最終日
2012 ISAF Youth Sailing World Championship
2012年ISAFユース世界選手権
Report & Photo:藤谷 匠(ジュニア・ユース育成強化委員会)
Edit : オリンピック特別委員会 広報
大会閉幕
420級男子 岡田奎樹・飯島誠組 5位入賞
代表選手たちの今後の取り組みが
日本セーリング界飛躍の鍵
【7月20日:ダブリン発 大会最終日】
大会最終日、今日の天候は予想通り晴れて気温も上がり、北寄りの軽風で各レースエリアとも振れ回る風の中何度かレースの中止を繰り返しようやく1レースを終了することができました。
今大会は非常に天気が変わりやすく、風の強弱と最大40度のシフトに加え、1分間に24mも流れる潮を考えながらレースタクティクスを組み立てていかなければならないタフなレガッタとなりました。
日本チームはレガッタ前半、このトリッキーな海面に翻弄され自分たちのペースをつかむことができず、アイドリングに時間がかかってしまい苦しい展開となりました。
後半から420級男子の岡田奎樹・飯島誠組がシングルを安定して取り出し、総合5位まで上昇することができました。前半、波に乗れなかったのが残念ですが「勝負にタラレバは無し」です。これが今の実力なのでしっかり日本に帰って練習に励んでほしいものです。
〈重コーチ 420級 総括〉
最終レースは風が弱まり、風向もスタート前の0度からフィニッシュするころには、40度近くに振れ、シーブリーズの風が入り始めました。
男子は1点差で総合5位につけ、4位を狙ってレースに臨みましたが、スタートで痛恨の出遅れ、逃げて右のエンドまでいったもののブローは左から入っていて、上マークを17、8位で回りましたが2上で右シフトをうまくとらえ最終12位まで挽回し、総合5位をキープして終了しました。
今回特筆すべきは優勝したスペイン・チャールス兄弟艇の勝負強さです。第4レースのOCS(31点)を抱え、絶対に失敗できない状況の中、ブラックフラグのスタートでトップスタートを切り、冷静に風を読み切り、他艇をワンマーク近く離すダントツのトップフィニッシュ。トップと11点差あった3位から一気に1位に躍り出ました。彼らの窮地に追い込まれた時の爆発的な集中力と、勝負強さこそが日本チームに欠けているもので、これがないと世界チャンピオンにはなれないと痛感しました。
女子は前日の悔しさをバネに有終の美を飾ってくれました。振れまわる風をしっかりと見て、ブローをとらえ他を大きく引き離して3位でフィニッシュ。苦手の風を克服できたことが彼女たちにとって大きな収穫でした。これを糧に次のステップできっと成果を出してくれると思います。
今大会は3つのヨットクラブのクラブメンバーのホストぶりが際立った大会でした。400名の選手に対して350名のボランティア、それも小学生からおじいちゃんおばあちゃんまで幅広く、きめ細やかに選手が心地よくスムーズにレースを行えるよう細心の注意を払ってのもので、海外のヨットクラブが一丸となったホストぶりを感じられたことも選手にとっては大きな経験ではなかったかと思います。ヨットクラブの主催するヨット教室の数の多さにも驚きでした。海外の海洋文化に触れることができ、レース以外でも感じることの多かった大会でした。最後の閉会式で国別優勝の英国チームを代表して420級女子がスピーチをしましたが、大会関係者への感謝となによりもトローリーを走りながら必死に上げ下ろししてくれたおじさんたちに大きな感謝の意をしっかりと述べていたことが、日本の高校生も驚きだったようで「同じ世代であんなにしっかりとあの舞台で感謝をいえるなんてすごいですね」と話していました。私もこうした“感じる心”を持てた日本の高校生にもうれしく感じましたが、彼ら彼女らがこういうスポーツマンシップを持てる国際感覚あふれたセーラーになれるよう育てたいと思います。
皆様のご支援、ご協力ありがとうございました。非力なチームリーダーで思うような結果を出せず、ご期待に添えることができず申し訳ありませんでした。もっと勉強して、みんなが笑顔で表彰式を迎えることができるよう精進努力してまいります。
〈中村健一コーチ RS:X級 総括〉
男子・倉持大也
順位は14位/30カ国で、昨年のISAF順位24位を大きく上回る成績で大会を終えました。しかしながら、大会前に自身が設定した目標(3位以内)は達成する事が出来ませんでした。
全レースを振り返ると、微風から強風まで吹き、タクティカルなコンディションの中、最高順位は9位と、トップグループの中で戦える力はまだ備わっていませんでした。上マーク回航順位は6位が最高で、スタートが出られないレースでは、大きく順位を落とし挽回できず苦戦を強いられました。
