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最終日


Youth World WIndsurfing Championships 2012

2012年RS:Xユース世界選手権大会


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Report & Photo:萩原正大
Edit : オリンピック特別委員会 広報



大会終了
世界との実力差を痛感
個々の課題を今後の練習に活かそう


1210_YWWC2012-35.jpg▲倉持〜レース前コースチェック〜1210_YWWC2012-36.jpg▲原〜レース前真剣な表情〜1210_YWWC2012-37.jpg▲伊東〜フィニッシュ後〜大会最終日。上位10名はメダルレース、それ以外の選手は通常のフリートレースが行われました。海面は、昨日のよく似たコンディション(8~10ノット)となり、日本選手達は昨日の反省を踏まえて最後の1レースに気合を入れて臨みました。
 先にスタートした原は、スタートから終始苦しい展開で13艇中の10位でした。通算総合21位。本人と話している限りでは、スタートは思いのほか悪くないという感覚でしたが、実際のポジショニングやスタートラインまでの距離を見ているとまだまだ課題が多いと思います。今後は、そのギャップを少しずつ埋めていくことが必要だと思います。
後スタートの男子組・倉持はスタートから1上まで自分の思い描いていたコースを引くことができ、1下を3位で回航しました。その後、コースを迷ったことにより1艇に抜かれて最終的には上位10艇を除く32艇グループの4位でフィニッシュしました。通算総合29位。50%に入ることができませんでした。伊東はスタートを思う様に切れませんでしたが、その後落ち着いて展開して同じく10位でフィニッシュしました。通算総合28位でした。
 夜は市街地のホテルで閉会式と表彰式が行われ、日本選手達は参加各国の選手たちと積極的にコミュニケーションを取っていました。
 このレガッタを通して、依然として海外選手とのレベルに差があることを再認識しました。我々指導者も頑張らなくてはなりません。しかし、これまでの遠征よりも、選手達自身から外国選手とコミュニケーションを取ろうとする姿勢が見られたことが私としては非常に嬉しいことでした。このように海外の同年代の選手達と交流が持てる機会はめったにありませんので、選手達にとって非常にいい経験となったと思います。あとは競技力向上です。まさに「世界を知り、世界に学ぶ」です。次世代セーラーのさらなる飛躍に期待する次第です。


【戦いを終えた3選手のコメント】
伊東:海外の選手との差を埋められるように帰国したら練習に励みます

倉持:スタートから1上までは自分の思い通りのコースを展開できました。2上で自分を信じる事が出来ずに後続艇に抜かれてしまった事が悔やまれます。今回の遠征ではいつもより海外選手と話すことが出来て良かったです

原:レースに関しては、クローズのスピードは悪くありませんでしたが、スタートとフリーが良くなかったです。大会を通してまだまだ課題が多いと感じました。今回の遠征の経験を生かして今後の練習にいかしていきたいと思います

大会成績 最終総合順位:
http://youthworldwindsurfingchampionships2012.rsxclass.com/news.jsp?competition_id=YWC2012_001&sub_competition_id=YWC2012_003

○男子(42艇)
26位 伊東大輝(横浜修悠館高)
25-23-(34)-(35)-30-25-31-21-28-29-32-21-12-10(=20)

29位 倉持大也(東亜学園高)
28-(DNF・43)-30-29-34-29-(35)-31-29-30-25-2-19-4(=14)

○女子(23艇)
21位 原 百花(武庫川女子大附属高)
16-(21)-19-19-16-20-16-19-16-18-21-(DNS・24)-20-10(=20)


1210_YWWC2012-38.jpg▲本大会優勝のポーランド選手〜素晴らしいボードスピード〜1210_YWWC2012-39.jpg▲U-17世代の有望なイタリア選手                   
1210_YWWC2012-40.jpg▲フランス選手〜安定感のあるプレーニング〜1210_YWWC2012-41.jpg▲伊東〜レース前コースチェック〜
1210_YWWC2012-42.jpg▲倉持〜4位フィニッシュ〜
1210_YWWC2012-43.jpg▲倉持・伊東〜フィニッシュ後〜
1210_YWWC2012-44.jpg▲集合写真

