いまスポーツにできること
コロナ禍でオリンピックが延期となり、
各競技の代表内定選手も練習がままならない状況が続いています。
JSAF会員やお世話になっているスポンサー関係の皆様におかれましても
不自由な日々をお過ごしになられていることかと存じます。
JSAFでもオリンピック強化委員会と相談し、JOCの意見なども聞き、
緊急事態宣言中の練習は自粛としました。
海の上には三密はないのですが、一市民として社会に協力することが必要と、
コーチ、選手も納得してくれています。
そんな選手たちの現状を中村健次ナショナルコーチにレポートまとめてもらいました。
選手一人ひとりが今できることを一生懸命やってくれていることがご理解いただけると思います。
引き続きの応援をよろしくお願い申し上げます。
最後に皆様のご無事とともに、
いまこの時もコロナ禍と対峙されていらっしゃる医療関係はじめ
全ての方々に深く感謝申し上げます。
公益財団法人 日本セーリング連盟
会長 河野博文
東京オリンピック延期決定の今
セーリング競技の東京オリンピック代表選考は2019年春から始まり、2020年2月末で10種目中9種目が東京オリンピック日本代表選手に内定しました。丁度、中国からの感染が始まり、日本ではクルーズ船での感染と、世界中でコロナウイルス感染拡大が始まった時でした。
3月になり、イタリアでの爆発的なコロナウイルスの拡大で、スペイン・パルマへ遠征していたチームも大会の中止や延期となりLockdownになる前に急遽帰国することとなりました。
欧州遠征から帰国した選手・スタッフは約2週間の自宅観察をおこないましたが、幸いにもその中から発熱や体調不良を訴える者はいませんでした。
国内では江の島ヨットハーバーの本番準備・改修工事のために3月からは神奈川県の協力を得て葉山新港を利用していました。3密を避け、移動手段も人との接触を避ける方法をとりました。
一般的に言われる日々の検温、手洗い、マスク着用などの対策をとりながら、海上練習を実施していましたが、コロナウイルス感染拡大の影響は大きくなり、4月に入り、国(内閣府)からの緊急事態宣言(神奈川県が含まれる)の発表に合わせ、国内での東京オリンピック内定チームの活動自粛を決定しStay Home Stay Safeとなりました。
東京延期がアナウンスされた直後は選手もスタッフも心が揺れましたが、1年の延期と決まり、今はコロナが1日も早く終息することを願うばかりです。選手がモチベーションを保つことは簡単ではありませんが、オリンピックが中止になることも覚悟していたことから思えば、延期された時間を有効に使うように努力するよう頭を切り替えることはできそうです。
4か月先に焦点を合わせていたことが1年先になる複雑な気持ちと、オリンピックが開催されるとほっとした気持ちとが混在する中、今は身動きがとれない状態で、しかも先が見えない。それでも、今できることをやろうとしています。つらいのは当然、でも、メンタルトレーニングで鍛えてきた心で、必ず乗り越えていけるはずです。
コロナ感染拡大の影響で海上練習を自粛している今、選手は自宅でのトレーニングや、トレーニングができる環境を確保しています。体力維持をして、いつ練習が再開しても大丈夫なように準備をしています。ネットで英語の勉強にも取り組んでいる選手もいますし、バーチャルセーリングで、インターネット上でヨットレースに参加している選手もいます。
ナクラ17の代表補欠になった川田選手は本業に戻り、防護ガウンを着て、クリアファイルで造ったマスクガードを用いて医療の現場に立っています。厳しい状況の中、コロナと戦う最前線の皆様には、ひたすら感謝、ありがとうと思う気持ちで一杯です。
医療従事者の仕事を増やさないためにも、私達たちは「3密を避け」「うつさない行動」「うつらない行動」を念頭に一日でも早いコロナウイルスの終息、そして、2021年に開催される東京オリンピックで活躍できるよう準備していきます。
JOCナショナルコーチ, 統括責任者
選手たちは各自に工夫し、自宅でトレーニングに励んでいます