期間:2026年1月3日(土)~1月12日(月)10日間
開催地:沖縄県・座間味村

第6期HOPE育成プログラム(第1回HOPEユース)を、1月3日(土)から12日(月)までの10日間、沖縄県・座間味村にて実施しました。本合宿は、2028年・2032年オリンピックにおけるメダル獲得を見据え、HOPEユース選手の競技力および人間力の向上を目的として開催されました。
新年を迎え本格的に寒さ厳しい時期になりましたが、沖縄・座間味島では天気の良い日は半袖で過ごすこともある温暖な気候に恵まれ、比較的安定した練習環境のもとで、海上および陸上においてトレーニングを行うことができました。2026年になり本合宿からは11月末に実施されたHOPE育成プログラム選考会にて選出された第6期生も加わり、第6期のHOPE育成プログラムとして新たなスタートを切りました。

本土では本格的な冬を迎える時期となっていますが、沖縄・座間味島では今合宿も比較的温暖な気候に恵まれ、風向や気温ともに安定した練習環境のもとで、海上・陸上の両面から集中的なトレーニングを行うことができました。11月合宿で培った基礎を土台にしつつ、ユースワールド大会を終えた選手たち、年明けからの海外遠征を控えた選手たちが集まり、自分を見つめ直しながら新たな課題に取り組む位置付けの合宿となりました。

【海上トレーニング】
本合宿では420、ILCA6、ILCA7、iQFOiL、29er、49erなどユース選手を中心にHOPE選手の参加もあり、クラス別に分かれて海上練習を実施しました。第6期生は座間味島での初めての合宿になりますが、壮大な海での海上練習や毎日の陸上トレーニング、集団生活など慣れる必要のあることが多くありますが海上でもしっかりと乗り込み、チーム一丸となって連日トレーニングを行いました。

毎朝のミーティングではルールの小テストに加え気象発表を行い、その日の海上コンディションを想定して海上練習に向かいます。練習後にはその日の実際の気象傾向について発表しその理由を振り返ります。本合宿では期間を通して軽風から強風まで様々なコンディションの中で帆走練習を中心に、スタート練習、コース練習など各選手の課題に取り組みました。二人乗りのクラスではコーチが選手と組んで練習を行うこともあり、各クラスのコーチ陣はコーチボートから主に技術面や戦術面に関する指導を行います。冬期に行う座間味島での合宿は、この時期強風が吹く日が多く、うねりの少ない内海海面、大きなうねりの入る外海海面を練習課題によって選択し毎日の強化練習を行います。安全面に配慮しながら選手個々の現段階の技量や練習課題によって海面を選べることで常に有効な練習に取り組むことができています。この厳しい環境で乗り込み打ち勝とうと努力することは、この先彼らが国際大会に挑んだ際に遭遇する厳しい状況に強い精神力で乗り越えていくための実践的な経験に繋がっていくと思います。

▲毎朝の気象発表
▲毎朝ルール担当の吉本氏によるルール小テストを実施します
▲ILCA6 豊澄選手
▲第6期生 岩波選手が加わり、豊澄(姉/弟)と3艇でマーク練習
▲強風の中、練習するHOPE Racing/iQFOiL大島選手
▲iQFOiLジュニア 高濱選手
▲第6期生中村選手/クルーと田中選手/スキッパーのペアで練習
▲420は2チームで練習。コーチ/スキッパー、ダウスト選手/クルーのチームで強風練習
▲第6期生29erのマーズデン兄弟
▲たくさん練習し、たくさん沈もしました
▲HOPE選手の嶋倉・上園田選手、海外遠征前に座間味島で練習しました

【フィジカルトレーニング】鈴木慶メディカルスタッフ・井手トレーナー・秋間トレーナー
合宿では朝の体重チェックや検温、全体のウオーミングアップに始まり高台までのランニング、出艇前にも全体でウオーミングアップ行います。毎日の体調をチェックすることで合宿期間を通してそれぞれが体調管理に意識を持つ重要性を学びます。海上練習後は、トレーニングジムでトレーナーの指導のもと選手ごとに個別のトレーニングメニューを実施しています。また、コンディショニングを目的に全体でサッカーを取り入れたり、ビーチクリーンをしながら身体を動かしたりなどの取り組みも行いました。
HOPEユース選手には、種目ごと目的別・レベル別のフィジカルトレーニングが組まれています。合宿後半になると疲労から体調を崩す選手もでてきますが、トレーナーとのコミュニケーションをしっかりと取ることで早期に改善していきます。

▲毎朝のランニング
▲トレーナーの指導によるフィジカル強化の様子
▲第6期生も個々にチェックしてもらいフィジカルメニューを実施します

【専門講習】
インティグリティ講習(宮本貴文強化委員長)
第6期生を対象として、宮本強化委員長よりインテグリティ講習を実施しました。年間を通して複数回ある講習の第一回目として、「インテグリティ」の言葉の定義、インテグリティをテーマとした日々の生活の中にも採り入れることが可能な物事の捉え方、考え方等について委員長の体験談等も通して学習しました。また、強化委員会の強化選手規程やユニフォームガイドライン等を改めてひとつひとつ読み解いていくことで、強化対象選手として目指すべき姿について考える機会としました。
こうした機会が、あるべき姿について自ら考え、行動のできる選手になっていく一助となれば幸いです。

