470junior
470 CLASS JUNIOR WORLD CHAMPIONSHIP 2011
2011 470級ジュニア世界選手権
Report : オリ特 中村 健一
Edit : オリ特・広報委員会
開催地:オランダ・メデンブリック
日 程:
7月22日〜24日:予選シリーズ
7月25日〜27日:決勝シリーズ
7月28日:メダルレース
日本代表選手:
●男子〔26ヶ国/60艇〕
土居一斗・磯崎哲也 組(日本経済大学)
今村 亮・石井佑典 組(日本経済大学)
●女子〔15ヶ国/31艇〕
濱田華帆・西山宏美 組(関西大学)
原口鈴加・納庄千尋 組(関西大学)
帯同コーチ:
ヘッドコーチ:中村 健一
コーチ:古谷萌海
サポート:岡村勝美
大会サイト:http://www.470juniorworlds2011.org/JWK/default.aspx?sid=20
大会初日、7月22日。
■予選第1レース
【上マーク325度 風向300~330度 風速14~20Knot 強弱の激しいコンディション】
男子 今村・石井組が大会最初のスタートを切る。真中下寄りで頭を出して良いスタートをするが、スタート後のアングルを高く取りすぎ、スピードが無く上集団に上突破され苦しい展開となり、上マークを19位で回航。その後追い上げて15位まで順位を上げるも、フィニッシュ手 前で沈。マストが底に刺さりマストが折れリタイヤとなる。この日は2レースがあり、両レースともリタイヤとなる。追い上げてきただけに非常に残念な結果となった。
男子 土居・磯崎組。ゼネリコ後のブラックフラッグでのスタートで出遅れ、上マークを中盤で回航、その後シフトを掴みながら徐々に順位を上げて何とか10位でフィニッシュ。
女子 濱田・西山 組。下寄りでスタートするも、リコールで帰り、大きく遅れての展開となる。クローズでの高さが世界と異なり、洗礼を浴びる形となる。厳しい展開の中、粘って24位でフィニッシュ。
女子 原口・納庄 組。上寄りで良いスタートをするも、ブローであおられ上までに2回の沈。その後、粘って走るもダウンウィンドで沈した際に、マストが刺さりマストトップが曲がったためリタイヤする。引き続き第2レースもリタイヤとなる。
■予選第2レース
【上マーク325度 風向300~330度 風速16~20Knot 強弱の激しいコンディション】
土居・磯崎 組。ゼネリコ後のブラックフラッグで真中から良いスタート。上マークを6位で回航。順位を維持しながら2上を5位で回航。その後トップグループでの接戦に負けることなく5位フィニッシュ。
濱口・納庄 組。空いたとこから良いスタートをするが、高さが取れず厳しいポジションで展開し27位フィニッシュ。
●レース初日の今日はまさにメデンブリックの洗礼を浴びる形となりました。選手達はそれぞれ必死に闘っているものの、強風域での戦いではまだまだ世界に後れを取っているのが現状です。
マストの破損2件、スピンポール流れ2件のトラブルはあったものの、無事Newマスト、スピンポールも確保でき、再計測も終わり何とか明日につなげる準備はできました。
予選は残り4レース。明日からの巻き返しに期待します。
【日本選手成績】第1日目終了時
〔男子/26か国・60艇〕
14位 土居一斗・磯崎哲也組(日本経済大学)10-5
60位 今村 亮・石井佑典組(日本経済大学)DNF-DNF
〔女子/15か国・31艇〕
25位 濱田華帆・西山宏美組(関西大学)24-27
31位 原口鈴加・納庄千尋組(関西大学)DNF-DNF
成績(大会サイト):http://www.470juniorworlds2011.org/JWK/Content.aspx?sid=20&cid=1748&mid=&mnu=2929spx?sid=20
2日目
20ノット超 吹き荒れるメデンブリック
