大会5日目

ポルトガル・ヴィラモウラにて開催された World Sailing Youth Sailing World Championships 2025 は、全日程を終了し閉幕を迎えました。最終日は激しい雨と視界不良、また不安定な風速で待機もありましたが、昼頃には安定した北風が8~14ノットほど入ってきたことで、各海面でレースが進行しました。
これまでのレース進行などの兼ね合いから、レース未消化のクラスを優先する流れもあり、男子420クラスでは3レース、男女ILCA6クラスではそれぞれ1レース、29erクラスもそれぞれ2レース、iQFOiLクラスはそれぞれ3レースを消化し、最終日を締め括りました。

今大会ではクラス毎に全7〜9レースが実施、全11種目で世界王者が誕生し、イタリア、イギリス、フランスなどを中心に各国のユース世代トップセーラーが高いレベルのレースを展開しました。特にイタリアは国別対抗となるネーションズ・トロフィーを3連覇で達成し、改めてユース選手層の厚さと育成力の高さを示す結果となりました。

大会期間を通して、最大30ノットに迫る強風とうねりによるサバイバルコンディションの日がある一方、ライトウインドと細かな風の変化に対応する判断力が問われる日もあり、選手たちには技術・戦術・精神力すべてを兼ね備えた総合力が求められる大会だったと言えます。
各クラスの世界選手権チャンピオン達を含む多くの有力選手が失格や大きな失点を喫する場面も多々見られ、レガッタメイクの難易度の高さを象徴する大会だと感じています。

日本チームは8つのクラスに12名の選手が出場し、世界のトップユースセーラーを相手に果敢に挑戦していました。残念ながら、大きな目標であったメダルの獲得には至らなかったものの、結果としては女子種目を中心に確かな成長と世界レベルで通用する走りを随所で示す大会になりました。

チーム内で最も良い順位でフィニッシュとなった女子420級では、シリーズ後半にかけて調子を上げ、軽風域ではトップフィニッシュと2位フィニッシュを含む安定したスコアを記録。残念ながら最終日は時間の関係からレースが実施できなく、逆転の表彰台獲得には至らなかったものの、総合順位を4位まで押し上げる健闘を見せました。強風域、またスタートでの課題が大きく浮き彫りにはなったものの、軽風〜中風までの幅広いコンディションでは安定したボートスピードを武器にトップ集団と戦うことが示せた点は、大きな収穫だったと言えます。

また、女子iQFOiLでは大島朱莉選手が、ライトウインドで実施されたスラロームレースにおいて着実に好ポイントを積み重ね、また去年までの課題であった強風域の走り、アップウィンドコースでの走りも大きな改善を見せながら、シングル順位での大会フィニッシュを飾りました。中盤順位でのコース選択、タックやジャイブポイントなどでは適切な対応が見られ、体格で勝る海外選手達を相手に巧みなレース運びで順位をキープする姿が印象的でした。

総合順位は上手くまとめきれなかったものの、女子29er級や男子ILCA6クラスでも上位でフィニッシュするレースが複数回あり、来年、再来年に向けた期待も高まる内容を選手たちは見せてくれました。

今大会を通じて、日本チームは世界トップとの差を実感すると同時に、確実に通用する部分の確認と今後強化すべき点を明確に把握することもできた遠征となりました。特に女子選手の躍進は、日本セーリング界にとって明るい材料であり、継続的な国際大会への参戦と経験の蓄積の重要性を改めて示す結果になったと感じています。今大会はこれで終了となりましたが、来年の12月、また再来年とユースワールド大会と選手たちの挑戦は続いていきます。
今大会で得た経験と課題を次のステージにつなげ、日本選手達がさらなる成長を遂げていくことが期待したいと思います。

最後に、本大会に向けて選手たちを支えてくださった所属先コーチ、スタッフ、関係者の皆様、そして日頃より応援してくださっているすべての皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