非常にセーリングセンスがありますが、体力が無い事でその良さを発揮できていないのが残念です。これからの課題は筋力トレーニングを中心にハードな練習を取り入れ、しっかり計画を建てて取り組んでいくことです。それが出来なければシングルの壁は乗り越える事は出来ません。これからの彼の活動が楽しみです。
女子・原 百花
順位は22位/23カ国で、非常に苦しいレースとなりました。セーリングそのもののレベルがまだISAF代表レベルに到達していないため、大きく遅れてのレース展開で本人自身も本当に悔しかったことでしょう。
反省点としては大きく遅れた状態の中、マーク回航間違いが2回ありました。非常に疲れた状態でマークの認識ができなくなっていることもありますが、マーク間違えによる失点は避けなければいけません。ここはしっかりと改善しなければいけないことを、本人とじっくり話し合いました。
今回、レースの中で色々と学ぶことがあったと思いますので、日本に帰りどのような取り組みをしていくのかを真剣に考え、計画を立ててこれからの活動に生かしてほしいと思います。
また、今回は次回のリオ五輪でカイトサーフに変わるかもしれないという話でコーチ陣もその話題しきりでしたが、正確には11月のアイルランドの会議で決定します。選手たちは周りの声に影響されることなく、目の前の課題に取り組んでほしいと思います。
〈藤谷コーチ ラジアル級 総括〉
大会最終日も大きく振れる風と強い潮に順位も激しく入れ替わる展開となりました。何度か中止と延期を繰り返して行われたレースで北村はスタート前に右から左に大きくシフトすることを予測し下よりから好位置でスタートしましたが、その後、右に左に大きく振れるシフトを良いポジションで捉えることができずに順位を落としてしまいました。一方の村山はスタートで出遅れるもののシフトをうまく掴み1上を1位で回航しましたが、2上で気温が上がり、シーブリーズが入ってきて右に大きくシフトする風をつかめず10位に後退し、そのままフィニッシュしました。
今回の大会を通じて感じたことは、強風域(10m以上)の風域では帆走の差はあるものの、それ以下の風速であれば世界とも技術の差はほとんどないと感じました。実際に両選手ともシングルを走っていることもあります。しかし今回の結果は選手・コーチの目標を達成することはできませんでした。風の振れが大きく、潮の流れが強いという海面の難しさがありましたが、選手は十分に対応できる力はありました。一番大きな課題としてはメンタル面が大きいと思います。トップ選手を見ているとレースに向かう集中力と自信に差があると感じました。そのため順位の変動が激しく安定したスコアでまとめることができなかった要因であると思います。集中して高いパフォーマンスを出すためにも、今後も日本に帰ってから高い意識を持って練習を続けることが大切です。
今回、選手たちは難しいコンディションの中、最後まであきらめずレースを行いました。まだまだこれからが楽しみな選手たちなのでこれからの飛躍を期待します。
●大会Web:http://www.isafyouthworlds.com/editions/2012/index.php
【日本代表選手最終成績】全12レース(カットレース1)
●420男子〔30カ国30艇〕
5位 岡田 奎樹・飯島 誠組(佐賀県立唐津西高等学校)
5-16-(27)-1-25-7-7-4-8-7-3-12
1位:スペイン、2位:フランス、3位:オランダ
●420女子〔26カ国26艇〕
20位 中山 由佳・眞鍋 智佳組(佐賀県立唐津西高等学校)
23-24-22-21-24-4-(26)-3-22-21-23-3
1位:スペイン、2位:オーストラリア、3位:英国
●レーザーラジアル級男子〔59か国59艇〕
30位 北村 勇一朗(聖隷クリストファー高等学校)
30-34-(46)-20-33-16-37-31-18-46-2-3
1位:オーストラリア、2位:アイルランド、3位:ノルウエー
●レーザーラジアル級女子〔42か国42艇〕
30位 村山 仁美(東海大学付属高輪台高等学校)
27-28-19-25-22-35-14-(43)-35-36-28-10
1位:スエーデン、2位:ノルウエー、3位:イタリア
●RS:X8.5級男子〔33か国33艇〕
14位 倉持 大也(東亜学園高等学校)
10-10-15-10-14-21-(24)-19-17-12-9-10
1位:韓国、2位:イタリア、3位:フランス
●RS:X8.5級女子〔24か国24艇〕
22位 原 百花(武庫川女子大学付属高等学校)
22-21-22-19-20-(24)-24-24-20-22-21-18
1位:英国、2位:イスラエル、3位:イタリア
▲420男子岡田・飯島組▲420女子中山・眞鍋組
▲RS:X男子 倉持▲RS:X女子 原
▲ラジアル男子 北村▲ラジアル女子 村山