日本ジュニア・ユースの最重点課題は「強風の克服」
大会2日目、7月23日。
■予選第3レース
(上マーク290度 風向275~300度 風速18~22Knot チョッピーコンディション)
●男子 今村・石井組
昨日の悔しさを晴らすべくレースに臨む。スタートは下寄りで第一線スタート、昨日の反省を生かし競り負けない走りでレースを展開。シングル目から順位を少し落とし14位でフィニッシュ。
●男子 土居・磯崎組
下寄りのきわどいスタートで、X旗が上がる。リコールと思いきやX旗降下、何とかリコールは避け切れたものの、集団において行かれ22位まで上がるのが精いっぱいだった。
●女子 濱田・西山組
下2でスタート、昨日よりは走れる様になったものの、集団に呑まれ強風にあおられ、沈を何回かしての26位フィニッシュ。
●女子 原口・納庄組
スタートラインに行くまでの間に強風にあおられ沈をする。昨日と全く同じ感じでマストが刺さりマストが曲がって着艇となる。
「初めての強風体験で波に対して艇をどう向けてよいのか分からず、波にあおられて沈をしてしまいました。恐怖感による動きの悪さや、集中力が散漫になり冷静に判断できていませんでした。今後はこの教訓を生かしていけるように頑張ります」(原口)
今日は10艇以上がマストを曲げる、折るなどのトラブルでRETとなっています。
各国の予備マストも既に尽き、非常に残念ですが監督の私の判断で彼女たちは本日をもって大会終了としました。彼女たちには明日からも吹くレースを間近で見て勉強してもらおうと思います。見ることも勉強です。より良い情報を掴んで帰ってほしいと思います。
■予選第4レース
(上マーク295度 風向280~310度 風速18~28Knot 強弱の激しいコンディション)
●今村・石井組
風が上がってくる中、気持ちを切り替えて下寄りのベストスタートを決める。攻めの気持ちが功を奏しその後も順位を上げて8位でフィニッシュ。
「今日は各レグともに攻めて走ることができず、守りの場面が多かった。特にダウンウィンドでは、リーチングに近い走りばかりでまともに走れなかった事が悔まれます。明日はゴールドフリートに残れるよう、今のベストを尽くして頑張ります」(今村)
●土居・磯崎 組
真中下寄りでスタート、すぐに下から突き上げられ早めのタックで右展開となる。シフトを上手くつかんで上マークを12番で回航、その後順位を上げて7位でフィニッシュ。
「スタートがきちんと第一線から出られれば、僕らはシングルでフィニッシュできる力がある事が分かりました。まだまだどの走りも強風では世界に引けを取っているので、レースの中でレベルアップできるように頑張っていきます」(土居)
●濱口・西山組
下2でスタート後、風が吹き上がりレースがキャンセルとなる。しかし、この吹き上がりの際に沈をしてマストが刺さり、マストを曲げての帰着となる。
「強風の走りに少し慣れてきましたが、まだまだ世界とはかけ離れているので、レースを通じて少しでもついて行けるよう頑張って行きます。沈が多いのでレースの中で沈をせず走り切れる様に努力します」(濱口)
マスト、セール共に破損し、Newマスト、予備セールで明日からのレースに臨みます。
ただし、彼女たちには風の状況により、安全を確保するために監督判断で出艇禁止とする場合がある事を伝えました。
●昨日に引き続き強風のレースとなりました。男子はポカミスが無ければ強風域で世界のトップ10に入る実力を持っているので、しっかり集中し明日からのレースに臨んでもらいます。女子については、課題であった強風域のレースで3本のマスト破損、3本のスピンポール落下、メン・ジブ破損と、厳しいレースになっています。
原口・納庄組については非常に残念ですがレースを終了する事となりました。コーチボートに同乗して世界の走りを勉強してもらう予定です。