【Day5 最終成績】
420 男子/Mix【28艇出場】3レース実施

17位 岡田 海洋・渡邉 陽斗(三重県立津工業高等学校)
3-17-13-(20)-6-17-15-19

420 女子【20艇出場】最終日ノーレース
4位 鈴木 しおん・實松 梨歩(霞ヶ浦高等学校)
DNF(21)-10-2-1-15-5-2-6

ILCA6 男子【57艇出場】1レース実施
22位 加原 弦季(関東学院六浦高等学校)
3-38-22-BFD(58)-32-28-8-1-28

ILCA6 女子【50艇出場】1レース実施
24位 舩澤 奈菜(鳥取県立米子東高校)
31-25-25-12-32-28-(44)-8-8-10

29er 男子/Mix【30艇出場】2レース実施
27位 ダウスト 絵麻(HOPEユース・兵庫県立西脇高等学校)・後藤 一太(HOPEユース・山梨県立富士北稜高等学校)
UFD(31)-24-28-26-21-23-18-30

29er 女子【22艇出場】3レース実施
18位 舩澤 夏美・舩澤 夏子(米子市立湊山中学校)
DNF(23)-9-18-5-20-18-14-18-19

iQFOiL 男子【38艇出場】3レース実施
29位 小薗 正虎(HOPEユース・福岡県立香椎高等学校)
26-27-DNS(39)-15-23-DNF(41)-31-30-26

iQFOiL 女子【26艇出場】3レース実施
9位 大島 朱莉(HOPEユース・立命館守山高等学校)
8-10-5-(13)-11-12-10

帯同コーチ・スタッフ
市川航平・土居一斗・小菅寧子・小泉凱皇・鈴木慶(トレーナー)

▲ミックス29erクラス 最終日、一番に出艇していきました
▲男子420クラス 最終日は3レースを実施しましたが、残念ながら上手くまとめきれませんでした
▲男子ILCA6クラス 加原選手 女子420、女子iQFOiLに次ぐ好成績(全参加艇%)を収めました
▲女子iQFOiLクラス 大島朱莉選手 課題の強風、アップウィンドコースで確かな成長を発揮しました
▲男子420クラスの着艇を迎える、鈴木/實松ペアと土居コーチ 残念ながら女子はレースが実施出来ず、鈴木選手も悔し涙を流していました
▲クロージングセレモニーの様子
▲女子420クラスの表彰台 日本は3位まで2点差、2位まで6点差で表彰台を逃してしまいました
▲表彰式 全クラスのメダル獲得者での撮影シーン
▲表彰式 全クラスのメダル獲得者での撮影シーン
▲2025年のユースワールド大会、日本からは8クラス12名の選手、5名のコーチで参加しました。応援ありがとうございました!!

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター
日本スポーツ振興センター

大会4日目

ポルトガル・ヴィラモウラで開催されているWorld Sailing Youth Sailing World Championships 2025はDAY4を終え、いよいよ大会も佳境を迎えています。

この日は、南東の軽風からレースが始まり各クラスで2〜3レースが実施されました。昼過ぎには南に風が振れながら風速も弱まってきてしまい、後から乗り換えてレースを行うクラスは満足にレースが行えないまま終了となりました。

ノーレースとなったクラスは前日の順位のまま最終日を迎えることとなります。この日は沖合いの海面でレースをしていたILCA6クラス、420クラスで日本チームが奮闘します。
男子ILCA6の加原選手は、行われた2レースを8位-1位でまとめ上げ、大きく順位を上げることに成功します。また、女子420クラスでは3レースが実施されましたが、こちらも得意なライトウィンドコンディションで走りのアドバンテージを見せ、5位-2位-6位でフィニッシュ。総合成績を4位まで上げました。

女子420クラスは2~8位まではまだ順位が入れ替わる可能性もあり、最終日を残して表彰台争いに手がかかる位置まで来ています。大会最終日はDAY1のように北風の中〜強風予報が出ています。ハードなレースとなる可能性もありますが、最終日は全クラス・全選手が納得のいくレースを戦ってきてくれることを期待しましょう!
ラスト1日、最後まで日本チームの戦いを応援よろしくお願いいたします。