▲総合はTEAM GBRが優勝しました。日本も総合争いに食い込めるようにがんばります
6日目
男子3チーム 11レース目 シングル揃い踏み
420級男子・岡田組 総合5位に浮上
女子チーム 苦戦続く
▲4位フィニッシュ直前の岡田・飯島組【7月19日:ダブリン発 大会6日目】
大会も残り2日となりました。日本チームはひとつひとつのレースに集中してレースに臨みました。420級男子が今日もシングルでまとめ総合5位に上がってきました。ウインドとラジアルの男子は順位のバラツキがあるもののそれぞれ1回ずつのシングルを取りました。
〈重コーチ 420級〉
今日は大潮のためさらに潮が強くなり、潮流と290度を軸に左右に20度ほどシフトする風との兼ね合いでどうコースを取るか、戦略的にさらに難しいレースとなりました。風も第10レース目は19ノットまであがり、11レース目は8から11ノットへ徐々に落ちていくという、セッティングを選択するにも難しい局面でした。
第10レースの男子・岡田組は強風の中、若干スピードがなく、1上を22位で回航。その後、潮流とシフトを巧みに読み昨日失敗したフリーのコースも今日は冴えて、最終的に7位まで順位を上げてきました。女子・中山組は潮に押された上に風が左にシフトし、スタートを第3線で出ることとなり、それを挽回しようと焦り、ミスが続き順位を上げることはできませんでした。
第11レースは風が弱まった中、岡田組はスピードを取り戻しいいスタートを切りましたが、有利な側がはっきりしているスタートでスタートのポジションから後れを取り、1上を9位で回航。しかしこの後の2上のコースで潮の弱い、また大きくリフトする岸寄りのコースを巧みに使い、4位でフィニッシユ。上位のスイスが自ら証言艇で出た審問で失格となり3位に繰り上がりました。岡田組は世界選手権での審問も経験しISAFのIJ(国際審判員)の最高峰の方々が並ぶプロテストで、スピーディーで的確な審問の流れにも驚きと勉強になったようでした。
中山組は風が徐々に落ちていったレースの中で、アンダーパワーとなりスピードをつかみきれずレース中変化していく風の中で、自ら判断して船をチューンナップしていくことの難しさを痛感したようでした。
明日はいよいよ最終レースです。思いのたけを走り切ってもらいたいものです。
〈中村健一コーチ RS:X級〉
風向270~305°のシフトで、風速8~15ノットのコンディション。これまでの雲の情報や潮の状況を非常に理解したレースが展開された1日でした。倉持は12-9とRS:Xでのシングルは初めてで非常に良い経験ができた1日でした。しかしまだ上位を狙える位置から後退してのフィニッシュとなっているため最終日の明日は最高順位を取れるよう頑張っていきたいと思います。原については、今持てる力を明日のレースにぶつけてほしいと思います。
〈藤谷コーチ ラジアル級〉
今日は風向280°~310°で8~16knotのコンディションでした。コース展開としては昨日同様に左展開で左から下りてくるブローを使い右に寄せていくパターンでした。潮が風向より右から強く流れており、スタート、クローズ、ダウンウィンド、マークラウンディングで特に注意が必要でした。
北村は1レース目スタートで上の艇にかぶされてしまい、その後の展開で自分の思うようなコースが取ることができず挽回できませんでした。しかし、2レース目は下寄りから良いスタートしてそのまま左に展開し、左のブローをうまく使い右に寄せていき、1マークを1位で回航しました。2上で左サイドの奥まで行ったポルトガルの選手に抜かれたものの2位でフィニッシュしました。スタートを決めてブローと集団の位置をうまく考えたコース取りでした。
村山はスタートこそよく出来ているものの、その後の帆走で遅れてしまい自分のコースを引かしてもらえません。しかし得意のダウンウィンドで順位を上げて10番前半で回航しました。明日は軽風予想ですが、スタートから3分の1の帆走、ポジショニングに重点に意識して、また上位で回航することを信じたいと思います。
明日はラスト1レースです。選手は苦戦を強いられていますが、世界の壁と戦い日々成長し良いところが出てきていますので、明日は全てを出し切りベスト順位を出します。
●大会Web:http://www.isafyouthworlds.com/editions/2012/index.php
【日本代表選手成績】第6日目11レース終了時(カットレース1レース)
●420男子〔30カ国30艇〕
5位 岡田 奎樹・飯島 誠組(佐賀県立唐津西高等学校)
5-16-(27)-1-25-7-7-4-8-8-3
●420女子〔26カ国26艇〕
21位 中山 由佳・眞鍋 智佳組(佐賀県立唐津西高等学校)
23-24-22-21-24-4-(26)-3-22-21-23
●レーザーラジアル級男子〔59か国59艇〕