濱田・西山組には少しでもレース経験ができるように制限を設けつつ、明日からのレースに臨んでもらいます。
日本ジュニア・ユースの最重点課題である「強風」が、ここでも大きな壁となって選手を苦しめています。世界の頂点を目指していく中で絶対に超えなければいけない「壁」を少しでも克服できるよう、コーチ、選手一丸となって明日からも頑張って行きます。
【日本選手成績】第2日目終了時
〔男子/26か国・60艇〕
15位 土居一斗・磯崎哲也組(日本経済大学)10-5-(22)-7
41位 今村 亮・石井佑典組(日本経済大学)DNF-DNF-14-8
〔女子/15か国・32艇〕
27位 濱田華帆・西山宏美組(関西大学)24-27-26
32位 原口鈴加・納庄千尋組(関西大学)DNF-DNF-DNF
成績(大会サイト):http://www.470juniorworlds2011.org/JWK/Content.aspx?sid=20&cid=1748&mid=&mnu=2929spx?sid=20
3日目
雨と濃い霧でレース中止
大会3日目、7月24日。
今日は朝から濃い霧と強い雨で視界が悪くレースがキャンセルとなりました。
朝からハーバーに行ったり来たりで海上には出なかったものの、セーラーなら分かると思いますが、海上でレースをする以上に疲れる一日となりました。
予選は明日に持ち越されました。男子の2艇がゴールドフリートに残れるよう、今日はしっかり寝て明日に備えていきたいと思います。女子については明日3レースが予定されています。天気予報はMax19Knot。いずれにしてもタフな一日になりそうです。日本チームにとっての天王山です。
良い報告ができるように頑張って行きます。
【日本選手成績】第3日目終了時
〔男子/26か国・60艇〕
15位 土居一斗・磯崎哲也組(日本経済大学)10-5-(22)-7
41位 今村 亮・石井佑典組(日本経済大学)DNF-DNF-14-8
〔女子/15か国・32艇〕
27位 濱田華帆・西山宏美組(関西大学)24-27-26
32位 原口鈴加・納庄千尋組(関西大学)DNF-DNF-DNF
成績(大会サイト):http://www.470juniorworlds2011.org/JWK/Content.aspx?sid=20&cid=1748&mid=&mnu=2929spx?sid=20
4日目
超微風との戦い
土居・磯崎組 予選14位でゴールドフリートへ
大会4日目、7月25日。
●男子:今村・石井組
予選第5レース
(上マーク240度 風向220~255度 風速2~3.7Knot)
ゼネリコ後のブラックフラッグで、真中下寄りのかなり下がったポジションでのスタート。右展開で上マークを中盤で回航、その後も大きな順位変動はなく、10番台後半でフィニッシュ。ブラッフラッグで12艇が失格となり着順は10番となる。
予選第6レース
(上マーク140度 風向130~160度 風速0.5~4Knot 強弱の激しいコンディション)
上寄りから大きく出遅れたスタートで後手後手のタックとなり、上マークを20番台中盤で回航、最終下に向かう際に風が無風になるもレースは続行され、何とか追い上げて16位でフィニッシュ。
選手コメント
「スタートを決めることで、自分のコースを引き第1マークまでの順位を安定させたいです。シルバーフリートに落ちましたが今日までの反省と課題を持ち、シルバーフリートでトップになる走りをします」(今村)
「準備をしっかりして、スタートを第一線で出て自分のレースをしていきます。シルバーフリート1番になります」(石井)
●男子:土居・磯崎組
予選第5レース
(上マーク240度 風向220~255度 風速2~3.7Knot)