今回の合宿において、薬品使用時のドーピング防止を目的として、Web上の検索サイトを活用した講習会を実施しました。本講習会では、競技者が日常的に使用する可能性のある医薬品について、ドーピング禁止物質に該当しないかを事前に確認する重要性を理解することを目的としました。
講習会では、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の国際基準禁止表にもとづいて運用されている検索サイト「Global DRO」を使用し、具体的な検索方法について説明しました。ユーザータイプや競技種目、医薬品の購入国を正しく設定する必要性や、商品名・成分名を用いた検索手順について、実例を交えながら解説しました。また、検索結果の表示内容の見方や、競技会時および競技会外での使用可否の確認方法についても説明しました。
さらに、検索結果をPDFとして保存・印刷し、薬を使用する前の記録として残しておくことの重要性についても周知しました。加えて、国によって医薬品の販売名や成分が異なる場合がある点、類似した名称の薬品であっても別製品として扱われる点など、誤認を防ぐための注意事項を共有しました。あわせて、サプリメントや漢方薬はGlobal DROの検索対象外であることを説明し、そのような製品を使用する場合には、専門家へ相談する必要があることを伝えました。
本講習会を通じて、選手一人ひとりが薬品使用に対する意識を高め、ドーピング防止に向けて主体的に行動することの重要性を再確認する機会となりました。

メンタル講習 (前田講師/オンライン実施)
本合宿期間にオンライン形式で前田講師によるメンタル講習会を実施しました。心理チェックシートに選手個々が記載し、現在の心理状態の確認を行いました。また、2025年の活動や大会でのメンタル面の振り返りを行い、今年度に取り組む課題を明確にしました。今後も継続して行う事、今後トライして行うことを記載することで整理しました。パフォーマンスを発揮する為に必要な要素の確認や自分に合ったメンタルトレーニングの方法を学びました。

栄養講習(山口岳斗講師)
本合宿ではいつも選手の食事を管理している山口栄養士より「なぜ食事が大切なのか」について講習をして頂きました。身体は食べたものでできていることを選手にしっかりと理解してもらうことで食事の重要性について学びました。パフォーマンスを発揮するためには「トレーニング」「睡眠」「栄養」の3つの要素が重要であることや、アスリートの食事の基本となる5つの要素について詳しく学びました。選手として個々に必要な食事の要素や量、摂取タイミングについて日常生活でイメージしやすい形で伝えてもらい、普段の生活に落とし込みやすい講習でした。合宿を最終日までしっかりと行うために、また国内・国際大会においてパフォーマンスを発揮するために、選手にとっての食事の重要性について学び、常に良いパフォーマンスを発揮できるように日々意識していってほしいと思います。
本合宿では山口栄養士と玉城栄養士により、日々20名を超える人数の食事の提供をして頂きました。朝から主食のご飯に加え、汁物、タンパク質、副菜などに牛乳やビタミン摂取を考えた献立で、毎日工夫をして提供してもらっています。朝にぎる昼食のおにぎりはできるだけタンパク質が摂取できるように中身が工夫され、補食と一緒に提供されています。

▲毎朝80個を超えるおにぎりを準備します

救命救急講習(堀田理駆ドクター/順天堂大学整形外科)
本合宿では、順天堂大学整形外科 中嶋亮介先生・堀田理駆先生にお越しいただき救命講習会を実施しました。講習では、急変時の基本行動として「call・call・push・push」を合言葉に、助けを呼ぶこと、AEDを速やかに要請すること、胸骨圧迫を継続することの重要性を学びました。特に心肺停止時の初期対応として、1分間に約100回のテンポで行う胸骨圧迫を、実践を交えて訓練しました。また、海上での人命救助についても学び、陸上とは異なる注意点や安全確保の重要性を確認しました。参加者は実際に体を動かしながら対応の流れを理解し、チームで命を守る意識を高める有意義な講習会となりました。

2026年になり第1回目の第6期HOPE育成プログラム合宿は、新たなメンバーを迎えてスタートしました。この座間味島に広がる海での技術向上に加えて、フィジカル強化、各種講習会による知識向上、メンタル強化の各側面から総合的な強化を図りました。引き続き3月まで続く冬期合宿でしっかりと強化し、春から始まる大会シーズンに備えていきます。HOPEユース選手の中にはシニアと同じ大会に挑む選手、またこれからユース世代の大会にチャレンジしていく選手と様々ですが、それぞれが世界を舞台に戦えるようになることを目標に強化をして参ります。

Report by オリンピック強化委員会
Photo by 平井淳一 / オリンピック強化委員会

日本スポーツ振興センター

本合宿は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施されています。