29位 北村 勇一朗(聖隷クリストファー高等学校)
30-34-(46)-20-33-17-37-31-18-46-2
●レーザーラジアル級女子〔42か国42艇〕
22位 村山 仁美(東海大学付属高輪台高等学校)
27-28-19-25-22-35-24-(43)-35-37-28
●RS:X8.5級男子〔33か国33艇〕
13位 倉持 大也(東亜学園高等学校)
10-10-15-10-14-21-(24)-19-17-12-9
●RS:X8.5級女子〔24か国24艇〕
15位 原 百花(武庫川女子大学付属高等学校)
22-21-22-19-20-(24)-24-24-20-22-21
▲最年少セーラー11才、ただ今3位▲中山・眞鍋下回航直後
▲Radial男子(北村)最終マーク2位回航▲Radial女子(村山)スタート
5日目
420級岡田・飯島組 健闘よく入賞圏内に
他クラスは苦戦
▲SL-16中山・眞鍋チームと【7月18日:ダブリン発 大会5日目】
例年、レイデー(昨日・17日)は大会開催国がツアーを企画していましたが、今年はマッチレースが企画され、「ヨーロッパVSその他」で開催されました。日本チームはレースには参加しませんでしたが、国際大会ならではの国際交流もはかることができ、心身ともにリフレッシュすることができました。後半戦につながるレイデーでした。
明けて本日後半戦が始まり、各クラス予定通り2レースが行われました。420級男子・岡田組が4-8とシングルでまとめ8位に浮上、入賞圏内に入りました。
〈重コーチ 420級〉
本日も260~290°の西風でしたが、今までと違っていたのは気温が上がり、第8レースは8~14ノット、第9レースは5~8ノットまで風が落ちたことです。また、さらに向かい潮が強くなりました。
男女ともスタートをしっかりと決め、8レース目は男子1位、女子5位で上マークを回航、女子は3位まで順位を上げましたが、男子は最後のランニングレグで、潮の有利な側と反対に行き、3艇抜かれて4位でフィニッシュ。最初のレースは今までと違い左右のシフトが少なく晴れていて比較的安定していたのでスピードに勝る日本チームには楽な展開となりました。
第9レース目は風が弱まり左にシフトした上に向かい潮が強くなり、スタートできずにいる艇が半数近くいる中、男女とも上側から悠々とポートスタートでスタートしていき、風の残っている右海面をうまく使いましたが、最初のレースでピンダウンしたままセットを微風用に変更せずに出たため男女とも今一つスピードに乗り切れず、男子は8位でフィニッシュ。女子は大きく順位を落としてしまいました。
多少のミスはあるものの男子は潮が強く、風にむらがあり、シフトも大きい海面の中をよくまとめて落ち着いたレースができるようになってきました。通算順位も4位艇まで7点差に迫り、虎視眈々と上位進出を狙っています。女子は世界の中で極度に緊張した展開を2回続けるという集中力に課題が残りますが、1回は目の覚めるような鮮やかなレースをやってくれるようになりました。
両チームとも引き締まった非常に「いい顔」をしています。明日こそは男女そろって2本とも「よいパフォーマンス」を見せてくれるような予感がします。
〈中村健一コーチ RS:X級〉
風向250~290°、風速10~18ノット。これまでと同じようにシフティーで風の強弱の激しいコンディションでした。コースプランとして、右の風を使い左のブローで右に寄せる展開。倉持は出遅れスタートからの右展開で集団から一手遅れた展開となり、順位を後退してしまいました。次のレースも出遅れ、自分の思うコースに行けず、集団に合わせる形の展開となり中盤でのフィニッシュとなりました。コース取りも大切ですが、スタートはレース展開を大きく左右する大事なところであり、今日の倉持は自分のレースをさせてもらえない1日となりました。
原は世界の走りについていけません。一生懸命走らせることに集中するあまり、マークを間違えるという手痛いミスをして8レース目はDNFとなってしまいました。気持ちをリセットして次のレースに臨み、よいスタートで1マークを10番台後半で回航しましたが、接戦に競り勝つことができず20番フィニッシュでした。残り3レースを頑張るのみです。
〈藤谷コーチ ラジアル級〉
エリアは風向250°~280°。1レース目、風速6~12ノット、2レース目は5~15ノットとムラのある海面でした。戦略的には左の風を使い左のブローで右に寄せる展開でした。
