SNIPE Jr. World
SNIPE WORLD CHAMPIONSHIP
スナイプジュニアワールド2011
Report & Photo : 西村秀樹(同志社大学)
Edit : オリ特・広報委員会
開催地:デンマーク・ラングステッド
レガッタ期間:8月5日~8日
日本代表チーム:
●西村秀樹・平田恵一組(同志社大学)[2011全日本Jr.優勝]
●長尾 昴・山本健太郎組(関西大学)[2011全日本Jr.2位]
大会公式サイト:http://www.snipeworlds.kdy.dk/
成績表:http://snipeworlds.kdy.dk/uploads/snipe_j-r_1-11.pdf
最高の経験を得たスナイプJr.ワールド
今後のセーリング活動に大きな励みと自信
西村・平田組デンマークは8月とはいえ気温が日本のように高いわけではなく、海に出るときは基本的に真冬のような装備で出艇していました。晴れているからといって薄着で出れば大変な思いをする環境でした。水温が低い上に強風で濡れると体温も低下するため、まさに大学での春合宿を彷彿とさせられる気候でした。
ラングステッドで過ごした2週間の毎日がハイクアウトコンディションでありその中でひたすら世界レベルのレースができた事は私にとって最高の経験となりました。
私は5月に和歌山NTCで開催されたスナイブジュニアワールド選考会にて国内予選を通過し、今回の大会に優勝を狙って参加させていただいたのですが、結果的には自分の想像していたレースが出来ず総合6位という成績に甘んじてしまいました。優勝はスペイン、2位アルゼンチン、3位ブラジルでした。私にとって今大会はスナイプで初めての国際大会であり、世界のレベルを把握しないまま現地に入り、レースを重ねる毎に各国チームとの実力差を見せつけられる形になりました。
今大会は出艇申告がない代わりに海上に出た際本部船に対しチェックインを行う形式でした。出艇前にチェックイン制度については確認していたのですが、緊張していたのか第1レースのチェックインを忘れかけてしまいました。スタート前に急いで本部船に向かいセーフとなりましたが、その段階ですでにワールドの雰囲気に飲まれていたのかもしれません。
また、今回世界を相手に戦うにあたっての準備不足が多かったことも反省材料です。準備とは道具もそうですが、ボートスピードやルールの理解、ハンドリングなど日本でやっておかなければならないことが山ほど残っていました。やはり目標の大会に臨むなら気持ちだけでなく、やるべき事をこなしているのが大前提だと痛感しました。
レースは会期4日間で予定していた11レースが成立し、その内10レースが10~20ノットという順風から強風のレガッタとなりました。この風域においての外国選手との違いは間違いなく体力面であると感じました。コースは風上に向かうレグが1レース3回ありスナイプの基本であるハイクアウトで船を起こすという基本的なポイントで他チームに負けていることは明白です。ほとんどのレースで第1上マークでは3位以内で回航できているのですが、残りのレグで南米勢や欧州勢に抜かれてしまいフィニッシュ順位を落とす結果となっていました。
一方でダウンウィンドでは我々は圧倒的なスピードがあったため強風域のアビームは世界に通用するという確信が持てました。
結果を出さなければならないレースだったのですが、世界のレベルの中で戦えた事によって現段階で通用するあるいは通用しないポイントが明確になりました。日本に帰りこれらの課題を徹底的に分析・検討して来年、再来年の国際大会に向けてレベルアップをはかりたいと考えています。
滞在期間中の食事はほとんど自炊でした。晩ご飯は社会人の方々の作る見事な料理をいただいたのですが、朝と昼は基本的にはサンドイッチ。ですが私はやはりパンよりも白米派。後半はほとんどホテルで作ったおにぎりを昼食として食べました、外国選手から見るとこれがとても珍しいようで、みんな私の手にあるおにぎりに目が釘付けです。白飯にゆかりふりかけのコンビネーションに適うものはしばらく出て来ないはずです。私は優しいのでクルーの分もしっかり作ってあげました。(ほんとはご飯が余っちゃうからですが)
最後に、今回長期間の海外遠征を支援してくださった日本セーリング連盟をはじめとする皆様や応援してくださった皆様、一緒に遠征していただいた社会人の皆様には心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
レガッタが終わった時、もっとこの高い世界のレベルでスナイプのレースがやりたいと思いました。やはり高いレベルのレースで勝ちたいと思いました。負けたことが非常に悔しかったです。クルーともう一度レースの初日に戻りたいと呪文のように唱えていました。ジュニアワールドという最初で最後のチャンスで勝てなかったのは悔やんでも悔やみ切れません。しかし今回の悔しさを忘れることなく、日々精進し次回の世界選手権にて最高の結果を残します。
貴重な機会を与えてくださったご関係の皆様に重ねて御礼を申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
【2チームの大会成績】(19艇:全11レース)カットレース2
総合6位:西村秀樹・平田恵一組(同志社大学) 9-7-1-(13)-7-5-8-6-(10)-4-1
総合12位:長尾 昴・山本健太郎組(関西大学)10-(13)-9-8-(12)-12-10-9-11-10-5
西村平田