ゼネリコ後のブラックフラッグで、大きく出遅れてスタート。上マークをビケ3で回航、その後のダウンウィンドで、トップ集団が上り合いをしているのに気付き、基本どうり真っすぐのコースを取って一気にシングル後半で下回航、順位を守り8位でフィニッシュ。
予選第6レース
(上マーク180度 風向160~190度 風速0~6Knot)
真中下寄りから最高のスタート。左展開でブローを上手く使って上を5番回航、下マークまでに3艇かわし2位で回航。順位をキープしながら展開するも最終レグで風が無くなり無風の中、レースは続行され、わずかに吹いてきた風で後続艇に抜かれ6位フィニッシュとなる。
「明日のゴールドフリート初戦は、あまりリスクを負うことなく第一線でスタートし、しっかり自分のレースを展開して行きます」(土居)
「同じく第一線でスタートし、上マークまでしっかりブローを見てコンパス角度に注意し、トップを取りに行きます」(磯崎)
●女子:濱田・西山組
予選第4レース
(上マーク240度 風向220~255度 風速2.5~3Knot)
下3でスタート。左奥のブローで勝負し10番前半で上マークを回航、各マークで少しずつ順位を上げて9位でフィニッシュ。タックや走りに切れが出てきました。
予選第5レース
(上マーク180度 風向160~190度 風速0~6Knot)
上2でベストスタート。早めのタックで右展開、上手くシフトを掴み上マークを2位で回航、順位を守って2上を回航後、無風となる。40分以上無風が続くもレースはキャンセルされることなく全コース回航で4番フィニッシュ。非常に長いレースでした。
予選第6レース
(上マーク160度 風向145~170度 風速7Knot)
今日一番の7Knotの風の中、上6番目から良いスタートを決める。早めのタックで右展開するも、少し突っ込みすぎて左にシフトした際に寄せきれず17位で上マーク回航。微風でのスピントリムやジャイブが上達し、徐々に順位を上げて10位フィニッシュ。
「明日はトップでフィニッシュします。コース取りを確実にします」(濱田)
「トップを獲ります。ボートスピードはあるのでセオリーを守って手堅くコースを引いて行きます」(西山)
●女子:原口・納庄組
2人はコーチボートに同乗してトップ選手の走りを観戦しました。
それぞれに感想を求めました。
「今日のレースでは艇を止めずに走らせ、ブローラインをよく読むことがいかに重要なのかを知りました。また、マーク回航時(下マーク)の時、左右どちらのマークを回航するのかを判断するのがキーポイントになると思いました。ダウンレグの時、無駄なのぼり合いがあって、後続艇に抜かれてしまう艇もいたので、きちんと見切りをつけ、スピードをもって走る事が大切だと思いました。スタートで第一線から出る事の重要性を改めて感じました」(原口)
「トップ選手の微風でのジャイブのスピン回しや、ポールチェンジで動きに無駄がありませんでした。乗艇位置はできるだけ前に乗り、ヒールバランスがシビアでした。スピンポールは高めにセットされており、スピンの形が非常にきれいだったのが印象的でした。
クローズでタックを返すタイミングが少しでも遅れると、順位が即変わってくるのでタックポイントが非常に重要になっていました。スタートは第一線で、フレッシュウィンドで出てブローを取りに行く。多くを学びました」(納庄)
今日で男女ともに予選が終了しました。風はこれまでと打って変わって超微風のコンディションで0~6Knotの中でレースが行われました。結果は男子1チームゴールド、1チームシルバーと目標であった2チームゴールドフリート進出には届きませんでした。今村・石井組のデスマストでの2レースRETは悔まれますが、これも実力の内です。しっかり現状を把握し明日からのレースに気持ちを切り替えて行ってほしいと思います。
決勝レースの目標はゴールドフリートではメダルレース進出、シルバーフリートではトップを狙い、明日からの決勝レースに臨みます。