5日目


軽・中風域の中 男子・倉持2位フィニッシュ
伊東も初の10番台
スタートの質を上げれば前を走れる


1210_YWWC2012-32.jpg▲倉持下マーク回航〜このレース2位フィニッシュ〜大会5日目、MAX10ノットという日本選手達にとって、海外勢に太刀打ちできる風の中2レースが行われました。しかし、相次ぐ道具のトラブルにより、スタート前は非常にバタバタしてしまいました。女子・原はトラブルで1レース目に間に合わず、2レース目からの出場となりました。

風の傾向については、3選手とも共通認識を持っており、レースプランニングがしっかりできていたようですが、そのプラン通りにレースができるほどワールドは甘くありません。とくにスタートについて、海外選手は強風、中風、軽風問わずよいポジションからきっちりと1線で出ていきます。日本男子2名(倉持・伊東)も比較的よいスタートを切ることができました。1レース目は1下で倉持3位、伊東7位と待望の輝きを見せました。さらに倉持は1人抜き2位でフィニッシュしました。やればできます。一方の伊東は頑張っていましたが下マークで他艇にルームを取られてしまい、ブランケットに入り沈をしてしまったため、順位を大きく落としてしまいました。伊東はこの教訓を生かして、2レース目の下マーク回航を丁寧かつ慎重に行い、12位フィニッシュと健闘しました。原の2レース目はスタートラインを見極める事が出来ずに、2線、3線スタートとなってしまいました。総合順位はかんばしくありませんが、ボードスピード自体の手ごたえは感じているようです。
 今日は、軽・中風域のレースとなりましたが、トップ選手達は、風の強さにかかわらずオールラウンドにレースをこなせることが非常に印象的でした。また、体格が大きく体重が重い選手にとってはボードスピードを出しにくいコンディションであっても、スタートのポジション、タイミング、コース選択といった要点をきっちりと抑えてレースをすることで、結局はトップ集団で戦っています。まさに彼らの「総合力」の高さを感じさせられる1日でした。
 計13レースを終え男子は首位ポーランド、2位フランス、3位英国。女子は首位英国、そしてフランス、イスラエルが続いています。

明日は大会最終日です。フリートレースとメダルレースがそれぞれ1レースずつ行われます。最後の踏ん張りを見せて、少しでも前を走る気構えでレースに臨んで欲しいと思います。

伊東:1下までよい順位で回っていた沈をしてしまい、もったいなかったです。明日は最終日なので思い切りのよいスタートを決めて悔いのないレースをしたいです

倉持:今日の1レース目は、自分の思い通りのレースが出来て2位を取ることができました。この風域ではボードスピードも問題なかったです。明日は同じようなコンディションが予想されるので、スタートをしっかり決めて上位を目指して頑張ります

原:スタート前に単純なミスをしてしまいました。あとは、スタート時の待っている位置が、ラインに対して低すぎることが分かったので、修正します

大会成績(暫定) 13レース終了時:
http://youthworldwindsurfingchampionships2012.rsxclass.com/news.jsp?competition_id=YWC2012_001&sub_competition_id=YWC2012_003

○男子(42艇)
29位 伊東大輝(横浜修悠館高) 25-(38)-34-(35)-30-25-31-21-28-29-32-22-12
31位 倉持大也(東亜学園高)28-(DNF・43)-30-29-34-29-(35)-31-29-30-25-2-19

○女子(23艇)
20位 原 百花(武庫川女子大附属高)16-(21)-19-19-16-20-16-19-16-18-21-(DNS・24)-20


1210_YWWC2012-33.jpg▲原レース前のコースチェック1210_YWWC2012-34.jpg▲伊東下マークシングルで回航〜このレース12位フィニッシュ〜