【Day4 大会成績】
420 男子/Mix【28艇出場】1レース実施

11位 岡田 海洋・渡邉 陽斗(三重県立津工業高等学校)
3-17-13-(20)-6

420 女子【21艇出場】3レース実施
4位 鈴木 しおん・實松 梨歩(霞ヶ浦高等学校)
DNF(21)-10-2-1-15-5-2-6

ILCA6 男子【57艇出場】2レース実施
19位 加原 弦季(関東学院六浦高等学校)
3-38-22-BFD(58)-32-28-8-1

ILCA6 女子【50艇出場】2レース実施
26位 舩澤 奈菜(鳥取県立米子東高校)
31-25-25-12-(32)-28-(44)-8

29er 男子/Mix【30艇出場】ノーレース
28位 ダウスト 絵麻(HOPEユース・兵庫県立西脇高等学校)・後藤 一太(HOPEユース・山梨県立富士北稜高等学校)
UFD(31)-24-28-26-21-23

29er 女子【22艇出場】3レース実施
17位 舩澤 夏美・舩澤 夏子(米子市立湊山中学校)
DNF(23)-9-18-5-20-18-14

iQFOiL 男子【38艇出場】ノーレース
30位 小薗 正虎(HOPEユース・福岡県立香椎高等学校)
26-27-DNS(39)-15-23-DNF(41)

iQFOiL 女子【26艇出場】ノーレース
10位 大島 朱莉(HOPEユース・立命館守山高等学校)
8-10-5-(13)

帯同コーチ・スタッフ
市川航平・土居一斗・小菅寧子・小泉凱皇・鈴木慶(トレーナー)

▲29erクラスの出艇前の様子
▲日本からの参加はありませんがNacra15クラスは13艇のレースとなっています
▲女子29erクラスの舩澤夏美/舩澤夏子ペア 中学3年生ながら、この舞台でも物怖じせずに戦っています
▲29erクラス スタート後のシーン(右海面に展開する日本チームの様子)
▲29er レース中・ダウンウィンドシーン
▲Nacra15クラス 海上トラブルでマストが倒れてしまっている様子 ユースワールド大会はチャーターボート制なので、普段よりも念入りなボートチェックも必須です
▲ミックス29erクラス ダウスト絵麻/後藤一太ペア 乗換え後、後半は風が弱まりノーレースとなってしまいました
▲女子iQFOiLクラス 大島朱莉選手 こちらも風が足りずに、男子女子ともにノーレースでした
▲420クラス レースシーン
▲女子420クラス トップ集団で戦う 鈴木しおん/實松莉歩ペア(GBR後方)
▲男子ILCA6 スタート後の加原弦季選手 最も参加艇数が多く難しいビッグフリート(全57艇)の中、8位-1位でのスコアメイクに成功
▲女子420クラス 鈴木しおん/實松莉歩ペア 2位と6点差、3位と2点差。最終日1レースで十分逆転可能な点差です

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日本スポーツ振興センター
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大会3日目

ポルトガル・ヴィラモウラで開催されているWorld Sailing Youth Sailing World Championships 2025はDAY3の競技を終え、大会はいよいよ折り返し地点を迎えました。

この日は、日本からの出場はなかったものの、フォーミュラカイトクラスが本格的にスタート。大会期間中初めて全11種目すべてで同日に複数レースが実施され、各クラスで順位が大きく動く一日となりました。

海上のコンディションは、前日までの強風から一転して風速は大きく落ち着いたものの、日中に風向が北から南へ180度変化する難しいシチュエーションもありました。午前中にレースを行ったクラスでは北風の中でシフトやブローへの対応が鍵となり、午後にレースを行ったクラスではシーブリーズに合わせたワイドなレース展開が求められました。

DAY2がノーレースとなったため、DAY1の成績から再開した男子/ミックス420クラスでは、日本チームは3レースを通して上手くスコアをまとめきることができず、順位を落とす結果となってしまいました。世界チャンピオンでもあるブラジルチームがUFDによる失格を受けるなど波乱の展開となる中、ウクライナチームが非常に手堅いレース運びで3レースをフィニッシュし、総合首位に立っています。