女子は体重差が大きく効いて、微風の走りはトップ5に入る速さを持っています。しかし、コースミスも多く、ミスで順位を落としている場面が多々あるので、気を引き締め明日からのレースで上位を走り、メダルレース進出を目指します。
また、強風でトップを走っていた選手が今日は上マークを最下位で回航する場面もありました。まだまだ他国も風域によって課題はあるようです。後半は微風の天気予報となっています。チャンスを生かし、より高い所を目指します。
最後に余談ですが、無風状態が30分以上続いたにも関わらず、コース短縮することなく運営していることに驚きました。どうしても予選を成立させたい気持ちも分かりますが、かなり問題の多い運営であったと言わざるを得ません。明日からの改善に期待します。
【日本選手成績】第4日目終了時
〔男子/26か国・60艇〕
14位 土居一斗・磯崎哲也組(日本経済大学)10-5-(22)-7-8-5
34位 今村 亮・石井佑典組(日本経済大学)DNF-DNF-14-8-10-16
〔女子/15か国・32艇〕
16位 濱田華帆・西山宏美組(関西大学)24-27-26-8-3-10
32位 原口鈴加・納庄千尋組(関西大学)DNF-DNF-DNF-DNF-DNF
成績(大会サイト):http://www.470juniorworlds2011.org/JWK/Content.aspx?sid=20&cid=1748&mid=&mnu=2929spx?sid=20
5日目
男女チームともメダルレースに王手
男子・土居組 11位 女子・濱田組 14位
大会5日目、7月26日。
●男子:土居・磯崎組
予選第7レース(上マーク280度 風向270~285度 風速1.5~5Knot)
ポジションを上手く取って真中でジャストスタート。トップ位置で右に展開するも左が伸びて上10番回航。レグごとに順位を上げていきジャンプアップの4位でフィニッシュ。
快心のレースでした。
「メダルレースに出場します!」(土居)
「今日の様にスタートを意識して、しっかりシングルに入る!」(磯崎)
●今村・石井組
シルバーフリート決勝 第1レース(上マーク280度 風向265~290度 風速3~5Knot)
昨日のミーティングを生かし、真中の第一線でジャストスタート、そのまま伸ばし左展開で上マークを3位で回航、レグごとに順位を上げてトップフィニッシュ。
決勝第2レースはキャンセルされましたが、ブラックフラッグに掛り、彼らは明日の第2レースには残念ですが出ることができません。
「周りの状況判断を正確に行い、スタートから自分がどういうポジションに行き、どうもっていけば良いか、どうもっていけばプラン通りになるかを考えて行動すれば、シルバー1位は取り戻せる!」(今村)
「スピードを意識して、第一線スタートを決め自分のレースをします。1位を取ります」(石井)
●女子:濱田・西山組
第7レース(上マーク280度 風向265~290度 風速3~10Knot)
気持ちが前に出すぎて攻めのスタートに失敗し、大きく遅れてのスタートとなる。レース途中10Knotの風が入った際に上手くポジションを取れ13位まで上がり順位をキープしてフィニッシュ。前にフィニッシュした5艇がブラックフラッグに掛り8位となる。
「スタートを一線で出て、シングルでフィニッシュする」(濱田)
「メダルレース出場!」(西山)
●原口・納庄組
コーチボートに同乗して観戦した感想
「スタートにおいて、第一線で出てフレッシュウィンドを掴むことの重要さを知りました。フレッシュを掴み続けることで自分の行きたい方へ艇を持っていきやすくなっていると思いました。タックは、角度とヒールをかけるタイミングが重要であり、艇のスピードを維持することが大切ですね。微風では少しのミスがその後に大きく響くため、一つ一つの動作の大切さが分かりました。また、雲の動きからシフトを考えて360度視野を広げていかないといけないですね」(原口)
