2011 ISAFジュニアユースワールド 日本代表選考会
Report by 中村 健一
日 程:2011年4月29日~5月1日
開催地:和歌山県セーリングセンター
420級スタートをチェックする中村(健一)、重コーチRS:X級は男子4艇女子2艇が参加Laserラジアル男女19名、420級男女15チーム30名、RS:X男女6名の合計55名が集結、ISAF選手の代表選考レース開催と同時に、合宿を兼ねた選考レースで、朝から全体ウォーキングで始まり、選考レースを行った夜は日本代表選手としてのモチベーションアップ講習会(JOC講師)やレース前の栄養の取り方についての講習会と各クラス別でのミーティングという、選手にとっては大変ハードな選考会となりました。
大会初日は7Knot~10Knotの風でシフティーコンディション、各クラスともに実力を発揮しやすい風域の中で3レースが行われ、非常にレベルの高いレースを展開しました。
2日目の午前中は15Knot~22Knotの強風コンディションで、全クラス2レースを行った後、徐々に平均風速が上がって行くのを考慮し、一旦陸上に上がる事となりました。午後からも風は更に吹き上がり、安全の確保を最優先に1クラスずつ出艇し、30Knot近いガストが時折入る中で420級とLaserラジアルの2クラスで1レースを行い、これまでの強化合宿やレースを通じ、一段とたくましくなった選手達を確認できました。
最終日はこれまでとは打って変わって微風のシフティーコンディション、2日間の強風セーリングでレベルアップした選手達は、最後の最後まで誰が優勝するかわからない激しいレースを繰り広げました。
●各クラス 成績
・420級男子:優勝 元津大地・日野勇輝組(佐賀県立唐津西高等学校)
・420級女子:優勝 角田きあら・古屋綾乃組(横須賀学院高等学校/麻布大学附属渕野辺高等学校)
・レーザーラジアル男子:優勝 國政真平(佐賀県立唐津西高等学校)
・レーザーラジアル女子:優勝 土居愛実(山手学院高等学校)
・RS:X男子:優勝 倉持大也(東亜学園高等学校)
ISAFラジアル級男子代表になった國政選手。最終レースの最後まで白熱したレースを展開!今回の選考レースを通じ感じた事は、各クラスのトップチームと下位チームの差がかなりあった事と、モチベーションの高さに違いがある事を強く感じました。
クラス別にみると、Laserラジアルについては、高校一年生の選手の健闘や上位チームのレベルアップが感じられ、普及と強化がきちんと行われている事が良く確認できました。
420級では、男子のトップ3の争いが非常にレベルが高く見どころがあった事と、女子の選手の大幅なレベルアップが確認できたことは、今後非常に期待の持てるクラスになる事を確信しました。しかし、女子下位チームのレベルはまだまだ低く、トップと3レグ以上離される場面もあり、底辺の底上げをしていく必要性も強く感じました。
RS:Xについては、男子の倉持選手のダントツなレース展開で、ライバルのいない中での強化をどのように考えていくのか、女子に関してはまだまだ今後の強化方法の見直し等を含めて考えていかなければならない課題の多い事が確認できました。
ISAFの日本代表選手として上位入賞を狙っていく事を念頭に強化が行われ、それぞれのクラスの課題はたくさんあるものの、確実に前進できている事が確認できたレースであったと思います。しかし、各クラスのコーチ・スタッフの取り組みの甘さや、情報の伝達不足による統率がとれていない場面もあり、我々コーチ陣も再度取り組み方を検討し、より良い環境づくりと強化が目に見える形で表れるよう、精進していかなければならない事を今大会で感じました。