女子420クラスでは3レースが実施され、イギリスチームが首位をキープ。強風となった初日を2連続トップで終えているフランスチームが2位につけています。日本チームは1位-2位でのフィニッシュを含む好成績を挙げ、総合順位を7位まで押し上げました。
変化する風への的確な対応と攻めのレースが光り、後半戦に向けて期待の高まる一日となりました。

iQFOiL女子では、大島朱莉選手がライトウインドで実施されたスラロームコースでのレース(2フリートで実施)において、3位、7位でフィニッシュし、好ポイントを積み重ねることに成功し、また女子29erクラスでも3レース中2レースでシングルフィニッシュを記録。最終レースでは1stマークをトップで回航するなど、随所に存在感を示す走りを見せていました。

DAY3は軽風の難しいコンディションとなったが、総じて日本チームにとっては女子選手が躍動した一日となりました。

大会は中盤戦に突入し、各クラスともケースや失点が見られる難しい展開が続いています。選手によってはポイント差も僅かで、後半戦の1レース1レースが最終順位に大きく影響してくると言える展開が続きます。日本勢が大会をどのような成績で締めくくるのか。引き続き、日本チームへの温かい応援をよろしくお願いいたします。

【Day3 大会成績】
420 男子/Mix【28艇出場】3レース実施

13位 岡田 海洋・渡邉 陽斗(三重県立津工業高等学校)
3-17-13-(20)

420 女子【21艇出場】3レース実施
7位 鈴木 しおん・實松 梨歩(霞ヶ浦高等学校)
DNF(21)-10-2-1-15

ILCA6 男子【57艇出場】3レース実施
30位 加原 弦季(関東学院六浦高等学校)
3-38-22-BFD(58)-32-28

ILCA6 女子【50艇出場】2レース実施
28位 舩澤 奈菜(鳥取県立米子東高校)
31-25-25-12-(32)-28

29er 男子/Mix【30艇出場】ノーレース
28位 ダウスト 絵麻(HOPEユース・兵庫県立西脇高等学校)・後藤 一太(HOPEユース・山梨県立富士北稜高等学校)
UFD(31)-24-28-26-21-23

29er 女子【22艇出場】1レース実施
13位 舩澤 夏美・舩澤 夏子(米子市立湊山中学校)
DNF(23)-9-18-5

iQFOiL 男子【38艇出場】3レース実施
30位 小薗 正虎(HOPEユース・福岡県立香椎高等学校)
26-27-DNS(39)-15-23-DNF(41)

iQFOiL 女子【26艇出場】2レース実施
10位 大島 朱莉(HOPEユース・立命館守山高等学校)
8-10-5-(13)

帯同コーチ・スタッフ
市川航平・土居一斗・小菅寧子・小泉凱皇・鈴木慶(トレーナー)

▲出艇前 初日の成績で3位のレッドビブスを着用する岡田/渡邉ペア
▲出艇シーン 女子ILCA6クラス 舩澤奈菜選手
▲出艇シーン 男子ILCA6クラス 加原弦季選手
▲ILCA6クラス レースシーン
▲Race4 この日の最初のレースで痛恨のBFDとなってしまった男子ILCA6クラスの加原選手 トップのITA、2位のFRAも失格となる荒れたスタートとなりました
▲レース前の舩澤奈菜選手
▲iQFOiLクラスは軽風の為、スラロームコースレース(ポートスタート)を実施
▲2レースを3位-7位でまとめた大島朱莉選手
▲女子420クラスの出艇シーン 1位-2位フィニッシュも決め、順位をあげました

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日本スポーツ振興センター
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大会2日目

ポルトガル・ヴィラモウラで開催されているWorld Sailing Youth Sailing World Championships 2025のDAY2、この日は朝から約17ノットの北西風が吹き、時間の経過とともにさらに風が強まる予報のもと、各クラスで3〜5レースが予定されて大会2日目がスタートしました。

この日はILCAクラスやiQFOiLクラスをはじめ、女子420、女子29erなど複数のクラスでレースが実施されましたが、海上では約2.5mのうねりに加え、強風が吹き荒れる非常に厳しいコンディションでした。
沈艇、リタイア艇も非常に多いサバイバルレースの様相を呈しており、純粋な技術力だけでなく、高い集中力と精神的なタフさが強く求められる一日となりました。