4日目


定位置から抜け出せない日本チーム
スタートと風の見極めが課題


1210_YWWC2012-28.jpg▲倉持〜フィーリングを少し取り戻しました大会も4日目を迎えました。
本日は、昨日、一昨日と比べて風が弱く、8~14ノットのガスティなコンディションの中、3レースが行われました。この風域はウィンドサーフィンでプレーニングするかしないかという判断が非常に難しいレンジです。すなわち風の入っている所を走り続けられるようにコースを見極めることと、ぎりぎりプレーニングする風速でも風上にしっかり上っていける技術が必要となります。海外のトップ選手たちは、これらの両方を兼ね揃えており、スタートからフィニッシュまで終始プレーニングで走っています。
外国選手の体格はというと、男子については倉持・伊東(ともに身長175cm、体重60kg)より大きい印象ですが(身長180cm、体重65~70kg)、女子については、原とほぼ同等なので十分勝負できるように見えます(身長170cm、体重60~65kg)。
日本選手たちは、昨日より風が弱かったのも関係して、全体的にボードスピードについてはいい感触で乗っていました。しかし、スタートとガスティなコンディションの中風の強い所を見極めることに関しては、依然として課題が残ります。これをクリアすることが現在の“定位置”から抜け出るためのポイントです。
明日も今日と似たコンディションが予想されますので、課題をひとつでも克服できるように取り組みます。

伊東:クローズのボードスピードは、悪くはありませんでした。ただフリーのパンピングに適したセッティングを作る事が出来ず、ブローに置いていかれてしまい、プレーニングが止まってしまいました。明日こそ今日の課題を克服するように意識して走ります

倉持:昨日までの強風と比べて、フィーリングは少し良かったです。しかし、もっと走れるはずです。明日も気持ちを切らさずに最後まで戦います

原:プレーニングのクローズの感覚はとても良く、外国選手にしっかりとついていけます。コースも思い通りに引けているのですが、クローズの時のダガーかプレーニングかの判断に迷うことが課題です。あとは、スタートがなかなかいい場所から出させてもらえないので、攻めの姿勢を持って臨んでいきます

大会成績(暫定) 11レース終了時:
http://youthworldwindsurfingchampionships2012.rsxclass.com/news.jsp?competition_id=YWC2012_001&sub_competition_id=YWC2012_003

○男子(42艇)
32位 伊東大輝(横浜修悠館高) 25-23-34-(35)-30-25-31-21-28-29-32
34位 倉持大也(東亜学園高)28-(DNF・43)-30-29-34-29-35-31-29-30-25

○女子(23艇)
20位 原 百花(武庫川女子大附属高)16-(21)-19-19-16-20-16-19-16-18-21


1210_YWWC2012-29.jpg▲伊東のクローズ1210_YWWC2012-30.jpg▲原〜いきいきとレースをしています
1210_YWWC2012-31.jpg▲原のフィニッシュ前

3日目



強風域のレース
目を見張る外国勢のボードスピード


1210_YWWC2012-24.jpg▲伊東の上マーク回航大会3日目。朝から昨日と同様の風向から15-20ノットの風が安定して吹き、予定通り3レースが行われました。
日本選手達はこのプレーニングコンディションの中、外国選手とのボードスピードの違いに、毎日驚かされています。本日のコースについては、昨日の海面とほぼ同様の条件であったため、比較的考えやすいものでした。しかし、このコースプランを実行するためには、スタートとその後の帆走でいいポジションにいることが絶対必要です。日本選手は3名ともに、スタートを切るまでは、いいポジションにいることができますが、スタートの30~60秒後には、上艇のブランケットや、下艇に上り切られてしまい、クリアな部分を走る事ができなくなります。これは、昨日の課題にもあったトップスピードになるまでに時間がかかってしまうことに加えて、トップスピード自体が依然として不足していることが関係しています。
日本選手達はこのような厳しい状況の中レースを戦っていますが、それなりに手応えを感じる場面もあるようです。
原はクローズの時のセールの位置(引き込みの度合)とフォームが良くなり、昨日よりボードスピードが良くなり安定しているように見えました。本人の感覚としても良いもので、昨日よりも楽に乗れることを実感していました。倉持は、スタートのポジションニングと、スタートを切るタイミングが良かったです。ただし、今日はボードスピードをいまひとつ上がらずに終始苦戦していました。台湾に来てからチャーター艇に対応するセッティングを探していますが、なかなか自分のセーリングの感覚に合ったセッティングが作れずにいます。伊東は、今日の3レース目のスタートからファーストタックまで、非常にいいポジションで走れました。あとは、ボードスピードがあれば・・・といった感じでしたが、これまでのレースの中で最も手応えのあるレース展開でした。