1レース目、男子はスタートでエキサイトしてゼネリコを繰り返し、10艇がBFD(ブラックフラッグ)で失格になりました。北村はアウター寄りからスタートしましたが、左のブローで右に寄せる集団に合わせきれずに順位を後退させてしまいました。女子も1回ゼネリコの後すぐにブラックがあがりスタートしました。村山もアウター寄りからスタートしてそのまま集団をリードし、1マークを3位で回航、その後も得意のダウンウィンドで順位を上げてトップフィニッシュしましたが、残念ながらBFDで失格(43点)となりました。2レース目も1レース目同様にゼネリコとなりブラックフラッグが上がり、BFDを恐れるあまり消極的になってしまい出遅れスタートになってしまいました。村山は良い走りをしていただけに悔いの残る結果になりましたが、上位グループで順位を上げられることができたので今後のレースでも十分に戦える自信がついたのではないかと思います。北村は2レース目にスタートをしくじりましたが、右のブローをうまくつかみ18位でフィニッシュすることができました。
残りはあと3レース。自分たちの持てる力を十分に発揮して、シングルフィニッシュを目指して頑張ります。
●大会Web:http://www.isafyouthworlds.com/editions/2012/index.php
【日本代表選手成績】第5日目9レース終了時(カットレース1レース)
●420男子〔30カ国30艇〕
8位 岡田 奎樹・飯島 誠組(佐賀県立唐津西高等学校)
5-16-(27)-1-25-7-7-4-8
●420女子〔26カ国26艇〕
21位 中山 由佳・眞鍋 智佳組(佐賀県立唐津西高等学校)
23-24-22-21-24-4-(26)-3-22
●レーザーラジアル級男子〔59か国59艇〕
31位 北村 勇一朗(聖隷クリストファー高等学校)
30-34-(46)-20-33-17-37-31-18
●レーザーラジアル級女子〔42か国42艇〕
29位 村山 仁美(東海大学付属高輪台高等学校)
27-28-19-25-22-35-24-(43)-35
●RS:X8.5級男子〔33か国33艇〕
22位 倉持 大也(東亜学園高等学校)
10-10-15-10-14-21-(24)-19-17
●RS:X8.5級女子〔24か国24艇〕
15位 原 百花(武庫川女子大学付属高等学校)
22-21-22-19-20-(24)-24-24-20
▲毎日現れる雲▲ROYAL ST, GEORGE YOCHT CLUB
▲420の会場
▲ロシアチームと交流
3日目
420級男子 岡田・飯島組(唐津西高)
荒天の中 奮起の7-7 総合9位に浮上!
▲岡田・飯島組▲風速30knotのスタート【7月16日:ダブリン発 大会3日目】
今日は雨の朝から始まりました。ストレッチを全員で行い、朝食後はISAFコーチのブリーフィングを聞いてから会場に向かいました。珍しく雨ベタで1時間ほど陸上待機になりましたが、すぐに西から風が入り始めて全クラス予定通り2レースを消化しました。
今日で前半戦が終了しました。皆、当初の目標順位には至っていませんが前半戦の反省をして、明日のレイデーでは休息を取り、後半戦に向けてオンとオフのメリハリを付けて後半戦につなげていきたいと思います。
〈重コーチ 420級〉
240度~280度、8~19ノットと強弱、シフト、雨と最悪のコンディションで今日も始まりました。
課題のスタートが今日の1レース目は男女とも攻める最高のスタートを切ることができ、上マークを男子・岡田組1位、女子中山組も2位でまわることができました。2上では1上で良かった左が伸びず、雲と共にあらわれたブローと右へのシフトで男子は7位まで、女子は4位まで落ちましたが、何とか踏ん張りました。雲の動きを察知したチームが上位を安定して走っています。
2レース目も岡田組は抜群のスタートをはたし2位回航をしましたが、やはり2上のシフトを読み切れず7位まで順位を落としてしまいました。中山組はスタートが最悪で、本人いわく「1レース目で緊張し、2レース目まで続きませんでした」とのことで前を走ったのが初めてで極度に緊張した様子がうかがえましたが、素晴らしい走りでした。これになれればきっと後半戦もこれを再現してくれると思います。今日は男女ともとてもいい緊張した顔をしていて、浮上のきっかけをつかんだ様子でした。レイデーを挟んだ後半戦が楽しみになってきました。
〈中村健一コーチ RS:X級〉
RS:X級のエリアではこれまでと同じようにシフトとガストが激しく、さらに2レース目からは30ノット以上の強風下でのレースとなりました。
男子・倉持はスタートこそ出られるものの、その後のコース取りに迷いがあることと、強風下でのスピード差があるため大きく後退した一日となりました。総合順位は14位でまだなんとか踏ん張っているので、後半戦は自信をもってレースに臨んでほしいと思います。
女子・原は強風の走りができないことと体力が最後まで続かないことによる集中力の低下でコースミスとリタイアで手痛い1日となりました。現状の実力を受け止め、レースの中でより多くを学び、後半戦ではひとつでも順位を上げられる努力を続けてほしいと思います。