日本チームも例外ではなく、全クラスで沈(キャプサイズ)に見舞われる場面があり、リタイアや順位を落とすレースが多く見られました。一方で、この過酷な状況は日本チームに限ったものではなく、各クラスの世界チャンピオンや上位常連の選手たちもリタイアを喫するなど、まさに全選手にとって試練の一日だったと言えます。

特に2レース目以降は風速が25〜30ノットに達し、ガストへの瞬時の判断力と高度なハンドリング技術が求められる極めて難しいコンディションへと変化。どのクラスでもスコアメイクが難しく、成績表は大きく荒れる結果となっています。
その一方で、このDAY2の結果により、シリーズ全体のポイントも全体的に荒れており、後半戦に向けて日本チームにも上位浮上のチャンスを残す選手が多くいる状況でもあります。

大会はまだ折り返し地点を迎えたばかりです。DAY2の過酷なコンディションを乗り越え、DAY3以降の軽〜中風が予報されている後半戦で、日本の若きセーラーたちがどのように順位を押し上げていくのか。世界を相手に挑む日本チームの今後の戦いに、是非ご注目ください!

【Day2 大会成績】
420 男子/Mix【28艇出場】ノーレース

3位 岡田 海洋・渡邉 陽斗(三重県立津工業高等学校)
3

420 女子【21艇出場】2レース実施
15位 鈴木 しおん・實松 梨歩(霞ヶ浦高等学校)
DNF(21)-10

ILCA6 男子【57艇出場】2レース実施
13位 加原 弦季(関東学院六浦高等学校)
3-(38)-22

ILCA6 女子【50艇出場】2レース実施
30位 舩澤 奈菜(鳥取県立米子東高校)
(31)-26-25

29er 男子/Mix【30艇出場】ノーレース
29位 ダウスト 絵麻(HOPEユース・兵庫県立西脇高等学校)・後藤 一太(HOPEユース・山梨県立富士北稜高等学校)
UFD(31)-24

29er 女子【22艇出場】1レース実施
8位 舩澤 夏美・舩澤 夏子(米子市立湊山中学校)
DNF(23)

iQFOiL 男子【38艇出場】3レース実施
28位 小薗 正虎(HOPEユース・福岡県立香椎高等学校)
26-27-DNS(39)

iQFOiL 女子【26艇出場】2レース実施
11位 大島 朱莉(HOPEユース・立命館守山高等学校)
8-10

帯同コーチ・スタッフ
市川航平・土居一斗・小菅寧子・小泉凱皇・鈴木慶(トレーナー)

▲出艇前 前日までの成績で3位のレッドビブスを着用する加原弦季選手
▲強風レースの前なので、選手も念入りに艤装・ボートのチェックを行いました
▲女子420クラス 出艇前の様子
▲海上はハードなサバイバルコンディション 写真左は女子ILCA6の舩澤奈菜選手
▲運営船、スタートマークもレスキューに終始当たる大変な1日でした
▲女子iQFOiLクラスのスタートシーン 写真左に大島朱莉選手
▲座間味合宿などのハードな練習の成果も見られた大島朱莉選手 日本人選手の苦手な強風アップウィンドコースながら2レースを中盤スコアでまとめました
▲3レース実施するも沈により英語(DNS)を引いてしまった小薗正虎選手
▲女子420クラス 鈴木しおん/實松莉歩ペア
▲強風により1レースのみ実施の女子29erチーム 舩澤夏美/舩澤夏子ペアもDNFでしたが、全22艇中フィニッシュしたのは7艇のみでした
▲男子ILCA6 加原弦季選手(3位ビブス着用) 課題の強風コンディションをシングルで粘り強く走るシーンもありましたが、2レースとも3~5回の沈により順位を落としています(ILCAクラスはほぼ全艇が1回以上は沈をするコンディション)
▲男子ILCA6 加原弦季選手(3位ビブス着用) 日本チーム勢にとってもタフな1日でした。DAY3からの巻き返しに期待です

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日本スポーツ振興センター
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大会1日目