 選手それぞれ良かった所や悪かった所(反省点や課題)などが異なりますが、このワールドに参加することによって、日本では経験できないことをたくさん経験できており、選手たちにとって大きな財産になることには間違いありません。

伊東:スタートからファーストタックまでの局面を、自分の考えた通りに出来るように頑張ります

倉持:自分のセッティングを作ることが出来ません。フィーリングが良くないのでボードスピードも良くないです。明日も色々とトライして、少しでも良い順位を取れるようにしたいです

原:明日はとにかくスタートを頑張りたいです。スタート時の走り出しが他の選手に比べて遅いので、もう少し攻めたスタートを心がけていきます

大会成績(暫定) 8レース終了時:
http://youthworldwindsurfingchampionships2012.rsxclass.com/news.jsp?competition_id=YWC2012_001&sub_competition_id=YWC2012_003

○男子(42艇)
31位 伊東大輝(横浜修悠館高) 25-23-34-(36)-30-25-31-21
36位 倉持大也(東亜学園高)28-(DNF・43)-30-30-34-29-35-31

○女子(23艇)
19位 原 百花(武庫川女子大附属高)15-(21)-19-19-16-20-16-19


1210_YWWC2012-25.jpg▲台湾のPenghuは風に恵まれる日が多いです1210_YWWC2012-26.jpg▲チャーター艇のセッティングに苦戦する倉持
1210_YWWC2012-27.jpg▲原のクローズ〜昨日よりセールと体の位置が良くなりました

2日目



強風下の3レース 日本チーム苦戦


1210_YWWC2012-19.jpg▲女子スタート1210_YWWC2012-20.jpg▲倉持上マーク回航レース2日目。今日は朝から滞在中で最も強い風が吹きました。1レース目から14ノット前後の風が入るプレーニングレースとなり、昼頃には風速が上がり最終的にはMXA26ノットのガストが入る海面となりました。
こうなると、昨日の軽風とは打って変わってプレーニング風域を得意とする海外セーラー達が本領を発揮、一方、日本チームにとっては決して得意とはいえない風域でのレース展開となりました。
 オフショアの中、上マークが陸に近い所に設置されたため、このマーク付近の風は特にガスティでシフティな状況となり、日本選手達は上マークへのアプローチで非常に苦戦しました。

海外選手のプレーニング風域のボードスピードは日本選手に比べて格段に速く、たとえスタートでミスをしたとしてもすぐにクリアなエリアを選択して走ることにより上マークではトップ集団に戻ってきています。彼らの特徴として、日本選手に比べてパワフルなセールで乗っています。これは、体格的なアドバンテージもありますが、パワフルなセッティングで乗りこなすテクニックの差も大きく影響しています。日本選手は、セールパワーをディパワーするセッティングにすることで、強風の中での沈のリスクを減らしてレースをしています。強風域での日本人選手の課題としては強風の中、ボードスピードの出せるセッティングで乗りこなせるための身体作り(筋力や体重を上げること)が挙げられます。
 倉持と原はスタートでは1線で切れているものの、スタート後にいいポジションを維持できませんでした。これはスタート後のトップスピードになるまでの時間が長いことが原因です。伊東はガスティなコンディションの中、セッティングに苦戦していました。セールパワーがアンダーの状態で走ることはマイナスになるので、一般的にはMINIMUMの風に合わせたセッティングが多いように思えますが、ウィンドサーフィン競技ではMAXの風が入った瞬間に対応できず沈してしまう可能性があり、レース成績を大きく落とすことがあるので、ある程度MAXの風を耐えられるようなセッティングを取ることもあります。とくに、発展途上の日本選手たちにとって、このようなセッティングを選択しなければならないということも事実です。この点に関しては、前述のとおり選手の身体作りと強風域での海上トレーニングの積み重ねにより、出来るだけパワフルかつボードスピードの出せるセッティングで走れるような練習が必要です。