「スタートはブラックフラッグが上がったら、特に込み合った所から出ない方がジャストに出ることができてフレッシュで走れていました。微風だったので、どこから出るかをしっかり決めたうえでラインに並ばないと、出られなくなったり、間に合わない事がよくわかりました。 タックのスピードが大切になり、ヒールをかけるタイミングやジブの引き方、ヒールの起こし方など、色んなチームを見てそれぞれに違いがあり、自分とも違っていました。しっかり勉強できたので、自分たちでやり易い方法を試してみたいと思います」(納庄)
今日は昨日よりも風が弱く、何度もスタートをして2度レースが中止されるなど、選手達はモチベーションを維持していくのが大変でとても疲れた一日となりました。
結果的に見れば日本チームは総合順位を上げて男女ともにメダルレース(ベスト10)に進出できる点数(土居組:1点差、濱田組:11点差)に近づいています。
日に日にレベルアップしていく選手達の成長を楽しみに見ていますが、日本代表選手として来ているからには、やはりメダルレースに残ってほしいと思います。
シルバーの今村・石井も自分たちの走りができれば今日の様にトップも取れるので、自身のコントロールをしっかり行い、レースに臨んでほしいと思います。
いよいよ明日が勝負の日です。選手達が良いレースができるよう、送り出していきたいと思います。
【日本選手成績】第5日目終了時
〔男子/26か国・60艇〕
11位 土居一斗・磯崎哲也組(日本経済大学)10-5-(22)-7-8-5-4
31位 今村 亮・石井佑典組(日本経済大学)DNF-DNF-14-8-10-16-1
〔女子/15か国・32艇〕
14位 濱田華帆・西山宏美組(関西大学)24-27-26-8-3-10-8
32位 原口鈴加・納庄千尋組(関西大学)DNF-DNF-DNF-シリーズリタイヤ
成績(大会サイト):http://www.470juniorworlds2011.org/JWK/Content.aspx?sid=20&cid=1748&mid=&mnu=2929spx?sid=20
6日目
男子 土居・磯崎 組 決勝シリーズを終え6位に進出
明日 メダルに挑戦!!
大会6日目、決勝シリーズ最終日 7月27日。
●男子 土居・磯崎組
ゴールドフリート決勝 第2レース(上マーク120度 風向90~130度 風速1.5~4Knot)
ブラックフラッグで真中スタート。出遅れた形で右展開、上マークを13番で回航後、少しずつ順位をあげて10位でフィニッシュ。総合順位はあげるものの、かなり接近した点差となった。
ゴールドフリート決勝 第3レース(上マーク90度 風向30~100度 風速0~4Knot)
ゼネリコ後のブラックフラッグで真中スタート。またもや出遅れスタートで右展開を余儀なくされる。よいスタートを切ったトップ集団が、左奥のブローを取りに行ったものの、思いのほか伸びず右に出していたのが幸いし、上を8番で回航。その後アウター2上の途中で無風となり、30分以上無風が続きノーレースかと思いきやレース続行、吹きこみの風が左から60度振れて入ってきた際に、右に展開していたため左に寄せるのがわずかに遅れ、10位フィニッシュとなる。とても見ていられない状況で、もう少しフェアな風で勝負させてやりたい気持ちで選手を見ていました。
ゴールドフリート決勝 第4レース(上マーク15度 風向10~35度 風速1.4~5Knot)
決勝最終レース。気を取り直しての真中からのジャストスタート! が、X旗が掲揚されるやリコールと判断して戻るがX旗降下せず。大きく遅れて右展開となる。この右に出したのがラッキーで良いブローを掴み、上マークを5番で回航、そこからの追い上げが見事に決まりトップフィニッシュ!