ポルトガル・ヴィラモウラにて開催されている、World Sailing Youth Sailing World Championships 2025 のDAY1が終了しました。
この日は昼過ぎまでは風が弱く、夕方にかけて雨雲とともに南西の風が強まる予報でした。各クラスで2レースが予定されていたものの、風の吹き出しに時間がかかってしまい、420男子で1レース、ILCA男女で1レース、29er男子・ミックスでは2レースを実施したのみで、他のクラスはノーレースで大会初日を終えることとなりました。

風に恵まれず実施できたレースは限られたものの、軽中風のコンディションの中、初日から各クラスで熱戦が繰り広げられ、日本の代表選手たちも世界の強豪を相手に確かな存在感を示すことが出来ました。特に420男子クラスとILCA6男子クラスの日本選手は上位争いに加わり、今後につながる好スタートを切っています。

男子/ミックス420級では、岡田海洋/渡邉 陽斗組が堂々の3位でフィニッシュ。1上から少しずつ順位を上げるレース運びを見せ、ウクライナ、フランスといった強豪国に続く順位を確保しました。また、男子ILCA 6級では加原弦季が強豪ひしめくフリートの中でこちらも3位に入り、確かな実力を示しました。このレースではイタリアの世界王者アレッサンドロ・チリネイが貫禄のトップフィニッシュを収めましたが、加原はレース終盤までイタリア選手とのトップ争いを演じ、最後は惜しくも香港の選手に抜かれてはしまったものの世界トップレベルと互角に戦えることを証明した1日となりました。

多くのクラスで軽風の影響によりレースが実施されなかったものの、2チームの好成績が日本チームに良い流れを呼び込んでくれる滑り出しとなりました。大会はまだ始まったばかりですが、初日から表彰台圏内に名を連ねた日本の若き代表選手たちが、この世界最高峰のユース世界大会でどこまで順位を伸ばしていくのか、大きな注目が集まります。

DAY2は強風の予報でレース数も多くタフな1日となりそうです。引き続き、日本代表チームへの温かいご声援をどうぞよろしくお願いいたします。

【Day1 大会成績】
420 男子/Mix【28艇出場】1レース実施

3位 岡田 海洋・渡邉 陽斗(三重県立津工業高等学校)

420 女子【21艇出場】ノーレース
-位 鈴木 しおん・實松 梨歩(霞ヶ浦高等学校)

ILCA6 男子【57艇出場】1レース実施
3位 加原 弦季(関東学院六浦高等学校)

ILCA6 女子【50艇出場】1レース実施
30位 舩澤 奈菜(鳥取県立米子東高校)

29er 男子/Mix【30艇出場】2レース実施
29位 ダウスト 絵麻(HOPEユース・兵庫県立西脇高等学校)・後藤 一太(HOPEユース・山梨県立富士北稜高等学校)

29er 女子【22艇出場】ノーレース
-位 舩澤 夏美・舩澤 夏子(米子市立湊山中学校)

iQFOiL 男子【38艇出場】ノーレース
-位 小薗 正虎(HOPEユース・福岡県立香椎高等学校)

iQFOiL 女子【26艇出場】ノーレース
-位 大島 朱莉(HOPEユース・立命館守山高等学校)

帯同コーチ・スタッフ
市川航平・土居一斗・小菅寧子・小泉凱皇・鈴木慶(トレーナー)

▲会場のポルトガル・ヴィラモウラ
▲29erクラス 出艇前の様子
▲29eクラス スタートシーン
▲420クラス 出艇前の様子
▲29erクラス ダウスト/後藤組は1レース目を15位前後でフィニッシュするものの痛恨のリコール
▲軽風〜中風でのレガッタスタートとなったDAY1でした
▲男子ILCA6クラス ITA選手とトップ争いをする加原選手
▲初日3位で好調な滑り出しを見せた加原弦季選手
▲男子420クラス 3位フィニッシュを決めた岡田海洋/渡邉陽斗ペア

Report & Photo by オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター
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大会前日

World Sailing Youth Sailing World Championships 2025 が、ポルトガル・ヴィラモウラにて12月15日から19日まで開催されます。

今大会の会場となるヴィラモウラは、ポルトガル南部アルガルヴェ地方を代表するマリーナリゾートで、年間を通じて温暖な気候と安定した風に恵まれた、ヨーロッパ有数のセーリング拠点です。大会期間中は、世界各国から集まったユース世代のセーラーたちにより、マリーナ一帯が大きな活気に包まれています。