5レースを終え日本男子は伊東32位、倉持36位。女子・原は19位です。苦戦は続いていますが、選手達はめげずに元気でレースに臨んでいます。


本日の選手の反省と、明日への意気込みをご覧ください。

伊東:ガスティな風の中で、どこの風域にセッティングを合わせれば良いか迷ってしまいました。明日はMAXの風を意識しながら、アンダーにならないようなセッティングを心がけたいです

倉持:スタートを切るタイミングは良かったのですが、トップスピードになるまでの時間が海外の選手より遅れていてスタート後のポジションをキープすることが難しかったです。明日はトップスピードに持っていくまでの時間を出来るだけ短くするように意識して走ります

原:トップスピードでスタートを切ることが出来ず、さらにスタート後のスピードが出ていない状況の中で、角度を重視して走ってしまいました。また、セールの引き込みが甘く、フルパワーの状態で走れていないので、明日はこれらの事を改善できるようしたいと思っています

大会成績(暫定) 5レース終了時:
http://youthworldwindsurfingchampionships2012.rsxclass.com/news.jsp?competition_id=YWC2012_001&sub_competition_id=YWC2012_003

○男子(42艇)
32位 伊東大輝(横浜修悠館高) 25-23-34-(36)-30
36位 倉持大也(東亜学園高)28-(DNF・43)-30-30-34

○女子(23艇)
19位 原 百花(武庫川女子大附属高)15-(21)-19-19-16


1210_YWWC2012-21.jpg▲伊東フィニッシュ〜後ろから倉持〜1210_YWWC2012-22.jpg▲原フィニッシュ
1210_YWWC2012-23.jpg▲原のスタート直後

1日目



レース始まる
日本3選手 初日出遅れ 「世界を知り、世界に学ぶ」



1210_YWWC2012-15.jpg▲男子スタート〜有利エンドが混雑している様子〜大会レース初日、朝から雲一つない快晴となりました。当地はこの時期晴れの日が多く、風にも恵まれるため、セーリングには絶好のコンディションとなります。

本日はオフショアで10ノット程度の風の中、2レースが行われました。日本選手たちは、課題として掲げていた「スタート」に注力して、レースに臨みました。レースが始まる前には、選手がセーリングした感覚と、コーチが客観的に見た風の状況をすり合わせて、コースプランニングを行いました。
レースは女子が先にスタート、その10分後に男子がスタートで行われました。先スタートの女子・原はスタートでやや出遅れたものの、パンピングとコース選択を頑張り、1上はシングルで回航しました。しかし、もともと課題であったフリーで海外選手に抜かれてしまい15位でフィニッシュ。続く2レース目もフリーで苦戦し21位。トータル19位で初日を終えました。首位は英国、2位フランス、3位にイスラエルがつけています。
男子・倉持と伊東は1レース目のスタートでは、有利エンドの非常に混雑した場所を選び勝負を挑みますが、海外選手たちに弾かれ出されてしまい、2線スタートとなってしまいました。そして、そのまま挽回する局面を作ることが出来ずにそれぞれ27位、30位でフィニッシュしました。2レース目も、伊東はスタートを1線で切る事ができず即タック、思い通りの展開が出来ずに23位。一方の倉持はスタート後のパンピングで痛恨のディスマストとなり、このレースDNF(43位)となりました。チャーター艇を借りる時に入念にチェックをして、程度の良いマストを選んでいるのですが・・・。折れてしまったものは仕方ありません。上位3艇は女子と同じで英国、フランス、イスラエルです。

初日、日本勢は早くも世界の洗礼を受ける結果になりました。やはりワールドでは自分たちが思うようにはいかない事が多いようです。しかし、こういった積み重ねが選手達を1回りも2回りも大きく成長させてくれます。若い世代の選手にとっては「世界を知り、世界に学ぶ」ことが大事です。