スタートには大きな課題はあるものの、見事総合6位でメダルレースに進出しました。
「メダルレースは攻める気持ちで行きます!」(土居)
「全力を出してメダルレースでトップを取ります」(磯崎)
●今村・石井組
シルバーフリート 第2・3・4レース
今日は彼らのレース観戦をすることができませんでしたが、課題であるスタートで出遅れ、その後のレース展開が思い通りに行かなかったようです。
明日残り1レース。トップフィニッシュで終えてほしいと思います。
「スタート前から確認できる事は確認し、自分のポジションとプランを決めて1番良いレースにします」(今村)
「自分の全力を出して1位を取ります」(石井)
●濱口・西山組
第8レース(上マーク120度 風向90~130度 風速1.5~4Knot)
ブラックフラッグで下寄りの混戦場所からスタート。大きく出遅れ10番後半で上マークを回航、順位を少し上げるも17位でフィニッシュ。昨日の反省が反映されておらず、非常に残念な形となった。
第9レース(上マーク90度 風向30~100度 風速0~4Knot)
スタート前にもう一度選手とスタートポジションの確認をしてスタートに臨む。下寄りのよいポジションでスタートする際、後ろにいるジュリーに気付かずロッキングをした瞬間「42条」で笛を吹かれる。何とも手痛いミスである。
720度回転が終わるころには集団から大きく遅れての展開となり、上マークをベケ4で回航、アウター下付近で風が無風となり、吹きこんできた風に上手く合わせることができ、一気に順位をあげ14位でフィニッシュ。ある意味ラッキーなレースでしたが、選手には私の雷が落ちる事になりました。このレースでメダルレース進出の可能性が無くなりました。本当に残念でした。
第10レース(上マーク15度 風向10~35度 風速1.8~5Knot)
今日の集大成でレースに臨む。真中下寄りで快心のスタート、集団に合わせて展開し上マークを8番で回航。マークごとに追い上げ最終下手前で5番に上がるが、マーク際のジャイブで後続艇にインを突かれ6位でフィニッシュ。一瞬の油断が命取りになりました。
「オランダでの最後のレースになるので、今日までの課題であるスタートを決めて悔いの無いレースが展開できるよう臨んでいきます」(濱田)
「今日までのレースでの反省を生かして必ずシングルで帰ってきます」(西山)
●原口・納庄組(コーチボートから観戦学習する2人です)
「今日も風が弱く、艇のスピードを出しきりフレッシュを浴び続けることが重要でした。トップ集団の人は動作をおこなっても、スピードを落とすことなくできていました。ジャイブでもスピンを潰すことなく張り続けていました。風が落ちるにつれ、前に乗る事が大切になり、クルーはサイドスティのすぐ隣か、ウォーターブレーキの前に乗っていました。また、先の行動を考えるために、雲の動き、艇団の動き、ブローラインの把握が大切だと思いました。またダウンウィンドではメインもスピンと同様にできるだけ出して流すことが大切であることも学びました」原口
「スタートで1列目から出る事の大切さが良くわかったのと、スタート後のファーストタックやマーク回航後のランニングでどっちに行くか、下マーク回航後どっちに行ってどこで返していくかもとても重要だと思いました。雲の動きを見て、どの方角から風が入ってくるかの見極めが大切だと思いました。JURYの位置を確認したり、スピンシートが垂れていないかなど、細かいところまで意識することが必要であることも痛感しました。スタートを見ていて部分的にラインが低い所もあって、乗っていて正確なライン把握をできるようにならないといけないなどたくさんのことを学びました」(納庄)
目標であった「メダルレース進出」に男子チームの土居一斗・磯崎哲也 組が6位で通過しました。私の記憶が正しければ、これまでのジュニアワールド日本人男子最高順位は4位(浜崎栄一郎)だったと思います。
現在の彼らの得点は60点です。1位29点、2位37点、3位49点、4位51点、5位52点、7位62点、8位71点、9位76点、10位83点で、メダルレースは得点が2倍ですから、3位銅メダルの目は大いにあります。彼らは大きな標的を目標にメダルレースに臨む事になります。
明日の13:30(日本時間20:30)にメダルレースが行われます。皆さんの応援をよろしくお願いします。
女子チームは今日の3レースを通じ多くの事を勉強しました。日本の女子は10Knot以内であれば十分戦っていけることが確認できましたが、とても狭いグルーブでしか戦えない事も確認できました。世界の女子選手はとても大きく、強風にも慣れた感じで走っています。日本選手も強風を克服できれば女子の金メダル獲得も夢ではないと思いました。