〈藤谷コーチ ラジアル級〉
レーザークラスのエリアは、西からの陸風が風速12~20ノット、時折、風速30ノットのガストが入るコンディションでした。
1レース目は昨日の課題であったスタートを北村、村山共に良いスタートをしました。北村はうまくブローとシフトを掴み1マークを9位で回航しました。しかし、2上のレグで大きく左に展開しすぎてしまい、マイナスを長く走りすぎた結果、右に寄せた集団に抜かれてしまい大きく順位を落とすこととなりました。村山はスタート後、左から降りてくるブローをつかみたかったものの競り負けてしまい、思うようなコースが引けませんでした。
2レース目は風が上がりラフコンディションとなりました。村山は下から良いスタートしました。右にシフトする風に苦戦しましたが、1マーク10番後半で回航しダウンウィンドでさらに順位を上げてフィニッシュしました。北村はスタート下3のポジションで果敢に攻めましたが、潮の流れも災いし出遅れてしまいました。その後も強風下でのボートスピードに差があり挽回することはできませんでした。
後半戦では前半戦の良いところを伸ばしつつ、修正できるところ(セールセッティング、走らせ方)をしっかりクリアにして頑張ります。
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【日本代表選手成績】第3日目7レース終了時(カットレース1レース)
●420男子〔30カ国30艇〕
9位 岡田 奎樹・飯島 誠組(佐賀県立唐津西高等学校)
5-16-(27)-1-25-7-7
●420女子〔26カ国26艇〕
22位 中山 由佳・眞鍋 智佳組(佐賀県立唐津西高等学校)
23-24-22-21-24-4-(26)
●レーザーラジアル級男子〔59か国59艇〕
37位 北村 勇一朗(聖隷クリストファー高等学校)
30-34-(46)-20-33-17-37
●レーザーラジアル級女子〔42か国42艇〕
28位 村山 仁美(東海大学付属高輪台高等学校)
27-28-19-25-22-(35)-14
●RS:X8.5級男子〔33か国33艇〕
14位 倉持 大也(東亜学園高等学校)
10-10-15-10-14-21-24
●RS:X8.5級女子〔24か国24艇〕
22位 原 百花(武庫川女子大学付属高等学校)
(22)-21-22-19-20-24-24
▲マリーナの様子▲ホテルではテーブルサッカーや卓球があります
2日目
試練が続くチームJAPAN
▲RSX女子 原百花【7月15日:ダブリン発】
今日も予定通り各クラス3レース行われました。いつものように天候は晴、曇、雨と目まぐるしくしていますが、チームJAPANNは気合十分で一番出艇をしていきました。
2日目を終え全体的に順位を下げる結果となっていますが、選手たちは自分たちの課題に懸命に取り組んでいます。
〈重コーチ 420級〉
本日の3レースも240度から290度までのシフティーなコンディションで、420級の海面は8~20ノットの幅があり向かい潮も分速15mと強く、コースの選択とスピードを保つことが難しく、セットの選択が明暗を分けていました。
何よりも残念なのは、今日も男女とも下有利スタートで向かい潮に押され、全レース2線スタートで大きく遅れ、ブランケットを避けることからレースが始まっていたことです。
女子・中山組は、第4レースは下マーク回航後ポート・スターボーで2回転ペナルティー、第5レースはスタート前のスカーリングで2回転と、初めての海外のレースで大きく動揺している姿が見て取れました。
男子・岡田組は、4レース目はスタートを失敗しましたが前線の雲が過ぎ去ったあと風が止み左に大きくシフトした風をとらえ2位で第一マークを回航。その後フリーでトップに立ち、その後の大きくシフトする海面でも相手を引き離し見事トップフィニッシュを果たしました。特にフリーの走りが際立っていて、夜のISAFコーチのブリーフィングでも世界のユースセーラーの前で褒められていました。
世界のレベルを目の当たりにした女子、一方いいところが出始めた男子。前半戦最後の明日できっと後半戦につながるレースをしてくれるものと思います。
〈中村健一コーチ RS:X級〉
RS:X級のレースエリアは陸に最も近い海面で北西の風でシフティーなうえに地形の影響もあり、レースコースの組み立てが非常に難しい一日でした。男子・倉持についてはスタートも改善され第一線からのスタートが3レース共にできたことで、上マークを安定してシングルで回航することができました。しかし、アウターコースでのレース展開に迷いが多く、毎回順位を落とす結果となっています。総合順位では13位と後退しましたが、今ある課題をクリアすることで大きく順位を上げることも出来ます。明日からのカギは自分のコースを自信をもって引けるかどうかです。