伊東:ストラップパンピングでのスタートがうまく決められませんでした。海外の選手はストラップパンピングができるギリギリの風域でボードを走らせる技術が高いことを痛感させられました。明日からはプレーニングでのスタートになると思うので、いいスタートが決められるように意識していきたいです

倉持:1レースの反省を2レース目に活かそうと、スタートに気合を入れていたのですが、スタート直後にディスマストしてしまいました。明日から気持ちを切り替えて、いいレースをしたいです

原:スタートは結構出られたが、ダウンウィンドで多くの選手に抜かれて順位を落としてしまいました。明日から強風が予想されるので、セッティングやコースをしっかりと考えて戦っていきます

大会成績(暫定) 初日2レース終了時:
http://youthworldwindsurfingchampionships2012.rsxclass.com/news.jsp?competition_id=YWC2012_001&sub_competition_id=YWC2012_003

○男子(42艇)
26位 伊東大輝(横浜修悠館高) 27-23
39位 倉持大也(東亜学園高)30-DNF(43)

○女子(23艇)
19位 原 百花(武庫川女子大附属高)15-21


1210_YWWC2012-16.jpg▲倉持の1レース目終了後ボート上〜この後の2レース目悲劇に見舞われました〜1210_YWWC2012-17.jpg▲伊東のフィニッシュ
1210_YWWC2012-18.jpg▲原のダウンウィンド

YWWC2012-2



1210_YWWC2012-05.jpg▲オープニングセレモニーレース開幕を翌日に控えた本日21日は、オープニングセレモニーが開催されました。
地元の方々による台湾の伝統的な民族舞踊、獅子舞、太鼓などが披露され、アジア諸国以外の選手たちにとっては非常に珍しい催しもの内容で、大きな歓声が上がっていました。また、最後は全参加選手がステージに上がり記念写真の撮影などもおこなわれました。ワールドの雰囲気も盛り上がってきました。

 当地は強風が吹くことで有名なビーチですが、今日は5~7ノット程度の穏やかなコンディションとなりました。そのようなコンディションの中、午後からプラクティスレースが行われ、選手達は最後の調整を行いました。
プラクティスレースは軽風の中パンピングコンディションであったこと、炎天下の中行われたこと、レースコースの設定が偏っていたことなどから、ほとんどの選手達がスタート後そのまま帰着してしまいました。このような短いプラクティスレースの中でも、我々日本チームの選手達は明日からのレースに繋がる課題を見つける事ができました。それは、とにかく「スタートを大事にすること」につきます。
 大会期間中の風は今日のコンディションとは異なり、中風域以上の風が予測されています。気持ちを切り替えて、選手全員本番レースに臨んでいきたいと思います。

【3選手の抱負】
倉持:「スタート直後のポジション取りを意識して、その後のレースを組み立てていきたいです」
原:「スタートをしっかり出て、最後まであきらめないレースをしたいです」
伊東:「明日の風予報は中風なので、スタートを第1線で出られるようにして、前入り2日間の練習成果をもとに、良いコースを展開したいです」

1210_YWWC2012-06.jpg▲プラクティスレーススタート1210_YWWC2012-07.jpg▲プラクティスレース
1210_YWWC2012-08.jpg▲台湾伝統1210_YWWC2012-09.jpg▲台湾伝統
1210_YWWC2012-10.jpg▲台湾伝統1210_YWWC2012-11.jpg▲台湾伝統
1210_YWWC2012-12.jpg▲オープニングセレモニー
1210_YWWC2012-13.jpg▲TEAM JAPAN
1210_YWWC2012-14.jpg▲TEAM JAPAN