▲日本を出国する日本代表選手団

大会名:World Sailing Youth Sailing World Championships 2025
開催地:ポルトガル・ヴィラモウラ
大会期間:2025年12月15日~19日(13日:開会式、14日:プラクティスレース)

出場選手(KitebordingおよびNacra15クラスには日本からのエントリー無し):
420 男子/Mix【28艇出場】

岡田 海洋・渡邉 陽斗(三重県立津工業高等学校)

420 女子/Mix【21艇出場】
鈴木 しおん・實松 梨歩(霞ヶ浦高等学校)

ILCA6 男子【57艇出場】
加原 弦季(関東学院六浦高等学校)

ILCA6 女子【50艇出場】
舩澤 奈菜(鳥取県立米子東高校)

29er 男子/Mix【30艇出場】
ダウスト 絵麻(HOPEユース・兵庫県立西脇高等学校)・後藤 一太(HOPEユース・山梨県立富士北稜高等学校)

29er 女子【22艇出場】
舩澤 夏美・舩澤 夏子(米子市立湊山中学校)

iQFOiL 男子【38艇出場】
小薗 正虎(HOPEユース・福岡県立香椎高等学校)

iQFOiL 女子【26艇出場】
大島 朱莉(HOPEユース・立命館守山高等学校)

帯同コーチ・スタッフ
市川航平・土居一斗・小菅寧子・小泉凱皇・鈴木慶(トレーナー)

日本チームは大会の受付や艇受け取りが始まる公式Arrival Dayの2日前に現地入りし、時差ボケ対策やコンディショニング、レースに向けた準備、大会海面での海上練習などを行ってきました。
ボートの受け取りや計測、また大会開会式やプラクティスレースなども無事に終えることができ、各クラスとも明日から始まるレースに向けた最終確認を実施しています。

ヴィラモウラの海面は、うねりと風向の変化が特徴的で、時間帯によってコンディションが大きく変化します。選手たちは限られた海上練習の時間の中で、風の入り方や海面状況を入念に確認し、各クラスごと、また日本チーム全体としてレースのイメージを共有してきています。
ここまで日本チーム内では大きなトラブルもなく、日本代表となる全クラス・全選手が順調に準備を整えることができており、万全の体制で大会初日を迎えられる状況です。
冬季開催となる今大会は、日本とは異なる気候・気象・日照条件の中でのレースとなり、選手たちにとっては環境への適応力と高い集中力が求められる、タフな大会になることが予想されます。

コーチ・スタッフが一丸となり、ユース最高峰の舞台で選手たちが持てる力を最大限発揮できるよう、引き続きサポートしていきます。いよいよ明日からレースがスタートします。大会期間を通じて、日本代表チームへの温かいご声援をどうぞよろしくお願いいたします。

▲会場となるポルトガル・ヴィラモウラ
▲毎朝、検温や体重測定、また朝の体操など、選手のコンディショニングも入念に準備しています
▲チャーターボートの準備・チューニングも無事に進んでいます
▲29erはミックスと女子で1艇をシェアするので、チームで艇の準備を進めます
▲ILCA6の加原弦季選手・舩澤奈菜選手
▲iQFOiL女子の大島朱莉選手
▲iQFOiLクラスの出艇シーン
▲420男子の岡田海洋・渡邉陽人ペア
▲420チームも1艇をシェアするのでチューニングなどチームで作り上げます
▲29erミックスの出艇シーン
▲29erミックス ダウスト絵麻・後藤一太ペア
▲プラクティスレースに向けた出艇シーン 写真右にiQFOiL男子の小薗正虎選手
▲420クラス プラクティスレース
▲ILCAクラス プラクティスレースのスタートシーン
▲プラクティスレーススタート前の舩澤奈菜選手
▲プラクティスレース ダウンウィンドシーン
▲開会式の様子
▲オープニングセレモニーの様子 各国チームが行進してヴィラモウラの街を回りました
▲日本代表チーム集合写真 開会式での様子

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