女子・原については今のレベルの中で何をしないといけないかというテーマを自覚して、しっかり頑張っていることが外から見て取れます。明日からも気持ちを切らすことなく頑張って欲しいと思います。進化が楽しみです。
〈藤谷コーチ ラジアル級〉
レースエリアは風速8~16knotと強弱があり、前線通過には22knotまで風が上がりました。また風向230°~290°と大きくシフトして、さらに風向のやや右から速い潮が流れるなど相変わらずの難しいコンディションでした。
北村、村山ともにスタートに課題を残す一日となりました。北村は艇団のラインに対してポジショニングを低く待ちすぎているためラインが正確に読めず出遅れてしまっています。村山はスタート前のポジショニングは良いのですが、最後の飛び出しにあともう少しの積極性が足りず凹んでしまい、スタート後のクローズでポジションをキープ出来ずにいます。世界に臆せず前に出る気持ちが大切です。
明日からはもう一度スタートの流れを確認し、積極的にアプローチしていければパフォーマンスは上がると思います。
●大会Web:http://www.isafyouthworlds.com/editions/2012/index.php
【日本代表選手成績】第2日目5レース終了時(カットレース1レース)
●420男子〔30カ国30艇〕
13位 岡田 奎樹・飯島 誠組(佐賀県立唐津西高等学校)
5-16-(27)-1-25
●420女子〔26カ国26艇〕
25位 中山 由佳・眞鍋 智佳組(佐賀県立唐津西高等学校)
23-(24)-22-21-24
●レーザーラジアル級男子〔59か国59艇〕
38位 北村 勇一朗(聖隷クリストファー高等学校)
30-34-(46)-20-33
●レーザーラジアル級女子〔42か国42艇〕
29位 村山 仁美(東海大学付属高輪台高等学校)
27-(28)-19-25-22
●RS:X8.5級男子〔33か国33艇〕
13位 倉持 大也(東亜学園高等学校)
10-10-(15)-10-14
●RS:X8.5級女子〔24か国24艇〕
21位 原 百花(武庫川女子大学付属高等学校)
(22)-21-22-19-20
▲女子上マークアプローチ ▲アイルランドの方々はとても親切です。ビーチマスターの下、スタッフが出艇を手伝ってくれます。
▲タリーボードです。IDを預けてタリーをもらい出艇します▲ボードにもJPNがはられています
1日目
ユースワールド 開幕
初日 RS:X級・倉持 、420級・岡田組ともに6位の好発進
▲420女子下回航【7月14日:ダブリン発】
いよいよレースが始まりました。今日は予定通り各クラス2レース行われ、RS:X級男子・倉持が6位、420級男子・岡田組6位と好調に発進しました。他の4クラスは出遅れてしまいましたが、明日から巻き返していきたいと思います。
天候は晴れたり曇ったりと変動が激しく、風速6~15knotで陸の影響によってシフティーになる海面に選手たちは苦しみました。
〈重コーチ 420級〉
420級のエリアは潮流も強く、上マーク方向から1分間に25mほどの中、日本チームは、男女とも1・2レースともスタートが2線スタートとなり、左からのブロー、また1レース目はスタート前から20度ほど左にシフトしていたため、右に行かざるを得なかったスタートがネックで、1上を男女とも14、15位で回航、その後男子・岡田組はアウターループの岸よりの風をうまく拾い、2上を6位まで上げてきました。フィニッシュまでにさらに1番あげて5位フィニッシュ。女子・中山組はフリーの途中でスピンポールのパロットが破損し、スピンポールを使えなくなり、26艇中の23位と大きく順位を落としてしまいました。
2レース目は、風の強弱とシフトがさらに大きくなり、8~15ノットの幅と、シフトも285度~330度近くまで振れるときもあり、うまくシフトと強弱についていけず、順位を上げることができませんでした。
男女とも明日は、スタートダッシュさえできれば、集団と戦えるスピードは持っています。明日に期待します。
〈中村健一コーチ(RS:X級)〉
RS:X級のレースエリアは陸に非常に近いため大変シフティーなコンディションになっています。また、ブローの強弱があり、周りをしっかり見渡すことが順位を安定させる要因になっています。男子・倉持については総合6位と良い滑り出しをしていますが、ブラックフラッグで助けられているところがあるので明日はしっかり順位をキープしてもらいたいと思います。女子・原に関してはいかんせん世界との差があり、レースを通じてレベルアップを図っていきたいと思います。
〈藤谷コーチ(ラジアル級)〉