YWWC2012-1



2012ウインドサーフィンRS:X級ユースワールド
22日から台湾にて開催
日本高校生3選手出場


大会スケジュール
10月19日~20日 受付、チャーター艇受取、海上トレーニング
10月21日 プラクティスレース 
10月22日~27日 レース

参加艇
男子40艇
女子27艇

日本代表選手
倉持 大也(東亜学園高等学校)
原 百花(武庫川女子大学附属高等学校)
伊東 大輝(神奈川県立横浜修悠館高等学校) 自費参加選手

帯同コーチ
萩原正大(ジュニア・ユース育成強化委員会)

会Webhttp://www.isafyouthworlds.com/editions/2012/index.php


1210_YWWC2012-01.jpg▲チャーター艇を受け取り各々準備する選手達大会は、台湾の離島Penghu島のShiliビーチで開催されます。
当地は、首都・台北からマーコン空港まで飛行機で1時間、そして空港から宿泊地まで30~40分、さらに宿泊地から大会会場まで専用のシャトルバスで20分といった「陸の孤島」ならぬ「島の孤島」です。
しかし、この地は風に恵まれることが多い場所であることから、過去にRS:X級のアジア選手権大会や合同合宿などの開催地として選ばれている実績があり、今回も良い風のコンディションが期待されます。

日本チームは、3名の高校生選手が出場、上位獲得を目指しています。
現地に入ってからは、チャーター艇への順応やレース海面の風の特徴などを捉えられるようにトレーニングに励んできました。海面は、オフショアコンディションが予測され、シフティかつガスティ―な条件になりそうです。沖の方に出ていくと、外洋特有の大きなうねりが入ることがあり、潮の流れも強いため、ポイントによっては渦を巻いている場所も見られます。このようなコンディションの中で、選手達は海面の特徴を捉えるように必死に取り組んでいます。

明日からプラクティスレースが始まります。いいフィーリングで本番に臨めるように、冷静かつ思い切ったレースを展開することを期待しています。 
また明日はオープニングセレモニーも開催されます。こちらの情報と選手のコメントについても紹介出来ればと考えています。
皆様からのあたたかいご声援をよろしくお願い致します。


1210_YWWC2012-02.JPG▲台湾に多く見られる寺院〜海上より撮影〜1210_YWWC2012-03.jpg▲潮の流れが強く荒れる海面〜渦を巻いている場所もあります〜
1210_YWWC2012-04.JPG▲レース時間に合わせたルーティング〜朝のストレッチ〜

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●2011.8.62011年 レーザー4.7級世界選手権 レポート
●2011.8.32011年 レーザーラジアル級ユース世界選手権 レポート
●2011.8.22011年 470級ジュニア世界選手権 レポート
●2011.7.252011テクノ293級 ウインドサーフィン U-17クラス世界選手権 レポート
●2011.7.25レーザースタンダード・ジュニア世界選手権 レポート
●2011.7.18ISAF ユースワールド2011 レポート
●2011.7.10東日本大震災 JSAFチャリティーフラッグ&ステッカーキャンペーン レポート
●2011.7.4ボードクラス 関西水域・ユニバーシアード派遣前 強化合宿 レポート
●2011.7.4ボードクラス 関東水域 強化合宿 レポート
●2011.6.23レーザーラジアルユース・4.7世界選手権代表選手強化合宿 レポート
●2011.6.10ダッチユースレガッタ2011 レポート
●2011.5.172011 ISAFジュニアユースワールド日本代表選考会 レポート
●2011.1.292010年 九州水域ジュニア・ユース強化合宿 レポート
●2011.1.142010年 ユースナショナルチーム候補合宿 レポート
●2011.1.11オーストラリアユースチャンピオンシップ レポート
●2011.1.72011年 420級世界選手権大会 レポート
●2010.12.242010年 470級ジュニア世界選手権 レポート
●2010.9.162010年 スナイプ級西半球および東洋選手権大会 レポート
●2010.9.162010年 第23回全日本420級選手権大会 レポート
●2010.9.8関西・四国・中国水域強化合宿 レポート
●2010.8.28関東水域強化合宿 レポート
●2010.8.28第1回 ユースオリンピック大会 レポート
●2010.8.2420級世界選手権大会 レポート
●2010.7.27レーザーラジアル ユースワールドチャンピオンシップ レポート