明日残り1レース、悔いの無いレースにしてほしいと思います。
【日本選手成績】第5日目終了時
〔男子/26か国・60艇〕
6位 土居一斗・磯崎哲也組(日本経済大学)10-5-(22)-7-8-5-4-10-10-1
35位 今村 亮・石井佑典組(日本経済大学)DNF-DNF-14-8-10-16-1-BFD-18-8
〔女子/15か国・32艇〕
14位 濱田華帆・西山宏美組(関西大学)24-27-26-8-3-10-8-17-14-6
32位 原口鈴加・納庄千尋組(関西大学)DNF-DNF-DNF-シリーズリタイヤ
成績(大会サイト):http://www.470juniorworlds2011.org/JWK/Content.aspx?sid=20&cid=1748&mid=&mnu=2929spx?sid=20
最終日
土居一斗・磯崎哲也 組 メダルレース3位 総合7位
今後の活躍に大きな期待
大会最終日 7月28日。
●男子 土居・磯崎組
メダルレース(風向005度 風速10Knot コース:上下2週→アビームフィニッシュ)
メダルをかけてメダルレースに臨みました。
ラインは若干下有利だが、ラインが非常に短いため、スタート1分前にスタートラインの上側で激しいポジション争い。スタート時は競り合いに負け、即タックで右展開。上マークを5番で回航、下マークまでに激しいパンピング合戦を耐えて5位を守って回航、2上で艇団が左に行くのに対し、右寄りのコースで勝負をかける。2上で1艇かわし4位で回航後、最終下でのポジショニングが決まり3位でフィニッシュ。
非常に見ごたえあるレースでした。
●今村・石井組
シルバーフリート 最終レース(上マーク005度 風向355~15度 風速8~12Knot)
真中下寄りで良いポジションを維持するが、残り5秒の所で上側の艇の走りだしに合わせることができず、即タックで右展開となる。さらに上までに大きいシフトに合わせ切れず、上マークを20番後半で回航、その後徐々に順位をあげるものの14位フィニッシュがやっとでした。
●濱口・西山組
最終レース(上マーク005度 風向355~15度 風速8~12Knot)
今大会で一番良いスタートを決める。左に大きく伸ばし集団を抑えながら上マークを5位で回航、ダウンレグでのポジションも冴えわたり3番まで上がる。熾烈な争いに競り勝ち3位でフィニッシュ。快心のレースでした。
【総 括】
男子チームの土居一斗・磯崎哲也 組が総合7位となり、日本チームの目標であったメダルレース進出の目標も達成できました。今回のレースを総合的にみると、強風には引けを取るものの、順微風でのパフォーマンスは素晴らしいものを持っていました。しかし、勝てる風域でのミスが多く発生し、本来の走りができていなかったのが悔やまれます。強風については、男子は全てのレグでの細かいトリムや動作の練習の必要性、女子は強風をもっと乗りこんでいく必要性を痛感しました。
選手達は、今回のレガッタで非常に多くの経験と新しい発見をしたと思います。この経験を生かし今後のレースや練習につなげていってほしいと強く思う次第です。
最後になりましたが、今回、帯同コーチとして来ていただいた古谷萌海さん、サポートでお手伝いしていただいた岡村勝美さんには、レガッタを通じて色々な場面で助けていただき心より感謝しています。重ねて感謝とお礼を申し上げます。ありがとうございました。
日本から応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【日本選手大会最終成績】
〔男子/26か国・60艇〕
11位 土居一斗・磯崎哲也組(日本経済大学)10-5-(22)-7-8-5-4-10-10-1-3
31位 今村 亮・石井佑典組(日本経済大学)(DNF)-DNF-14-8-10-16-1-BFD-18-8-14
〔女子/15か国・32艇〕
13位 濱田華帆・西山宏美組(関西大学)24-27-26-8-3-10-8-17-14-6-3
32位 原口鈴加・納庄千尋組(関西大学)DNF-DNF-DNF-シリーズリタイヤ
成績(大会サイト):http://www.470juniorworlds2011.org/JWK/Content.aspx?sid=20&cid=1748&mid=&mnu=2929spx?sid=20
選手コメント
●土居・磯崎組
●今村・石井組
●濱田・西山組
●原田・納庄組