コースエリアは風速6~12knotと強弱があり、風向290~340°の振れ幅でした。また潮が速く1分間に20m以上流れていました。この風速での艇速差はありませんでしたが、シフティーな海面に対して、ブローを優先すべきところを集団優先にコース展開をしてしまい、ロスが多くなってしまいました。明日の風予報は今日とは違う予報ですが、もっと全体を見渡して何を優先に考えるべきかを再確認してレースに臨みます。
●大会Web:http://www.isafyouthworlds.com/editions/2012/index.php
【日本代表選手成績】第1日目2レース終了時
●420男子〔30カ国30艇〕
6位 岡田 奎樹・飯島 誠組(佐賀県立唐津西高等学校)
5-16
●420女子〔26カ国26艇〕
25位 中山 由佳・眞鍋 智佳組(佐賀県立唐津西高等学校)
23-24
●レーザーラジアル級男子〔59か国59艇〕
33位 北村 勇一朗(聖隷クリストファー高等学校)
30-34
●レーザーラジアル級女子〔42か国42艇〕
33位 村山 仁美(東海大学付属高輪台高等学校)
27-28
●RS:X8.5級男子〔33か国33艇〕
6位 倉持 大也(東亜学園高等学校)
10-10
●RS:X8.5級女子〔24か国24艇〕
21位 原 百花(武庫川女子大学付属高等学校)
22-21
▲radial男子スタート▲ROYAL yacht CLUB
2012YSWC
ISAFユースワールド 14日より
アイルランド・ダブリンにて開幕
日本代表選手6種目8名 参戦
▲ダブリンの街をパレードして開会式会場に向かいます▲ISAF会長 Göran Petersson氏が開会を宣言しました【7月13日:ダブリン発】
いよいよJSAFジュニア・ユース育成強化委員会における最大の目標大会である「2012 ISAF Youth Sailing World Championship」がアイルランド・ダブリンで開催されます。ダブリンはアイルランド(英国の西隣)の首都でひとつの湾にヨットクラブが林立する、とてもセーリングが盛んな都市です。(時差:JST-8時間)
今大会には日本から代表選手8名、帯同スタッフ3名の計11名が参加します。チームJAPANは国内強化合宿を経て、大会前に現地入りして万端の準備を整えてきました。
選手・スタッフ一同は、保護者の皆様ならびに日頃選手の育成・強化に携わる方々に感謝し、精一杯のセーリングをしたいと考えています。
大会では全8種目の競技が実施され、63カ国、255名の選手が熱戦を繰り広げます。
チームJAPANは420級男女、レーザーラジアル級男女、RS:X級8.5男女の6種目にエントリーをしています。
明日からいよいよレースです。全選手とも上位を目指して頑張ります。
どうぞご声援のほど、よろしくお願い申し上げます。
【選手コメント】
○岡田・飯島組(420男子)「周りをよく見てレース展開をして5位以内を目指します」
○中山・眞鍋組(420女子)「自分をしっかりコントロールしてレースに集中します」
○北村(ラジアル男子)「ハイクアウトを1分1秒でも長くして10位以内を目指します」
○村山(ラジアル女子)「スタートを決めて、1マークをシングルで回航して得意のダウンウィンドで順位を上げ、8位以内を目指します。」
○倉持(RS:X男子)「良いスタートする。そして、その後のポジショニングに気を付けて3位以内を目指します」
○原(RS:X女子)「スタートを成功させます!」
●日 程
7月12日:大会受付、チャーター艇受渡、海上トレーニング
7月13日:チャーター艇受渡、海上トレーニング、プラクティスレース、開会式
7月14日~16日:レースDAY
7月17日:レース予備日(この日までに5レース行われていない場合は、レース実施)
7月18~19日:レースDAY
7月20日:レースDAY、閉会式
●大会Web:http://www.isafyouthworlds.com/editions/2012/index.php
●日本代表選手
○男子〔30カ国/30艇〕
岡田 奎樹・飯島 誠組(佐賀県立唐津西高等学校)
○女子〔26カ国/26艇〕
中山 由佳・眞鍋 智佳組(佐賀県立唐津西高等学校)
○レーザーラジアル級男子〔59か国/59艇〕
北村 勇一朗(聖隷クリストファー高等学校)
○レーザーラジアル級女子〔42か国/42艇〕
村山 仁美(東海大学付属高輪台高等学校)
○RS:X 8.5級男子〔33か国/33艇〕
倉持 大也(東亜学園高等学校)
○RS:X 女子〔24か国/24艇〕
原 百花(武庫川女子大学付属高等学校)
●帯同コーチ(ジュニア・ユース育成強化委員会)
○監督:重 由美子(JOCジュニアアスリート担当コーチ)
○コーチ:中村 健一(JOCジュニアアスリート担当コーチ)
藤谷 匠(ジュニア・ユース育成強化委員会)
▲大会OPENの合図で大砲がなりました▲毎朝、ヨットクラブまで行き、ウォームアップをします
▲TEAM YOUTH JAPAN