム時のVMGの考え方
⑦ 各マーク回航時のバング・カニンガムトリムのタイミング
⑧ マークアプローチの見方とコミュニケーション

4日間風に恵まれて6ノット〜18ノットの風が吹き、軽風域ではフラットコンディションのセールトリムとヒールバランスの指導、中強風域では波、うねりに対するセールトリムと前後バランスのポジション取りを指導。合宿後半では波に叩かれる回数も格段に減少し、しっかりスピードを維持できることでレンジの幅も広がりました。また、セールトリムに関してもパワーを感じた時とブローでのセールトリムがかなりの精度で対応できるようになり、コントロールロープのタイミングも理解できるようになったことで、モードの使い分けができるようになったことは大きな成果でした。
まだまだ荒削りなところはありますが、今回の改善項目を引き続き強化していくことで更なるレベルアップを目指していきます。

▲ジェネカー帆走時のアングルと前後バランス練習中

ジェネカー中の帆走に関しても、ジャイブの精度と下マークアプローチのポジションが改善されたことでジャイブ回数が減ったことと、ゲートマーク近くの戦術的な帆走も改善されレベルアップできました。

▲トレーニングも個別課題を毎日実施しました

海上練習後は、個人のトレーニングをトレーナー監修のもとそれぞれが実施しました。「継続は力なり」と言いますが、簡単なようで継続するのは本当に大変です。未来の夢の実現に向けて今回の合宿も頑張りました。選手の皆さん今回もお疲れ様でした。

▲後藤一太選手(左)ダウスト絵麻選手(右)

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。